BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

魔法先生ネギま! 336時間目 『大戦一過!』

2011-08-31 14:58:31 | UQH/ネギま!
アハハ、そう来ましたかw
フェイトの心変わりにも困ったものだw
どんだけデレれば気がすむんだよ、オマエw

とにかく、一応は新章開始!ってことなのだろうが、
とはいえ、どうもイマイチ実感がわかない。

前回で、魔法世界編終結!、ってのも、
よく考えたら、映画公開に合わせてのことだけで、
やっぱり魔法世界をどう救うのか、
その話がクリアにされないことには、終わった感じがしない。

ということで、前々からネギの口から出ていたとおり、
委員長の力を借りて・・・、ってことなわけだ。

思い切り冷静かつリアルに考えれば、仮にも魔法世界の統治者ら(王族とか大統領とか各種名家とか)が関わる話である以上、麻帆良学園側もそれなりの、ということは地球の要人レベルで対処しないとどうしようもない、ってことなのだろうね。

で、委員長と千鶴らの登場、と。
これはこれで、魔法世界編とは異なるキャストで対処するというのは面白い。

まぁ、フェイトをこども先生にする、ってのはどうかと思うがw
強制的に学園モードに戻すにはうまい展開だとは思った。

とはいえ、アデアットした仮契約の面々をクラスで見たときは、
さすがに何人パートナーがいるんだい?ネギ君w
という気にはなるね。

あと、千雨が残っていたのは意外だったかな。
魔法世界救済プロジェクトの進行には、彼女のハッキング能力が重要だと思っていたので。
ま、ネギパーティの面々(含むエヴァ)が皆クラスにいるわけだから、
次回以降、千雨らも動き始めるのでしょう。

あと、ユエはまだ記憶が戻ってないのね。
これはこれで何か仕込みがあるような予感がしている。
何度も書いたけど、魔法世界編を通じて位置づけが最も変わったのはユエのはずだから。
彼女だけは、魔法世界に行くことで自分が魔法使いになるという夢を叶えてしまったわけで。彼女だけ、目的を達成してるんだよね。
当然、魔法世界の委員長やビーらとの交流も気になるところだし。

あー、そうか、
アリアドネーの面々を中心に、魔法世界の人たちと、リライトが解除されてよかった!!!、
って祝祭をしてないからいけないんだ。
だから、なんだかどうも魔法世界編が終わった感じがしない。

もちろん、今しばらくは、魔法世界救済の落ち穂拾い的ことを行いながら、
ネギの立場や、魔法世界=火星と地球の間の関係云々を委員長と千鶴のような「大人女子」にインストールしたところで、委員長+千鶴の口から、この先のことが逆に語られるようになるのだろうな。いわは彼女らは今後のゲームの胴元の一部ということになって。

そのゲームを具体的に突破する役割が、ネギパーティ一行+フェイトw

もちろん、そのゲームは、始まりの魔法使い=造物主=ナギとの対峙。

むしろ、その話が本格的に稼働する時が、ホントの意味で魔法世界編の終了なのだろうな。

ともあれ、一回ぐらいは祝祭的に、魔法世界編が終わったカタルシスが味わえるような、クラスの面々が、魔法世界住人の知人/友人とともに、互いに目配せしながらバカやって、あーよかったねー!!!、って場面を描いてほしいなぁ。
そうやってちゃんと物語を終わらせてほしい。

それにしても、フェイト先生かぁw
一応何かという時は、エヴァがリミッタ役なのだろうけど。
なんか、そこまでフェイトが慣れ合ってしまうのは正直抵抗あるなぁ。
こうなると、むしろ、ラカンあたりを体育教師として麻帆良学園に登場させて、
折りにふれ、フェイトにツッコミを入れるくらいの学園マンガにして欲しいぞw

さて、この先どうなることやら・・・w

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魔法先生ネギま! 335時間目 『生きとし生ける者よ、蘇れ!!』

2011-08-24 14:45:13 | UQH/ネギま!
長らく続いた魔法世界編がようやく終了。
とはいえ、あまりにも淡々とした幕引きで正直拍子抜け。

リライトされた魔法世界の住人があまりにもあっさり戻ってしまって。
もう少し、感動の再会があっても良かったと思うな。
アリアドネーの委員長にしても、トサカにしても。

既に赤松健のTwitterでも告知されていたように、ここから話が分岐して、一つのルートが映画に、もう一つのルートが次号からの展開、ということらしいが・・・。

裏返すと、このタイミング合わせに、過去約一年程、休載等を含めて付き合わされたわけで。

どうなんだろうね、こういう展開。

確かにルートが分岐して、アナザーストーリーを映画でやります、あ、でも、映画も連載もどちらもネギま!です!、っというのはね。そもそも『ネギま!?』が一種の別解釈ワールドだったわけだから、既にそういう試みはしているといえばしているのだけど。

試み自体は面白いと思うけど、だからといって、それで本編連載まで帳尻合わせることになるのでは本末転倒ではないか?と思ってしまう。

こう思うのも、今回の幕引きがあまりにあっさりし過ぎてるからなのだけど。

あっさりし過ぎ、の失望には二つあって。

一つは「消された=死んだ」という事実が余りにも簡単に受け止められていること。

少なくとも、アリアドネーの委員長がユエをかばって消された時は、ユエとともにその消失に絶望させられた、という感じに対して、その復活はあまりにもあっさりしている。

もう一つは、ついつい前回からの勢いで忘れがちだけど、こんなに明日菜がオールマイティーでいいの?ということ。

というのも、リライトされ消失した魔法世界人を救うために、のどかたちが必死になってグランドマスターキーの奪取に注力し、その奪取のためにどれだけ死線をくぐりぬけてきたか・・・、というかその描写をさんざんここまで読まされてきたものからすると、一体のどかやユエたちの努力は何だったのか、ということ。

何が言いたいかというと、復活の儀式を行う主役は、誰よりもリライトされた人たちの復活を望んでいるのどかやユエ、村上たちであるべきだったのが、「うん、全部わかってるから」ということで、明日菜が全てさらっと復活させてしまったところ。

これじゃ、今までの物語は一体何だったんだ?と思う。

いや、これでいいなら、そもそもグランドマスターキーの話なんてすっ飛ばして、要するに、明日菜に、明日菜がアスナであることを伝えて、自らをガードさせるよう仕向けるのを怠ったラカンら『赤い翼』の生き残りの責任じゃない?って思ってしまったりして。

で、何が気になるかって、こうした物語展開上の穴が、どうも映画公開の日程に合わせて調整されたんじゃないの?と思わされるところなんだよね。

今まで何回か書いたけど、この半年ほどのネギま!は休載もさることながら、個々のエピソードがどうにも間延びしているものが多かった。フェイトとの戦闘シーンなんてその最たるもので。

そもそもネギま!はバトル漫画じゃなかったよね、とまではいわないけれど、たとえばラカンとの武闘会は、ネギとラカンの間の駆け引きや、ネギ自身の成長、ということもあって、それなりにきちんとカタルシスがあった。あと、勝たないと奴隷にされたクラスメートを救えない、という動機もきちんとあったし。

でも、この魔法世界編最終決戦では、そういう動機づけが途中から空回りして、あとから振り返ると、よくわからないけど、ネギが闇の魔法の侵食を克服してフェイトを凌駕した、ってだけでしょ。

その多くは、今後の分岐ルート連載編で明らかにされていくのだろうけど、そういうタネ明かし的な話が途中で看過されてきたのは、どうもね。

というか、「魔法無効化」ってだけでもワイルドカードな裏技なのに、その上、魔法世界の再生もできる、ってやっぱり明日菜、マイティーすぎると思うんだよな。
文字通り、機械仕掛けの神、というか。

もちろん、こうした構成の全てが作者自身の望んだものとは限らないだろうから、その点では、次回以降の新展開で、今まで映画準備で抑圧されていたものをかなぐり捨ててくれることを期待するけどね。

とりあえずは、ネギの魔法世界救済策がどうなるのか、ってことだよね。

あとは、今回のアリアドネー委員長の復活からもわかるように、「消えた人が復活した」事例が大量にそこらじゅうで起こったわけで、そのことから、この世界が造られた魔法世界であると、魔法世界住人に伝えるのかどうか、というところかな。

わざわざネギを今回の騒動を鎮めた英雄として一般公開するのも、彼の口からそうした事実を伝えて、魔法世界の存続を皆で取り組みましょう、ということかもしれない。

つまり、今まで魔法世界でタブー視されていた「この世界は作り物」というのを、外からやって来た英雄の口を通して伝える・・・、という感じ。

とにかく、映画縛りから解放されて、またはっちゃけたネギま!になってくれることに期待。

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ハヤテのごとく! 第332話 『天才の戦略』

2011-08-18 13:51:56 | Weblog
ネギま!と一緒に映画化するから、というので久しぶりに見たけど、
この作品は、やっぱり基本的に諧謔、というか風刺的だね。
当然、風刺というのは道徳的要素も含むわけだけど。

ナギとルカによる同人誌対決。
前者は、ネットを介した「ステルスマーケティング」
後者は、ヒナギク仕込みの「万人に愛される王道コンテント」

後者をもう少しいえば、要するにテレビ的なマスコンテントということで、
その対比で言えば、前者は、ネット的なツリのコンテント、ということ。

後者が、ヒナギクによる傾向と対策の結果から来る、ある意味で視聴率的なものであれば、前者は、ネット的なバズによる根拠不在のある意味で「騙されたほうが悪いんでしょ」的なマーケティング。

普通に考えれば、ルカのほうが正攻法で勝利!、ナギには今回社会の荒波を経験してもらう、みたいな感じになりそうだけど、さて、どうだろう。

ハヤテのごとく!、って、ついこの間までは、ネットの方に寄ってそちら側の価値観をネタ的に扱うことでたわいもない話を一応物語にしていて。

その間に、そういう話とは異なるアテナとの恋話を挟み込んで、
で、ナギを外に出すことで、ネットひきこもりから距離をおく方に方向転換したように思うのだけど。

そう考えると、ルカってのがナギの鏡のような存在で、かつ、流れ的にはナギが追いかけるべきロールモデルのようにも見える。

そうしてナギの成長物語を基本的な流れにしながら、その間に適当にギャグや諧謔の回を、周辺キャラを適当に回して展開する感じかね。

もともと現実社会を斜めに見ながら、諧謔的に語ることが中心の話になっていただけに、当の社会が動いてしまえば、その諧謔の質も方向も変わってしまう。

アテナ編で一旦終了させておけばよかったに、と今回のような話を見るととても思う。
空疎だよね、本質的に。
物語らしきものを添えているだけに妙に痛々しい気がする。

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魔法先生ネギま! 334時間目 『再会(ハート) 最高のパートナー!!』

2011-08-17 15:50:34 | UQH/ネギま!
ホントに 造物主=ナギ だったんだ!

この予想は、ネギま!を読んでる人だったら、造物主という存在が登場した時点で誰もが真っ先に想像していたことだから、驚きはない。

むしろ、この余りにも想定内すぎる展開をこの後、ネギま!という作品世界が、というか、赤松健というストーリーテラーがどう料理していくのか、そのお手並み拝見、というところかな。

いや、期待値は高まった。
というか、ようやく、これで魔法世界編終了!ってことだから。
幕引きと同時に、次なる物語の主人公が顔見せして終わった! って感じだから。

気分的には

魔法世界編前まで → ネギま!I
魔法世界編 → ネギま!II

で、これ以降が「ネギま!III」に突入で、ネギま!トリロジーが完成する、って感じ。

ここまでベタな展開をしてくれると、いやー、非常に期待しますよ、この先。

だって、今回、造物主のフードが上がってナギの顔が見えるところの描写、最高じゃない!

ネギ → 探し求めていた敬愛する父
明日菜 → 自分を解放してくれた(元)王子w様
エヴァ → 忘れられない永遠の片思いの相手
ラカン → 生涯の友(強敵の方w)
フェイト → 心の師匠

って感じで、それぞれの目線でナギを眺めたわけだから。

この場面はしびれた。

(もっとも、フェイトとラカンは正体を知っていたか、多分そうだろうと踏んでいたか、という感じ。
エヴァの驚きが一番気になったかな)。

というか、この場面のために、この5人が一箇所に集まる場を作った、って感じ。

いやー、だって、

ラカンの復活っていくら何でも安易でいい加減すぎやしない? とか、
エヴァ、造物主話が出てきてからの登場ってちょっとアレじゃやない?、とか、
フェイトの昔話って、こんなバトルの最中にするか?、とか
極めつけは、
明日菜、突然復活で、何?いきなり大活躍?ネギをお姫様だっこ?、とか

なんか、いずれも都合良すぎじゃん!と思っていたのが、
このナギの姿見せのところで、もう、全て解消されてしまった。

何が凄いかって、

ナギを追い求めてやまない

その動機をもった人物がネギの他に4人もいることを示して、

造物主殺害=ナギ解放?

というミッションが、この先の物語の大きな大きな焦点になったことと、
そのゴールに向かって、

ネギを含む魔人5人衆w

が紆余曲折はあっても多分協力しあっていく方向がほぼ約束されたようなものだから。

いやー、ネギのスーパーサイヤ人2モードになって、もう一緒にパーティ組める奴がいないじゃん、化物以外、と思ったら、その化物の一人に明日菜がいた!ってのは、正直、やられたな!、って思ったのだった。

だって、刹那、楓、龍宮、をも凌駕したら、もうクラスメートにはネギと一緒に歩める人がいないじゃない、と思っていたわけで、まさか、そこで明日菜がクラスの面々とネギを繋ぐ最後の、しかし、太い糸になるとは思わなかったな。

そう思うと、エヴァが明日菜をも一応自分の弟子にしておいた設定も、ここに来て意味を持つわけで。いやー、参りました。

それに、委員長が鍵を握る、というのもね。
改めて、明日菜がヒロインであることがよくわかった。

とにかく、多分、次回か次々回ぐらいで魔法世界編の本編=ネギま!II は終わり。

で、しばらくの間は、幕間として、魔法世界救済/再建の話をして、改めて、

ナギという「囚われの姫w」を魔人5人衆wが救いに向かう物語=ネギま!III 

が起動するのだろうな。

ホントに三部作なら、今までの巻数から考えて、15~20巻ぐらいは第三部で使うことになるのではないかな?

で、このネギま!III=第三部がそれだけのボリュームある物語を展開するなら、

結局、有耶無耶になったままの未来人超鈴音の再登場のことや、

龍宮やザジ/ポヨによる魔族ならびに魔族世界の案内や、

神鳴流による退魔の法とそことの刹那や近衛一族の関わり、

等の謎の解明が、「造物主という(霊体的?)存在を滅殺する」一方で、その霊体に体を乗っ取られた「ナギの救済」を行うために不可欠の条件として示されていくことになるのではないかと思う。

もちろん、アリカの再登場も。

そう思うと、ポヨの似非「完全なる世界」によって示された、ネギ、ナギ、アリカの仲睦まじい家族の姿というのは、本当に「叶えられない夢」のように思わせるものとして、今後の展開の中で折りにふれ反芻される、最高に後味の悪いif世界ってことになる。

とまれ、古今東西、三部作と呼ばれる物語の第二部は、第一部と第三部の間の世界観の次元=レベルの違いを吸収するために、地味で物語的には陰惨な話が続く物が多かった(たとえばStar Wars 2)。

ネギま!のこの一年間あまりの停滞気味で時にイライラさせられるほど間延びした展開も、この第三部の起動に向けたしゃがみ込み、「タメの時間」と思って見直すとよいのかもしれない。

ということで、とりあえず公式に魔法世界編の終了が宣言されるであろう次回、次々回を期待して待ちたい。

いや、実質的には、今回で魔法世界編は終了したと思ってるんだけどねw

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新約 とある魔術の禁書目録 2 (第二巻) 感想

2011-08-15 16:59:27 | 超電磁砲/禁書目録
とりあえず二巻が出たので読んでみた。
ネタバレ自体は目的ではないけれど、やむなく触れることもあると思うので、そのあたりは了解されたし。

とはいえ、その前にちょっと『禁書目録』原作について触れておく。

『禁書目録』は、ずっと原作を読まずにアニメのほうを見ていたわけだけど、二期の展開があまりにも原作を読んでないとわからないことばかりだったので、仕方が無いので読みだして、一応「無印」は全部読んだ。で、いつの間にか「新約」が出たので、そちらも勢いで読むようになった。

で、今回がその第二巻。

「無印」のクライマックスであるロシアで行われた第三次世界大戦の後日談として、その出来事の全貌について、作中内の登場人物たちである上条、一通さん、浜面にひと通り説明がなされたのが今回の基本的な流れ。

といっても「無印」の読者は既に知っていることばかりで、その要約が改めて作中登場人物に示されることで、上条、一通、浜面が共通認識を持った上で共同戦線?を貼っていくためのレベル合わせが行われたという感じかな。

一応最後の方でのアレイスターとバードウェイのやり取りを見れば、一応「無印」については、アレイスターが、上条、一通、浜面の、いわばパぺットマスターとしてあったわけだけど、状況がアレイスターの手に余るようになったことを明確にすることで、文字通り、上条らが自主判断でことに当たるしかなくなった、という初期設定に変えられた。

もう一つ、これは「無印」の時にも匂わされていたことだけど、

上条の右手=幻想殺しとは何なのか?

というのが「新約」の大きなテーマとされた。
いわば、幻想殺しの謎、が一種の聖杯探求に当てられる。

合わせて、上条が記憶喪失であることを踏まえると、

上条当麻とは何者か?

というアイデンティティ探求の物語としても設定された。

このあたりは、上条の記憶喪失に気付いている美琴がこの先の上条のパートナーの位置を果敢に占めようとしている動きからも見て取れる。

これは「無印」を読んで思ったことだけど、この物語はとにかく無駄にキャラクターが多い。しかも、それらキャラクターズがいずれもエピソード単位で出てくるために相互の繋がりが見えにくい。そのくせ、読まされる側は、一つのエピソードに貼り付けられたキャラクターを、そのエピソード単位で付き合わされる。

なので、無印を読んだ後の感想は、とてもイライラする物語だということだった。
単純に展開が鈍い。そのくせ、物語自体は大して進展しない。

特に、無印最後のロシア編については、まぁ、新約以後の展開を踏まえてのことだと思うけれど、上条、一通、浜面、の動きがほぼ三ルート別々に展開する。で、通常、これらは最後に一つの道に集約するのが、物語的カタルシスを得るためのお約束だ、と思って読み進めても、結局、大きな一本にはならずに、よくわからないうちに、上条がフィアンマを倒して終わってしまった。

その落ち穂拾いをしたのが今回の新約第二巻という感じ。

で、一応、新ラスボス的に登場した、というか、次回以降登場を予告されたのが「グレムリン」ということだけど。

うーん。

正直、懸念しているのは、『灼眼のシャナ』原作のような残念な展開にならないかということ。

シャナの方は中盤以降、何だかよくわからない二つの陣営どおしの戦いになってしまって、もう何だか収拾がつかない感じで、だらだらと進んでいる(というか、あまりのダラダラ感についていけず、もう読むのをやめた)。

そういう感じに、この「新約」もならないか、ということ。

一応、幻想殺しが何か?上条当麻とは何者か?という大きな解明課題を今回出すことで、表向きの主人公は上条が務めることは予告されたわけだけど、とはいえ、一通さんや浜面がいて、彼らもそれぞれパーティを従えている。加えて、イギリスには天草式を合わせて上条支援組が多数残っている。

要するに、いっときあった「上条勢力」というのが実際に形成され、それがグレムリンと向き合うことになる。で、それら対決を、表でかき回す、半ば語り部の役割をバードウェイが行う。そういう構図が待っている。

で、その構図が、無駄に戦い描写のインフレにならないかが心配なところ。

あとは、もはや禁書目録さんあたりはほんと出てこなくてもいいんじゃないかな、とかね。

まぁ、だからこそ、いろいろな判断をもって、「新約」という新シリーズとしてリセットしたのだろうけど。

ただ、なんだろうなぁ。昔のジャンプ的な、最終的には皆仲間!、みたいなノリだけで、この先、物語的に破綻させずにいけるのかどうか。

あとは、一応表向きの語り部をバードウェイが引き受けることで後景に退くことになるアレイスターが、しばらくの潜伏期間を経て、いわば無印のフィアンマみたいな、とんでも野望の成就を目指す大バクチに打って出てきてくれるかどうか、というところかな。

エピソードを繋いでいくうちに話の規模のインフレが起こってしまった無印と違って、新約は、そのあたりを出発点にし、一度地ならしをしてからスタートしているように見えるのだが、果たしてうまく回るのかどうか。

そういう意味でも、禁書目録さんに代わって上条のパートナーに名乗りを上げた?美琴が、いい意味でどれだけ饒舌に上条の真意を吐露させるような対話を上条に向かって投げかけることができるかどうかが、物語展開上の鍵にように思える。

ただ美琴だと、微妙に一通さんのパーティともキャラが複製経由で被るというか。
逆に、一通さんの方のやり取りが単調になるのかもしれない。

とにかく、ヒーロー役三人のキャラを満遍なく動かそうとすると、無印最後のロシア編のように間延びした展開になるのは必至なので、そこをどう押さえて、一通さんや浜面をどれだけバイプレーヤーにできるかが鍵なんだろうな。

気分的には、ワールドカップ編に突入した『キャプ翼』みたいな感じがするというか。
上条=翼、一方通行=日向、浜面=松山、・・・、という感じ。
サッカーだと布陣がちゃんとあって、しかもスタメンは11名と決まっているから、どれだけキャラのインフレが起こっても、ちゃんと間引きが出来るわけだけど。
同じことがこの「新約」でできるかどうかが鍵、かな。

要するに、テンポ良く物語を進めることができるかどうか。

そういう意味では、作者の鎌池和馬がきちんとストーリーテラーになれるかどうか、が大きな鍵だし、
編集者がラノベを単なるキャラクター小説に留まらせないように仕切ることができるかどうか、というのが見どころのように感じる。

ともあれ、この第二巻で初期設定は新たになされたわけで。

次回のハワイの騒動で、どれだけスピーディな物語展開と連携されたキャラの動きが実現されるかに期待したいと思う。

とりあえず、後、2巻ぐらいは付き合ってみるつもり。

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