不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

100万PV突破!

2015-12-31 13:33:04 | Weblog
気がついたら昨日で、このブログも100万PVを突破していた。

こんな備忘録みたいな感想を読む人がそれほどいることにも軽く驚くのだけど、まずは節目。めでたい。

明日の元旦で100万PV突破だったら、2015年の締めとしてカッコよかったようにも思うけど、それはそれとして(苦笑

アクセスして読んでくれてありがとう!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒼穹のファフナー EXODUS 第26話 『竜宮島』 感想2 一騎・総士・真矢の運命について

2015-12-30 13:27:58 | ファフナー
どうも中にはこの最終回に対して、「尺が足りない」「描写が足りない」「感情移入ができない」という声もあるようだけど、そういう人たちは多分、最終回だけに「終わり」が記されると思いすぎているか、もしくは「終わり」にはいくつもエンドがあってどこかにTRUE ENDがある、といった発想に囚われ過ぎているんだと思う。

要するにラノベやゲームに毒されすぎてるんじゃないかな、と。

前者については、最終回だけでなくシリーズ全体を通しての展開から解釈する、あるいは、少なくとも終章の始まりといえる23話以降の4話で最終話だと思って振り返ればいいと思う。

後者については、示された最終話(ないし最終章)の構成から、まずはきちんと製作陣の意図を汲みながら自分の解釈をしてみればいいと思う。

尺が足りないのは、どんな作品でもそうであって、だから制作者はその限られた中で表現をする。たとえば、感情移入ができないのは、むしろそれを狙っているからではないか?と想像してみる。そうすれば、大抵の場合、違う見え方が浮かんでくる。

多分、このファフナーはそういう態度(やリテラシー)が必要になる作品だと思う。こういっては何だけど、視聴者が作品を選ぶように、作品(の制作者)も視聴者を選ぶものだから。その当たり前のルールを思い浮かべる方が有益だと思う。

で、最終話、最後まで見て、ああ、そういうことが伝えたかったのか、と思ったのは、大きくは2つで

○災厄を未然に防ぐことの大切さ
○判断を放棄することの人間としての罪

ということ。

前者は、最終的にアルタイルとの対話の狙いが、実は「アルタイルの封印」にあったこと。アルタイルという存在(「純粋ミール」)が桁外れの圧倒的存在であり、そのような存在とまともに対峙できる存在など、地球上にはミールやフェストゥムを含めてまだ存在しなかったということ。だから、アルタイルの封印が可能になった状況の出現を、織姫は「一番希望に満ちた未来にたどり着いた」と表現した。

もちろん、見る側としてはアルタイルとの間で積極的な対話がなんとかなされると思っていたわけで、その対話がなされずにいきなり封印された、というのには、肩透かしを食らった印象は免れない。しかし、それでも、これが「最善策」であった。現時点で直接対話を試みたり、ましてや戦ったりするなど、悪手の極みだったわけだ。

アルタイルの圧倒的存在っぷりは、地上にアルタイルが姿を現した時点で、甲洋や操が即座にお手上げだ!と表明したところから明らかだし、織姫自身もアルタイルと対話可能な存在は今はまだいない(つまり、未来には存在する)、と率直に伝えたわけで、兎にも角にも、アルタイルが自主的な判断で勝手に動き出す前にその動きを封じる必要があった。

見ている側からすれば、まさか、対話の内容がそんな消極的なものだとは露にも思わなかったわけだけど、でもそうすることで、災厄を未然に防ぐことができる。もちろん、未然に防いでしまった以上、その場に居合わせた者以外、そのミッションの困難さには気づかない。だから、最後に、美羽は真矢に対して「みんなを守ってくれてありがとう」と感謝の言葉をかけたわけで。

この、ある意味で極めて「地味な」終幕が、最終話にカタルシスを求めた人たちからすると、イマイチな印象をもってしまうのかもしれない。

それでも竜宮島は実際にアルタイルの封印場所、つまりは「寝所」としてアルタイルを受け入れ、海の底に消えていった。それで「最悪のシナリオ」は避けられたけど、しかし、アルタイルを封印しても、フェストゥムと人類の衝突、あるいは、人類どうしの紛争にも対処しなければならない。その役割を担うためにアショーカと海神島が必要だった。

そう思うとすでに物語の最初の時点で、アショーカ(のミール)は、エメリーなりナレインなりに憑依し、彼らを存命させるために力を貸すかわりに、アショーカ自身を海神島に安全に連れて行くことを求めていたことになる。

つまり、アショーカと人類の間にもすでに共生関係なり盟約関係が生じていた。アショーカはいわばエメリーたちに分散して寄生することで、確実に安全に海神島まで運ばれることを選んでいたのだろう。実際、25話で一旦は、アショーカのミールは同化され粉砕されたように見えたわけだから。

このアショーカの狙いは、アショーカのコアがベイグラントに同化されて消えたはずなのに復活しているのはどうして?という(ミツヒロも口にした)疑問への回答になっている。だから、エメリー、ナレイン、そして弓子は、アショーカの寄生によって「生かされていた」自分の命を放棄して、アショーカの欠片を戻さなければならなかった。彼らの身体に寄生して分散して運ばれたミールから、アショーカの再生が成し遂げられたことになる。

このことは多分、織姫も承知していたことだった。おそらくこのことは、物語当初竜宮島を訪れたエメリーがゴルディアス結晶を産み出す力を竜宮島に与えた時点で、アショーカの意図は織姫にも伝わっていたんだと思う。

つまり、ゴルディアス結晶は北極ミール由来の力であって、だからこそ「新同化現象」も発現した。アルタイルが飛来した時、竜宮島が封印場所になることもおそらくは、エメリーの織姫へのファーストコンタクトの時点でアショーカの意思として伝わっていたんだと思う。だから、織姫は急遽、成長し下界の外に現れなければならなかった。

今思うと、一騎が右腕を失い昏睡状態になった時にナレインがアショーカの祝福を与えようとした時、織姫がその申し入れを強く拒んだのも、一騎がアショーカの祝福を受け入れていれば、最終回の弓子同様、アショーカの再生のために命を返して消失しなければならなかったからなのだろう(危ない、危ない)。

同時に、竜宮島水没後の世界で、竜宮島に代わり人類とフェストゥムの紛争処理隊として海神島が機能するために、総士が海神島のコアとして再誕しなければならなかった。そして、乙姫/織姫同様、生誕を繰り返す存在となった総士を庇護する存在が必要で、それが「永遠の戦士」として竜宮島の祝福を受けた一騎だったということだ。

一騎をそのような総士の庇護者にするためにも、一騎の祝福(つまりミールの力で生き続けること)を与えるのは、アショーカではなく、竜宮島でなければならなかった。

ということは、織姫がシリーズ冒頭で一騎と総士を前に「二つで一つの力」を言っていたのも、その時はてっきりザインとニヒトのことだと思っていたけど、それはそのまま一騎と総士のことだった、ってことだよね。その時「いのちの使い方」を考えろ、と詰め寄っていたのも、最終段階で、一騎と総士がともに人であることをやめることを見越していたことになる。

多分、織姫は、EXODUSの物語の顛末を目覚めた時点で全て予見していたのだろう。その上で、あくまでも行動を起こすのは一騎や史彦などの島民に委ねていた。

どうしてその意図や未来のイメージをそのまま伝えないのか、実は疑問に思っていたのだけど、最終回を見て思ったのは、アルタイルとの接触が実はそのまま地球の絶滅を意味することだったから、史彦たち島民の生きる意志を削ぐことはしたくなかったからなんだろう。で、その織姫の意図にうすうす気づいていたのが芹だった、というわけで。

それから、最終回で、真矢が人類軍担当になったため、ザルヴァートルどうしの決戦には全く蚊帳の外にされ、その一方で、一騎と総士が二人の世界を作ってしまったのに対して不満に思っている人もいるようだけど、すでに物語の展開上、一騎と総士の人外化は既定路線だったから、プロットを作る側(つまり冲方丁を含めた製作スタッフ)からすれば、仮に一騎と真矢の間で恋愛を描こうとしたら、最後に悲恋しか待っていないわけで、正直、それはこの尺の中で、本筋とは関係ない迂遠なものにしかならないと判断したのだと思う。それで、真矢には人類軍との折衝役という「調停者」の役割をあてがうことになったのだろう。

そういう意味では、カノンが未来を探り当てるために自らのいのちを投げ出して消失した際、「一騎と二人の未来」という、カレンからすれば最善、しかし、島の皆にとっては最悪となる未来を拒んだのも、遠回しに、真矢もカノン同様、二人だけの未来を選択させないようにするためだったのだろうな。

ここは微妙なところだけど、カノンと真矢が親密な友人どうしであったことを踏まえると、カノンが選択しなかった道は真矢も選択できない、というのはわからなくもない話だし、そもそもカノンが人類のために行ったことは島の人のためにであり、もちろん、一騎のためでもあるわけだから。

カノンと、そして翔子とも親友だった真矢からすれば、一騎に対する想いとは、一騎に対する恋愛感情をすっ飛ばして、母性そのものの「守りたい」という気持ちそのものだったのだと思う。

もちろん、こんなことは、真矢本人の口からは表現されていないので、あくまでも推測でしかないけれど。でも、一期からの真矢の行動や交友関係を見ていれば、彼女(たち)がどういう思いや判断から行動するかは自ずと想像できることだと思う。

だから、初見の人たちにはそこまで理解を求めるのは酷なことだし、それゆえ、「感情移入できない」という不満も出るのは当然だとは思う。

となると、むしろそういう初見の人たちはとりあえず放棄して、一期から見続けている古参のファンの心情の方を優先した制作サイドの英断の方が素晴らしいということになると思う。この点は、今時よくやった!と心底賞賛したい。

ともあれ、こういう形で、一騎、総士、そして真矢の終盤における役割が確定してしまった。真矢は人外にはならないけど、父ミツヒロの記憶を呼び覚ます展開にすることで、彼女が普通の女ではなく、ヘスター同様、父の業を背負う「貴人」の血脈にあることが強調され、(一騎や総士とは一味違う)真矢ならではの「運命」が与えられた。

つまり、真矢も比喩的には一種の「人外」設定にされてしまった。弓子亡き後の美羽の後見人にならざるをえない状況も、彼女を「公人」として、自らの幸せだけを願う存在であることを困難にさせてしまった。

こうして、一騎、総士、真矢、そして(消失した)カノンという、第1クールのOPを飾った四人が皆、人としての自由な生を諦める方向に舵を切らざるを得なくなったために、逆にその反動として、その他のファフナーパイロットが、そうした公的役割からは解放され、あくまでも個人の幸福を願う存在として描かれた。

特にそれが顕著だったのがすぐ下の後輩四人で、島の平和を地球に広めることを願った広登、彼とともに歩むことで前代未聞の葛藤に直面し続けた暉、島を守った故人たちへの侮辱を一切許さない里奈、乙姫から織姫に至るまで島のコアへの感謝を示し続けた芹。彼ら四人は、個人としての願望を衒いなく表明し続けた。だからこそ、四人中三人が消える、という結末を迎えたわけだけど。


特に、最も劇的だったのが暉で、彼は結局、物語の構成上「死ねない永遠の戦士」になる道が約束された一騎に代わって、苦悩する人間の英雄として、華々しく死ぬ「誉れのある死」を体現する役割を担わされてしまった。それが、24話におけるゼロの大往生の場面。

また、主役四人の間でまともな恋愛感情を描けないという制約に対して、幼なじみどうしの結婚を成し遂げ、人としての幸福を得て、さらには夫婦ともども最後まで生き残ったのが剣司と咲良だった。一期からの咲良の同化後遺症を考えれば、まさに奇跡の生還だと思う。
あるいは、もっと淡い恋愛感情の交換を行っていたのが、零央とミカミカの二人。特に、零央は、ルーキーとしての英雄役も引き受けていた。

ちなみにカノンは一騎たちの一つ年下だったから、仮に彼女が存命だったとしても成人式には参加できなかった。そのあたりの小さな設定上の齟齬も顕在化させたくなかったのも、カノンが途中退場した理由の一つではないかと思う。そして、彼女が実はひとつ下の後輩だったということを踏まえると、すぐ下の後輩五人中、実に四人が消えたことになる。

こういった具合に、物語の大きな構成から、竜宮島の登場人物たちには、それぞれ明確に役割が割り振られていたわけだ。もちろん、それは、最後のアルタイル封印という終幕を見てから初めて可能になる解釈なのだけど。

ともあれ、以上が最初に上げた「災厄を未然に防ぐことの大切さ」というテーマとそれから引き出された物語の細部や登場人物の役割というところ。

で、もう一つの「判断を放棄することの人間としての罪」は、端的に言えば、途中までは善として描かれていたペルセウス中隊と、アルゴス中隊のことが中心になる。

・・・のだが、さすがに長くなったので、一旦ここで切って、このことは次のエントリーで記すことにしたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京レイヴンズ 第14巻 感想

2015-12-30 01:43:50 | レイヴンズ
待ちに待った第14巻。
春虎たちは倉橋と相馬の陰謀を阻むことができるのか。。。

ということで、スペース、空けときます。




















































いやー、面白かった。
いつものことだけど、ためにためた伏線を一気に収束させていくところは小気味いい。

まさに、第一部の鴉羽と夏目によるクライマックスとそっくりの疾走感!

ホント、素晴らしい。

それに、わかってはいたけど、十二神将がしっかり二分され、自らの倫理観によって、ちゃんと倉橋に楯突く選択したところはいいねぇ。

それにしても、まさか、山城が師匠たる倉橋と袂を分かつとは思わなかったけど。三善がいつしかいい指南役になっていたってことだよね。

で、十二神将組で一番シビレた場面は、やっぱり、宮地と弓削の決裂の場面だなぁ。
あそこは、弓削の不明な部分をきちんと指摘してやる宮地がよかったよ。

もちろん、普通に考えて、おい、弓削、そこで宮地に会いに行っちゃいかんだろ、って誰もが思うほど、弓削が迂闊なわけだけど。その迂闊なところを、餞別とばかりに諭すところがね。

まぁ、その結果、あれだけ単純に敵対し続けきた弓削と山城が、夏目たちを援護する側に回っても、全くおかしくない状況を作るのだから、作者は上手いよなぁ。

で、名場面は他にも幾つもあるのだけど、個人的に笑えたのは、蘆屋道満のヤンチャっぷりね。というか、まさか、あそこまで道満が怪物化して相馬に対峙するとは思わなかったけどw

それに、道満がそんなガンバリを見せた理由が、どうやら今では泰山府君(の一部?)となった、かつての仇敵というか術比べの好敵手であった安倍晴明、というのはね。

あ、これ、本巻では明確には語られていないけど、この前に出ていた番外編3の、最後に添えられた夜光編の中で、それとなく夜光が晴明と対話してきたという描写があったので、多分間違いないと思う。

しかし、荒御魂が神と同列というのはビックリしたけど、それによって、この作品世界の中での、神の位置づけが明確になってよかった。なにしろ、泰山府君が実は安倍晴明だった、ということもあるようだから、要は生霊のような存在が神に転じる、ということだよね。いやー、日本の神様って楽ちんだな。人からクラスチェンジできるのだからw
この辺りは、キリスト教やヒンドゥー教とはぜんぜん違うな。

まぁ、それはさておき。

そんな道満の献身的?ガンバリによって、ようやく、春虎と大友と冬児たちが合流。

で、再会の歓びを噛みしめる暇もなく、阿吽の呼吸で、春虎を夏目、そして飛車丸を逃がすために、盾になることを選択するんだから。

で、先に残った冬児たちのチームを見ると、いやー、鬼ばっかりw

しかも角行鬼まで残って。

で、これ、前にも書いたことがあるのだけど、この感じで行くと、ホントに最後の決戦場面で、春虎の両横に立つ護法は、角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になりそうだね。

先に後者の方から言うと、なんたって、今回明かされた最大の秘密は、夏目と飛車丸が同じ魂の持ち主だ!ってところで。

いや、それ読んだ時には、えええええええ??????   ってなったもんね。

文字通り、ワケガワカラナイヨ。

で、そのせいで夏目の泰山府君祭は失敗した、といわれてもね。。。

普通に考えたら、同一の魂、ということは、飛車丸が自分自身を未来の夜光の転生先である春虎に出会うまで封印したとしたのだとしたら、その一方で、飛車丸自身が、夜光のように転生の道を選んで夏目に転生していた、ということだものね。

で、多分、そのカギを握るのが、次巻の過去編で、とりわけ、夜光自身が試みた泰山府君祭が鍵なんだろうな。

よく考えれば、夜光がなぜ泰山府君祭を執り行ったのかは、作中でも謎のままだったよね。もしかしたら、そもそもその泰山府君祭自体が、飛車丸に対して行ったことなのかもしれない。で、その時に、魂が二つに分離されてしまった?

まぁ、このあたりのことについては、第一部の最後のところで、星詠みの力に目覚めた京子が、世界は一つではない、などと、いかにも平行世界が実は当たり前・・・みたいなことを言っていたから、本来は、飛車丸しか存在しない世界と夏目しか存在しない世界が重なり合ってる、なんていうか、量子的エンタングルメント?が生じている不思議で不安定な世界が、今の春虎たちの世界なのかもね。

となると、二つの魂が一つに収束して、この世界でのあり方として夏目が選択される可能性は高い。つまり、飛車丸が夏目の中に吸収される。結果として、飛車丸は消える。

で、そうなると、今度は角行鬼の方なのだけど、気になるのは、今回、彼はいつになく大ダメージを受けてしまっていて、いくら千年存在し続けた茨木童子とはいえ、神を降ろした相馬多軌子の力が流れこむ八瀬童子系の夜叉丸・蜘蛛丸を相手にするのはいかにも不利。

しかも、同じく八瀬童子の影響を受けた生成りである冬児は、多軌子の前では力を震えないハンデがある。となると、何らかの手段で、角行鬼が茨木童子としての力を冬児に授けて、冬児の存在をランクアップさせる、とかの暴挙にでるんじゃないかな、と。
なんか、ナメック星でパワーアップしたピッコロみたいだけどねw

ともあれ、その場合は、角行鬼も消えて冬児一人となる。

そうして、晴れて、春虎の護法が、夜光伝来の角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になる。その三人で、多軌子と夜叉丸・蜘蛛丸に対して最終決戦を挑むことになる。

・・・なんて展開になるんじゃないかなw

ついでに言えば、月輪を宿した秋乃は霊界通信で、泰山府君祭たる安倍晴明とチャネリングしながら、春虎の後方から晴明のメッセージを伝える一方で、相馬一族の末席として、多軌子に降りた神を外すために、何らかの重要な役割を果たすのではないか。

いずれにしても、秋乃が意外と、春虎と多軌子の対決の調停役になるのではないかなと。

そうして大団円を迎えられるといいけど。。。

でも、最終的には、平将門公が降臨しちゃうのかね?
だとすると、なんとか、再び将門公を鎮める手立てが必要になるのだけど。
で、そのために、春虎と多軌子が共闘できるといいんだけどね。。。

でも、それは流石にお花畑過ぎるかな?(苦笑

まあ、何にしても、まずは夏目の存在の安定が第一なんだけどね。

それにしても、まさか、夏目にこんな秘密があったとは、というくらい、飛車丸と同じ魂でだから近づけなかった、という春虎の説明には頭が「????」となったのだった。

それ、流石にワイルドカードすぎるし、後出しジャンケン過ぎるだろうと思っていたら、あとがきで作者が、ちゃんとこのことは最初から考えていて、きちんと仕込んでいたという痕跡も残していたよ、といわれて、うーんと唸ったのだった。

でもまぁ、確かに、どうして物語の立ち上げである第一巻で、夏目は終始、北斗という式神で現れなければいけなかったのか、という疑問はあったわけで、何らかの仕込みのために行っていたはずと見立ててはいたんだけどね。

で、個人的には、夏目が実は北斗の生成りで、北斗のほうが実態だったんじゃない?とか前に書いていたわけだけど、いやー、まさか、飛車丸、すなわちコンが関わってくるとは。

もっともまだ北斗が全く関係ないわけでもないと思っているけれどね。
なにしろ、今回、夏目と飛車丸の繋がりまで開示してきたわけだから、次巻、なぜ二つの同じ魂が一つの世界にあるのか、という問いに答える段階で、もういくつかのギミックが仕込まれているはずだから。

でも、そこで、もしも土御門家の護法で永遠の存在?だった龍の北斗が飛車丸の思いの受け皿になって、北斗がその思いを受け止めて龍の生成りとして生まれたがの夏目だった・・・なんて説明がなされたら、もう感激なんだけどな。

でも、確か、夏目は捨て子で、両親が誰かわからなかったはずだよね。
となると、龍から授かった子、という、お伽話みたいなことが起こってもいいと思うのだけどね。

ともあれ、いやー、面白かった。
群像劇、サイコー!

ついでにいえば、道満の口から出る「呪」の説明は、短いけれど、千年を渡ってきた荒御魂の口上だということで、極めて説得力を持っていてすごかった。

というか、道満にしても、角行鬼にしても、安倍晴明を今の世に呼び寄せるというありえなさをなくすための存在として仕込まれていたとは驚き。

で、その仕込みっぷりはマジで凄いわ。
そうして、千年続いた腐れ縁を、現代で精算するという展開も説得力を持ちそうだから怖いw

あと、あれで大友が退場するとは思えないので、一次退場していた木暮とともに、あと、涼もあわせて、三羽鴉が頑張りを見せる場面にも期待。まぁ、それは次の次の巻になりそうだけど。

あ、そうそう、鏡が無理やり霊体を切り刻む?ことで倉橋の封印を解いていたけど、今回、倉橋が亡くなったから、天海や鈴鹿の額のバッテン封印も解除されたと思っていいんだよね?

ということは、少なくとも鈴鹿は次の次の巻で、第一巻なみの、ヤバイ神童っぷりを発揮するというのでいいんだよね?

いやー、てっきり、鏡が封印解除の術を身につけたから、鏡によって鈴鹿や天海の封印も解除されるのかと思っていたけど、術者が死んだのだから、消えるという理解でいいのかな、と。

まぁ、そうなると、あと二巻で終わり、ということかな。

第一部もそんな感じだったからなぁ。
さすがにそれ以上は、引き伸ばさないよね、この作者は。

ということで、あと二巻!楽しみだ!

まずは、次の過去編を早く!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒼穹のファフナー EXODUS 第26話 『竜宮島』 感想

2015-12-30 00:20:01 | ファフナー
綺麗な終わり方だな、というのが第一印象。
もちろん、駆け足だったな、というのはあるけれど、その中でちゃんと濃淡を付けて終わらせてくれたから十分すぎるほど満足できた。

素晴らしかった。

いまどき、シリーズ全体で、26話全部を通じてようやく理解できる作品が送り出されたことに驚くし、素直に称賛に値する作品だと思う。

見終わって、一番やられたな、と思ったのは、EXODUSというのが、他でもない竜宮島からの脱出だったこと。
すっかりアショーカ組の強行軍こそがエグゾダスだとばかり思っていたから、この終わりには、あーそう来たか、と素直に脱帽した。

これで、竜宮島の人びとは、故郷をなくして他の地域に行くしかない。
で、これはそのまま聖書のユダヤ人の扱いだよね。
いつかカナンの地へ、すなわち、いつか竜宮島に帰るという願いとともに見知らぬ土地に放り出されて生きていく。

この終わりがなかったら、わざわざ真矢を「調停者」として位置づけ成長させようとする描写はいらなかったわけだから、ものすごく納得。

もともとファフナーは、その名からもわかるように北欧神話をベースにした物語であったわけだけど、EXODUSになって旧約聖書的なキリスト教的な世界観が加えられたと思っていたので、この竜宮島の脱出劇(プランデルタ)はとても腑に落ちた。

そうして、島の人達はみな、島に息づいていた「平和」という文化の伝道者として世界に散っていくことになる。それこそユダヤ人のように。
もちろん、反発や差別もされるだろうけど、それを乗り越えるべき運命を島民皆が、織姫(と総士)の犠牲によってすでに背負ってしまっている。

今回も度々繰り返された「祝福」という言葉に見られるように、キリスト教的モチーフは、一期の頃から、特にフェストゥム側で見られたわけだけど、部分的にミール+フェストゥムと人類との共存・共生をも描いたEXODUSでは、聖書的世界観が更に増していた。その決め手が最後のエグゾダスであったことには脱帽。

さらにいえば、最後のアルタイルを封印して海に沈む竜宮島は、イエスの再臨と審判の日を「希望」として待ち望む様子そのもの。だから、EXODUSのプロットはホントに聖書的だったんだなと思う。

それに加えて、アショーカの登場で、仏教的な輪廻転生的死生観も強調された。

とにかく、その世界観の構築に脱帽。
神話的モチーフを十全に扱っていた。


そのうえで、次に納得したのが、一騎たちの「人生」のこと。
これは前回も記したけど、彼らが成人式を迎えて「大人」になった、という描写がしっかりされていたことにも呼応している。

つまり、EXODUSは、一騎の同期が成人することで、社会の責任をきちんと引き受ける存在になる、そのための成長物語だったんだな、というのがよくわかった。

なにより、一騎が物語の最初からずっと気にかけてきた「いのちの使い方」を見つけ、七夕の短冊に記した「生きる」という願いがかなったのだから。

(だから、EXODUSは、人びとが「生きる」ことをきちんと選択できることの意義を問う物語でもあった、ということ。)

一騎の同級生たちが大人になったというのは、端的に言えば、

剣司と咲良がきちんと「結婚」したこと
真矢が、島の外の世界にでかけ、「調停者」としての運命に気づけたこと
一騎が、永遠の戦士として、存在と無の地平に立つ存在を選択したこと、
総士が、生と死の循環の中に自分の落ち着く先を見つけたこと

それぞれが生きることの意味を見出した。

もちろん、終わってみれば、シリーズ通じて多数の死者も出たわけど、それも冲方らしく、「誉れある死」と「誉れなき死」とに明確に分けられていた。前者は、カノン、広登、暉、オルガ、ウォルター、弓子、ナレイン、エメリー、といった主には竜宮島とアショーカ組。対して、後者はアルゴス小隊の面々とビリー。

ビリーの死、というか殺害については、賛否両論あるようだけど、あれは、やっぱり、自分の頭で考えて選択できない存在は、どれだけ純朴そうでいい奴に見えても、確実にこの世界では悪である、ということで。ビリーの最期が、わざわざ最後にあれだけの尺をとって描かれたという事実が、彼という存在が極悪である、という制作サイドのメッセージなんだろうな。もちろん、理解可能だし、妥当な結果だと思う。

なにせ、あろうことか、これから世界を調停する役割を担う真矢に銃を向けたのだから。であれば、この戦禍の中を生き抜いてきた生粋のゴルゴである溝口さんに撃たれたのは当然の出来事。

つまり、作中で、ビリーは最悪の「否(ノン)」だったわけだよ。
絶対的に否定されるべき存在として最初から最後まで描かれた存在だった、ってことでしょ。
いつまでたっても、自ら判断しようとしない、亡霊のような心の持ち主として。
人がいいだけのキャラとして彼を捉えてはいけないわけで。
彼に比べたら、頭のネジが外れたキースなんてまだ可愛いものだってこと。

このことは、書き始めたら長くなりそうなので、またの機会に。
というか、他にも書きたいことは山のようにあるのだけど、これくらいで。

そうそう、どうも「尺が足りない」とか「最後が雑」という人たちもいるみたいだけど、もともと尺の制約の中で作っているわけだから、前者の非難は実は非難になっていなくて、その尺の制約の中でこのような表現が選択されたのは何故なのか?とまずは自問してみたほうがいいと思う。で、後者の「雑」というのは、そう見えるんだったら、それは圧倒的に作品を見るという経験が足りてないないから、映画とか小説とかもう少し読んだらどう?、としか言えないなぁ。

あと、「描写が少ないから感情移入ができない」という意見もあるようだけど、ファフナーは、上でも書いたように、もともとは北欧神話とか聖書などの神話や叙事詩的なものが素材になっていて、特に叙事詩なんて神によって人間が蹂躙されることなんてしょっちゅうだから、そもそも人間の感情なんて表現されない。

だから、感情移入云々という観点自体が、とてもラノベ的だよね。
でもさ、ファフナーは、キャラ小説ではないからね。
もちろん、それぞれ、気になる登場人物がいて、その人物から物語世界を堪能することは否定しないけど、でも、それはファフナーの世界では劣後する。

特に最後の決戦のところなんて、決戦なんだから理由なく殺害されて当然。
その理不尽さも含めて戦闘だから。
だからこそ、自らの死に意味を持たせることができるかどうか、というのが問われるわけで。

そういう意味では、ミツヒロと対峙した一騎が、互いにルガーランスを刺しながら、ミツヒロを信じると言ったことと、真矢に銃口を向けたビリーが、何を信じればいいかわからないと錯乱していたのは、綺麗な対比になっている。

死者の扱いにしても、広登やカノンは、もう一回最後に現れるかな、と実は期待していたけど、結局、人の世界には戻ってこなかった。だから、あの消失したカノンは、あの形で死を迎えたのだな、と改めて理解できた。

そういう意味では、死の意味や重さを逐一理解しながら描写しているのがやはりファフナーだということ。

あ、やっぱり長くなってきた(苦笑
一度切ろう(苦笑

ともあれ、素晴らしい作品だった。

続編として、十数年後、十分成長した美羽がアルタイルと対話することを主題とするような新章が作られるなら、もちろん期待したいけど、今回の話の直後の状況の話なら特には必要ないかな。きちんと、26話で完結していると思うから。ましてや、キャラ小説的な日常編なんて全くいらない。ファフナーはそういう話じゃないから。

そうだ、真矢が一騎と結ばれなくて可哀想、という声もあるようだけど、それもお門違いというか。この話は一騎と総士の話だし、そもそも恋愛だけが愛情ではない。その点で、一騎と真矢も深く結ばれている。いわゆる、普通の男女の愛は、咲良と剣司のペアが担ってくれたということで納得すればいいと思う。

うーん。やっぱり書きたいことはいくらでもあるな。
でも、とりあえず、一旦ここで締めておこう。

とにかく、素晴らしい作品。
満足!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新約 とある魔術の禁書目録 第14巻 感想

2015-12-24 21:26:58 | 超電磁砲/禁書目録
前巻の13巻にはどうにも???とならざるをえないものだったのだけど、その続きとなった14巻はどうだったのか?

スペース空けときます。



























































で、読後の第一印象は、

あー、これ、もうホントにないわー、

というものだった。
マジでつまらない。
というか、何がしたいのか、わからない。
オティヌス後の、魔神編って、一体何?って感じ。
ドラゴンボールが魔人ブウ編になって蛇足感が半端なかったのと全く同じ感じ。

とにかく、「上里勢力」の一部始終が鬱陶しい。
もちろん、上里自身もウザい。
で、そんな上里を、新約になって14巻を数えるところにまで来て、いまさら登場させるセンスに疑問。

いや、最後まで読めば、上里勢力のウザさ自体が上里の抱える悩みの元凶であり、彼が上条を敵視する理由だったってことはわかるから、そのために必要な記述だった、というのはわかるけど、

でもねー、あのくだりは、ホント苦痛だよ。
200頁あたりまで、つまり半分を超えるまではそんな感じだからね。
その「どうでもいい」ものを延々読まされる不快さは、前巻の僧正の追いかけっこのところと全く同じ。
しかも、それをポッと出の新キャラを通じてやられるのだから、訳がわからん。

もしかしたら、作者は本当に楽しくてたまらないのかもしれないけど、それ、もはや、読者は完全に置いてけぼりだよね。どうなんだろう。さすがに、この迂遠に迂遠を重ねる展開は、編集者がノーを出すべきものでしょ。

もともと「新約」というくらいだから、それ以前の無印のシリーズは旧約扱いになって、だから、その2つのシリーズにある種の反復や見直しがあるのはわかるけど、それにしたってこの迷走っぷりはないでしょ。

一体何がしたいんだ?

いや、それも今回の最後を見れば、アレイスターの魔神たちへの復讐、が結局のところ、禁書目録シリーズの骨子だというのはわかるけど、でも、それも随分前から示されてきていることでさ、いまさらながらそれを確認して見せることで、このつまらないにも程がある上里勢力の登場を正当化されてもね。。。

さすがに物語のフィールドをずらすのは、一回だけにしとけよ。

旧約の話が、魔術と科学の対立でした、で、そこでいう魔術とは概ねキリスト教を模した十字教でした、でも、魔術の源泉はそれだけでなく信仰や神話の数だけ実はありました、で、新約では、旧約の世界に不調和を生じさせていたのが、北欧神話に根をもつ者たちでした、それがオティヌス、すなわちオーディンでした。

・・・という展開ぐらいで済ませとけよな。

それを前回の僧正で仏教っぽい話をいれ、今回のネフテュスでエジプト神話だろ。

それ引き伸ばし策として、あまりに水平的で、これもう際限なく横滑りしていくだろう。そういえば、旧約の時に美琴好きのペルーのキャラがいたけど、あれくらい傍流のキャラにとどめておいてくれ。

なんか、もうグダグダ。

なんていうか、作者自身が、自分の作品をネタにして二次創作書いてるようにしか見えない。
しかも、その二次創作のネタが、どんどんショボくなっていく。

そもそもたかが個人の寄せ集めを「勢力」なんて呼ぶあたりが、どうにもチンピラ臭が抜けないわけだが、上条たちがあれほどまでにパワーインフレしているにも関わらず、それを「勢力」扱いのままにとどめよう、という発想そのものがもう無理があると思うけどな。

上条の説教が意味をもった、というか、それなりに「あぁ、そうだよね」と実は正しく見えていたのって、さすがに10年前のことで、それは端的に胡散臭いイデオロギーっぽい正論がまかり通っていて、その鋳型にはめられるのはバカらしいという時代風潮があったからでしょ、いわゆる「ゼロ年代」的な。

でも、10年代も半ばを過ぎようとする頃に、いまだにその説教だけを垂れ流してもマジで鬱陶しいだけだろ。なにしろ、上条の語る弱者の方にも平等な権利があるとか述べるほうがネットのせいもあってむしろ拡声されてしまう時代なんだから。

だから、そこら辺の話はもうすっ飛ばして、それこそ「お兄さま」みたいな、素直に俺、TUEEEE、という方向に、ラノベ自体も方向転換してるわけだから。

そういう意味では、なんかもう出がらしだよね。

素直にパワーインフレに終止符をうてばいい。
上里なんてわざわざ上条の鏡像を出して、その鏡像を通じて上条たちの正当性を確保しようなんて、迂遠なことはせずに、素直に上条の右手の奥に潜む「アレ」を明らかにして、上条の「特異性」をさらけ出して、その「異能」を使ってアレイスターに説教を食らわせればいい。

いつまでも上条を「普通」なんて言い続けるのは、もはやここまでのシリーズで十分ナンセンスなことは示されているわけだから。それを上里なんて二次創作キャラ出してま証明する必要なんて全く無い。単なる迂遠。

こういうメタ語りの迂遠さはさじ加減が難しいのはわかるが、でも、前回、今回の迂遠さにはさすがに駄目出しするのが編集者の仕事ってものだろ。何やってんだろうね、編集者は。

その意味では木原の存在も迂遠も迂遠。
脳幹という、これだけキャラが立った存在を捨ててまで何をする気?
てか、さっさと木原の連中が、一通さんなり美琴なりを使ってレベル6でも7でもいいから、科学側のインフレも進めて、で、それで、ケリをつければいい。
木原自身が進化する、なんて迂遠なことはいらない。
てか、一通さんとか、今、なにしてるわけ?

とにかくさー、キャラを絞れよ、いい加減、間引けよ。

キャラ小説と世界観小説を両方やろうなんてこと考えてたらいつまでたっても終わらないよ。

いや、たとえばブギーポップの上遠野浩平って先人はいるんだろうけどさ。でも、もうブギーポップなんて、これが最終巻です!といわれない限り、読まないでしょ。禁書目録はもう全く同じ世界に入っている。

自分たちでは終われないコンテント。
読者がまだいるから、というのを理由にして引き延ばすコンテント。
最悪だよ。
少なくとも、作者が自作のパロディという二次創作、というかメタがたりを始めたらもうエンドレスでしょ。
その誘惑が職業作家に生まれるのは仕方ないところがあるけど、その泥沼を回避して、その作家を出来るだけ長持ちさせるのが編集者の仕事だと思うけど。でもどうやら違うらしい。

その点では、ストブラの作者が、自分から、けじめだから次巻で終わりにする、というのはわかってるな、潔いな、と思う。
シリーズの引き際は大事だよ。
そして引き際を知ってる作者は偉いと思う。

ということで、禁書目録は、もう最終巻が出た時に読んで、そこから必要なら遡る、というぐらいでいいかな。もちろん、もう買わない。今回は借りたけど、案の定、読み終わって買わなくてよかった、ってホントに思った。

しかし、それでも一時期は面白いと思ったものが、ただただグダグダになっていく様子は、どんなジャンルであれ、嫌なものだね。

しかし、そう思うと、西尾維新のさじ加減は天才的。
いや、あれはもしかしたら編集者が優秀なのか?

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UQ HOLDER! 第106話 感想

2015-12-22 17:46:09 | UQH/ネギま!
あはは、キリヱのデレ回w
いや、ホントにそれだけだったなw
あとは、幼少期のキリヱの話。
てか、餓死ってどういうこと?
で、餓死から蘇ったってこと?
だとすると、不死者になる条件とかあるのかね?
地味にキリヱが不死者になったくだりは、ちょっと気になるなぁ。

てっきりキリヱは千雨と関わりのある娘だと思っていたので、あっさり親が養育義務を放棄して餓死、という説明にはびっくりしたよ。さらっとエグい設定入れてくるなぁ。

とはいえ、もうこのUQHの世界では、不死者がなぜ生まれるのか、なんてことは問わないのだろうな。ある程度の理由付けは欲しい気はするけど、そこら辺はもうマンガだから、ファンタジーだからで押し切っちゃうんだろうなぁ。

ただ、どうもその辺りの世界観、みたいな話がなぁなぁ過ぎる気もするんだよね。

今回のキリヱの時間停止話にしても、刀太とキリヱの主観時間的には40日ほど過ぎてるわけでしょ?その辺りの話がめちゃくちゃ適当に扱われるのがね。。。

最後は、キリヱが刀太にキスしたら再び時間が動き出した・・・ってわけだけど、これ、やっぱり刀太の魔法キャンセル能力のなせるわざなのかね?

だとしたら、キリヱと刀太がキスしたらまたキリヱの能力がバグって時間停止するのかね?もしそうなら、それはそれでチートな新能力発現!って、最初に刀太がはしゃいでいた通りになるわけだけど。

あと、刀太の力のキリヱの能力が停止するとしたら、キリヱのリプレイ能力自体は、やっぱり魔法起源の能力ってことになるよね。

となると、前々から言っているように、この刀太のいる世界は、火星の魔法世界だ、ってことにはならないかな、と。その可能性がずっと残っているように思えるんだけど、どうなのだろう。

それこそ雪広あやかは、テラフォーミングされた火星の地で寿命を全うした、というような展開だったりしないのかな。なにしろ、それがネギ君の求めた世界だったわけでしょ。火星と地球の共生が。

もっとも、そもそも火星に魔法世界があった、というのが壮大なIFなわけだから、その先にどんなIFを重ねてきてもナンデモアリなのは間違いないんだけどさ。

このあたり、地球と火星が逆さまになっている世界だったりしたら、面白いとは思うんだけどね。

ネギま!が面白かったのは、こういう適度なSF設定もあったところなんだけどね。ラブコメとバトルとSFの微妙なバランス。それに父と息子とか、囚われの姫とか、ファンタジー要素をまぶしたところが面白かった。

UQHもラブコメ化という点では、もはやすっかりネギま!化を遂げているわけだけど、他の要素についても追いついて欲しいかなぁ。まぁ、バトルの方はまほら武闘会も目前に迫っているので問題ないので、やっぱり世界観の補強かなぁ。

もっとも、それをやっちゃうと、ネギま!世界の解明にも繋がってしまうので、迂闊にはできない・・・、というか、UQHの物語も大詰めになった頃ではないと開示できないのかもしれないなぁ。
でも、もうちょっと踏み込んで欲しいかな。

ともあれ、今回のエピソードで、刀太的には雪姫推しかもしれないけれど、読者的にはキリヱ推しが決まった回だったと思うけど、どうだろう?

いや、これでようやくみぞれたちと同じステージに立ったのか?(苦笑

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒼穹のファフナー EXODUS 第25話 『蒼穹作戦』 感想

2015-12-21 20:53:35 | ファフナー
どうにも尺が足りないなぁと思っていたのだけど、怒涛の勢いでまとめてきた。
しかも、綺麗に収束させる方向で。
凄いなぁ、ビックリだよ。
最終決戦の終結にアルタイルとの遭遇もガッツリ合わせてくるんだから。

しかも、アルタイルの接近ギリギリまで争っているわけだから、その瞬間までアルタイルの意図や目的、あるいは能力について触れる余裕がなくてもまったく問題ない。それゆえ、アルタイルがどんな結末を誘導しようが、作中の流れとしては全く違和感がない。だから、アルタイルがどんなワイルドカードになっても無理がない。

・・・いやぁ、ホント、凄いシリーズ構成力だよ。

さらにいえば、そうやってこのEXODUSの物語に終止符をきちんと打つだけでなく、ファフナーという物語にもきちんと終わりを迎えさせようとしているのもよくわかった。

それは一騎たちの成人式を短いながらも、きちんとこの尺の中に挟み込んできたのだから。

いうまでもなくこれは、一騎たちの旅としてのファフナーの物語もきちんと着地するということでしょ。
少なくとも、冲方丁のファフナーはあと一回で終わる。
そう納得させる描写をちゃんとしてくるのだから、ホント凄いよ。

それにしても、あの衛星軌道上にあるベイグランドをどうやって倒すのかと思っていたのだけど、まさか「落とす」とは思わなかった。
それも彗の呼び寄せの能力を、里奈とゼロファフナーで増幅すれば可能だ、ってのも、あー、その手があったか、と納得できてしまう展開が今まであったからなわけで。

こういったら不謹慎かもしれないけれど、暉の退場も、彗+里奈のコンビを実現させるためだったのではないかと思えるほど。いや、もちろん、暉が存命でも、このコンビは可能なんだけどね。でも、暉がいなくなったことで、極めて自然にこの二人のコンビが受け入れられてしまう。

ゼロにしたって何であの「呪われた死の機体」をわざわざ使うの?と前回疑問に思ったけど、でも、海神島でウォーカーのコアを倒すには単独で大砲を放つことができるゼロを使うしかないわけで。そうしてゼロとの再登場を無理なく疑問なく実現させてしまうのだから、これもよく考えられてるよね。その上で、今回のベイグラント落下作戦なんだから・・・。いやー、ほんとに参るよ。

で、そのベイグラントの落下を可能にしたのが、ヘスターによる核による援護というのだから、もうねぇ。。。

史彦の人類とは非戦を貫く、という姿勢と合わせて、このあたりは和解なり協定なりを結ぶ可能性を示唆しているのだろうし、なにより、ヘスターには真矢がいるからね。人類どうしの対話の可能性を開いたという点で、前々回の、真矢とヘスター回は絶対的に必要な回だったんだな、と思える。

それにあの回があればこそ、最終決戦後のこの世界では、人類だろうがフェストゥムだろうが、対話の可能性を互いに模索し共存共栄の道を探る、という方向性が示唆されて終わるのだろうな、と確信できるし。

そういう意味では、世界自体が作り変えられる、というか、新生する。

そのための契機が、織姫から予告された総士の死と再生、ならびに、アルタイルとアショーカ&美羽による対話なのだろう。

そうやって新生された世界の中で、真矢はヘスターという拡声器を使って、真矢の家族である弓子と美羽が開いたアルタイルとの対話の結果を人類に向かって告げて説得に回るのだろうな。
もちろん、その際には、暉の遺志を継いだ里奈も連れて。

となると、広登の遺志を芹が継ぐのか、ということが気になってくるわけだけど。
これは正直、わからないね。

あのEDの最後に出てる亀形の竜宮島?形態がまだ現れていない以上、あの形態は次回、絶対出てくるはずで、その変容に芹の同化の力が利用されるのではないかなと思うのだよね。
で、その際に、芹は竜宮島と同化を遂げる。
むしろ、広登が消えたことは、芹からしてみれば現世に留まる大きな選択理由をなくさせるためだったんではないか、という気もするんし。

広登を除けば、芹の最大の望みは、もう一度乙姫に会うことでしょ?織姫ではなく。
で、そのためには島との同化というのが一番手っ取り早いのではないかと。
あるいは、ベイグラント自体を同化して、瀬戸内海ミールを一つに集めるというのもあるのかもしれないけれど。

さらにいえば、芹だけでなく里奈も実は危ないかな、と。
まぁ、今回の彗とのやりとりはコミカルな場面ではあったけど、同時に正統なw死亡フラグではあるわけで、彼女が頑張って消えてしまい、暉の遺志を継ぐはずだった里奈の遺志を彗が継ぐ、という展開かな、と。
もともと彗は頭がいい子だから、総士亡き後、真矢とともに人類どうしの和解を進めるのに尽力するのかもしれない。

まぁ、このあたりはどうなるか、全くわからないけどねw

ただ、ゴルディアス結晶という存在と無の境界がある、ということが判明してしまった以上、死ぬことの意味が一段メタなものになってることだけは間違いないので。

しかし、ベイグラントの登場と、まさかのヘスターの援護射撃によって、EXODUSの話は、突き詰めると、ミール同士の内輪もめ、それも第一アルヴィスと第三アルヴィスの瀬戸内海ミールどうしの争いにまで集約されてしまって、人類はその内輪もめに巻き込まれているだけの存在になってしまった。このあたり、実際問題、どう落とし前をつけるかだよなぁ。

となると、今のところ、世界の王w候補であるバーンズが、聞き分けのある大人であることを祈るばかりなんだけどね。。。バーンズが、ヘスター同様、戦闘の目的を見失わない思慮のある将軍であることを祈るよ。ちゃんと史彦と、阿吽の呼吸で、戦局を収拾させろよ。

あと、将軍といえばナレイン。
彼も最後は散るのだろうか。
それは彼が受けたアショーカの祝福にもよるのだろうけど。
でも祝福を受けた、という点では、多分、エメリーも弓子も一緒なんだよな。
だから、彼らとともに、アショーカがアルタイルと接触する際に、アショーカに同化されてアショーカの再生を促すような方向に関わるのだろうか。

というか、アショーカ自体が最後は何を示すのか気になる。
で、そのアショーカとともにアルタイルとの対話役を担うのが美羽になるわけど、その結果次第では、操との約束がまっているわけで。
となると、操も、織姫とともに、その最後のアルタイルとの対話の場面で、何らかの役割を果たすなり、託されるなり、するのだろうか。

そうすると気になるのは、彼が今駆っている機体がドライツェンだということ。
やっぱり、最後の最後でカノンの再登場を願いたいよね。
なにしろ、今の物語の終幕は、カノンの尽力によって辿りつけた未来のはずなのだから。
そして、操自身も、カノンのおかげで自分たちの今、すなわちボレアリオスミールと竜宮島・瀬戸内海ミールならびに竜宮島の人びととの共存の可能性を模索する今を導いてくれたことに気づいているわけだから。

操にも、美羽を同化しない道に気づくような契機があるといいな。

で、最後に残ってるのは、三体のザルヴァートル・モデルどうしの対決の決着ね。
これはなぁ。
なにしろ、総士がジョナミツを、人のふりをさせられた怪物、とまで言ってしまってるからな。ジョナミツのマスターであるアトランティス・ミールが改心でもしないかぎり、戦闘は必至だろうしなぁ。

アイの本物が現れて・・・、という展開にも期待していたのだけど、でも、今回の偽アイの登場によって、流石にちょっと厳しいかな、と。
それこそヘスターが、この時のための隠し玉として本物のアイを匿っていた、という展開でもない限り、さすがにこのタイミングであの戦場に本物のアイが登場するというのは難しいだろうからなぁ。

かといってビリーが何かしてくれるようには思えないし。
いや、彼にはまわりまわって、道夫の拳銃が渡っているわけだから、あれで誰かを撃つ場面に出くわすことはほぼ間違いないのだろうけど、問題はその相手で。拳銃を撃つことが意味を持つ相手は人間だろうから、となると、やっぱり真矢やキースしか思いつかない。裏返すと、彼がジョナミツをどうこうすることも難しいよねぇ。

そうすると、ザイン&ニヒトによってレゾンが最終的には撃墜されることぐらいしか思いつかないよなぁ。

ジョナミツの存在のあり方からすれば、甲洋なり操なりが説得に当たるというのもなくはないだろうけど、でも、二人とも口下手だからなぁ。
となると、やっぱり戦闘しかないのかな。

てっきりレゾンは真矢の愛機になるとばかり思っていたけど、ここに来てようやくのジーベンのエインヘリアル型への改修だったから、さすがにそれもないよね。尺的にもね。

というか、真矢は人類軍との因縁ができすぎたからね。あと一回の尺では、ビリーたちの相手をするのがせいぜいだよね。

まぁ、ジョナミツに過剰な思い入れをしないまま、あっさり撃破ぐらいのほうが、物語全体の方向性を見失わないのかもしれない。

とはいえ、さすがに、第2話の来訪者の多くが、ナレイン&エメリーを除き、最終的に敵対者として立ちふさがり、彼らを粉砕することで物語が終幕するというだけでは、あまりに展開的に捻りがなさすぎるので。ここは何かサプライズが欲しいところ。

なんだかんだ言って、あとの1回。正味20分ぐらいのところできっちり描き切ってくれることに期待する。

で、最後にひとつだけ。
ジョナミツの中の人なんだけど、前々から心配だったんだけど、最後のあの絶叫は、まんまアクセラレータじゃん!
ラスボスらしく、あと間らしく、もう少しトーンを落とした絶叫であって欲しかったのだけど。一通さんと同じじゃ、ただのチンピラだよ。ホント、叫ぶの下手だよなー。

それに比べて暉の中の人はなんだかんだ言って上手いよね。ヤバイ暉と、決意し目覚めた暉の両方をちゃんと演じ分けていた。なにより、前回最後の、広登の死去を自ら認める落涙シーンは情感が乗っていて上手かった。

まぁ、ジョナミツは、総士によればモンスターだから、その意味では、アクセラレータばりのイッちゃってる演技のほうがあってるのかもしれないけれど。
でも、それならそれで、徹底的に怪物として消えてほしいなぁ。
変に人間らしい、自らを振り返るような言葉を語ることなどないまま行って欲しい。
それも、ベイグラント次第なのかもしれないけど。

しかしグレゴリー型がまさかラスボスになるとはね。
第1クールからの周到な伏線の仕込みにビックリだよ。

ともあれ、あと1話!
心して待つことにする。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西尾維新 『悲亡伝』 感想

2015-12-16 23:32:31 | 西尾維新
ようやく読み終えた。
だんだん500頁を読む時間をとるのが難しくなってきた。
とはいえ、やっぱり読んじゃうんだよね。

ということで、とりあえずスペース、空けときます。























































長い、ながーい、
とてつもなくながーい四国編を終えての、
ようやくの新章開始!
面白かった!

いきなりの世界編で、チーム空々、改め、空挺部隊wの面々が、
世界中の対地球組織に内偵に向かう、という話。

いささか冗長といえば冗長だけど、それはまぁ、西尾維新だから、お約束として。

それでも、この第7巻が、新章である「世界編」の四部作の第一巻であることを考えれば、登場人物や関連組織の情報を整理し、新旧のキャラの間で情報の平仄を合わせた、という点では、よくまとまっていたんじゃないかな。

もっとも、終始笑かしてくれたのは、地濃鑿だったわけだがw
いやー、彼女の空気の読めなさは凄いわ。
というか、あのブレなさはねー。
キャラ的にも、こんなジョーカーキャラ、見たことがない。
というか、ワイルドカードw
オールマイティw

ともかく地濃鑿だったらやらかしてくれる、という期待があるだけで、どんなご都合主義的展開も可能になるところが凄い。

ある意味で、空々くんの対になる、凄さだよね。

まぁ、地濃鑿が何が面白いか、ってところは、実際に『悲亡伝』を読んでくれ(笑
引用するのもバカらしいw

ともあれ、彼女がいてくれたおかげで、なんかここ真剣で神妙だな、というシーンが突然笑い、というか冷笑の場に変わり、作中の他のキャラの発言が、あれ、それ都合良すぎでしょと読者的に思うところには容赦なく地濃が突っ込む。

という具合に、とにかく万能!

地濃鑿は、ホント、四国編の最大の収穫だね。

この空々くんの伝説シリーズは、どこかしら戯言シリーズのリメイクのようなところがあって、あのシリーズに負けず劣らずの強者キャラ揃いなんだけど、それでも、地濃鑿は頭一つ抜けてる。それくらい、便利・万能キャラ。

空挺部隊には、四国編から魔女、魔法使い、元魔法使いが総勢7人加わっているのだけど、魔法使いチームが例の天才三人だったりするわけだが、彼女らが「天才」と記されるたびに、いやー、それはあくまでも人間の世界の尺度でだろ?と突っ込みたく成るくらい、地濃は人間を超えてる。
いや、空々くんもそうなんだけどさ。

で、あんまり地濃のことばかり書いていても先に進まないので、世界編第一巻としての『悲亡伝』の流れについて記すと、

要するに、対地球共同戦線を敷くための、世界連合を作ろうと言うのが、世界編の大きな背景。

その動きに対して、左右左危博士が、それつまらん!とばかりに、独自路線を展開しようとしてそのための時間稼ぎに使われたのが空々くんたち空挺部隊の面々、ということで。

しかし、左博士、ぶっ飛んでるようで実は正攻法派。
ここは、結構しびれたんだけど、四国編で、氷上女史が魔法と科学のコンボを実践してみせたのにヒントを得て、その合体技を対地球用に開発しようとする。しかもその開発を宿敵・地球にさとられないよう、衛星軌道上で行う、という。

まぁ、前巻で、かんづめら魔女の起源が火星陣という設定が出てきた時点で、あー、これ、宇宙あるな―、とは思っていたので、衛星は順当だなぁ、とものすごく納得。

それと、魔法と科学のコンボの実践者として意外と氷上さんがフィーチャーされそうなところは、ちょっと意外だけど、でも、これも納得。

というか、魔法と科学の合わせ技の開発!って地撲と絶和が合流した意味をちゃんと持たせることもできて、まぁ、半分くらいは後付設定なのだろうけど、でもこれも納得。

こういうところ、西尾維新は、帳尻を合わせるのが上手いよね。

あとは、世界連合をつくろう!というのも、人類共通の敵が現れるなら、まずは誰もが想像することで、それを画策したのが、ロシアとイギリス、というのが、なんていうか通好みw

その上で、世界連合の雛形に置かれたのが、アフリカにある「人間王国」と、救助船「リーダーシップ」ってのが、もうね。
今現在の世界の現実をちゃっかり持ち込んでて、ここも脱帽。

人間王国のような、対地球軍事国家をアフリカで設置、ってもうブラックユーモアありすぎだし。それ元ネタは、スーダン?ソマリア?って感じだし。
ミトコンドリア・イブによる、人類発祥の地、ってネタの使い方も上手いよね。
実際にアフリカをそういう風に位置づけることはありそうだし。

対して、救助船「リーダーシップ」って、天才だけ洋上の船に集めるって、それ、ノアの方舟かよ、って感じだし。
もしくは、いわゆるハッカー的海賊主義だよね。洋上に陣取るなんて。

ともあれ、世界連合的な動きを作る上で、一方で、既存のイギリスやフランスのような国民国家を解体させる動きを描き、もう一方で、そんな国民国家とはハナから関係ないロジックで、軍事国家を作ったり、洋上準国家を作ろうとする。この動き自体は極めてリアリティがあるから。

その上で、左博士たちは、宇宙に進出、衛星軌道上の人工衛星『悲衛』を拠点にする。

で、次巻が『悲衛伝』って、なにこれ、狙いすぎでしょ!と思うしね。

しかも、ロケット打ち上げのことまで考えてロシアを最終合流地点にするとか。

なんて社会派なんだよ、西尾維新、ってびっくりしたよ。

だって、次回は、人工衛星内、もしくは宇宙遊泳が舞台なんでしょ?

で、宇宙に有人ロケットを飛ばせるアメリカとか中国とか欧州とかの宇宙機関を使って、今回、人間王国やリーダーシップに逃げ込んだ、英仏中露の対地球組織の面々が、宇宙に上がってくる、ってことになるのだろうしね。

四国編が、もうなんだこれ?地球撲滅と関係ないじゃん、と思うくらい内輪の争い、しかも魔法使い衣装でのゲーム、というわけわからん設定だったのに対して、

世界編になった途端、時事ネタ満載の社会派の風を装った展開になるんだからw

なにしろ、国民国家解体、アフリカ、海賊、宇宙、だもんね。

それをCOP21なんて現実にやってる時に物語にしちゃうんだから。
参ったよ。

いやー、残り三冊、楽しみだなぁ。
まだ、1500頁もあるのかw

それに、空々くんの「魔人」話はほったらかしなままだしね。
いやー、楽しみだよ、ホントに。

あ、そうそう、悲恋にまさか花屋瀟の心と記憶をインストールするとは思わなかったよ。
個人的には、四国編で見られた、花屋瀟や剣藤犬个の人格の混成体というのがよかったのだけどね。まさか、あんなにクリアに花屋瀟が再臨するとはね。
悲恋、便利だな。
これは、最後には、剣藤犬个も悲恋で再臨するというフラグなのだろうか。
その時、空々くんはどうするんだろうね。

そういう意味では、鋼矢の動きも気になるね。
実質上の空挺部隊No.2であるにも関わらず、今回は貧乏くじを引いてしまって青息吐息なわけだから。
次巻での活躍に期待。
いや、是非とも再び空々くんとコンビを組んでほしいなぁ。
でも、鋼矢は、いわば剣藤犬个の代役という位置づけだったから、いくら悲恋経由だとしても、剣藤犬个が再登場するようになると、鋼矢の立ち位置は微妙になるかな。

だから、悲恋経由の花屋と剣藤の再登場によって、この先の空々くんを巡る人物たちの関係も複雑化するし、その関係の行方も、今後の読みどころの一つだよね。

まぁ、氷上さんは、もうプッツンしちゃってるわけだけどw

ということで、人工衛星『悲衛』での空々くんたちの活躍、楽しみだよ。

それにしても、人間王、怪しいなぁ。
あと、リーダーシップの黒幕、まだ出てきてないよなぁ。
やっぱり、アメリカ絡みなのかなぁ。
そのあたりの権謀術数も気になるところだね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒼穹のファフナー EXODUS 第24話 『第三アルヴィス』 感想

2015-12-15 19:23:11 | ファフナー
終わってみれば暉回。
加えて、一騎回。
あと、操回。

盛りだくさん過ぎだよ!

なんていうか、見終わって、もう一回見て、で、起こったことを振り返ると、ものすごくいろいろな出来事が盛り込まれている。

●「いのち」を擁護しようとする暉の覚悟とその結末

●存在と痛みの「調和」を図るために島の祝福を受けて生まれ変わる一騎

●竜宮島から「いのち」の重要さを学びその大切さをフェストゥムの側から語る操

大きくはこの三者の話なんだけど、この他にも

●もはや「皆を守る」が口癖になった新生・甲洋

●身体にどれだけ穴があこうがまったくブレずに島と美味香を守ろうとする零央

●島のインターフェイスと化したカノン(&翔子)

というのが要所要所を決めていてなかなかにツライ。

この上で、まだ剣司&咲良夫妻に芹、彗、里奈がいるんだから、参る。
そうだ、ミカミカは復活だし。零央くん、嬉しいだろうな。

そして、物語はどんどん壮大になっていく。
前回が、地上の人の世界の業の話だったとすれば、
今回は、完全に天上界の神(どうし)の話。

とうとう一騎がフェストゥムの側に足を踏み入れたしね。

しかし、前回が、真矢の調停者としての覚醒、今回が、一騎の英雄としての覚醒、と来たのだから、次回は、例の総士のコアとしての覚醒が描かれるのかな。
もっとも、総士は、最終回かね。

総士のあのデスポエムは、こうなると、コアとして再誕する自分に向けたメッセージなんだろうな。総士のことだから、生まれ変わった自分が自分と同一性を保持しているとは思えないから、別人格と化す新生の自分に向けた手紙。

今回、アショーカのコアが同化されたようだけど、それを総士&ニヒトが無理やりアトランティス・ミールから引き出すのか、それとも総士を再生してくれた存在は、操のミール、つまりアショーカと同じ北極ミールだから、その関係で、総士が海神島のコアと成るのかな。

ともあれ、これで、一騎、総士、真矢、の三人は、それぞれ、瀬戸内海ミール、北極ミール、人類、と代弁すべき集団を抱え込むわけで、だとすると、この三人が再び同じ場所に生をまっとうする、ということは難しいのだろうな。

ともあれ、物語は終幕に向けて超加速中。

で、その物語の収束速度に、正直なところ、映像の演出がまったくついていけてないというのが、今回の正直な感想かな。

冲方丁のシナリオ、物語構成に絵コンテが全然追いついていない。
戦闘描写に逃げている感じがした。
物語の収束方向はもう見えているから、ことさらに感動的な場面にしなくてもいいよね、という感じで。

たとえば、一騎の再誕の部分は、その入りのところが少しばかり唐突だったように思う。
音楽で無理やり前のシーンとつなげた、という感じ。
ザインが復活する場面が映像になっていなかったも残念。

あと、終わってみれば明らかに暉回なのだけど、暉があそこまで粘る理由がわかりにくい。
いや、正確には彼が島に戻ってきてからの言動を繋いでみればわからなくはないのだけど。

たとえば、22話で派遣組を島のファフナーが救援に来る場面で、彗が今度は絶対助ける、ということを言っていたと思うけど、あれはオルガたちを助けられなかったという経験があればこその言葉だよね。とても短い言葉だけど、彗の決意が明確に伝わる言葉。

あの22回のAパートの戦闘場面は、そういう短い言葉だけど、それまでの物語があったから、なるほどそうだよな、と思わせるセリフが続いて、それだけでのめり込むことができる。

でも、今回の演出、特に暉の部分はもう少し何かできたんじゃないか、という気はする。
いや、一応、前回、家に帰った暉が、ご飯茶碗によそわれた白米を手にするところで、いのちの温かさだ、と口にするところがあるんだけどね。

それに今回のアトランティス・ミールによるアショーカの同化のシーンで、天柱のようなアトランティスの侵攻に対して、ゼロファフナーが両手で支える場面は、明らかにH&Eの広登の勇姿へのオマージュなのはわかるけど、その記憶に演出がちょっと頼り過ぎのように思えた。

もちろん、尺のないところを綺麗にまとめるにはオマージュ的場面を用いることでそこで伝えたいことの描写をいくらか省いて見ている側の脳内再生に委ねる事はできると思うのだけど、それにしてもね。ちょっと頼り過ぎかな、と。

それこそザイン再誕って流れであれば、H&Eでザインが広登をギリギリで助けたように、ザインが暉を助けても良かったのではないか、と思うのだけどね。

もっとも、残り2話で、暉が消えたことにも、物語展開上意味がある、必要だったということになるのかもしれないけれど。里奈の行動は当然縛るだろうし、真矢もそのことを聞けばまた感じることも違うだろうし。

(真矢が帰還するということは、広登の遺体も帰還するわけだから、芹の反応も気になるところだけど。。。)

ともあれ、今回の暉押しで、一つはっきりしたのは、「いのち」なんだな、結局、ファフナーのテーマってこと。

で、それを言葉で説明するのではなく、物語を通じて描こうとする。

それにしても、ゴルディアス結晶の見た目からも影響を受けている自覚はあるけど、ミール&フェストゥムってシリコン生命体、というよりも、植物的生命体ではないのか、という気がしてきた。

シャッター作戦で人類から放棄された土地に根付いたフェストゥムが、それこそ植物のような群体になっていたし。

暉がわざわざ植物である白米に対して「いのち」という表現を使ったことも、植物はしゃべらないし動かないけれど、動物同様、いのちであるということを強調したかったからじゃないのかな。

そう思うと、一騎が翔子から渡されたのが、真矢から渡された一輪の花であったことも、そうしたフェストゥムの植物性を表しているような気がする。

だから、珪素、すなわち鉱物が意識を持つ、というよりも、より本源的には、植物が意識を持ったらどうなるの?とか、植物が植物の身体の間、動けるようになったらどうなるの?というところに、彼らの進化の方向性に関するヒントがあるのかな、と。

ともあれ、あと二回。
23話、24話の感じだと、カタルシスのある盛り上がりよりも、淡々と、物語を収束させるのに必要なコマを動かすように、お話が描かれるのだろうな、という気はしている。

さてさて、総士たちは島に合流できるのだろうか。
そして、真矢は一騎に会えるのだろうか。

なんかもう真矢は一騎に再会できないような気がするんだよね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UQ HOLDER! 第105話 感想

2015-12-09 18:22:54 | UQH/ネギま!
キリヱ担当回w

九郎丸が結局、予想通り、男子として刀太のバディの道を歩むことを選んだのに対して、キリヱはどうするのか?って回の二回目w

で、どうするんだろうねー (白目

いわなくても見え見えだよねー
夏凛じゃないけどw

キリヱは、ネギま!の千雨同様、メタコメントありの物語重要キャラなので、刀太ラブのまま、九郎丸とは別の意味で、千雨がネギのお目付け役になったように、刀太のバディとしてこのままついていくんだろうな。

それにしても、この時間停止、ホントにバグなのかな。
キリヱ的にはそう思ってたけど、実は刀太のように「覚醒モメント!」だったじゃね?
・・・と思いたい。

ていうか、抜け方さえわかれば、むしろチートな裏ワザとして、キリヱと刀太の切り札にすればいいんじゃない。いや、今後、ここぞ!という時に使ってくると思うけどな。

しかし、ジョジョのワールドにマトリックスか(苦笑
このあたりは、メタネタとして素直に笑っておけばいい感じ。
しかも、時間停止すると、みな、物体としてカチンコチンになるところもね。

にしても、キリヱはマジで千雨の転生にしかみえないな。
そもそも、不死ネタ自体がゲームリセットって、千雨とキャラ、というか傾向がかぶりすぎでしょ。どこかでつながってないのかな。

そういえば、委員長に付き添ってた茶々丸もどきのロボとか、また出てこないかね。

もはや空気というか環境と化した「みぞれ」だけどw、彼女は数少ないリアルなネギま!人脈とのつながりを持つキャラだからなぁ。キリヱの一件が終わったら、委員長ともども、みぞれの話も見てみたいかな。

ともあれ、どうやってぬけ出すかね。

ところで、最後のコマを見て思ったけど、やっぱり雪姫の姿のエヴァってビミョーだな。
UQホルダーの面々の手前、あの姿で周りを幻惑し続けなくちゃいけないのだろうけど、修行編の時のように、やっぱり昔のエヴァの姿の方が彼女らしいね。

もっとも、その姿をちゃんと知っているというのが、刀太の数少ないアドバンテージなんだろうけどね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする