BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 第7話 『業物語 あせろらボナペティ 其ノ壹』 感想:なんだ、結局、CVの良し悪しだけが問題じゃないかw

2024-08-25 12:33:10 | 西尾維新
前回までの『撫物語』のイタさに比べれば、まだ見れる感じだった。

って、結局、会話劇をどれだけ巧く演じられるか、どうやって新奇さを生み出すか、ってことに尽きる感じで。

そういう意味では、キスショットのCV坂本真綾に対して、初登場のスーサイドマスター役の人、深見梨加という人の掛け合いが巧くいった感じ。

てっきり最初、先日亡くなった田中律子御大かと思ってビビっていたのだけど、違う人で一安心。

で、もとに戻ると、結局、西尾維新の作品って、とどのつまり会話劇なので、それをちゃんと演じられるかどうかで出来が決まる。

で、前回の、花澤香菜+早見沙織に比べれば、今回は新奇さがあった、ということだね。

ていうか、さすがに花澤香菜の一人芝居には無理があったってだけのこと。

ということで、『業物語』、ちょっと期待している。

とはいえ、原作を読んだときは、このスーサイドマスターの今更ながらの登場には少なからず呆れていたことを思い出した。

だって、結局、

  なぜ、どうして、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは誕生したのか?

というシリーズの原点に関わる話を蒸し返すだけのものだから。

そういうのは秘匿されたままで良かったのに、とその時思っていた気がするw

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〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 第6話 『撫物語 なでこドロー 其ノ伍』 感想: 西尾維新も新房昭之もシャフトも、もう一昔前の創作者という感じしかさせないイタさに溢れたシリーズ。。。

2024-08-13 00:09:52 | 西尾維新
〈物語〉シリーズの新作だからということで、なんだかんだ言って、ダラダラと見てきたのだけど、今回で『撫物語』のパートが終わったので、まとめて書いておくと。

いろいろな意味で、なんとも言えないくらい、イタかった。

なんだろうなぁ。

原作の方も、オフシーズンやモンスターシーズンは、いかにも蛇足の、「先生、せっかく人気があるので、もう少し物語、引き伸ばしましょう!」と言われたような内容で、お世辞にも面白いとは思えなかったので、

それをアニメ化したところで面白いはずもなく。

しかも『撫物語』の場合、ほとんどが撫子=花澤香菜の一人芝居なので、退屈この上ない。

そもそもまだ花澤香菜が人気が出てきた頃に演ったキャラなので、いまや大御所も大御所の彼女による少女役の一人芝居となると、なんていうか、ただただ時間が流れたことだけを実感させられて、出涸らし感ばかりした。

共演も斧乃木ちゃん役のはやみんとその他、なのも、なんだかんだ言ってイタい。


で、肝心のアニメーションだけど、これこそ、もう本気で出涸らし感しかない。

往年のシャフトの演出をコピペしました、って感じ。

しかも、作画的には劣化コピーで。

なんていうかね、もう、これ、こんなのが続くなら、アニメ化しないほうがいいんじゃないかな?

『化物語』や『傷物語』の出来にまで泥を塗る形にしかならない。

怪異が生じることの意味や、それに伴う痛みとかが、スリラー的にもホラー的にもちゃんと意味があったからこそ、合間合間に挟まれる、それこそ八九寺とのくだらない会話に意味があったわけで。

それを、そうしたスタイルだけをコピペして増産したところでろくなことにならない。

原作も手元にあるけど、あるところからずっと積読になってるくらい、もはや食指もまったく動かない。

端的に、西尾維新がさすがにオワコンってことで。

ついでに、新房昭之の全盛期も遠くなりにけりで、あとは弟子による劣化コピーばかり。

今回の『撫物語』は、こうした、かつての栄光時代の経過を痛感させられただけだった。

もういいじゃん、〈終物語〉のあたりで本編の物語が完結したと思っておけば。

それ以降のシーズンはもう全部、蛇足でしかないよ。

むしろそれ以上続けるのは恥さらしといってよい。

個々のキャラについてのバックストーリーを後付で水増ししていくだけの作業だから。

単純に見苦しい。

supercellの「君の知らない物語」の頃にはもう戻れないのだから。

あれはあれでネットが文化的発信源たり得たときだからこその良さだったわけで。

配信やソーシャルメディアでレコメやエンゲージメントが常識になった時代では抱けない面白さなんだよ。

あーだから今はもうセカイ系がなくなったわけだよね。

今やネットは、開放感ではなく閉塞感を与える場所になったわけだから。

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西尾維新 『余物語』 感想

2019-07-01 17:03:29 | 西尾維新
阿良々木くんの大学生シリーズ、てか、モンスターシーズンだっけ?の第3弾。
発売後、わりとすぐに購入していたのだけど、読むのにここまでかかってしまった。
いまさらだけど、とりあえず、スペース開けときます。




































いやー、しかし、つまらなかった!
多分、物語シリーズの中で、一番、つまらなかったかな。
読み進められなかったのも、簡単に言えば、そのせい。
で、最後まで読んで、更に徒労感が増して。。。

えーと、もう児童虐待ネタ、マジでいいよ。
てか、そのネタ自体が、とんでもなくゼロ年代的でまず古い。
しかも、虐待ネタ、前回の『宵物語』で使ってたじゃん。

いや、まぁ、その連続っぷりをごまかすために、わざわざ老倉に、阿良々木くんは「児童虐待の専門家」、と言わせたのだろうけど。
もしも、このまま虐待ネタでモンスターシーズン終わるのなら、さすがに、物語シリーズも辞めどきかな、と思ってしまう。
まったくもって、人に勧められるような出来ではない。


今回、真面目に本気で何の盛り上がりもなく、見せ場もなく、ダラダラと状況説明ばかりが続くばかり、マジで退屈。

事実上、登場人物は、阿良々木くんと斧乃木ちゃんの二人で、会話はほぼこの二人によるもの。忍すら出てこない。
あとは、今回の事件を持ち込んだ阿良々木くんの大学の(ニセ)教授。
この人の心情を吐露した暗号化された手紙による告白があるばかり。

そして、なんかよくわからないうちにこの事件がおわったところで、まさかの羽川登場。
そして、羽川+阿良々木で、なぞとき、というか、今回のオチの解説。

で、なにが今回、最悪か、って、その先生が怪異だった、というのが、このオチのところで「語られる」ところね。
しかも、このオチについての、羽川との対話が、今回の最大の見せ場になるのだから。
さすがに、これは禁じ手だろう。
呆れる。

もちろん、羽川とのやりとりが見せ場になるのは全く問題ないのだけど、だったら、そこまでの展開を、『暦物語』のときのエピソードくらいの、せいぜい50ページくらいにして、おもむろに羽川登場、という方がよかった。

明らかに今回の中盤は、どうでもいい水増し。
いや、どうでもいい水増し、も西尾維新の常套手段であるのだけど、どうでもよくても「面白い」のが常道。今回は、それすらなかったからね。

で、察するに、最後に加えられた短編「よつぎシャドウ」のところで扱われた、撫子のお話のほうが本流のように思えるのだよね。
だから、前半の「よつぎバディ」のパートは、要するにこの事件の結果、斧乃木ちゃんが阿良々木から追放されて、撫子の家に事実上、居候するためだけの事件だったという気がする。

となると、きっとモンスターシーズンの本領は、撫子と斧乃木ちゃんの方にあるのだろうな、と。
てか、もう撫子って、ジョジョの岸辺露伴ポジションだよね。
モンスターシーズンは、だから、撫子のスピンオフのための舞台づくりなんだよ、きっと。

あとは、斧乃木ちゃんが阿良々木家から離れることで、いよいよ月火のラスボス化が生じて、というか、彼女が本気で「モンスター」と化して、
「撫子+斧乃木ちゃんvs月火」
のマッチアップが行われるんだよ、クライマックスとして。

だって、月火の話って、まだ本格的に扱われてないものね。

で、大学生の阿良々木くんが抱える最大の危機になって、そこに羽川やガハラさんも参入ってことになるんじゃない、特別にw

てか、それくらい、うまくキャラを使ってくれないと困る。
要は、戯言シリーズにおける「ネコソギラジカル」的な展開。
で、それは、阿良々木くん個人の闇の問題が、一応「終物語」で解決しているからこそできる話だと思うんだよね。
大学生の阿良々木くんは、メンタル面ではもうブレない、ということで。

そういうふうに持っていってくれないかなぁ。
ともあれ、次巻あたりは、撫子の話を扱う方が、後に置かれているにもかかわらず中編だった、という構成を期待。

良くも悪くも阿良々木くんはもう直接的には目に見えて成長はしないので、その成長の部分のすったもんだは、撫子の方に担当してもらって、ラスボス月火とガチでやりあう、というのでよろしくw

ともあれ、ホント、この『余物語』はつまらなかった。退屈だった。
弁護する余地が全く無いよ、マジで。

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西尾維新 『宵物語』 感想

2018-06-23 00:14:39 | 西尾維新
モンスターシーズン第2弾!
もはや、終わらないコンテント、と化してしまったこのシリーズは一体どこまで行くのか?
表紙からすると、なんだか、八九神!の活躍があるようにもみえるけど・・・

ということで、とりあえず、スペース、空けときます。




















































しかし、ほんとに、これ、いつまで続けるのだろう?
いや、刊行予定はすでに出ているから、あと4冊?だっけ?、出るのは確定しているわけで。
しかも、阿良々木くんの将来もすでに示されているから、
このモンスターシーズンで、大学生時代の阿良々木くんを取り上げることで、高校のときとは違う彼の姿を描いていくのだろうけどね。

にしても、ここに来て、日傘ちゃんなんてキャラ、神原の友人として本格投入してくるかね?
いや、これは面白くて言ってるんだけどね。
前のシーズンの時、扇ちゃんのような、トリックスター的ポジを取るんだろうけど。

で、そのうえで、幼女、少女、童女の三人組w
この三人は、やっぱり、キャラも立ってて性格もバランスよくて、適度に、阿良々木くんを足蹴にすることができるところがいいんだろうな。
作者にとっては、動かしやすいキャラだし、
読者にとっては、安心して会話のやり取りを楽しめるキャラ、ということで。

裏返すと、それだけで持ってるようなものだし。

で、肝心の物語の方はどうかというと、
流石に、少女の虐待ものは食傷気味かなぁ。
このネタ、なんども繰り返しているよね。
まぁ、羽川のケースとは異なる対応ができるのか、というのは、作中でも阿良々木くん自ら口にしていることだから、そういうものなんだな、と思うしかないといえばそうなのだけど。
にしても、多い気がするので、西尾維新は、この虐待系の「隠された悪」に対しては、なにか、抱えちゃってるのかなぁ、と思ってしまうくらい。

この一見するとミステリー風な始まりから、その「謎」の出自が怪異であることから、いわゆる「謎解き」は放棄されてしまう展開・・・も、しかし、いささか食傷気味かな。

もっとも、これだけシリーズが続いたら、マンネリ化するのは当然なんだけど。

その点でいったら、最後の撫子のところは、短編だけど、面白いし、今後の展開が気になる。
彼女は彼女で、阿良々木くんとは別口の、怪異ハンターになっていくんだろうなぁ。
で、そこに絡むのが斧乃木ちゃんだ、というのも不思議。

ということで、なんだかんだいって、この先も読んでしまうのだろうなぁ。

ちょっと今、時間がないので、今日のところはこれくらいで。

また、あとで書くかもしれない。

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西尾維新 『悲終伝』 感想

2018-05-14 20:22:07 | 西尾維新
第1巻の『悲鳴伝』が2012年4月の発刊なので、足掛け6年に亘るそらからくんの地球との戦い、最終章。
一体ぜんたい、どんな結末を、そらからくんは、空挺部隊は、そして、人類は迎えるのか?

ということで、スペース、空けときます。













































『悲球伝』との2ヶ月連続の発刊で大団円、・・・
なのだけど、『悲終伝』を読んでから振り返ると、両方まとめて1冊くらいでちょうど良かったかなぁ、というのが正直なところ。
それくらい『悲球伝』は冗長、・・・、というか、とりとめがなかったかな。
正直、話がどこに向かうか、見えないまま、3分の1が過ぎ、3分の2が過ぎ、気がつけば、え?、火星なの?、ってところで終わっていたわけだから。

まぁ、西尾維新らしい、といえば、らしい、のだけど。。。

しかし、終始、この最終巻では、「ジャイアント・インパクト」が活躍してたw

月を地球に落として、もう一つの地球を創る、という「ジャイアント・インパクト」と、
言動においても行動においても重要局面に常に登場していた魔法少女ジャイアント・インパクトこと地濃鑿w

てか、正直なところ、地濃、便利に使いすぎじゃない?
ワイルドカードすぎでしょ?

だから、終わってみれば、このシリーズは、結局、地濃鑿の物語だった、ってことだよなー。
そらからくんが活躍したのは、あくまでも第1巻の『悲鳴伝』だけで。
あとは、基本的に、そらからくんは狂言回しにすぎなかった。
まさに語り部。
なので、『悲球伝』のように彼が登場しないと、そもそも話がどこに向かうのか、見当がつかない。
あ、そうか、あれも、一冊、地濃鑿が登場し得ないから、ノリとツッコミがなくて、いまいちだった、ってことになるのかな。。。

うーん。

あとは、やっぱり、杵槻鋼矢。
彼女の存在が、ここ一番では、圧倒的だった。

そういう意味では、最後に、むりやり「悲恋」を事実上、花屋瀟にしてしまったのも、もうそれだけで、フィナーレが始まっている感じだったかなぁ。。。

正直、まだ、ちょっとシリーズを消化しきれてないので、また書くかもしれないけれど。

難しいなぁ。
そらからくん自体は嫌いではなく、彼の戯言ではない行動力、というか、死神ぶりが魅力的だっただけに、最後の方は、ちょっと丸くなりすぎたかなぁ、とは思うよね。

まぁ、過去の西尾維新のシリーズを考えれば、本編終了後は、定期的にスピンオフをだらだらと書き続けていくのが常道なので、多分、地濃鑿のスピンオフは遠からず始まるよね。

てか、最終巻の最後でいきなり飛んだ100年間の間のエピソードをいくらでも書けるだろうから、その意味でも賢明な終わり方だよね、今回の幕引きは。

もともと、地球と一介の少年が対峙する、というスケールが全く合いようがない設定だったから仕方ないと言えば仕方ないけど、それにしても荒唐無稽だったなぁ。

カッコよくいえば、最後は、今どきのAIやらシンギュラリティを含めて「生命とはなにか」という話に突き進んでいたからね。

もっとも、第1巻が出たタイミングが、311の一年後だから、地球をヒール役にするのも、ある意味で時宜にかなっていた。あの頃、地球が天罰を下した、なんてしたり顔でいうひとたちもいたのに対して、西尾維新は、だったら地球を敵認定して、地球に優しい云々なんてバカなことをいうのはやめようぜ、という感じの、彼らしい皮肉たっぷりの逆バリの展開だったわけで。

その逆バリぶりでいけば、今回も、いやー、世間ではAIとかバイオとかを危険視する話が多いけど、それで延命できたり、生き返ったりできるんなら、万々歳じゃないか!、そもそも今ある問題の多くが無効になるよね、・・・、という感じの終わり方だったなぁ、と思う。

西尾維新らしい、超サーカスティックな落とし所w

もっとも、その結末に至るまでがとにかく無駄に長いから、普通の人は追えないよね。

正直なところ、このそらからくんのシリーズで、西尾維新は最後かなぁ、という気がしている。
あ、いや、過去のシリーズのスピンオフは、多分、なんだかんだいって読んじゃう気がするけど、今後新たに始まるシリーズについては、もうちょっとついていけないかな。

その意味では、いつまでも成長せずに西尾維新のまま、というのある意味ですごいとは思うけど。

舞城とか冲方とか辻村とか、同じ時期にデビューしてた作家が、みな直木賞や芥川賞の候補者とか受賞者になっているのに、西尾維新は相変わらず、戯言一本だもんね。

特に『悲球伝』とか、ホントに「謎のシチュエーション」を無理矢理つくって、その状況の解釈の仕方について延々と自問自答を繰り返していく・・・ようなところばかりで、それを、なんだかんだ言って真面目なキャラである鋼矢と花屋が語ると、どうしようもなく正論すぎて息を抜くところがなかったのがきつかった。

そらからくんの場合は、地濃や氷上さん、あるいは左右左危博士がいて、突っ込んでくれるからなんとかなってるだけで。

てか、『悲衛伝』以後の宇宙編では、そこが人工衛星「悲衛」の内部とわかっているからなおさらだけど、ひたすら閉鎖空間の中で、相手を変えては、あれこれ話すだけだもんね。

あー、わかった。だから、『悲衛伝』以降は退屈だったんだ。

仮にも四国編は、まだ、動きがあったからね。突如、場面が展開して、いきなりそらからくんがピンチに直面するとか、びっくりするような展開は、やはり多かったから。

当時は、アクションも一応、あったしなぁ。
宇宙編は、そういう意味では、全編、瞑想だけの世界のようなものだからね。
そういう意味では、やっぱり、『悲亡伝』以降が、大掛かりな蛇足だった、ってことだよね。

四国編はまだ、いくばくかのリアリティがあったけど、宇宙編はもう、惑星や太陽の擬人化とか、訳わからなかったしな。

そういう意味では、やっぱり、これは失敗作なんだろうな。

突き詰めると、『悲鳴伝』で終わりにしておけばよかった感じかなぁ。

四国編ですら、発刊された当時は、なんだこれ、って思ってたしね。
悲恋や火星、あるいは魔人の話が出てきて、それもまたもっともらしい決着を着けていたけどね。
いや、個人的には、四国編の最後で、悲恋が自爆するのを、天才ズがカバーして、悲恋もそらからくんも生き残った場面は、実は結構、じんわり来たんだけどね。

あー、この世界、結局、利害関係の対立から互いに衝突することはあっても、悪人はいない世界なのね、と思ったものね。

まぁ、西尾維新の世界は、基本的にそういう世界だけど。
常に「偶然に」大惨事が生じる。
でも、それは悪意の発露ではない。

で、そういう「じんわり感」が、『悲終伝』のラストではなかったかなぁ。
なんとなく「地球」がいい人(いい星?)っぽい感じにされていたけど、それも、そらからくんの解釈や誘導あってのものだしなぁ。


・・・ということで、やっぱり、宇宙編は蛇足だったかな。
うん、思っていたほど、面白くはなかった。
とりあえずは、そうまとめておこう。

やっぱり、最後の鋼矢や花屋と会話するところは、対面してやらないとダメなんだよ。
そのビジュアルが絶対、必要で、
その意味では、例の用意していた宇宙船で鋼矢と花屋は、そらからくんの前に物理的に駆けつけるのだと思っていたけどね。

そうしたカタルシスの場面がないから、100年後の後日談で、そらからくんが氷上wと結局連れ添った、といわれても、あー、そうなの?ぐらいにしか思わないよね。

それで、最後に、取ってつけたように、剣藤犬个の声を出されてもなぁ、とは思う。

まぁ、終わってみれば、そらからくんの最大の理解者は、あろうことか、地濃鑿だった、ってことになりそうな締めだもんね。

要するに、鋼矢は、戯言シリーズにおける「人類最強の請負人」のポジションだったってことなんだろうけど。

あー、そういう意味では、このそらからくんの英雄譚は、戯言シリーズのリライトみたいなものなんだろうな。
ラスボス(の地球)を最初から登場させた戯言シリーズ。

もっとも、だからといって、もう一度、『悲鳴伝』から読み直そうという気にさぜないのが、西尾維新の欠点なんだろうな。

これが森博嗣なら一定の緊張感の下で再読が可能だけど。

西尾維新の場合は、文字通り「戯言」ばかりで、しかもその「戯言」に伏線や真実が密かに滑り込まされているから、改めて読む気にさせない。

その最たるものが『悲終伝』における、四国ゲームの「チーム・ウィンター」の真実であり、トゥーシューズ・ミュールの真相ってことになるわけだけど。
いやー、そんな展開、想像できるはずがないよね、さすがに。

だから、結局、驚いただけで終わりなんだよね。

そして、それが、西尾維新、さすがにもういいかな、と実感してしまうところで。
良くも悪くも変わらない、成長しない作風。
それはそれで、スタイルとして確立されているということだから、すごいことなのだけど。

あまりにも、他愛なさ・・・すぎるかな、もはや。

そういう意味では、こういう結末だったのは、残念だったかなぁ。
とりわけ、最後に爺さんになったそらからくんとかは、わざわざ見せなくても良かったかな、とは思う。

そこが西尾維新の弱点だよね。

結局、青年や大人がまともに描けない。
だから、いきなり爺さんに飛ぶ。
頭が盲聾しているという点では、実は老人は子どもと変わらないからね。
結局、子どもしか描けない。

そして、そんな子どもが成長する話として、このそらからくんシリーズを書いたような気もするけど、そして、それは戯言シリーズでできなかったことのいわばリベンジなわけだけど、では、それが首尾よくいったかといえば、そんなことはなかったかなぁ。

裏返すと、老人になった姿を描かないまま、終わりにしておけば良かったのに、と思う。

最後は、やっぱりカーテンコールで、皆が代わる代わるに登場する、というクサイシーンで良かったのにね。

ともあれ、6年間かぁ。
長かったなぁ。
そして、世の中も変わっちゃったなぁ。
それが最大の誤算といえば誤算だったんだろうな。

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西尾維新 『結物語』&オフシーズン 感想

2017-08-23 20:07:02 | 西尾維新
ずっと積読のままだった、オフシーズン4冊のまとめ読み。
なので、『結物語』と言いながら、その実、多分、オフシーズンまとめての感想、ってことになるかも。
ともあれ、今更な気はするけど、スペース、空けときます。













































なんで、今になってオフシーズンを一気読みしたのか、というと、直接の理由は、この間、『終物語(下)』のアニメを見たから。

で、いまさらながら、ファイナル(苦笑)シーズンの全貌を思い出したから。
てか、あれはあれで、ずいぶんと複雑なプロットだったんだなぁ、と。
その分、今になって、結構、感心したんだよね、ファイナルシーズン。

で、その勢いで、溜めたあったオフシーズンを読み始めた。
見たら、オフシーズン第一作の『愚物語』って2年前の2015年に出てるのだけど、全く触手が伸びなかった。ということは、2年間まるまる、「物語シリーズ」については触れてなかったってことになる。

その理由は、いうまでもなく、あれー、「ファイナル」シーズンって名うっていたのに、まだ続くの?さすがに蛇足じゃない?って、当時、思ってたんだよね。
しかも『愚物語』の最初が、老倉育の話から始まっていたのも悪かった。

実は、ファイナルシーズンの最後の最後で彼女が登場したのが、どうにもご都合主義で嫌だったんだよね、当時。

だって、いかにも取ってつけたような新キャラで、
しかも遅れてきた必敗の「幼馴染ヒロイン」って存在なのだから。

その老倉の「その後」の話から始まるオフシーズンって何よ?って思っていた。
で、そのまま、積読状態に。

けれども、今回の、アニメの「終物語」を見て、前の老倉のエピソードとかを見直すと、これはこれで、忍野扇の「初登場」ネタだったったことの重要性に気づいて、ホント、今更ながら、なるほどなー、と思ったんだよね。

それで『愚物語』から読みだしたら、やっぱりこれは面白い。

もちろん、モンスターシーズンが新たにスタートして『忍物語』が刊行されたから、というのもあるのだけど、オフシーズンって、「オフ」って言葉で騙されていたけど、実は「落穂ひろい」的な後日談ではなく、モンスターシーズンに向けた新たな舞台づくりだったのね。

そこでようやく了解したのが、ファイナルシーズンの「ファイナル」って、化物語シリーズの「最終」ってことではなくて、阿良々木くんを主人公にした彼の「高校=青春劇」が終わった、ということだけだったのね。

要するに、「第一部・完!」ってこと。

でも、当然のことながら、阿良々木君以外にも魅力的なキャラはたくさんいて、彼らをこのまま死蔵させるのは惜しい・・・ということで、始まったのが、第二部としてのモンスターシーズン。

まぁ、モンスターシーズンの位置づけ(の予想)については、『忍物語』の感想で詳しく書くつもりだけど、簡単にいえば、文字通りの「化物語」が、モンスターシーズン以後の第二部ってことだよね。

もはや阿良々木くんはセンターにいるわけではなく、ひたすら、怪異譚が語られていく。
その第二部に向けた布石が、オフシーズン。

なので、
忍の「美し姫」のエピソードが今更ながら触れられ、
そこからスーサイドマスターが新たに登場したり、
(すっかり忌み嫌われていた)千石撫子のいわば「召喚絵師」的デビューや
八九寺の〈八九神〉としての本編復活に伴って斧乃木ちゃんが阿良々木番からは降板し、
かわりに、斧乃木ちゃんは、月火と千石の語り部担当になりそうなルートが示される。

てか、この斧乃木ちゃんの「受難キャラ」へのシフトは、一見、えー???と思うものの、彼女のキャラは「常にブレていた」ことを思うと、この変貌も、また予定調和で面白いなぁ、と。

てか、月火ネタは、神原ネタとともに、ファイナルシーズンでは周縁的に扱われていたのも、あとで、新たなストーリーラインを生み出すためのものだったのだ、ということで納得できたし。

ともあれ、そうしたファイナル・シーズンまでの、阿良々木くん目線から見たとき、周縁的に扱われていた人たちに異なるスポットが当たるように加筆するのが、オフシーズンの狙いの大きな柱だった。

つまり、斧乃木×千石×月火、のいわばスピンオフ的なストーリーラインが一つ新たに生じる。

で、そうした第二部への道筋をはっきり示すために書かれたのが『結物語』だった、ということ。

いきなり阿良々木くんの社会人一年目の話にすることで、少なくとも、この化物語世界には、4年分の時間の経過、という「語られていない世界」が存在することが明らかにされた。

で、その空白の4年間を描くのが、モンスターシーズン。
まぁ、そのことは『忍物語』側で触れるとして。

『結物語』では、阿良々木くんの警察官キャリア組としての将来が描かれるだけでなく、彼の同級生女子3人についても、その将来が記されていた。

で、この部分こそが、『結物語』の白眉たるところだと思うのだけど、
この、阿良々木、戦場ヶ原、羽川、老倉、の四人が、きっと、モンスターシーズン後の新シーズンの主役にまたなるんだろうな、と。

もちろん、その話の中心には、羽川、という「生きた化物」が存在していて、その「旧ツバサ・ハネカワ」が仕掛ける世界的な怪異譚?的物語に、インターポール的な国際怪異デカ(刑事)となった阿良々木くんが、探偵役として絡んでくる。

で、その「旧ツバサ・ハネカワ」と「真・阿良々木くん」との国際的丁々発止の仲立ちをするのが、多分、国際金融資本のプレイヤーとなった「ミズ・ヒタギ」こと戦場ヶ原、ってことなんじゃないかな。

じゃあ老倉は何?ってことになるけど、まさに「幼馴染」キャラとして、そんな国際的な活躍を行う三人のいわば、錨役、つまりは原点としての役割を果たす。そのために彼女は、直江津町役場に勤め、しかもその地に終の棲家まで購入してしまった、ってことでしょ。

もちろん、直江津町には、八九神もいるわけで、これは阿良々木くんからしたら、なくせるはずのない「故郷(ふるさと)」だよね。

少なくとも、『結物語』の後半で書かれていた、阿良々木、戦場ヶ原、羽川、老倉、の四人の物語は、こういう、将来的な役割分担のためのものだったと思う。

そして、この老倉との対比も含めて、羽川は、逆に、直江津町から、彼女自身の痕跡を全て消そうとしたわけで。

つまり、羽川は、いわば地球上を舞台に活躍する「∞(無限大)」の存在になったのに対して、老倉は直江津町に完全に根を下ろすことで、「ゼロ=原点」の存在になった。

その「無限大」と「ゼロ」の間を、あくまでも人間の尺度で右往左往するのが、将来の阿良々木夫妻?。

まぁ、ホントに、阿良々木くんと戦場ヶ原が結婚するかどうかはわからないけどね。

大体、世の中の多くの事実を見れば、高校のときに付き合っていた二人が結婚するなんて、よっぽどの田舎町でもない限り、ありえないわけで。
少なくとも都会的現実とは全くそぐわない

その点で、阿良々木くんが、大学の4年間で、戦場ヶ原と別れては復縁、というサイクルを繰り返した、というのは、適度にリアリティがあってよかった。

そして、そのサイクルに、なぜか老倉が絡んでいたのも。

多分、西尾維新からしたら、羽川を「本当の怪物」にしようとして大学には行かせずに世界の放浪の旅に出させた時点で、本来なら、大学の四年間で羽川が占めたであろうポジションを埋めるために老倉を登場させたのだろうな、と思う。そうして、羽川の足跡を完全に消すことで、逆に、羽川がどんな存在になってもおかしくないものにした。

だってさー、
どう考えても、羽川って、化物語ワールドにおける位置づけって、別格でしょ。

それは、この間、ようやく完成した映画の『傷物語』を見ても思ったけど、そもそも羽川がいなければ、阿良々木くんは忍=キスショットと出会うこともなかったのだから、羽川は化物語という世界のまさに「扇の要」なんだよ。

だからこそ、それこそ扇ちゃんは、羽川を蛇蝎のように嫌ったわけでしょ。

それに、普通に考えたら、『猫物語』の黒白あわせて、途中まで、多くの読者が、阿良々木くんが羽川を(恋人として)選ぶエンドも想像していたでしょ。

てか、羽川の阿良々木くんに対する「想い」の重さについては『業物語』の「つばさスリーピング」でも語られていたわけで。
その羽川が、阿良々木くんと俗世で結ばれなかったのには絶対、意味があるはずだよね。

多分、羽川と阿良々木くんの関係は「恋愛」のような言葉では語れないんだよ。
きっと、羽川と阿良々木くんの関係は、阿良々木くんと忍=キスショットとの関係に近いのだと思う。つまり、「死ぬときは一緒」という関係。

実際、この「阿良々木くんと忍」の関係については、戦場ヶ原もノーコメントのままなんだよね。多分、嫉妬の感情なんかでは表現できない。
でも、それもこれも、忍が吸血鬼という化物だから、許される特権的な、阿良々木くんとの昵懇な関係なわけでしょ。

で、きっと、この忍―阿良々木の関係に近い「絆」を、将来的には、羽川と阿良々木くんの間で、西尾維新は描いてみたいと思っているのではないか。

なんていうのかな。

森博嗣ワールドにおける真賀田四季のような存在に羽川翼を位置づけたい。
あるいは、ちょっとニュアンスは違うけど、ジョジョにおけるディオのような存在に羽川をしたい。

「旧ツバサ・ハネカワ」が、うつくし姫が吸血鬼になったように、ほんとの怪異になる。
その時、阿良々木くんは、ようやく、人の理を離れて、忍と運命を誓いあったように、羽川と添い遂げることができるのではないか

多分、そういう、遠大な計画をもって、『結物語』では、羽川をあのような形で、つまり、シュレ猫的な、どうとでも解釈できる存在として、半ば怪異化した存在として描いたのではないかな。

加えて、真性の怪異となった「旧ツバサ・ハネカワ」という存在に、しかし作中で違和感を抱かないようにするために、わざわざ直江津署の風説課なるセクションをつくり、そこに阿良々木君同様、怪異とともにある「半・人間」を集めてみせたんじゃないのかな。

いってみれば、ジョジョ第三部では特殊能力だったスタンドが、第四部以降、ほとんど誰でももてるような気にさせる能力として位置づけられたようなもの。

阿良々木くんの青春目線で語れば、怪異譚は世界を揺るがすものとして位置づけられていたけど、しかし、大人の世界からみれば、怪異の存在は半ば常識であった。

その世界認識を、大人になった阿良々木くんの目線から明確に宣言されたのが『結物語』だった。

そして以後の「化物語」世界では、阿良々木くんは、刑事として、いわが臥煙さんや忍野のような専門家と似たような立場から、怪異譚を「日常」として語り、日常として解決していくようになる。

・・・ということで、物語シリーズは、西尾維新のライフワークになった、ということ。

モンスターシーズンの後の、ナデコ・シーズンや、ハネカワ・シーズンが、楽しみだよ。
まぁ、多分、10年後とか、20年後とかになるんだろうけどw

そこでは、もう阿良々木くんは絶対的な主人公でないだろうけど、しかし、確実に物語の流を極めるピースのひとつになるんだろうな。

ハネカワvsアララギ、の因縁の頂上対決が今から楽しみだよw

多分、ハネカワは、怪異の王・キスショットも超えるだろうから。

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西尾維新 『悲衛伝』 感想

2017-08-07 21:29:11 | 西尾維新
いやー、去年の年末に出てたのに、
ようやく読み切ることができた。
いまさらな気もするけど、
一応、スペース、空けときます。























































・・・といっても、読み始めたのは、一週間くらい前なんだけどね。

そろそも、この500ページの西尾維新を読むのは、物理的にキツくなってきた。
それだけの時間を割くのが難しい。

しかも、今回に関して言えば、
えー、マジでそんな幕切れ―!!!
500ページ、読んだ時間を返せよー、ってマジで思ったよ。

だってさ、今回出てきたキャラ、最後の数ページで全滅だよ!

まぁ、西尾維新らしいといえば西尾維新らしいのだけど、さすがに、それはないわー、と思ったよ。

ていうか、今回は、いつにも増して、読みづらかったんだよ、そもそも。

なにしろ、水金地火木土天海冥+月+太陽、という、太陽系の星々が擬人化されて登場するという、わけがわからない設定だったから。

しかも、ブルームとかブループとか思い切り被る愛称を空々くんがつけてしまうものだから。

まぁ、地球陣やら火星陣やらでてくるんだから、他の星が出てきてもおかしくはないとは思っていたけど、それが代わる代わるとはいえ、一気に登場し、しかも最後には全滅だからね。

しかも、最後の太陽までは、星々との会合は、すべて人工衛星「悲衛」の空々くんの部屋で行うという密室ぶりで・・・
それだけで息苦しいでしょ。

その上、空々くんのパートナーをいつもの氷上や鋼矢ではなく天才ズにしてしまうから、そことの距離感も微妙でしんどかったし。

確かに、この過酷な状況では、唯一何があってもどこであってもキャラがぶれない地濃との対話部分が、予定調和のキチガイぶりで、その分リーダビリティが高くてホッとしてしまうという始末。

まるで阿良々木くんにとっての八九寺のような位置づけに地濃がなっていて、正直なところ、八九寺Pに申し訳ないとまで思ってしまったよw
ごめん、地濃となんかと同類のように見てしまって・・・・、って感じでw

ちなみに、あとがきで、第10巻の『悲終伝』は、地濃の番外編になるってあったけど、正直なところ、それはやめてほしいなぁ。

八九寺と違って、地濃には、全然愛着がわかないんだよね。
まぁ、そのあたりが、この空々くんの物語が、さすがにシンドいなぁ、と感じてきた理由ではあるのだけどね。
それに10巻がそういうことなら、第9巻で地球陣との争いは終わる!ってことになるわけだけど、だとすると、前巻の7巻で仕込んだもろもろもネタはどうするの?ってことになるので。

となると、実は、え?9巻で終わり?って思わせておいて、実は終わらず、10巻はいつもどおり空々くんたちが活躍します!って展開にしてくるようにも思えるんだけどね。。。

まぁ、どうなるのか。

それにしても、最近の西尾維新は、お話を畳む能力が著しく落ちてきている気がするのだが、どうなのだろう。

そういえば、阿良々木くんの「物語」も、結局リブートしちゃたしね。

なんかどれもこれも、ドラゴンボール化してきていてちょっと心配。

だんだん、戯言と全体の物語との間のバランスが取れなくなってきてるんだろうなぁ。
それは、ちょっともったいないなぁ、と思ってしまう。

まぁ、どうなるのかなぁ。

ちなみに、物語シリーズは、すっかり積読モードになってしまっていて、未読のものが6冊ほど溜まっている。。。どうするかなぁ、これ、って感じ。

で、肝心の『悲衛伝』だけど、
いやー、マジで、ホント、中身ないよ。
その意味では、空々くんのシリーズでは、一番読むのが苦痛だったし、一番つまらなかった。
もうこういういかにも西尾維新的オチは勘弁!って心底思ったもの。

この徒労感は、半端ないよ、マジで。

なので、感想らしいことを言おうにも、その感想そのものが意味を持たないと思わされてしまう。

せめてこの先の方向感くらい残しておいてくれたらよかったのだけど、それすらないからね。
四国編のときのような、いい意味で、えー、これどうすんのよ?って悪態すら生まれない。

前巻との関わりが何もないのが、これ、クライマックスに向かってるんだよね?という漢字をさせない理由でもあるのだけど。

あと、天才ズ、そこまでもちあげなくてもいいと思うだけどね。

その意味では、悲恋が登場してきた頃が、一番おもしろかったかなぁ。
こいつ、どんなふうに振る舞うんだろう?って疑問が常に湧いていたからね。
あるいは、氷上さんの、イタイ感じとか。

まぁ、一言で言えば、今回の『悲衛伝』は、駄作でしょ。
それも、超がつく駄作。

普通は、これひどい話だったなぁ、と思っていても、こうして感想を書き始めたら、途中でいくばくかの面白さには気づくものなのだけど、今回は、それが全然湧いてこない。
それもこれも、今回登場した新(星)キャラを最後であっさり全滅させてしまったから。
せめて一人くらい残っていればね。
そいつを起点にして、この先どうなるのだろう?とか、今回のお話をそいつ中心に振り返ってみようという気も起きるのだけど。

なにしろ全滅だからね―。
そういう手がかりが一切ない。

ホント、虚しい読書だった。
そんな虚しい読書のために500ページも使うの、マジでやめてほしいわ。
ホント、やめてほしい。。。

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西尾維新 『悲亡伝』 感想

2015-12-16 23:32:31 | 西尾維新
ようやく読み終えた。
だんだん500頁を読む時間をとるのが難しくなってきた。
とはいえ、やっぱり読んじゃうんだよね。

ということで、とりあえずスペース、空けときます。























































長い、ながーい、
とてつもなくながーい四国編を終えての、
ようやくの新章開始!
面白かった!

いきなりの世界編で、チーム空々、改め、空挺部隊wの面々が、
世界中の対地球組織に内偵に向かう、という話。

いささか冗長といえば冗長だけど、それはまぁ、西尾維新だから、お約束として。

それでも、この第7巻が、新章である「世界編」の四部作の第一巻であることを考えれば、登場人物や関連組織の情報を整理し、新旧のキャラの間で情報の平仄を合わせた、という点では、よくまとまっていたんじゃないかな。

もっとも、終始笑かしてくれたのは、地濃鑿だったわけだがw
いやー、彼女の空気の読めなさは凄いわ。
というか、あのブレなさはねー。
キャラ的にも、こんなジョーカーキャラ、見たことがない。
というか、ワイルドカードw
オールマイティw

ともかく地濃鑿だったらやらかしてくれる、という期待があるだけで、どんなご都合主義的展開も可能になるところが凄い。

ある意味で、空々くんの対になる、凄さだよね。

まぁ、地濃鑿が何が面白いか、ってところは、実際に『悲亡伝』を読んでくれ(笑
引用するのもバカらしいw

ともあれ、彼女がいてくれたおかげで、なんかここ真剣で神妙だな、というシーンが突然笑い、というか冷笑の場に変わり、作中の他のキャラの発言が、あれ、それ都合良すぎでしょと読者的に思うところには容赦なく地濃が突っ込む。

という具合に、とにかく万能!

地濃鑿は、ホント、四国編の最大の収穫だね。

この空々くんの伝説シリーズは、どこかしら戯言シリーズのリメイクのようなところがあって、あのシリーズに負けず劣らずの強者キャラ揃いなんだけど、それでも、地濃鑿は頭一つ抜けてる。それくらい、便利・万能キャラ。

空挺部隊には、四国編から魔女、魔法使い、元魔法使いが総勢7人加わっているのだけど、魔法使いチームが例の天才三人だったりするわけだが、彼女らが「天才」と記されるたびに、いやー、それはあくまでも人間の世界の尺度でだろ?と突っ込みたく成るくらい、地濃は人間を超えてる。
いや、空々くんもそうなんだけどさ。

で、あんまり地濃のことばかり書いていても先に進まないので、世界編第一巻としての『悲亡伝』の流れについて記すと、

要するに、対地球共同戦線を敷くための、世界連合を作ろうと言うのが、世界編の大きな背景。

その動きに対して、左右左危博士が、それつまらん!とばかりに、独自路線を展開しようとしてそのための時間稼ぎに使われたのが空々くんたち空挺部隊の面々、ということで。

しかし、左博士、ぶっ飛んでるようで実は正攻法派。
ここは、結構しびれたんだけど、四国編で、氷上女史が魔法と科学のコンボを実践してみせたのにヒントを得て、その合体技を対地球用に開発しようとする。しかもその開発を宿敵・地球にさとられないよう、衛星軌道上で行う、という。

まぁ、前巻で、かんづめら魔女の起源が火星陣という設定が出てきた時点で、あー、これ、宇宙あるな―、とは思っていたので、衛星は順当だなぁ、とものすごく納得。

それと、魔法と科学のコンボの実践者として意外と氷上さんがフィーチャーされそうなところは、ちょっと意外だけど、でも、これも納得。

というか、魔法と科学の合わせ技の開発!って地撲と絶和が合流した意味をちゃんと持たせることもできて、まぁ、半分くらいは後付設定なのだろうけど、でもこれも納得。

こういうところ、西尾維新は、帳尻を合わせるのが上手いよね。

あとは、世界連合をつくろう!というのも、人類共通の敵が現れるなら、まずは誰もが想像することで、それを画策したのが、ロシアとイギリス、というのが、なんていうか通好みw

その上で、世界連合の雛形に置かれたのが、アフリカにある「人間王国」と、救助船「リーダーシップ」ってのが、もうね。
今現在の世界の現実をちゃっかり持ち込んでて、ここも脱帽。

人間王国のような、対地球軍事国家をアフリカで設置、ってもうブラックユーモアありすぎだし。それ元ネタは、スーダン?ソマリア?って感じだし。
ミトコンドリア・イブによる、人類発祥の地、ってネタの使い方も上手いよね。
実際にアフリカをそういう風に位置づけることはありそうだし。

対して、救助船「リーダーシップ」って、天才だけ洋上の船に集めるって、それ、ノアの方舟かよ、って感じだし。
もしくは、いわゆるハッカー的海賊主義だよね。洋上に陣取るなんて。

ともあれ、世界連合的な動きを作る上で、一方で、既存のイギリスやフランスのような国民国家を解体させる動きを描き、もう一方で、そんな国民国家とはハナから関係ないロジックで、軍事国家を作ったり、洋上準国家を作ろうとする。この動き自体は極めてリアリティがあるから。

その上で、左博士たちは、宇宙に進出、衛星軌道上の人工衛星『悲衛』を拠点にする。

で、次巻が『悲衛伝』って、なにこれ、狙いすぎでしょ!と思うしね。

しかも、ロケット打ち上げのことまで考えてロシアを最終合流地点にするとか。

なんて社会派なんだよ、西尾維新、ってびっくりしたよ。

だって、次回は、人工衛星内、もしくは宇宙遊泳が舞台なんでしょ?

で、宇宙に有人ロケットを飛ばせるアメリカとか中国とか欧州とかの宇宙機関を使って、今回、人間王国やリーダーシップに逃げ込んだ、英仏中露の対地球組織の面々が、宇宙に上がってくる、ってことになるのだろうしね。

四国編が、もうなんだこれ?地球撲滅と関係ないじゃん、と思うくらい内輪の争い、しかも魔法使い衣装でのゲーム、というわけわからん設定だったのに対して、

世界編になった途端、時事ネタ満載の社会派の風を装った展開になるんだからw

なにしろ、国民国家解体、アフリカ、海賊、宇宙、だもんね。

それをCOP21なんて現実にやってる時に物語にしちゃうんだから。
参ったよ。

いやー、残り三冊、楽しみだなぁ。
まだ、1500頁もあるのかw

それに、空々くんの「魔人」話はほったらかしなままだしね。
いやー、楽しみだよ、ホントに。

あ、そうそう、悲恋にまさか花屋瀟の心と記憶をインストールするとは思わなかったよ。
個人的には、四国編で見られた、花屋瀟や剣藤犬个の人格の混成体というのがよかったのだけどね。まさか、あんなにクリアに花屋瀟が再臨するとはね。
悲恋、便利だな。
これは、最後には、剣藤犬个も悲恋で再臨するというフラグなのだろうか。
その時、空々くんはどうするんだろうね。

そういう意味では、鋼矢の動きも気になるね。
実質上の空挺部隊No.2であるにも関わらず、今回は貧乏くじを引いてしまって青息吐息なわけだから。
次巻での活躍に期待。
いや、是非とも再び空々くんとコンビを組んでほしいなぁ。
でも、鋼矢は、いわば剣藤犬个の代役という位置づけだったから、いくら悲恋経由だとしても、剣藤犬个が再登場するようになると、鋼矢の立ち位置は微妙になるかな。

だから、悲恋経由の花屋と剣藤の再登場によって、この先の空々くんを巡る人物たちの関係も複雑化するし、その関係の行方も、今後の読みどころの一つだよね。

まぁ、氷上さんは、もうプッツンしちゃってるわけだけどw

ということで、人工衛星『悲衛』での空々くんたちの活躍、楽しみだよ。

それにしても、人間王、怪しいなぁ。
あと、リーダーシップの黒幕、まだ出てきてないよなぁ。
やっぱり、アメリカ絡みなのかなぁ。
そのあたりの権謀術数も気になるところだね。

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西尾維新 『悲録伝』 感想

2015-04-16 20:03:49 | 西尾維新
発売日に購入していたけど、全然手に取る時間がなくて、ようやく読めた。
とはいえ、一度読み始めたら一気に読ませるところは、さすがの西尾維新。

ということで、いまさらだけど、一応、ネタバレもあるだろうから、スペース空けときます。

















































やっときた四国編完結!
そして、相変わらずの展開で、面白かった。

なんていうか、奥が深いなぁ。
しかし、まさかの火星陣かよーw
さすがに地球が撲滅対象なだけあって、スケールでかいな!

でも、魔法の出処を、いわば火星のオーバーテクノロジーにしたのは、今風だなぁ。
(アルドノアかよ!w)

で、最初の50頁くらい読んだところで、これ、ずっと軍議が続くのか?と思ったら、ホントに200頁ぐらいまでそれだったので笑った。

でも、それが全く気にならないところもさすが。

で、思ったんだけど、この伝説シリーズって、多分、HUNTER☓HUNETRとか意識して作ってるんだろうなぁ、と

引き伸ばし方が似ているというか。

で、それぞれの思惑やら読みを丁寧に書いていったら、こんな感じになってしまった、という。

そう思ったら、全く冗長に思えなくなったから不思議。

でも、軍議といっても、その途中で、かんづめによる火星陣話が挟まれたわけだから、それは、たとえ動きのない箇所でも、へぇ、と思いながら読めたしね。

あとは、さすがに、いままで5巻分のタメがあるので、一人ひとりのキャラの心理描写にも説得力があるし。

中でも、氷上さんは、ホント、こじらせ女で面白かった。
てか、だから、「ヒガミ」なのね。ひがみっぽいからw

魔法少女、魔女ときて、魔人というのは、まぁ、まどマギっぽくもなくはないけど、それは次巻以降の楽しみ、ってことで。

なんていうか、こう、不思議にストイックな感じになってきたのがいいかな。
最後の、処女性なきものには、究極魔法を受け継げないとか、いかにもじゃない。
結果として、空々くん自身が、ますますストイックになってきて。
というか、彼の人間性が存在的にはますます薄くなってきて。

でも、その一方で、悲恋という人造人間が、というかヒトガタ爆弾が、存在するため、逆に、空々くんのメンタルの部分は、純化された精神性、みたいなものになりつつあって、そこでは人間性を増しているように見える。

この、空々くんと悲恋の「共鳴」は、今後気になるところだね。
なにしろ、悲恋は科学の結晶であるのに対して、空々くんは、今回究極魔法の継承者として、いわば魔法の結晶にもなってしまったわけだし。
つまり、科学と魔法の対が、空々くんと悲恋ってことだよね。
なので、このツートップで、地球陣と相対するのだろうな、ってね。

それに、今回、チーム空々には死者が出なかったので、彼らが、空々くんと今後、どんな風に活躍していくかも楽しみ。

むしろ、今回の軍議パートは、今後の楽しみのためのキャラ紹介ってことだよね。

どう考えても、氷上さんと鋼矢は、空々くんの側近としてナンバー2の座を奪い合うようになるのだろうしw

かんづめはご意見番かなー。
でも、かんづめも、空々くんを気にかけてるしね。

あと、なにげにスクラップが空々くんを気に入ってるのもね。

でも、当の空々くん自身は、悲恋と二人(二体?)の世界を作ってしまうのだろうし。
そういう意味では、悲恋の中の人というか、データ?は、今後どう扱っていくのだろう。
一種の霊のようなものだし。
てか、ゴースト?
奇妙な取り合わせになりそうだよね。

あとは、ジャイアントインパクトとかストロークとかか。
あの子達はどうするんだろう?

ただ、目的は、みな地球撲滅にあるわけだから、ようやく本題に戻れるわけでw

悲亡伝、はいつ出るんだろう。
続きが気になるな。
てか、どんな形で新章が立ち上がるのか。
まぁ、これからまた4冊出るのは決定のようだけどね。

ということで、四国編、もう一度、読みなおすかな、最初から。
いや、遡る感じで読んでもいいけど。
少なくとも、四国編の内容は、結構、悲亡伝以降のネタ振りになっているんだろうな。
そういうのを気にかけながら読むほうがいいのかもしれない。
特に、前巻の悲業伝あたりは、そんな感じがする。

ともあれ、さすがの西尾維新クオリティ。
面白かったよ。


あ、そうそう、さすがに、今回、読み終わるのがかなり遅かったので、それなりに他の読後感を読んでしまったのだけど、なんていうのかなぁ、この伝説シリーズに対して、ダラダラしてるとか、構成がなってない、とか、偉そうにディスってる人たちって、単純に、読みどころを間違えているんじゃないかな、と思ったかな。

そういう意味では、西尾維新の作品は、基本的にある程度いろいろと読んだことのある人向けの、上級者向けの作品だと思うけどな。

まぁ、少なくとも、冗長とか構成あたりに突っ込んでる人たちに対しては、じゃ、お前が書いてみろよ、といいたい。

いや、別にそういう人たちをディスりたいわけではなくて、単純に、そういう感想は、全く感想でも何でもないだろ、といいたいだけ。それなら、もっとわかりやすく起承転結がはっきりしているものを読めばいいんじゃないかな、と思うな。

だって、今回の悲録伝の中でも、何度も、お決まりのストーリー展開には収まりたくない、という形で、物語性そのものの存在を否定する発言を、形を変えて色々なキャラに言わせてるじゃない。

まぁ、鋼矢が一番わかりやすくその心情を吐露してたと思うけど。

いってしまえば、西尾維新にとっては、人間の判断や選択なんて、本人の意志が半分、状況が半分、で成り立っていて、だから、一貫性なんて、簡単にはいえないんだよ、ということを、それこそ、戯言シリーズの頃から延々と描き続けているわけだから。

彼の作品は、その物語的定形の廃棄から始まっているわけだから。

だから、そういう定形外しの妙のところにこそ、注目すべきところだろうから。

なによりも、その定形外しのための、キャラを取り囲む状況こそが、冗長と呼ばれる会話や描写にあるわけで。
きっと、何らかの形で、意に沿わぬなんて思う余裕が無いくらい唐突な状況を、登場人物たちにぶつけるために、冗長な形で、そんな千載一遇の状況を見つけようとしているのだろうから。

しかも、既に書いてしまったことは、後の展開の制約条件になってしまうわけで、それをどう受け止めるかも、思案のしどころだろうから。

そういう意味では、確かに、最後のステージボーナスがさらにがんばれ!と呼びかけるような究極魔法であったことは、上手いなぁ、と思ったけどね。

だって、そうして、本筋の地球撲滅に戻ったわけだから。


ともあれ、面白かったよ。
早く、続きが読みたいね。
チーム空々は一体どうなってるんだろう。
ホント、気になる。

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西尾維新 『続・終物語』 感想

2014-09-19 13:22:33 | 西尾維新
とうとう物語シリーズも最終巻。
しかし、前巻で綺麗に着地した話に何を足すのだろう・・・と思いながら読んだのだけど、なるほどねー、そうきたか~、という感じ。

いつもどおり、スペース空けときます。

















































『鏡の国の阿良々木くん』という物語で、
よくわかんないけど、鏡の中に取り込まれた?阿良々木くんがそこからの脱出を図る物語。

で、その鏡の世界が、パラレルワールドよろしく、いつもの面々が、ちょっとアレンジされた形で登場する。

確かに、その意味ではボーナストラックなんだけど。

一応、各キャラがウチに秘めていたもろもろの思いが「裏返って」発現した世界、ということなのだけど。。。

うーん、正直なところ、蛇足かな―、という内容。
これ、本当に最終巻なの?、というのが率直な感想。

もっとも、結局、『接物語』という物語がどうやら発刊されるようだから、シリーズはまだ続くみたいだけどね。

今回のオチが、阿良々木くんの「心残り」が元になった「改変世界」だったことを考えると、多分、主人公が阿良々木くんの物語はここで終わって、誰か他の人が、主人公役を引き受けて、続いていく、という感じなのかな。

『花物語』を踏まえれば、神原が主人公なのかもしれないし、
高校生になった、という点では、火憐が中心になるのかもしれないし、
一人、海外に飛び出した羽川の話になるのかもしれない。
あるいは、今回も特異点であった月火が前面にでるのかもしれない。

はたまた、阿良々木くんが完全に成人して、かつてのメメたちのように、ゴーストバスターの一人として、忍と扇ちゃんを引き連れながら、怪異探偵のようなことをするのかもしれない。

まぁ、この場合は、時系列が十数年飛ぶことになるけどね。

戯言シリーズの後で、人類最強がスピンオフしているようなものかもしれない。

ともあれ、一旦、幕は引かれた、ということなのだろう。

で、肝心の今回の物語の方だけど、なんていうか、可もなく不可もなく、っていう感じで、あまり感想らしい感想はない。

読めばそのまま、という感じ。

作中で、阿良々木くん自身がいっているように、ユルイ展開なんで。

今まで、そのバージョンでは互いに顔合わせはしてなかったよね、という展開がほとんどかな。そういう意味では、確かに書くキャラの裏面を、設定集ではなくお話として補っておく、というもの。

正直、そこまで各キャラに思い入れをしていたわけではないので、特段に面白い!ということもなく。

むしろ、八九寺が、八九寺ねーさん、になってしまって、おいおい、最終巻で、八九寺との掛け合いはなしかよ?というのが本音。

代わりに、斧乃木ちゃんが、従来どおりに活躍していたので、いやー、ファイナルシーズンって、ほんとに斧乃木ちゃんが八九寺の代打だったんだな―、と思った。

それくらいかな。

あー、あとは、戦場ヶ原がすっかりつまらないキャラになってしまって、残念。
ヤンデレって動かしにくいんだな、と実感。

まぁね、忍が生涯のパートナーになってしまったから、実際、戦場ヶ原の位置付けも曖昧なんだよね。本妻の忍が、老い先短い戦場ヶ原に暫くの間、正妻ポジションを譲ってやってる、という感じしかしなくて。。。

もっとも、そのあたりの不完全燃焼感を払しょくするのが、ネクストシーズンの『接物語』なのかもしれないけどね。

結局、読んじゃうんだろうなーw

ということで、続刊を静かに待つことにしようw

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