帰りがけに書店で発見して、購入、そのままイッキ読み。
当然、以下はネタバレありだから、そのつもりで。
さて、今回は、ホント、タイトルにだまされましたねぇ~w
八九寺回とばかり思っていたら、八九寺はその主題でしかなくて、
八九寺のターンではなかった。
多分、最後の引きから考えると、
次回の『花物語』は阿良々木君と八九寺のいつものトークからいきなり始まり、
それで50pぐらい費やしてくれることに期待w
やはり、阿良々木-八九寺の掛け合いは、このシリーズの白眉だよね。
もはや古典落語の域に達してるから。次回も楽しみ。
で、物語の本当の主題は、阿良々木君と忍の精神の紐帯、
というか、要するに、二人なりの愛、ということ。
パートナーシップね。
で、この話に入る前に、先に書いてしまおうと思ったのは、シーズン2の物語構成のこと(なんだかアニメみたいだw)。
西尾維新がウマイな、と思うのは、前回の『猫物語(白)』が、それ以降の物語のプロローグであり、ティザーになっているところ。『猫物語(白)』の語り部が羽川だったのもそのためだ。こちらで羽川が経験した物語時間内の流れを、阿良々木君視点で補うのが、今回と次回、ということのようだ。『猫物語(白)』の最後で阿良々木君が登場するところで、羽川視点の描写によって阿良々木君が心なしか逞しくなったという記述があったと思うけど、それは、羽川の時間の間に、阿良々木君が複数の事件に対峙した後のことだから、ということだね。
ということで、間違いなく『猫物語(白)』は化物語シーズン2の第一話だったということになる。
そして、『傾物語』で行われたのは、阿良々木君と忍、という、互いにもはや出来そこないの吸血鬼二体のペアリング、パートナーシップを巡る物語。
しかも、文字通り、「異界」=「異次元別世界」へのタイムスリップならぬ異空間跳躍によって。
このあたりは、もう完全に、今風、だね。
並行世界、時空パラドックス、・・・。
ちょうど、『涼宮ハルヒの消失』を見た直後、
あるいは、『LOST』や『FRINGE』や『インセプション』を見た直後でもあるので、
ああ、西尾さん、あなた(まで)もそう来ましたか!
というのが途中までの印象だった。
『消失』の長門に相当するのが、本作では忍、ということで。
で、その狂いの原因が、想い人への気持ちの真剣さだった、というところまで全く並行的。
その分、切ない。
とはいえ、西尾維新の凄いところは、結局、そうした並行世界突入もお話を進めるため、しかも、文字通り、阿良々木君と忍の「お話=対話」を大量にやり取りさせるための舞台設定に過ぎないところだ。
いうまでもなく、そこで起こったトンデモ事件も、いつもの西尾維新的展開で、最後の数ページで呆気無く解決されてしまう。まるで事件が事件自体の力で解決されてしまったかの如く。そして、西尾維新的な、覚めた現実主義が改めて確認される。このあたりは、ホント、すごいよ。
で、結局やりたかったのは、忍の阿良々木君に対する想いを、吸血鬼もどきになって以後の彼女の想いを示すことが、今回の本当の主題だった。
だから、『傾物語』は『傷物語』の直接の続編といえるし、
後の『鬼物語』のプロローグということなのだろう。
今回の話で明かされなかった部分でいえば、
多分、『なでこスネーク』の時に、忍が神原や千石を睨んでいた、という時の、忍の感情がいかばかりのものであったか、というのが今後の大きな物語の鍵となるのだろうし、
『猫物語(白)』の途中で描写されていた、阿良々木君と忍の、一時的なペアリングの解除、というのも、このあたりの話と密接に絡んでいるのだろう。
というか、ここまで書いて思ったけど、もう一度『猫物語(白)』を読み直さないといけないな。
そこに、今後のシーズン2wの物語を読み解くパズルの鍵がたくさん埋めこまれているということになるのだろうから。
いや、『猫物語(白)』の時の、「ターミネーターとターミネーター2との違い」という比喩も、『傾物語』を読んだ後では、またちょっと異なるリアリティを持つように思えてくるし。
ああ、だから、西尾維新は、『化物語』のアニメ化を経験することで、きっと「物語構成」だけでなく「シリーズ構成」も大事、ということに気付いたのだろうな。
シーズン2の作品群の出版時期が予め予告されているのも、そうしたシーズン構成が出来上がったところで行われているのだろうし、もっといえば、アニメ化した時に息を飲む展開!ということにしているのかもしれない。
いやー、楽しいなぁ。
次の『花物語』は3月発売かぁ。
ホント、絶妙の引きで参りますよw
*
追記
あ、そうか、「八九寺」と「八九寺さん」って
「朝比奈さん」と「朝比奈さん(大人バージョン)」みたいな関係だ。
なんだか、ホントに『消失』のように思えてきた。
それも狙ったんだとすれば、流石です!
*
今気づいたけど、Boxの表紙のイラスト、
まんま、インセプションの構図じゃないかw
当然、以下はネタバレありだから、そのつもりで。
さて、今回は、ホント、タイトルにだまされましたねぇ~w
八九寺回とばかり思っていたら、八九寺はその主題でしかなくて、
八九寺のターンではなかった。
多分、最後の引きから考えると、
次回の『花物語』は阿良々木君と八九寺のいつものトークからいきなり始まり、
それで50pぐらい費やしてくれることに期待w
やはり、阿良々木-八九寺の掛け合いは、このシリーズの白眉だよね。
もはや古典落語の域に達してるから。次回も楽しみ。
で、物語の本当の主題は、阿良々木君と忍の精神の紐帯、
というか、要するに、二人なりの愛、ということ。
パートナーシップね。
で、この話に入る前に、先に書いてしまおうと思ったのは、シーズン2の物語構成のこと(なんだかアニメみたいだw)。
西尾維新がウマイな、と思うのは、前回の『猫物語(白)』が、それ以降の物語のプロローグであり、ティザーになっているところ。『猫物語(白)』の語り部が羽川だったのもそのためだ。こちらで羽川が経験した物語時間内の流れを、阿良々木君視点で補うのが、今回と次回、ということのようだ。『猫物語(白)』の最後で阿良々木君が登場するところで、羽川視点の描写によって阿良々木君が心なしか逞しくなったという記述があったと思うけど、それは、羽川の時間の間に、阿良々木君が複数の事件に対峙した後のことだから、ということだね。
ということで、間違いなく『猫物語(白)』は化物語シーズン2の第一話だったということになる。
そして、『傾物語』で行われたのは、阿良々木君と忍、という、互いにもはや出来そこないの吸血鬼二体のペアリング、パートナーシップを巡る物語。
しかも、文字通り、「異界」=「異次元別世界」へのタイムスリップならぬ異空間跳躍によって。
このあたりは、もう完全に、今風、だね。
並行世界、時空パラドックス、・・・。
ちょうど、『涼宮ハルヒの消失』を見た直後、
あるいは、『LOST』や『FRINGE』や『インセプション』を見た直後でもあるので、
ああ、西尾さん、あなた(まで)もそう来ましたか!
というのが途中までの印象だった。
『消失』の長門に相当するのが、本作では忍、ということで。
で、その狂いの原因が、想い人への気持ちの真剣さだった、というところまで全く並行的。
その分、切ない。
とはいえ、西尾維新の凄いところは、結局、そうした並行世界突入もお話を進めるため、しかも、文字通り、阿良々木君と忍の「お話=対話」を大量にやり取りさせるための舞台設定に過ぎないところだ。
いうまでもなく、そこで起こったトンデモ事件も、いつもの西尾維新的展開で、最後の数ページで呆気無く解決されてしまう。まるで事件が事件自体の力で解決されてしまったかの如く。そして、西尾維新的な、覚めた現実主義が改めて確認される。このあたりは、ホント、すごいよ。
で、結局やりたかったのは、忍の阿良々木君に対する想いを、吸血鬼もどきになって以後の彼女の想いを示すことが、今回の本当の主題だった。
だから、『傾物語』は『傷物語』の直接の続編といえるし、
後の『鬼物語』のプロローグということなのだろう。
今回の話で明かされなかった部分でいえば、
多分、『なでこスネーク』の時に、忍が神原や千石を睨んでいた、という時の、忍の感情がいかばかりのものであったか、というのが今後の大きな物語の鍵となるのだろうし、
『猫物語(白)』の途中で描写されていた、阿良々木君と忍の、一時的なペアリングの解除、というのも、このあたりの話と密接に絡んでいるのだろう。
というか、ここまで書いて思ったけど、もう一度『猫物語(白)』を読み直さないといけないな。
そこに、今後のシーズン2wの物語を読み解くパズルの鍵がたくさん埋めこまれているということになるのだろうから。
いや、『猫物語(白)』の時の、「ターミネーターとターミネーター2との違い」という比喩も、『傾物語』を読んだ後では、またちょっと異なるリアリティを持つように思えてくるし。
ああ、だから、西尾維新は、『化物語』のアニメ化を経験することで、きっと「物語構成」だけでなく「シリーズ構成」も大事、ということに気付いたのだろうな。
シーズン2の作品群の出版時期が予め予告されているのも、そうしたシーズン構成が出来上がったところで行われているのだろうし、もっといえば、アニメ化した時に息を飲む展開!ということにしているのかもしれない。
いやー、楽しいなぁ。
次の『花物語』は3月発売かぁ。
ホント、絶妙の引きで参りますよw
*
追記
あ、そうか、「八九寺」と「八九寺さん」って
「朝比奈さん」と「朝比奈さん(大人バージョン)」みたいな関係だ。
なんだか、ホントに『消失』のように思えてきた。
それも狙ったんだとすれば、流石です!
*
今気づいたけど、Boxの表紙のイラスト、
まんま、インセプションの構図じゃないかw