転移迷宮編を経て、パウロが死に、心神喪失?のゼニスを救出し、二人目の妻としてロキシーと結婚したところで終わったアニメ第2期。
終了後の、ここから面白くなる、という評判と、でも3期はまだまだ先だよね、さらに全編やるなら5期くらい必要になる、というのも聞いて、だったら2期の記憶が鮮明なうちに原作に手を出してみようかな、と思い、読んでみた。
なので「全26巻」というけど、正確には、13巻から26巻までの感想となる。
でも、確かに2期以後の展開は、成人し夫になり父になり家長になったルーデウスが、依然としてエロへの終着は強いものの、しかし変態性はだいぶ自重されて収まった人物として活動していくことになるので、なんていうか、普通の冒険ファンタジーになっていく。
ルーデウスが、ちょっと弱気で、魔法力は凄いけど腕っぷしは弱い、なっちゃって勇者、という感じの位置付けになっていく。
そういう意味では、物語の一番大きな転機は、14巻の最後の「ターニングポイント4」で、未来からやってきた老いたルーデウス(=老デウス)が、ヒトガミに謀られてきた人生の無念さを、今の時代のルーデウスに伝えたこと。
また、いかにヒトガミに操られた人生であったかを綴った老デウスの日記を読んで、ルーデウスが今後の人生について真剣に考えるようになったこと。
未来の自分がやってきて、すでに転生によって「やり直しの人生」をしていたはずのルーデウスに、さらにこの世界での「やり直し」を求めるのだから、それだけでもう十分に「メタ」なメッセージなわけで。
だからこの「ターニングポイント4」が、物語の流れを抜本的に変えるのも当たり前。
実際、このあと、ルーデウスは、ヒトガミの脅しに従い龍神オルステッドに決戦を挑み、善戦虚しく敗れてしまうのだけど、それをきっかけに、ヒトガミからオルステッドに「上司」を乗り換えて、以後は、オルステッドとともにヒトガミ打倒の活動に邁進していく。
その流れは物語の最後まで変わらないから、その意味でも「ターニングポイント4」が、この物語にとっての本当の「ターニングポイント」だった。
さらには、老デウスの助言に従い、エリスとの再会から結婚に至り、これをもってルーデウスの家族構成も確定する。
ただ、エリスとの再会も、ルーデウスがオルステッドに敗れて命を奪われるまさにその場面にエリスが駆けつける、という超ヒーロー演出wでも再会だったので、それで盛り上がることも含めて、VSオルステッド戦は必須イベントだったんだな、と思った。
そもそもエリスが、ルーデウスに処女を捧げた直後に彼の下を去ったのも、剣士としての腕を磨き、やがて来るであろうオルステッドとの再戦に備えて鍛錬し、そのときには、ルーデウスと肩を並べてオルステッドと戦うことを目指したためだったのだから。
そう思うと、なんだかんだいって、この物語の鍵を握っていたのは、シルフィでもロキシーでもなくエリスだったんだよね。
エリスこそが、ルーデウスを今のルーデウスにするための試練を与えた。
それにその後の展開を見ると、ルイジェルドの存在も極めて重要になるので、そうなると、結局、魔大陸を旅した時の「デッドエンド」での経験がルーデウスの基礎を築いたことになる。
その意味でも、エリスとの出会いが決定的だった。
実際、エリスとの再会で、ルーデウスがそれ以上、妻を増やすこともなくなったし。
裏返すと、エリスと結婚したあとは、完全にVSヒトガミ戦への備えの物語になって、物語構造が大きく変わることはなかった。
むしろオルステッドの配下として、ルーデウスの名声を高めていく話になって、それも、アリエルやザノバ、クリフの母国におけるそれぞれの政乱を通じて、というパタンが繰り返さる。
なので、基本的に、オルステッド配下になって以後の16巻以降の物語は、それまでにすでに登場していた人物との関係が、イベントのあり方は違えど、それぞれ掘り下げられていく感じで進むので、圧倒的に物語が「畳まれていっている」感じが強かった。
極めつけは、最終決戦?の相手がギースやバーディ閣下になったことでw
正直、えー、それはちょっと安易じゃない?と思うところもあったけど、すでに一度は知己となった人たちと剣を交える構図になったので、その分、戦闘の場面や策略の場面で、キャラの詳細を書き加える必要がなく、スピーディな展開になっていたのも確か。
だから、最後は、普通の魔法ファンタジーみたいだった、って感想になるのだけどね。
あと、作者は潔いことをしたな、と思ったのは、物語の終幕自体は、ルーデウスの人生の終わり、すなわちルーデウスの死をもって終わりにしたこと。
オルステッドの配下として、ヒトガミとの対決に至るための前提条件として必要になる、80年後のVSラプラス戦については全く触れずに物語自体は終わった。
もちろん、作者にその気があれば、続編として、ラプラス戦を描く、ということもありだとは思うけどね。
その場合、オルステッドが、ルーデウスの子孫たちと協力して戦うことになるわけだから、一種の「サーガ」になるし。
もちろん、ラプラス戦に備えたパーティを組む際には、それこそルーデウスの子孫どうしの間でも確執が生じそうな気がするし。
それはそれで読んでみたいとは思ったけどねw
つまり、未来に確実に起こるVSラプラス戦の物語を『ロード・オブ・ザ・リング』だとすれば、ルーデウスの人生を描いた『無職転生』は『ホビット』のような位置付け、ということ。
そういう意味で、続編は十分可能だと思うのだけどねw
ルーデウスのことを完全に知っている、という意味で、ルーデウスとロキシーの娘であるララとその相棒レオを語り部にしながら、新規にオルステッド・パーティに加わるであろう「英雄候補」を主人公にした物語でいいんじゃないかな、と。
まぁ、その主人公となる英雄候補が、ナナホシとともに召喚されたけれども、ナナホシよりも未来に飛ばされた「篠原秋人」になるのだろうけどねw
ペルギウスのところで時間停止を繰り返しながら、80年後の世界まで生き延びようとしたナナホシも関わるであろうから、それはそれで面白くなるような気もするしw
うーん、真面目な話、続編、でないかなぁ?
それに、確かにルーデウスは死んでしまったけど、ヒトガミによれば、この世界では、死んだ魂は魔力に還元されて、他の魔力と混ざって新たなものに再構成されるらししけど、そもそもルーデウスの魂は異世界のものだから、果たしてそのような普通のルートに乗るかどうかも不明だという。
だとすれば、ルーデウスの魂はそのままに、改めてこの世界で転生、というか、輪廻を繰り返すこともありそうだしw
逆に言うと、輪廻転生を繰り返す存在という点では、こんどはルーデウスが、人の枠から外れた神のような存在になることも示唆しているから、続編があるとすれば、ナナホシのような、よりメタ語りをする人物になるのかもしれない。
それこそ老デウスのように、あるいは神デウスのように。
うん、やっぱり、続編、できないかな?
26巻の最後で、エピローグとして「プロローグ・ゼロ」を置いたのは、そうしたフェーズの異なるリブートを見据えたうえでのものだったと信じたいw
無論、そのエピローグは、結局、本編の最後まで不明だった「転移事件」の真相を描くものだったわけだけど。
ナナホシ、いい線、行ってたなw
終了後の、ここから面白くなる、という評判と、でも3期はまだまだ先だよね、さらに全編やるなら5期くらい必要になる、というのも聞いて、だったら2期の記憶が鮮明なうちに原作に手を出してみようかな、と思い、読んでみた。
なので「全26巻」というけど、正確には、13巻から26巻までの感想となる。
でも、確かに2期以後の展開は、成人し夫になり父になり家長になったルーデウスが、依然としてエロへの終着は強いものの、しかし変態性はだいぶ自重されて収まった人物として活動していくことになるので、なんていうか、普通の冒険ファンタジーになっていく。
ルーデウスが、ちょっと弱気で、魔法力は凄いけど腕っぷしは弱い、なっちゃって勇者、という感じの位置付けになっていく。
そういう意味では、物語の一番大きな転機は、14巻の最後の「ターニングポイント4」で、未来からやってきた老いたルーデウス(=老デウス)が、ヒトガミに謀られてきた人生の無念さを、今の時代のルーデウスに伝えたこと。
また、いかにヒトガミに操られた人生であったかを綴った老デウスの日記を読んで、ルーデウスが今後の人生について真剣に考えるようになったこと。
未来の自分がやってきて、すでに転生によって「やり直しの人生」をしていたはずのルーデウスに、さらにこの世界での「やり直し」を求めるのだから、それだけでもう十分に「メタ」なメッセージなわけで。
だからこの「ターニングポイント4」が、物語の流れを抜本的に変えるのも当たり前。
実際、このあと、ルーデウスは、ヒトガミの脅しに従い龍神オルステッドに決戦を挑み、善戦虚しく敗れてしまうのだけど、それをきっかけに、ヒトガミからオルステッドに「上司」を乗り換えて、以後は、オルステッドとともにヒトガミ打倒の活動に邁進していく。
その流れは物語の最後まで変わらないから、その意味でも「ターニングポイント4」が、この物語にとっての本当の「ターニングポイント」だった。
さらには、老デウスの助言に従い、エリスとの再会から結婚に至り、これをもってルーデウスの家族構成も確定する。
ただ、エリスとの再会も、ルーデウスがオルステッドに敗れて命を奪われるまさにその場面にエリスが駆けつける、という超ヒーロー演出wでも再会だったので、それで盛り上がることも含めて、VSオルステッド戦は必須イベントだったんだな、と思った。
そもそもエリスが、ルーデウスに処女を捧げた直後に彼の下を去ったのも、剣士としての腕を磨き、やがて来るであろうオルステッドとの再戦に備えて鍛錬し、そのときには、ルーデウスと肩を並べてオルステッドと戦うことを目指したためだったのだから。
そう思うと、なんだかんだいって、この物語の鍵を握っていたのは、シルフィでもロキシーでもなくエリスだったんだよね。
エリスこそが、ルーデウスを今のルーデウスにするための試練を与えた。
それにその後の展開を見ると、ルイジェルドの存在も極めて重要になるので、そうなると、結局、魔大陸を旅した時の「デッドエンド」での経験がルーデウスの基礎を築いたことになる。
その意味でも、エリスとの出会いが決定的だった。
実際、エリスとの再会で、ルーデウスがそれ以上、妻を増やすこともなくなったし。
裏返すと、エリスと結婚したあとは、完全にVSヒトガミ戦への備えの物語になって、物語構造が大きく変わることはなかった。
むしろオルステッドの配下として、ルーデウスの名声を高めていく話になって、それも、アリエルやザノバ、クリフの母国におけるそれぞれの政乱を通じて、というパタンが繰り返さる。
なので、基本的に、オルステッド配下になって以後の16巻以降の物語は、それまでにすでに登場していた人物との関係が、イベントのあり方は違えど、それぞれ掘り下げられていく感じで進むので、圧倒的に物語が「畳まれていっている」感じが強かった。
極めつけは、最終決戦?の相手がギースやバーディ閣下になったことでw
正直、えー、それはちょっと安易じゃない?と思うところもあったけど、すでに一度は知己となった人たちと剣を交える構図になったので、その分、戦闘の場面や策略の場面で、キャラの詳細を書き加える必要がなく、スピーディな展開になっていたのも確か。
だから、最後は、普通の魔法ファンタジーみたいだった、って感想になるのだけどね。
あと、作者は潔いことをしたな、と思ったのは、物語の終幕自体は、ルーデウスの人生の終わり、すなわちルーデウスの死をもって終わりにしたこと。
オルステッドの配下として、ヒトガミとの対決に至るための前提条件として必要になる、80年後のVSラプラス戦については全く触れずに物語自体は終わった。
もちろん、作者にその気があれば、続編として、ラプラス戦を描く、ということもありだとは思うけどね。
その場合、オルステッドが、ルーデウスの子孫たちと協力して戦うことになるわけだから、一種の「サーガ」になるし。
もちろん、ラプラス戦に備えたパーティを組む際には、それこそルーデウスの子孫どうしの間でも確執が生じそうな気がするし。
それはそれで読んでみたいとは思ったけどねw
つまり、未来に確実に起こるVSラプラス戦の物語を『ロード・オブ・ザ・リング』だとすれば、ルーデウスの人生を描いた『無職転生』は『ホビット』のような位置付け、ということ。
そういう意味で、続編は十分可能だと思うのだけどねw
ルーデウスのことを完全に知っている、という意味で、ルーデウスとロキシーの娘であるララとその相棒レオを語り部にしながら、新規にオルステッド・パーティに加わるであろう「英雄候補」を主人公にした物語でいいんじゃないかな、と。
まぁ、その主人公となる英雄候補が、ナナホシとともに召喚されたけれども、ナナホシよりも未来に飛ばされた「篠原秋人」になるのだろうけどねw
ペルギウスのところで時間停止を繰り返しながら、80年後の世界まで生き延びようとしたナナホシも関わるであろうから、それはそれで面白くなるような気もするしw
うーん、真面目な話、続編、でないかなぁ?
それに、確かにルーデウスは死んでしまったけど、ヒトガミによれば、この世界では、死んだ魂は魔力に還元されて、他の魔力と混ざって新たなものに再構成されるらししけど、そもそもルーデウスの魂は異世界のものだから、果たしてそのような普通のルートに乗るかどうかも不明だという。
だとすれば、ルーデウスの魂はそのままに、改めてこの世界で転生、というか、輪廻を繰り返すこともありそうだしw
逆に言うと、輪廻転生を繰り返す存在という点では、こんどはルーデウスが、人の枠から外れた神のような存在になることも示唆しているから、続編があるとすれば、ナナホシのような、よりメタ語りをする人物になるのかもしれない。
それこそ老デウスのように、あるいは神デウスのように。
うん、やっぱり、続編、できないかな?
26巻の最後で、エピローグとして「プロローグ・ゼロ」を置いたのは、そうしたフェーズの異なるリブートを見据えたうえでのものだったと信じたいw
無論、そのエピローグは、結局、本編の最後まで不明だった「転移事件」の真相を描くものだったわけだけど。
ナナホシ、いい線、行ってたなw