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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

西尾維新 『結物語』&オフシーズン 感想

2017-08-23 20:07:02 | 西尾維新
ずっと積読のままだった、オフシーズン4冊のまとめ読み。
なので、『結物語』と言いながら、その実、多分、オフシーズンまとめての感想、ってことになるかも。
ともあれ、今更な気はするけど、スペース、空けときます。













































なんで、今になってオフシーズンを一気読みしたのか、というと、直接の理由は、この間、『終物語(下)』のアニメを見たから。

で、いまさらながら、ファイナル(苦笑)シーズンの全貌を思い出したから。
てか、あれはあれで、ずいぶんと複雑なプロットだったんだなぁ、と。
その分、今になって、結構、感心したんだよね、ファイナルシーズン。

で、その勢いで、溜めたあったオフシーズンを読み始めた。
見たら、オフシーズン第一作の『愚物語』って2年前の2015年に出てるのだけど、全く触手が伸びなかった。ということは、2年間まるまる、「物語シリーズ」については触れてなかったってことになる。

その理由は、いうまでもなく、あれー、「ファイナル」シーズンって名うっていたのに、まだ続くの?さすがに蛇足じゃない?って、当時、思ってたんだよね。
しかも『愚物語』の最初が、老倉育の話から始まっていたのも悪かった。

実は、ファイナルシーズンの最後の最後で彼女が登場したのが、どうにもご都合主義で嫌だったんだよね、当時。

だって、いかにも取ってつけたような新キャラで、
しかも遅れてきた必敗の「幼馴染ヒロイン」って存在なのだから。

その老倉の「その後」の話から始まるオフシーズンって何よ?って思っていた。
で、そのまま、積読状態に。

けれども、今回の、アニメの「終物語」を見て、前の老倉のエピソードとかを見直すと、これはこれで、忍野扇の「初登場」ネタだったったことの重要性に気づいて、ホント、今更ながら、なるほどなー、と思ったんだよね。

それで『愚物語』から読みだしたら、やっぱりこれは面白い。

もちろん、モンスターシーズンが新たにスタートして『忍物語』が刊行されたから、というのもあるのだけど、オフシーズンって、「オフ」って言葉で騙されていたけど、実は「落穂ひろい」的な後日談ではなく、モンスターシーズンに向けた新たな舞台づくりだったのね。

そこでようやく了解したのが、ファイナルシーズンの「ファイナル」って、化物語シリーズの「最終」ってことではなくて、阿良々木くんを主人公にした彼の「高校=青春劇」が終わった、ということだけだったのね。

要するに、「第一部・完!」ってこと。

でも、当然のことながら、阿良々木君以外にも魅力的なキャラはたくさんいて、彼らをこのまま死蔵させるのは惜しい・・・ということで、始まったのが、第二部としてのモンスターシーズン。

まぁ、モンスターシーズンの位置づけ(の予想)については、『忍物語』の感想で詳しく書くつもりだけど、簡単にいえば、文字通りの「化物語」が、モンスターシーズン以後の第二部ってことだよね。

もはや阿良々木くんはセンターにいるわけではなく、ひたすら、怪異譚が語られていく。
その第二部に向けた布石が、オフシーズン。

なので、
忍の「美し姫」のエピソードが今更ながら触れられ、
そこからスーサイドマスターが新たに登場したり、
(すっかり忌み嫌われていた)千石撫子のいわば「召喚絵師」的デビューや
八九寺の〈八九神〉としての本編復活に伴って斧乃木ちゃんが阿良々木番からは降板し、
かわりに、斧乃木ちゃんは、月火と千石の語り部担当になりそうなルートが示される。

てか、この斧乃木ちゃんの「受難キャラ」へのシフトは、一見、えー???と思うものの、彼女のキャラは「常にブレていた」ことを思うと、この変貌も、また予定調和で面白いなぁ、と。

てか、月火ネタは、神原ネタとともに、ファイナルシーズンでは周縁的に扱われていたのも、あとで、新たなストーリーラインを生み出すためのものだったのだ、ということで納得できたし。

ともあれ、そうしたファイナル・シーズンまでの、阿良々木くん目線から見たとき、周縁的に扱われていた人たちに異なるスポットが当たるように加筆するのが、オフシーズンの狙いの大きな柱だった。

つまり、斧乃木×千石×月火、のいわばスピンオフ的なストーリーラインが一つ新たに生じる。

で、そうした第二部への道筋をはっきり示すために書かれたのが『結物語』だった、ということ。

いきなり阿良々木くんの社会人一年目の話にすることで、少なくとも、この化物語世界には、4年分の時間の経過、という「語られていない世界」が存在することが明らかにされた。

で、その空白の4年間を描くのが、モンスターシーズン。
まぁ、そのことは『忍物語』側で触れるとして。

『結物語』では、阿良々木くんの警察官キャリア組としての将来が描かれるだけでなく、彼の同級生女子3人についても、その将来が記されていた。

で、この部分こそが、『結物語』の白眉たるところだと思うのだけど、
この、阿良々木、戦場ヶ原、羽川、老倉、の四人が、きっと、モンスターシーズン後の新シーズンの主役にまたなるんだろうな、と。

もちろん、その話の中心には、羽川、という「生きた化物」が存在していて、その「旧ツバサ・ハネカワ」が仕掛ける世界的な怪異譚?的物語に、インターポール的な国際怪異デカ(刑事)となった阿良々木くんが、探偵役として絡んでくる。

で、その「旧ツバサ・ハネカワ」と「真・阿良々木くん」との国際的丁々発止の仲立ちをするのが、多分、国際金融資本のプレイヤーとなった「ミズ・ヒタギ」こと戦場ヶ原、ってことなんじゃないかな。

じゃあ老倉は何?ってことになるけど、まさに「幼馴染」キャラとして、そんな国際的な活躍を行う三人のいわば、錨役、つまりは原点としての役割を果たす。そのために彼女は、直江津町役場に勤め、しかもその地に終の棲家まで購入してしまった、ってことでしょ。

もちろん、直江津町には、八九神もいるわけで、これは阿良々木くんからしたら、なくせるはずのない「故郷(ふるさと)」だよね。

少なくとも、『結物語』の後半で書かれていた、阿良々木、戦場ヶ原、羽川、老倉、の四人の物語は、こういう、将来的な役割分担のためのものだったと思う。

そして、この老倉との対比も含めて、羽川は、逆に、直江津町から、彼女自身の痕跡を全て消そうとしたわけで。

つまり、羽川は、いわば地球上を舞台に活躍する「∞(無限大)」の存在になったのに対して、老倉は直江津町に完全に根を下ろすことで、「ゼロ=原点」の存在になった。

その「無限大」と「ゼロ」の間を、あくまでも人間の尺度で右往左往するのが、将来の阿良々木夫妻?。

まぁ、ホントに、阿良々木くんと戦場ヶ原が結婚するかどうかはわからないけどね。

大体、世の中の多くの事実を見れば、高校のときに付き合っていた二人が結婚するなんて、よっぽどの田舎町でもない限り、ありえないわけで。
少なくとも都会的現実とは全くそぐわない

その点で、阿良々木くんが、大学の4年間で、戦場ヶ原と別れては復縁、というサイクルを繰り返した、というのは、適度にリアリティがあってよかった。

そして、そのサイクルに、なぜか老倉が絡んでいたのも。

多分、西尾維新からしたら、羽川を「本当の怪物」にしようとして大学には行かせずに世界の放浪の旅に出させた時点で、本来なら、大学の四年間で羽川が占めたであろうポジションを埋めるために老倉を登場させたのだろうな、と思う。そうして、羽川の足跡を完全に消すことで、逆に、羽川がどんな存在になってもおかしくないものにした。

だってさー、
どう考えても、羽川って、化物語ワールドにおける位置づけって、別格でしょ。

それは、この間、ようやく完成した映画の『傷物語』を見ても思ったけど、そもそも羽川がいなければ、阿良々木くんは忍=キスショットと出会うこともなかったのだから、羽川は化物語という世界のまさに「扇の要」なんだよ。

だからこそ、それこそ扇ちゃんは、羽川を蛇蝎のように嫌ったわけでしょ。

それに、普通に考えたら、『猫物語』の黒白あわせて、途中まで、多くの読者が、阿良々木くんが羽川を(恋人として)選ぶエンドも想像していたでしょ。

てか、羽川の阿良々木くんに対する「想い」の重さについては『業物語』の「つばさスリーピング」でも語られていたわけで。
その羽川が、阿良々木くんと俗世で結ばれなかったのには絶対、意味があるはずだよね。

多分、羽川と阿良々木くんの関係は「恋愛」のような言葉では語れないんだよ。
きっと、羽川と阿良々木くんの関係は、阿良々木くんと忍=キスショットとの関係に近いのだと思う。つまり、「死ぬときは一緒」という関係。

実際、この「阿良々木くんと忍」の関係については、戦場ヶ原もノーコメントのままなんだよね。多分、嫉妬の感情なんかでは表現できない。
でも、それもこれも、忍が吸血鬼という化物だから、許される特権的な、阿良々木くんとの昵懇な関係なわけでしょ。

で、きっと、この忍―阿良々木の関係に近い「絆」を、将来的には、羽川と阿良々木くんの間で、西尾維新は描いてみたいと思っているのではないか。

なんていうのかな。

森博嗣ワールドにおける真賀田四季のような存在に羽川翼を位置づけたい。
あるいは、ちょっとニュアンスは違うけど、ジョジョにおけるディオのような存在に羽川をしたい。

「旧ツバサ・ハネカワ」が、うつくし姫が吸血鬼になったように、ほんとの怪異になる。
その時、阿良々木くんは、ようやく、人の理を離れて、忍と運命を誓いあったように、羽川と添い遂げることができるのではないか

多分、そういう、遠大な計画をもって、『結物語』では、羽川をあのような形で、つまり、シュレ猫的な、どうとでも解釈できる存在として、半ば怪異化した存在として描いたのではないかな。

加えて、真性の怪異となった「旧ツバサ・ハネカワ」という存在に、しかし作中で違和感を抱かないようにするために、わざわざ直江津署の風説課なるセクションをつくり、そこに阿良々木君同様、怪異とともにある「半・人間」を集めてみせたんじゃないのかな。

いってみれば、ジョジョ第三部では特殊能力だったスタンドが、第四部以降、ほとんど誰でももてるような気にさせる能力として位置づけられたようなもの。

阿良々木くんの青春目線で語れば、怪異譚は世界を揺るがすものとして位置づけられていたけど、しかし、大人の世界からみれば、怪異の存在は半ば常識であった。

その世界認識を、大人になった阿良々木くんの目線から明確に宣言されたのが『結物語』だった。

そして以後の「化物語」世界では、阿良々木くんは、刑事として、いわが臥煙さんや忍野のような専門家と似たような立場から、怪異譚を「日常」として語り、日常として解決していくようになる。

・・・ということで、物語シリーズは、西尾維新のライフワークになった、ということ。

モンスターシーズンの後の、ナデコ・シーズンや、ハネカワ・シーズンが、楽しみだよ。
まぁ、多分、10年後とか、20年後とかになるんだろうけどw

そこでは、もう阿良々木くんは絶対的な主人公でないだろうけど、しかし、確実に物語の流を極めるピースのひとつになるんだろうな。

ハネカワvsアララギ、の因縁の頂上対決が今から楽しみだよw

多分、ハネカワは、怪異の王・キスショットも超えるだろうから。

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魔法科高校の劣等生 第23巻 孤立編 感想

2017-08-14 15:59:09 | さすおに
久しぶりに刊行直後にそのまま読み切ることができた。
それもこれも8月だからかw
8月10日発売というのはラッキーだった・・・のか?
ともあれ、いつもどおり、スペース、空けときます。
















































まぁ、開口一番、語るとすれば、やっぱりこれでしょw

十文字、ざまぁーねぇーな!w

あとついでに、

七草、うぜー!、もう失せろや、ぼけー!w

・・・・って感じ。

いや、だってさ、もう、この二人、酷いよ。
脳筋にもほどがあるだろってくらいの原則主義者。
ホント、バカなんじゃね?って、ね。

ついでに言えば、渡辺摩利もひどかったね、完全にやられキャラのセリフじゃんw

この先輩三人組、もはや完全に、単なる噛ませ犬でしかなくて、むしろ不憫に思うくらい。
完全に、作者の都合で、適当に使われてしまっているよね。
もはや、キャラ崩壊状態。
さすがに、あれ、ここまで鈍感だったっけ?といぶかしんでしまった。

それにしたって、優等生ってこんなに思考力がないのか・・・ってくらい脳筋だったね。
だって、達也に、金星テラフォーミングのディオーネー計画の「狙い」を解説してもらうまで、一切に、その計画内容を疑わないんだから。
さすがに、かつての一高生トップ3なんだから、一人くらいは気づけよ!って思うよ。
なにしろ、新ソ連の「戦略級魔術師」が、敵国UNSAの呼びかけに答える形で進める計画なんだから。少しは裏があることくらい、疑えよな、って。
これで、魔法大学やら防衛大学校に通っている、っていうんだからさ。。。
戦略的思考が一切ないんだから。
結局、十文字と真由美の中にあるのって、十師族のメンツ、ってだけだもんね。
バカすぎる。

そりゃ、優等生じゃダメでやっぱり「劣等生」だよね!ってことになるよね。

てかさー、最後にエリカたちが活躍するのは、まぁいいけどさ。

挙句の果てに、十文字が、「司馬、いい仲間を持っているな、羨ましいぞ」とかいうあたり、マジでアホなんじゃないの?って思うぞ。
普通に考えて、頭おかしいよね。
さっきまで死闘を繰り広げていて、下手したら左腕、なくされていたかもしれない相手に、そんな言葉をかけてしまうのって。
もともと十文字って、どこかおかしいと思っていたけど、
これじゃ、ピクシーよりも十文字の方がよっぽどロボットだよね
どれだけ、トリアタマ、してんだよ、ってね。

とにかく、十文字と真由美のアホさ加減に呆れるしかなかった23巻だったわけだけど、
その裏として、結局、レオとかエリカとか、1巻の時からの達也の級友しかいないのかよ!、ってのも、ものすごく変だったけどね。
十三束とか、七宝とか、さ、エリカたちに賛同して、最後に新たにレオ・エリカ組に加わる輩が、少しは出てきてもいいんじゃないの?

一体、何のために、ここまでキャラ、増やしてきたんだよね?
これなら、最初からずっと、レオ・エリカ組の誰かが関わる形で、あとは、基本モブキャラからなる話でいいじゃない。

いや、ホント、そのあたり、疑問に思ったよ。

リーナのUSNA離反の可能性も仄めかされていたけど、彼女にしたって、広い意味で、レオ・エリカ組と同じようなものだよね、つまり、一年時の達也と関わり、少なからず恩義を感じている人物、ってことで。

いや、だからこそ、達也の存在によって、なんだかんだいって更生した七宝あたりは、エリカのように達也を私的に加勢する側に回ってほしかったけどねぇー。

まぁ、それもこれも、あのウザイ七草双子姉妹が、七宝の同級生として存在しているから、ってことで、動かしにくいからなんだろうけど。

ホント、マジ、七草三姉妹、いらねー。
てか、後輩、誰一人、いらないじゃん。
今回のような、達也が孤立させられる場面で手を差し伸べないんじゃ。
いや、この後の展開で、絡んでくるやつもいるのかもしれないけれど、さ。

とにかく、十文字+真由美、のアホさ加減に呆れた。

もっとも、彼ら二人に「人類のための魔法の利用」という美談ネタとして、唐突に登場したディオーネー計画にも、びっくりしたけどね。

あまりに今までとの文脈がなくてビックリだよ。
あと、そんな内容を一人では書けなかったので、いろいろと外部の人の知識に頼った、って作者が吐露してしまう「あとがき」って何?とも思ったな―。
そんなの、読者に伝える必要、ないでしょ。

別にこの作者に限らず、ラノベのあとがきって、作者自身が本編を振り返って、あの部分はこんな意図で書きました、とか自分でわざわざ説明することが多くて、呆れることが多いのだが、ホント、なんで、そんなことわざわざ書くんだろうね。
意図が通じるかどうかって、まさに書き手の能力の問題でしょ。
で、その中身に読み手がついてこれるかどうか、は読み手の方の問題じゃん。

その意味で、今回のあとがきで、最後の場面で、エリカたちが繰り出した技の解説とかしてるの、全く意味不明だった。

さらにいえば、ただの説明だけでなく、エリカと達也のやり取りを会話入りの形で付加しているのとか、マジでわけがわからない。流石にその部分は、本文に差し込めばいいものを、とおもったけどね。

・・・ということで、総じていえば、つまらない巻だった。

二年生編があまりにクソな話が多かったので、三年生編は少しは面白くなるものと期待していたのだが、全くそんなことはなかったね。

そういえば、根本的なところで、いくら隠れ「戦略級魔法師」とはいえ、達也が国外のUSNAに体よく拉致られるような計画が浮上しているのに、軍関係者が達也の国外流出を阻止しようという動きが微塵も見られないのは、流石におかしくない?って思ったかな。

風間たち独立魔装大隊くらいは、それこそ軍の上層部なり、政治家なりに達也の真相を伝えて、あれこれ理屈をつけて、国外流出を避けるべく振る舞うべきでしょ。

風間が地位的に無理でも、藤林とか真田あたりの口からそういう達也保護の必要性を語らせてもいいんじゃない?と思ったけどね。

それを前巻から出てきてる「情報部による殺害」しか考えないのって、あまりに「戦略級」の意味を軽視していない?

今回は、とにかくそこがおかしいと思わざるを得なくて。

だって、八雲師匠くらいだよ、達也の逆鱗に触れないように、達也の周辺で過剰に不穏な動きが起こらないように配慮しているのって。

まぁ、四葉の方は、今回の件については、達也を放っておくことで、達也と深雪を暴走させて、彼らの意志だけで、例の「精神的軛」の魔法を解除させるのが狙いだったのだと思うけどね。

だって、四葉にしても達也を失う、というカードは流石に切らないでしょ。
なら、今回の脅威に乗じて、もういっそ達也・深雪の軛を外して、二人ともリミッター全開で魔法を使えるようにしたほうがいい、という判断だったんだろうな。

真夜からすれば、自分の一存でそうさせると、一族からの反感を買いそうだから、達也たちに勝手に軛を外させて、その状態を追認することで、むしろ、一族に対して、達也という「抑止力」を行使することを狙ったんだろうな。

なにしろ、今回の結果では、達也は、十文字家現当主を打ち負かしたわけだから、十師族に対する四葉家の「威嚇」としてはこれほど素晴らしものはないわけで。

ということで、とっとと、四葉家も、独自路線を歩んでほしいなぁ。
国家間の陰謀・・・なんて枠にとらわらずに。
次回の「エスケープ編」では、是非、達也のみならず、四葉家の一族郎党が、国を見限って、独立勢力になることを目指してくれないかな。
むしろ、魔法師のみからなる独立国を達也が建国して、そこに志を同じくする魔法師を世界中から集めるくらいのことを、してほしいなぁ。

でないと、ただの逃亡劇にしかならないからね、今後の展開は。

金星のテラフォーミングのような話が出てくるなら、その一方で、達也による世界征服・・・くらいの話を、展開してくれないと、話の規模があわないよねw

ともあれ、十文字&七草、ざまぁー、に尽きる23巻だったw

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ストライク・ザ・ブラッド 第16、17巻 『陽炎の聖騎士』 『折れた聖槍』 感想

2017-08-07 21:54:09 | ストブラ
積読消化第二弾w

それにしても、いやー、まさか、ストブラ、ホントに第二部があるとは思わなかったぞ!

ということで、いつも通りスペース、空けときます。






















































16巻とともに、17巻も読んだ。
16巻の後書きにあったとおり、17巻が実質的な第二部の開始。
とはいえ、そのネタが、『暁の帝国』の実質的なノベライズにはびっくりしたけど。

しかし、ホントに、第二部が始まるとは思ってなかったよw

そして、思っていた以上に、実は面白いw

いや、眷獣集めが終わっちゃったから、この先どうするのかなぁ、と思ってたら、その眷獣の組み合わせで新技繰り出しますか、そうですか?って感じでw

確かにバトラーがそんな合わせ技を使ってたから、そういう展開も無理がなくて、正直、苦笑。

あとは、魔族として鬼族のカス子を新ヒロインに加えたところもいいね。
まぁ、サキュバスの後輩もいたわけだから、魔族の関係者が古城の周りに今までいなかったわけではなかったけど、きちんとチーム古城にカウントされたのはよかったかな。

問題は、この先、うまくカス子たち新キャラを動かしていくことができるかどうかなんだろうな。

今のところは上手く回っている気はする。

しかし、ホントに第二部が始まるとは。。。

まぁ、アブローラ編が終わっても十分回していけるくらいの設定はすでにばらまかれているからね。なにしろ、第一から第三までの真祖もいるわけだから。

あるいは、ラ・フォリアの存在とかね。

だから、うまく第一部で積み上げてきた設定を組み合わせていけば、比較的短い説明で、若干ややこしい話も回していけるように思えるんだよね。

その意味では、むしろ第二部のほうが、ようやく本編開始、って感じのような気がする。

とりあえずは、この先、どう展開させるのか、楽しみではある。

大事なのは、多分、スピード感だね、これだけキャラも設定も充実してるんだから。
ある意味、説明をすっ飛ばして、ガンガン、話を前に進めていく。
なにしろ、終盤の決め台詞はすでに決まっているわけだから、とにかくそこまではスピード感をもって一気に進める。

・・・そういう展開がいいなぁ。

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西尾維新 『悲衛伝』 感想

2017-08-07 21:29:11 | 西尾維新
いやー、去年の年末に出てたのに、
ようやく読み切ることができた。
いまさらな気もするけど、
一応、スペース、空けときます。























































・・・といっても、読み始めたのは、一週間くらい前なんだけどね。

そろそも、この500ページの西尾維新を読むのは、物理的にキツくなってきた。
それだけの時間を割くのが難しい。

しかも、今回に関して言えば、
えー、マジでそんな幕切れ―!!!
500ページ、読んだ時間を返せよー、ってマジで思ったよ。

だってさ、今回出てきたキャラ、最後の数ページで全滅だよ!

まぁ、西尾維新らしいといえば西尾維新らしいのだけど、さすがに、それはないわー、と思ったよ。

ていうか、今回は、いつにも増して、読みづらかったんだよ、そもそも。

なにしろ、水金地火木土天海冥+月+太陽、という、太陽系の星々が擬人化されて登場するという、わけがわからない設定だったから。

しかも、ブルームとかブループとか思い切り被る愛称を空々くんがつけてしまうものだから。

まぁ、地球陣やら火星陣やらでてくるんだから、他の星が出てきてもおかしくはないとは思っていたけど、それが代わる代わるとはいえ、一気に登場し、しかも最後には全滅だからね。

しかも、最後の太陽までは、星々との会合は、すべて人工衛星「悲衛」の空々くんの部屋で行うという密室ぶりで・・・
それだけで息苦しいでしょ。

その上、空々くんのパートナーをいつもの氷上や鋼矢ではなく天才ズにしてしまうから、そことの距離感も微妙でしんどかったし。

確かに、この過酷な状況では、唯一何があってもどこであってもキャラがぶれない地濃との対話部分が、予定調和のキチガイぶりで、その分リーダビリティが高くてホッとしてしまうという始末。

まるで阿良々木くんにとっての八九寺のような位置づけに地濃がなっていて、正直なところ、八九寺Pに申し訳ないとまで思ってしまったよw
ごめん、地濃となんかと同類のように見てしまって・・・・、って感じでw

ちなみに、あとがきで、第10巻の『悲終伝』は、地濃の番外編になるってあったけど、正直なところ、それはやめてほしいなぁ。

八九寺と違って、地濃には、全然愛着がわかないんだよね。
まぁ、そのあたりが、この空々くんの物語が、さすがにシンドいなぁ、と感じてきた理由ではあるのだけどね。
それに10巻がそういうことなら、第9巻で地球陣との争いは終わる!ってことになるわけだけど、だとすると、前巻の7巻で仕込んだもろもろもネタはどうするの?ってことになるので。

となると、実は、え?9巻で終わり?って思わせておいて、実は終わらず、10巻はいつもどおり空々くんたちが活躍します!って展開にしてくるようにも思えるんだけどね。。。

まぁ、どうなるのか。

それにしても、最近の西尾維新は、お話を畳む能力が著しく落ちてきている気がするのだが、どうなのだろう。

そういえば、阿良々木くんの「物語」も、結局リブートしちゃたしね。

なんかどれもこれも、ドラゴンボール化してきていてちょっと心配。

だんだん、戯言と全体の物語との間のバランスが取れなくなってきてるんだろうなぁ。
それは、ちょっともったいないなぁ、と思ってしまう。

まぁ、どうなるのかなぁ。

ちなみに、物語シリーズは、すっかり積読モードになってしまっていて、未読のものが6冊ほど溜まっている。。。どうするかなぁ、これ、って感じ。

で、肝心の『悲衛伝』だけど、
いやー、マジで、ホント、中身ないよ。
その意味では、空々くんのシリーズでは、一番読むのが苦痛だったし、一番つまらなかった。
もうこういういかにも西尾維新的オチは勘弁!って心底思ったもの。

この徒労感は、半端ないよ、マジで。

なので、感想らしいことを言おうにも、その感想そのものが意味を持たないと思わされてしまう。

せめてこの先の方向感くらい残しておいてくれたらよかったのだけど、それすらないからね。
四国編のときのような、いい意味で、えー、これどうすんのよ?って悪態すら生まれない。

前巻との関わりが何もないのが、これ、クライマックスに向かってるんだよね?という漢字をさせない理由でもあるのだけど。

あと、天才ズ、そこまでもちあげなくてもいいと思うだけどね。

その意味では、悲恋が登場してきた頃が、一番おもしろかったかなぁ。
こいつ、どんなふうに振る舞うんだろう?って疑問が常に湧いていたからね。
あるいは、氷上さんの、イタイ感じとか。

まぁ、一言で言えば、今回の『悲衛伝』は、駄作でしょ。
それも、超がつく駄作。

普通は、これひどい話だったなぁ、と思っていても、こうして感想を書き始めたら、途中でいくばくかの面白さには気づくものなのだけど、今回は、それが全然湧いてこない。
それもこれも、今回登場した新(星)キャラを最後であっさり全滅させてしまったから。
せめて一人くらい残っていればね。
そいつを起点にして、この先どうなるのだろう?とか、今回のお話をそいつ中心に振り返ってみようという気も起きるのだけど。

なにしろ全滅だからね―。
そういう手がかりが一切ない。

ホント、虚しい読書だった。
そんな虚しい読書のために500ページも使うの、マジでやめてほしいわ。
ホント、やめてほしい。。。

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絶対ナル孤独者 第4巻 ― 刺撃者 The Stinger ― 感想

2017-08-07 20:46:20 | SAO/AW
3巻から1年3ヶ月ぶりに出た4巻。
しかし、すっかり記憶の片隅から消えていたので、その4巻が出ていたのに気づかなかった。
でもねー、読んでみたら・・・

ということで、とりあえずスペース空けときます。









































いやー、マジで、すっかり忘れていたのだけど、
この4巻、
予想を越えて、面白かった!

というか、この展開なら、もうSAOとかAWとか放っておいていいから、このアイソレータの方を書いてくれないかな――、と思ってしまうくらいの面白さ。

どうやら、作者からすると、3巻まではウェブに書いていたものに手直しをいれたもので、この4巻の内容は、実に8年ぶりwで書いたものらしいのだけど、この面白さの転換は、その8年間分の蓄積の結果なのかもしれない。

思っていた以上に、王道の、しかし斜め上の展開に突進していて、驚き半分、心配半分w

とにかくミノルがきちんと成長しているのがいい。

前の3巻の感想でもちょっと書いたけど、このアイソレータは、結果として、SAOやAWの「悪い」ところを上手く外して書いているよね。

SAOの映画がVRではなくARをテーマにしているように、そもそもVRとか、没入型のサイバースペース・・・というのが、今では周回遅れの設定になりつつある。

これはもうAWの感想で何度も書いてきたことだけど、とにかくリアルの本人とアバターを使い分けるというのが、もはやどうにもうざい。この点で、もはやAWは作品世界の設定そのものが物語進行上のマイナスにしかなっていない。いくら加速世界とか言っても、サイバーワールドでの出来事はやっぱりどこまで行っても偽物。

SAOはその点を当初はデスゲームにしてなんとか誤魔化していたけど、フェアリテイル編以後はアバターとリアルの姿も別物になってしまってAWと同じ轍を踏んでしまっている。

多分、異世界召喚ものから異世界転生ものに「なろう」を中心に主軸が移っているのも、もうサイバーかどうかという設定はどうでもよくて、とりあえず異世界で違う人生を送るってことにして、リアルの初期設定は都合のいいモノ以外は全部チャラにするのでいいや、って感じになっているからでしょ。

そういう意味で、このアイソレータの設定は、リアルワールドを直接異世界に変えてしまっているようなもので、今の時代の好みにむしろあっている。

なので、このままいいところまで一気に突き進んでほしいなぁ。

というのも、この4巻で登場したスティンガーが、あまりにもチートの謎キャラすぎるので、次が気になりすぎるんだよね。

言うまでもなく、どう考えても、《特課》と《組織》以外の第三勢力の存在を示唆しているわけだし、能力的には、それこそ絶対守護能力としてチートだったはずのミノルさえも凌駕してしまっているわけで。これはもう、主人公ミノルに対する好敵手という位置づけでいいんだよね?

というか、ミノルにとっての、因縁の相手、に遠からずなるという理解でいいんだよね?

そういう感じで今回、終わっているのがね。

あと、そんなスティンガーという第三軸の登場によって、いきなリキダイザーたトランサーが、あれ、こいつらもしかしたら宗旨変えして《特課》入りする?・・・みたいな感じにもなってきて。

とにかく、敵・味方の入れ替えとかも起こりそうな雰囲気が出てきていて、単純に面白い。

そういう意味では、ミノルのアイソレータの能力も未知数って感じがするのもいい。
てか、予想を越えて、スウの戦線復帰が早そうで安心したけど、まさかアイソレータの能力で彼女の回復が図られるとは思ってなかったから、二重にびっくり。

あとは、まぁ、ミノルが普通にラノベ主人公らしく、ヒーローしつつはーれむを形成しているところもw

ただ、AWやSAOと違って、ミノルの周りにはオリヴィアみたいにちゃんと男子キャラも複数配置されているところがいいかな。
このあたりは、明らかにSAOやAWの反省を踏まえているよね。
男子が少なすぎると帰って主人公の動きに制約が生じてしまうから。
その点で敵キャラのトランサーもいい感じだし。

で、肝心の物語だが。

とにかく、中盤以降のスティンガーのチートっぷりが全てでしょ。
しかも、その正体をこの4巻で明かさなかった、という蛮勇的構成に、結構脱帽。

いやー、マジで5巻、年末くらいには出してくれないかな。

正直、AWやSAOをしばらくうっちゃっといてもいいから、アイソレータを一気に10巻くらいまでだしてくれないかなー、って感じ。いい塩梅に、敵も味方も、そして第三極も、キャラが配置されてきたので、彼らがどう今後勝手に動き出すのか、気になってしょうがない。

加えて彼らの活躍する場所が、リアルな東京の地理をベースにしていて、それもいいんだよね。AWやSAOでも、都内の地理への言及はあったわけだけど、アイソレータは東京の地理の書き込みがもっと詳細で、なんていうのかな、今っぽいんだよね。

あー、そうか、なんかスマフォでグーグルマップスとか普通に使ってる感じ?
それを、ユミコのバイクで疾走していく感じがまたね、いいのよw
首都高使って、一気に移動するところとか。
まぁ、このあたりは東京を知らない人たちにはいまいち想像できないことかもしれないけれど、とにかく、いかにも都市を舞台にして物語をつくっています、という感じがしてね。

戸山の都営住宅っぽいところが《特課》の隠れ家とか、あの都営住宅の何とも言えない昭和臭を知ってるとリアリティあるんだよね。なんていうか、特撮っぽいというか。

そういう意味では、平成の現代のスマフォ的ARっぽさとと、東京というスプロール都市を舞台にした広大さという昭和っぽさが、上手く同居しているところが面白いんだよね。

そういう意味では、意外と江戸川乱歩っぽいというか。
まぁ、ミノルたちの能力を考えたら、結構、怪奇ものとか伝奇ものっぽいノリだからね。
山田風太郎的というか。

ユミコのダッシュしかできない能力とか、ある意味で笑えるし。
まぁ、スタンドといえばスタンドなわけだけど。

というわけで、早く5巻、でないかな。
いやー、マジでSAOやAWとか後回しでいいからw
SAOって、もはや水戸黄門的定番物件だし、
AWは、とにかく物語の引き伸ばしに心底飽きてきてるんで。

ぜひともアイソレータに作者は注力して欲しい。
いや、マジで面白いよ、これ。

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