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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

86-エイティシックス- 第13巻 ─ディア・ハンター─ 感想: うーん、1巻の惨状への回帰は、物語としては悪手にしか見えないのだけれど・・・

2024-03-15 14:41:12 | エイティシックス
悪筆、悪文、悪構成・・・といった、作者の悪癖は、前巻にも増してフル稼働。

この人、実は人に読ませたくないんじゃないの、これ? ってくらいひどい文章。

ただ、思いっきり都合よく解釈すれば、この作品世界のクソ酷さを克明に描くために、もしかしたらわざと悪文のオンパレードにしてるんじゃないか? と逆に思わせてくるくらい。

とにかく読みにくい。

ありえないくらい読みにくい。

シーンがバンバン変わってくるくせに、その変化が単なる「一行空け」で示されるだけで、しかもそのシーンの変化がある程度読み進めないと確信できないため、酷く読みにくい。

加えて、視点人物が誰かも実は判然としないことが多い。

だったらいっそ、全て「神の視点」からの三人称記述でかけばよいと思ったら、時折、平然と視点人物の独白のような内面が描かれるので、たちが悪い。

その上、とにかく登場人物の数が多くて、最初期の登場人物以外は、常に、これ誰だっけ?ってことになる。

これだけ様々な国の様々な組織の様々な立場の人が入り乱れるのなら、さすがに冒頭にすべての人物名と所属先くらいリスト化すべき。

特に、ノウゼンの一族や帝国貴族たちは、今後の展開で重要な役回りを担うはずだから、全て名前を記しておくべき。

それをどこそこの機甲師団所属の・・・とか言われても、わからんよ!!!

いや、これ真面目にクレームいれたいくらい。

結果、多くの頁を読み飛ばす、ということなって、ますますわかりにくくなる、という酷さ。

そうした悪文・悪構成の上で書かれるストーリーが、真面目に陰湿なクソ話なので、ホント、やってられない。

人によっては、人間の悪辣さが描かれていて素晴らしいとか言ってるやつもいるようだけど、いや、だからといってこの文体が容認されていいわけではないだろ?と。

まぁ、これはきっと、4巻以降10巻くらいまで続いた、いかにもラノベ臭の強いチャラい「エイティシックス学園w」を、きっと担当編集者の意向で書かされているうちに、作者の中に溜まったストレスが発散された結果なんだとは思うけどね。

だって、あの頃描かれた諸国におけるレギオンとの争いとか、11巻以降の「第1巻の悪夢アゲイン」のプロットと全然シンクロしないのだもの。

いや、一応背景の設定としては使われてはいるけれど。

でも、11巻冒頭のちゃぶ台がえしの、レギオン戦のゼロからのやりなおし・・・で、すっかりどうでもよくなっちゃったからね。

せいぜいヴィーカとレルヒェがちょっと絡んでくるくらい。

ていうか、この二人のような、独特なラノベ口調のキャラが間に挟まらないから、とにかく会話が続いても、どの発言が誰のものか、も実はわかりにくいケースが多くて、頭を抱えるんだよ。

三人称視点で書け、というのは少なくともそうしたときに「・・・とセオは言った」みたいな記述をうるさくても加えろ、ということ。

それがないところが多くて、めちゃくちゃわかりにくいだよ。

あとモブの描写はもう割り切って具体的な名前をその都度与えたりしない方がいい。


ネイムド・キャラwは、あれ、この人、前に出てきた人だっけ?とか一瞬、思ってしまうから。

今回だったら、人間生体爆弾にされた〈仔鹿〉の子たちとかね。

まぁ、とにかく悪文なんだわ。

その上で、クソみたいな話ってことだけど、それはよく言われているように、11巻からこの方本巻までかけて描かれてきたこと、というのが、結局、連邦が瓦解して、かつての共和国のように「連邦版、というか帝国版の86区」をつくる動きが進められたということ。

連邦が救済したエイティシックスの子どもたちを含めて、共和国の奴らがクソでサイコなレイシストの優生主義信奉者たちの集団だった、ってことを執拗に描いて、その結果、もう共和国の奴らなんていらない、ってことに連邦の連中が思ってしまったw

まぁ、正確にはすべての共和国人、というわけではなく、エイティシックスを使って兵器用の人体実験をしていた共和国の軍属の残党が悪い、ということになるのだけど。

でも、そうした「核となる悪意」が世間に広まることで、市民の間で疑心暗鬼が広まり、世情が荒れて暴動が各地で起こり、治安が崩壊するという流れが生じてしまう。

しかも、連邦は、つい前まで帝国で、その帝国の遺制たる貴族たちも憤懣やる方なく連邦の中で、帝政奪還の機会を伺っていたからたちが悪い。

結果、市民のエイティシックスや共和国に対する疑念をうまく操って連邦の崩壊を画策してくる。

このあたりは、端的に人間社会の愚かさでしか無いわけだけど。

そうして、連邦も崩壊して再度、帝国へと戻りそうな勢いにある。

その意味では、今回、見ものといえば見ものだったのは、エルンストが本性を現して、襲撃者をアサルトライフルで執拗に殴打し撲殺する殺害者の姿をみせたこと。

このエルンストの豹変ぶりは、まさに、いろいろと取り繕うことでなんとか命脈を保っていた連邦が崩壊し、いままで押さえつけられていた帝国が頭をもたげる、という点でものすごくうまい描写だったとは思う。

連邦の理念を体現していたはずのエルンストが自壊することで、帝国が復活する、という流れ。

まぁ、ここから先は、ノウゼン家絡みとシンも巻き込まれていくのだろうし、フレデリカ絡みで他のエイティシックスの面々も思い切り巻き取られていくのだろうけど。

そこが、第1巻のときの「エイティシックス」のときは異なるところだし、その点で、どんな救済の道を作ることができるかどうかで、最終的にこの作品の評価は決まるのだろうな。

だって、わざわざ第1巻の状況を連邦/帝国で再演するということは、あのときと同じ過ちは繰り返さない、という流れ以外の何物でないじゃない。

まぁ、だから今回、というか前回あたりから、シンがただのレーナの犬っころに堕してw、本編に大して絡んでこなかったことなんだろうな。

彼とレーナには最終巻での大役が控えているから。

かわりに、今回の「悲恋」担当となったのが、アンジュとダスティン、ユートとチトリ、だった、ということで。

正直、ダスティンの逡巡は、彼がメインキャラではないとわかっている分、うざかったし、ユートはユートで、もう少し活躍するのかと思っていたら、結局、ただチトリのメッセンジャーでしかなくて、がっかりした。

やっぱりこの作者は、こうした恋愛描写は全然ダメだよね。

それくらいなら、最後にリトが不用意に殺されるところのほうがまだマシ。

ということはやっぱり作者はただのミリオタでしかない、ってことで。

ただ、こういう形でリトを消す、ってことに思いつくところが、ホント、この作者は外道だと思う。

で、こうした、人類側の内乱描写が続く一方で、引き続きレギオンとの戦いは続いているのだから嫌になるw


・・・ということで、11巻12巻よりはマシな話だったけど、3巻もかけて行ったのが「連邦/帝国版86」の実現だった、というのは、正直、悪手だと思うのだけどね。

繰り返すけど、今度は同じ過ちを繰り返さない、というのが王道だから。

でも、この作者がそんな殊勝なことをするとも思えないから、そうなると最後はむしろ、人類は全て滅んで、みんなレギオンとして転生しました!、というアンハッピーだけどハッピーな幕切れで終わりそうな気がするんだよね。

そういう意味で、エルンストは、徹底した狂言回し、ってことになりそうだけど。

どうなるかねぇ。。。。

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86-エイティシックス- 第12巻 感想

2023-02-22 20:10:45 | エイティシックス
久方ぶりにでた12巻だったけど、とにかく読みにくかったし、わかりにくかった。

端的に、つまらなかった。

文体も、構成も、中身も、全部ダメ、という最悪の一冊。

これだけ読みにくい話につきあわされてこれはない。

読み物としてもう終わってるよ、この12巻は。

今までもそういうところはあったけど、本巻の酷さは図抜けている。

正直、もうこのシリーズ、読むのをやめようと思う。

ていうか、これ、作者ももう何書いていいいか、わからなくなってるでしょ?

核兵器の話とかマジでひどいし。

いや核のこと知らないから、っていうのはわかるけどさ。

それにしても、アホ過ぎる。

それに、なんでまた、クジラが出てくる?

レーナ外しの意味もわからないし。

ていうかさ、キャラの数を増やすなら、ちゃんとそれ、会話で書きわけるくらいの工夫をすべき。

途中から、誰が誰か、見失うことが多い。

その一つ一つが読む際にはストレスになる。

なんかホントに本巻は出来の悪い同人小説のレベルなんだけど。

書いてる人間がひとりで酔いしれてるだけ。

編集者、もう少しちゃんとダメ出ししろよな。

これはリライト必須のレベルでしょ、小説の体をなしていないのだから。

あとキャラの名前とか特徴とかちゃんと識別できるようにしろよ。

面白かったのは、シンとその仲間たちの苦悩と成長だったはずなのに、それ以外のモブの話が多すぎる。

加えて無駄な軍事行動の説明とか、そのための部隊の話とか、詰め込み過ぎで、途中から、読むのが苦痛過ぎる。

この作者、もう少しリーダビリティというのを考えたほうがいいと思う。

軍隊の描写ってただでさえ漢字が長々と続くものが多いのだから、それを生真面目にやったら、読むのが嫌になる。

戦場の描写にしても、毎回、そもそも戦地を変えるから、その戦地そのものの描写から入るからこれもまた苦痛。

とにかくバランスが悪い。

そうした描写のあとに唐突に、シンとライデンたちの対話を挟み込むとか、意味不明だよ。

場面転換の一つ一つがもったいぶっていて、何が起こっているかわからないし。

さすがに、もっとちゃんとプロットを練った上で、ややこしいこととか悲惨なことを書きたいなら、それ相応の読みやすさを考えたものにしないとダメでしょ。

イラストももう完全に浮いてるし。

なんだろうなぁ、『禁書目録』がある時から、毎回使い捨ての新キャラをだして、無駄に魔法の詳細な描写をしてページ数を稼ぐようなってから、途端につまらなくなって読む気が失せてきたのに似ている。

それでも、あちらは上条さんという主人公の存在感、というか安定感があったから最後は一応、なんとかなってたけど。

このエイティシックスの場合、シンの異能がもはや使いでの良い探知機程度になってしまったので、特に決め手になるわけでもなく。

最近はずっと、シンではなく「エイティシックス」という被迫害者たちの集団的な不幸を描くことばかりに躍起になってしまったから、ひたすら不幸競争になってきているし。

悲しいくらい馬鹿で惨めな奴らが目白押し。

しかも、一応貴族制度が帝国とか残っているから余計に厳しい。

シンなんて、いつの間にか、帝国の超エリート一族の異端児というプロフィールが明らかにされて、貴種流離譚のもじりみたいな話になってきて、お家騒動的な不穏さまで抱える始末。

レギオンの行動もよくわからなくなってきてるくせに、代わりにクジラとか出してくるし。

これで、実はレギオンは、クジラの猛襲に備えて機械化した身体を得た人類で、だから最後はシンたち生身の人間とも共闘できる・・・みたいになりそうなのもゲンナリする。

ということで、もうちょっと続きを読むのは無理かも。

もはやエイティシックスとは名ばかりの駄作。酷すぎる。

1巻の過酷さを返せ。

3巻までのドラマを返せ。

4巻以降、劣化するばかりだったってことだね。

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86-エイティシックス- 第11巻 感想: 新章開始が、実はゼロからやり直しって、どんな罰ゲームだよ?!

2022-03-23 13:30:37 | エイティシックス
発売直後には手に入れていたのだけど、どうにも冒頭が読みにくくて放っておいた11巻。

この間アニメの最終回を見て、あれ、もしかしてちょっとは最新刊の内容が反映されている?とか思って、改めて読み始めてみた。

それでも、最初の100ページくらいまではとにかく読みにくく、しかも今回の内容が共和国人の護送、という、聞くだにげんなりする作戦で、案の定、途中でも、そのげんなり感を、エイティシックスや連邦軍人の口から語らさせるので、さらに嫌気が差して、全くページが進まず。

ようやくあれ、これもしかして?と思ったら、作戦だけでなく、物語自体も胸糞悪い方向に向かってしまって、なんだよこれ?と思っていたら、最後にシリーズとしても盛大な爆弾が落とされて、はぁぁ、となった。

まぁ、とにかくひどいよ。

正直10巻まで読んできて、この作者は、言葉の選択が無駄に衒学的で、会話ではなく地の文で設定を説明しようとするから無駄に頁が黒くなって、要するに、文章も構成も下手で作家としてはダメダメな部類なのだけど(この点では川原礫はすごくて彼の文章は状況描写でもさくさく頭に入ってくる)、ただ、そうした形式上の下手さ以上に、胸糞悪いストーリーを書くことで、なんとか命脈を保っている作家だと思っていた。

そういう評価は、この11巻でもそのまま当てはまるものだった。

まぁ、とにかくね、ひどいよ、これ。

だって、冒頭で、いままで10巻までで連邦が築いてきた戦局をすべてひっくり返して、チャラにしてしまったのだから。

まず、衛星からの弾道弾による攻勢で、人類vsレギオンの勢力図が全く書き換えられてしまって、人類国家は、再び分断されてしまったこと。

そのため、今までレギオンの情勢を掴むための情報ソースとして使っていた〈無慈悲な女王〉からの情報が、基本的に信用できないものになってしまったこと。

その結果、レギオンの活動停止による戦争の完全終了、という夢もまた、白紙に戻ってしまったこと。

にもかかわらず、そのレギオン停止命令を発することのできる帝国の末裔たるフレデリカの正体に、どうやら連合王国のヴィーカが感づいてきたようで、展開次第によっては、人類国家の連帯も、帝国女王の存命という事実から生じる諍いによって、内部から瓦解する可能性が出てきたこと。


まぁ、こんな感じで、まさに11巻にして、盛大なちゃぶ台返しがなされたわけだけど。

でもまだ、こんな内容は可愛いもので。

何が最悪かって、レギオンの攻勢の大元に、元人間の《羊飼い》による共和国人に対する恨みつらみがあった、ってことで。

つまり、共和国はレギオン化した元共和国人の怨念によって滅ぼされたということで。。。

しかも、その「大攻勢」を指揮したのが、レギオン化したレーナの父だった、という最悪のオチw


それにしたって、レーナの父のヴァーツラフが、死後レギオンとなり、《羊飼い》の首領たるノウ・フェイスだった、というのは・・・どうなの?

その事実を確認したのは、レーナにとっての「おじさま」だったジェローム・カールシュタールだったわけだけど、これ、どうやってわかったのだろう? 

〈無慈悲な女王〉のゼレーネくらい、ノウ・フェイスと化したヴァーツラフも、自分の意志や記憶を、ナノマシン上で再現されることが可能だったのだろうか?

それとも、みずからの「意志」というか「遺恨」によってそこまで進化したのか?


とにかく、これでしばらくの間、この物語は、

レーナ vs ノウ・フェイス(実はヴァーツラフ)

が、それぞれ、エイティシックスとレギオンを駆って戦う、壮大な父娘ゲンカになる、ってことね。

しかも、あるタイミングで、きっとレーナが、ノウ・フェイスが父の成れの果てだということに気がつく場面もあるはずで。

その時のショックは計り知れない。

兄のレイの亡霊の影と抗いながら戦ったシンの苦悩と同じ苦しみを、今度はレーナが味わうことになるってことでしょ?

作者って、ホント趣味悪いなぁ。

まぁ、本巻でも途中で、あの気の良いシンたちの整備長アルドレヒトがレギオン化して共和国の攻勢に加わっていたから、エイティシックスだけではなく共和国人の中にも、同胞と思っていた共和国とか共和国人に恨みを持っていたやつはいたんだなぁ、とは思っていたけど。

その時点でも十分、胸糞悪かったのに、それに輪をかけて、よりにもよってレーナの父を中ボス(←ラスボスではきっとない)にしますかw

前の章の3冊で、他国の話を通じて、シンたちとは異なる道を歩んだかもしれないエイティシックスの可能性があれこれ描かれていたわけだけど、本巻では満を持して、普通に共和国人に対して恨みを晴らそうとするエイティシックスの意志を継いだレギオン部隊が現れたわけで。

しかも大攻勢の首魁からしてノウ・フェイス、すなわちレーナの父ヴァーツラフだったことを考えれば、シンが戦場で《羊飼い》の様子が変わった、と感じていた数年前の時点で、すでにノウ・フェイスは、いつか共和国を自らの手で滅ぼすことを考えていたということでしょ?

となると、そもそも、そのノウ・フェイスの判断を容認したレギオン総統?とはいかなる存在なのか?ということも気になってくるわけで。

そういうことを想像しないでいられない内容だった。


しかし、悪鬼=レギオンと化した元同胞や元エイティシックスによって滅ばされた共和国って、時節柄、ウクライナに侵攻したプーチンのロシアを未来を彷彿とさせるようなところもあって。

さすがに業が深いなぁと。

ただ、逆に時節柄、この先の物語の筆致も変わるのかもしれないなぁ、とも思えて。

いろいろと社会情勢的にも難しい立ち位置にある物語になってきた気はする。


こうなると今後の物語の展開としては、左腕をなくしたことで、やむなく前線から離れることになったセオが、別働隊としてどういう行動を取るのか、が気になってくる。

多分、同じく後方に位置するアネットとともに、セオは行動することになるとは思うのだけれど。

多分、そこに、今回のレギオン攻勢によって後方に閉じ込められたヴィーカとフレデリカも絡んでくると思うのだけど。。。

問題は悪筆の作者が、この前線のシンたちと、後方のセオたちの物語を、うまくリンクさせながら絵がかけるのかどうか。

まとも考えれば、この先の展開は、相当込み入ったプロットになるはずなので、ちゃんと編集者が入って向こう数巻分の流れまで含めて構成を整理しないと、作品としては、下手をすると破綻する可能性もある気がする。

ともあれ、次巻、どうなるかねぇ。。。


あ、そうだ、今更ながら気づいたけど、レーナの父のノウ・フェイス率いるレギオン軍団には、きっと、10巻で登場した、まだシンが、レギオンに殺された仲間を銃で介錯してやる前に死んだ人たちも登場するのだろうな。

当然、セオの「ラフィング・フォックス」隊長も。

ホント、ひどい話だ。

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86 -エイティシックス- 第23話『ハンドラー・ワン』 感想: 制作サイドの原作の読み込み、原作への愛が感じられる極上の終わり方だった!

2022-03-20 18:28:17 | エイティシックス
わかっていたラストだったけど、いい締めだったねぇ。

ていうか、最後の5分間が全てだったわけだけど、

ファイドの撮影から入るのはずるいなぁ(←褒めてるよ!)

演出はスゴくいいよ。

原作だとあっさり再会を果たすところを、そこまでのプロセスをちゃんと描いた上での再会に変えていたのだからw

確かに猫のティッピーと元犬ロボAIのファイドを交差させたのはうまいし、

その猫のことで、ちゃんとアンジュやクレナの感謝が心からのものになっているのもいい。

まぁ、ライデンとセオについては、あれだけ悪態をつき合った中なのだからいうまでもなく。

で、シンについては、レーナが86の墓碑の前で一旦お別れをして決意を新たにした直後の再会だからね。

これはズルい。ほんとにズルい。

そりゃ、レーナも号泣するはずだよねw


・・・って具合に、どこをとっても、計算され尽くした演出だった。

でもさー、

これを見ると、シン(たち)とレーナの再会って、なんかエルンストが気を回して画策した結果のようにも見える。

だって、理想のボーイ・ミーツ・ガール!とまで言ってたよね? エルンストw

で、それによって、シンとレーナの再会が、単に当事者たちにとっての喜びだけではなく、エルンストたち大人たちが仕組んだ、彼らからの祝福でもあったように見えて、それは本当に良かった。

ちょうど、レーナが、叔父様のことを思い出していたのともちゃんと照応していて。

放っておけば、この『86』って物語は、シンたちだけでなくレーナも含めて、捨てられた子どもたちが、それぞれひとりでもがく話として受け止めてしまうのだけど、このアニメについては、要所要所で、本来の庇護者たる大人たちの気遣いが描かれていたのは、よかったと思う。

それによって、このクソみたいな世界も、まんざら捨てたもんじゃないな、という気にさせられるから。

シンたちだけでなく、視聴者の側も。

そうして「救い」をちゃんと示したのは本当によかったw


あと、最後の集合写真の提案と撮影をしたのがフレデリカ、というのも。

そうすることで、この先の物語が、シン、レーナ、ライデン、セオ、アンジュ、クレナ、フレデリカ、ついでにファイドも含めた面々で進められることも簡潔に伝わってきたしw


ということで、気持ちのいい終わり方だったー。

確かにこうなると続きも見たくなるわけだがw

ただ、その続きが、どんどん泥沼化していくからなぁ。

そういう意味では、ここで終わりにしておく方が、名作として記憶されることになるかもしれない。

難しいところかも。

この先、連邦と共和国以外の国の人たちも登場し、それぞれ不幸自慢のような展開がずっと続いていくので。

いまさら、煉獄めぐりをしなくてもいいじゃん、って思っちゃうような内容だからなぁー。

ということで、続編は見たいけど、やるなら相当ちゃんとやらないと、リゼロの2期のようにひたすら鬱を見せ続けさせられることになるから。


そうそう、せっかく冒頭が聖誕祭だったのに、やっぱり、この最終話をクリスマスにできなかったのは残念だったね。

でもまぁ、シンたちとレーナの再会が春だったから、それはそれで、怪我の功名というべきなのか。


ともあれ、いい最終回だった!

ファイドが涙を流したように見えた演出は秀逸だし、

線路をいつかは「辿り着ける・追いつける道」のシンボルとして使い続けたのは、

制作スタッフの作品愛の現れだと思う。





2022/03/18

ありふれた職業で世界最強 2ndシーズン 第10話 『神の使徒』 感想

もりあがってきたねー。

でも、まさか、モブの恵里が裏で糸を引いていたなんて思わないよねぇw

原作を読んだとき、ここは驚くというよりも笑ったところw

お前誰だよ、って。

まぁ、清水の闇落ちの例もあるから、クラスメイトの中から造反組がでてきてもおかしくはないし。

まぁ、進撃で言えば、ライナーやアニの裏切りに直面したエレンたちのようなものだしw

それにしても恵里の中ボス化の理由が、光輝の独占だからねぇw

ハジメの厨二趣味も大概だけど、結局、恵里にしても檜山にしても、青少年の恋の悩みで闇落ちするのだから、このクラス、問題ありすぎなんだよなぁw

そりゃあ、愛ちゃん先生がこの先、あれこれ葛藤してもしかたない。

まぁ、その愛ちゃんも、すでに魔王wの毒牙にかかっているわけだけどw

ともあれ、ノイントも登場したし、ようやく本編がスタートしたって感じ。

やっぱりここまで第1期でやらないとまったく面白みにかける。

というか、ハジメたちの行動原理が不鮮明なままだと、ただの異世界サバイバル日記や異世界ハーレム日誌にしかならないしw

これで、ようやく本番開始w

ということで3期、やらないかなぁ。

せっかくリリィも出てきたのだから、首狩族w化したハウリアを含めて、帝国編もやってほしいのだけどw

雫も、数少ないハジメのツッコミ役として始動するしw

しかし、今回のを見て思ったのは、あー、まだ遠藤は卿wになっていないから、この段階では簡単にやられちゃうんだなぁ、とか、園部もこの時点では準モブ扱いなんだなぁ、と。

物語が進むと、キャラ立ちした準レギュラーも増えていくので、ホント、ここから先が面白くなるところなのだから、続きをやってほしいよなぁ。

ユエ、シア、ティオ、の初期メンバーに、ここから先、香織が本格参戦して、それに、愛子、雫、リリィがついていく感じになるからw

彼女たちの攻略も含めて、でも、物語はちゃんと神との戦いに向かっていくからw

あと、さっき、遠藤と園部のことに触れたけど、この先、光輝も今まで以上にやらかしてくれて、ちゃんとヘイトを集めていくことになるから。

そのあたりの人間模様も、普通によくできているのでw

ということで、次回、どこまでやるのかな?

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86 -エイティシックス- 第22話『シン』 感想

2022-03-13 16:02:18 | エイティシックス
終わってみれば、絶対的にいい話だし、いい場面だったのだけど。。。

でも、入口の部分が、モルフォ撃破後の、シンの自己反省のシーンから入るので、これ、やっぱり、普通に21話を見て、一週間後くらいの流れが残っているところで見ないと、ただ鬱陶しいだけの話にしか見えない。

いや、先週、総集編があったじゃん、という反論もわかるのだけど、でもさぁ、あの総集編、全部ライデンのナレーションが入ってたじゃん、アレじゃ、ダメなんだよ。

熱量のあるシーンを解説しちゃたら、むしろ見る側は冷めちゃうんだよ。

そういうところ、作りての側がちゃんと理解していないのにはガッカリ。

まぁ、全部、納期を守れずに、年内に放送できなかったのがいけないんだけどね。


それにしても、この22話を先延ばしにしたのは、マジで大失敗。

原作は読んだし、3巻の最後の方のシーンなのもわかっていた。

で、今回見て、アレってそういうことだったのか、と改めて思うくらい、ちゃんと描写されていたんだよね。

あのレーナがパラレイドで同調してくるまで、声ではなくテキストベースの会話だったとか、だから、それまではそっけなく、というか、なかば自暴自棄のまま応じていていたシンが、レーナの声を聞いた途端、驚愕した場面とか。

正直、原作では、その違いが明確にはイメージできていなかったので。

いや単純に、ある女性将校がシンの機体のそばにまでやってきて、あれこれ言ってきたのはわかったけど、それがレーナだとわかるまで間があった。

でも、たしかに、今回の、シンの視点から描写されると、なるほど、そりゃ驚くわ!って思ったものね。

パラレイド・マジック!というか。

あと、あの声のやり取りをみんなに聞かれていた、というのもね。

だから、確かに、あの、あ、これは再会だったんだ、いや初めて少佐がどんな人かわかったんだ、って気づいたシンの驚きは、とてもよくわかる。

なので、最後まで見ると、ものすごくいい回だったんだけどね。

フレデリカの、ロリババア的ツッコミも素晴らしかったしw

てか、あれがないと、よく事態を飲み込めなかっただろうしw


でも、そういうところまで含めて、この最高に盛り上がるシーンだけを、2ヶ月経って見せられてもなぁ・・・ってほんとに思ったよ。

まぁ、ちょっと間を空けて、通しでみればもっとよく見えるのだろうけど。

でもなぁ、シンがここまで自己嫌悪、自己否定な存在になる、というのが、1巻や第1クールの流れからすると想像ができなくて。

というか、シンのイメージとかけ離れていて。

そういう意味も含めて、1巻で終わりにしていれば名作だったろうに、って思うんだよね。

2巻以降はすべて蛇足。

2巻、3巻のシンの苦悩の描写をすっ飛ばして、1巻の最後のように、ただ、後日談として、生き残ったシンとレーナが再会する、それだけで十分だったんだよ。

ということで、次回の最終回は、その再会というか、初顔合わせ。

シンだけでなく、ライデンやアンジュたちも含めて、彼らの生存を知り、初めて顔を合わせたレーナがどんな表情をするのか。

2ヶ月も待たせたのだから、最高の作画で描いてくれることに期待!

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86 -エイティシックス- 第21話『もうこれしか』 感想

2021-12-26 10:16:24 | エイティシックス
フレデリカをはさんでの、2人のノウゼン対決!ってことで、結果は、まぁ、ちゃんとシンが勝ったわけだけど。。。

しかし、ここから残り2話を3月まで延期するのか。

いやー、原作、読んでおいて、よかったw

そんな蛇の生殺しみたいな形で3ヶ月も待たされたらたまらなかった。

てっきり残り1話だとばかり思っていたから、1月に入ってでも、あと1話を放映して終わりにすると思っていた。

この先にあるのは、シンとレーナの再会だけのはずなので、むしろ、2話も使う意味あったっけ?と思うくらい。

ということは、戦場でのやり取りをしっかり時間を取ってやるのだろうな。

しかし、このモルファ戦については、結局の所、キリヤを、失敗したシンのような位置づけにして、その闇落ちしたシン自身を、シンが自分の手で始末した、という感じだったんだな。

そのあたりは、やっぱり映像で見たほうがいいね。


ということで、続きは3月。

レーナの再登場の仕方をどうキレイにもってくるのか。

OPの後ろ姿のように、かっこよくキメてほしいところだな。

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86 -エイティシックス- 第20話『死ぬまで一緒に』 感想

2021-12-19 14:46:15 | エイティシックス
次回(最終回?)のモルフォとの最終決戦に向けたシンたち連邦側の心理状態を描いた溜め回。

しかし、ここでシンが一種の「燃え尽き症候群」になってしまうとはねー。

今回の話は原作3巻の話で、最初に読んだときは、とにかく先が気になったので、このあたりの心理描写は、はいはい、まぁ、そういうこともあるよね、くらいで読み飛ばしていたところなのだけど。

でも、今後の展開を考えると、このシンの、

もう、俺、兄ちゃんを成仏させちゃったから、やることないっす、人生の目的なんてないっす

・・・的な発言は、結局、3巻のモルフォとの対決が終わってもずっと引っ張り続ける話なんだな、ということに気がついた。

なので、今回、シンがフレデリカに本音を吐露したことは、物語的には、ものすごくデカイ転換点、ターニングポイントだったことになる。

でもまぁ、そういうのは、これまで戦ってきた86の戦友たちには言えないよね。

セオやアンジュは察していたけど、そんなことにも気づけないクレナのほうが普通なのかもしれないし。

ということで、シンの心の闇を取り除くのは、86の戦友たち以外の人、ということになって、今回はフレデリカが、4巻以降はレーナが、その告白相手になっていく、ということだった。

ただ、そうなることで、どんどん物語自体は、シンたちの年相応の話になってしまって、正直、戦闘って、もうどうでもいいよね、という感じにしかならなくなっていくからなぁ。

3巻で終わらせておけば良作で終わったろうに、と思わずにはいられない。

だって普通に考えて、無理矢理にでも語るべきことといえば、

シンとレーナを中心においた、恋バナを核にした人間関係の整理



どうしてレギオンが反乱を起こしたのか、

という世界の秘密に迫る話にしかならないから。

でもねー、そういうのは、よっぽどちゃんと考えないと凡庸なオチになっちゃうんだよねー。

11巻の刊行が2月にまで延びたけど、さてさてどうなることやら。。。

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86 -エイティシックス- 第19話『いっそ、このまま』 感想

2021-12-06 14:48:17 | エイティシックス
戦闘シーンを含めて、作画の質が戻ってきたのは朗報。

で、物語的には、フレデリカの密航?に尽きるかな。

原作のレーション話がとばされたのはちょっと残念だけど、でもまぁ、それは次回繰越なのかもしれない。

モルフォが意外と姑息だったのには苦笑するけど、しかし、やっぱり、ノウゼンの一族として、いわばシンの「こうなっていたかもしれない成れの果て」のようにモルフォが登場したのは何だよなぁ。

いかにも物語の都合でそうしました、という感じが拭えない。

というか、改めて映像で見て、そう感じた。

フレデリカの発言による誘導もあるけれど、キリヤが、どう見ても「バッドエンドのシン」みたいにしか見えないんだよね。

早いとこレーナが再登場しないと、このシンとシンの影の戦いは、あまりにも世界が狭すぎて、モルフォの武装がレールガンで超巨大なレギオンである分、余計にそのアンバランスぶりが気になってくる。

あ、でも、次回もお休みなんだっけ。

このテンポの悪さはほんとに罪だなw

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86-エイティシックス- 第10巻 感想: 新章開始前の一休み回だったけど、今後はどうなることやら。

2021-11-30 17:53:11 | エイティシックス
9巻までで、シンとレーナの関係を中心に、連邦の第86機動打撃群、別名「エイティシックス学園(笑)」の人間関係、とりわけ恋愛関係に区切りをつけたところで、

この10巻は小休止という趣で、シンの原点、すなわちシンが新兵から戦隊長になるまでの過程を描いたものだった。

っていっても、どうやらこれ、以前にネットで書いていたものを再編集したもののようだから、作者にとっても、省エネモードの小休止回だったw

でも、シンがどうやっていまのような無双兵士になったか、そのプロセスがわかって面白かったといえば面白かった。

彼に影響を与えた諸先輩方の様子とか。

シンに白いスカーフを与えたアリスって、もしかして今後再登場するのかね?

なんだかんだいって、彼女がシンに与えた影響は大きいから「恋愛学園エイティシックス」的にも、レーナやフレデリカがやきもきしそうな、シンの初恋のお姉さんポジションだしw

まぁ、再登場するっていっても、レギオンの中に取り込まれた形だろうから、どう考えても悲劇にしかならないわけだけど。

どうかなぁ。

でも、この先の11巻以降の物語は、どう考えてもフレデリカがらみのレギオン停止作戦に向かわざるを得ないわけだから、まずはフレデリカとシンの関係をどうするか、というところが先だろうけどね。。。

しかし、このレギオン停止問題は重たいよな。

フレデリカの正体はレーナにも秘匿されているから、途中でレーナにバレる面倒くさい回がありそうだし。

だって、レーナからすれば、このレギオンとの不毛な戦いを始めた張本人である帝国の最後の落し胤なわけだから。

しかも、その事実を、正式に恋人になったシンからも秘密にされていたわけだから。

そうなると一度くらいは、レーナが闇落ちしそうで怖い。

あと、この10巻の最後の方のファイドの話のところでさらっと出てきたけど、シンの実家であるノウゼン本家が帝国打倒の民主派だったようだから、そこでも面倒くさい話になりそうだし。

てか、わざわざ新規に書き足したところなのだから、どう考えても11巻以降に向けた前ふりなのだろうし。。。


で、そのような「新章開始!」となる11巻が12月に出るというから、ペースを上げて読んできたのに、いつの間にか、刊行が2月に延期されていた。

作者の健康状態から、っていうのが公式の理由だけど、実のところ、作者も8巻、9巻でリトとクレナに決着をつけてしまってから、この後、どう話を回していこうか、悩んでいるんじゃないかな。

予想以上に物語が続くようになってしまったから。

だって、3巻くらいまでのノリだったら、とにかくレギオンの攻勢に立ち向かう少年兵たちの生存をかけた戦いの悲劇・・・くらいで終わらせることができたのに、

シリーズを続けてしまった結果、そのレギオンとの戦いを終わらせるところまで描かなければならなくなってしまったわけで。

それって、結局、この世界のもろもろの秘密やら陰謀やらにもふれなくちゃならなくなってしまったわけで。。。


でも、ここまで読んできた感じからすると、作者にそういう大きな物語を畳むだけの構成力が有るようには見えないんだよなぁ。

だって、基本、この作者、ただのミリオタじゃない。

それだけで押せた3巻まではよかったけど、4巻以降、人物を描かなくちゃならなくなった途端、ただのラノベのキャラ小説になってしまったのだから。

引出しがほんと、少ない。

そこで、旧帝国内部の政争なんてほんと書けるの?って心配になる。

その一方で、レギオンがどうして今のように自律的な人類抹殺機械になったのか、という話も解き明かさなくちゃいけないわけで。

いわゆる司令塔のノゥ・フェイス(顔なし)って帝国の誰だったのさ?って話だし。

ゼレーネがいても、そうしたレギオンの組織情報にはプロテクトがかかっているわけだし。

まぁ、十中八九、シンの両親の出身のノウゼン家とマイカ家の両方が関わっていると思うのだけど。

レギオンの開発にも、帝国打倒の陰謀にも、レギオンへの脳のアップロードの手法とかも。

だって、マイカ家の精神感応の異能とか絶対利用されてそうじゃない。

でもそうなった場合、シンの実家が、このレギオン戦争を始めたという展開にもなりかねないので、ものすごいブーメランだよね。

で、そういう「戦争を終らせる」プロットづくりに多分、作者自身、おてあげになっているんではないかな、と思ってみたりw

その過程で、どうしてファイドというAIが、シンの父の手によってかいはつされたのか、とかいう話にもつながっていくのだろうなぁ。

でなければ、ファイドが実は、シンの父が作った愛玩ロボ犬のAIだったという、あまりにも安直な予定調和なオチにしたりしないよね。

そこになんらかの因縁なり運命なりがなければならないからのファイドバレだよね?

もしかして、AIとかマインドアップロードとかの話になる?

とにかく11巻にならないことにはどうしようもないw


あとは、左腕をなくしたリトの去就については、やっぱり、アネットががんばって義手を開発して再登場するんじゃないかな、と思っているけど、どうなるのか。

ダークホース的展開としては、無人機のジャガーノートをリトが遠隔でBMI的な脳から直接操作するインターフェースを使って、シンたちの絶体絶命の場面に再登場する!なんて胸アツな展開もあるかなぁ、って思ってみたりw

ほんと、どうなることやら。

あ、そうそう、「レテの畔」は9話、10話でやったやつだったけど、アニメのほうは、2巻のギアーデ連邦編に入る前にうまくつないだんだなぁ、って思った。

なんだかんだいって、アニメスタッフは優秀だと思う。

基本ミリオタな原作を、戦闘のハードさはなくさずに、しかし、人間面の部分を原作以上にうまく補って制作しているな、と思った。

まぁ、制作現場は、だいぶ、万策尽きたー!な感じのようだけどw

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86-エイティシックス- 第9巻までの感想: 結局ただのラノベになりさがってしまうのか?

2021-11-22 14:20:56 | エイティシックス
とりあえず本編としては最新の9巻まで読んだ。

で、そこまで読み終わっての印象だけど、なんかただのラノベに成り下がっちゃったなぁ、というもの。

単純に残念。

作者が個人としてストックのあるネタというのが、結局のところ、ミリタリーネタでしかなくて、

それ以外のストーリー展開や登場人物の配置、といったところは、巻が進むごとに、どんどん、ありきたりのラノベ展開になってしまった。

1巻の内容、あるいは、1巻の最後の場面までの補完である2巻と3巻の内容が、おお!と思わせたのは、

戦場に無理やり駆り出された少年の悲劇のリアリズム

にあった。

加えて、そこに

シンたち(エイティシックス)とレーナ(共和国)の間の被害者・加害者という、容易には越えられない非対称な壁

があったからこそ、この先、どうなるのかと頁を繰る気にさせられた。

その際、兵器を詳細に描く乾いた文体は、戦場と心情のリアリズムの両方を伝えるのに貢献していた。

多分、こうした複数の要素が微妙なバランスの上で配置されていたがゆえに、1巻から3巻までの内容には、眼を見張るところがあった。

ところがそうしたバランスが4巻以降、どんどん崩れていってしまって。

何がヒドイかといえば、すでに6巻までの感想でも書いたように、いつの間にか、シンとレーナの恋バナを中心にした「エイティシックス学園」の話になってしまったこと。

そのトーンは7巻以降も全く変わらない。

むしろ、そうした学園モノの雰囲気を増やすために、ステレオタイプなラノベキャラがどんどん増えていく。

その傍らで、物語はどんどんワンパタン化していく。

一番ひどいのは、5巻の最後でシリンが築いた屍の山で示されたような、

エイティシックスたちにとってあり得たかもしれない悲劇

というモチーフを繰り返していること。

8巻の船団国群しかり、9巻の聖教国しかり。

一応、

船団国群では「戦士として生きる誇りが潰える悲劇」、

聖教国では「戦場に駆り出されるしかない子どもの運命」

という感じで力点の置き方は少し異なっているけれど、どちらもエイティシックスの子どもたちの内面をくじいて戦意を喪失させるための仕掛けでしかなくて、

その結果、8巻ではセオが、9巻ではクレナがそれぞれ精神不安定な状態に陥ってしまう。

特にセオの場合、その精神状態から、結局、左前腕を切断する重症を負って、戦線離脱を余儀なくされてしまった。

まぁ、巻が進めば身内から犠牲者も出るよね、ということなのだけど、その安易さも含めて陳腐な展開が続いてしまう。

多分、こうした「エイティシックスにとってのあり得たかもしれない悲劇」のパタンを繰り返すのは構造的な問題で、それは、この物語の敵が物言わぬ機械であるため。

人間どうしの戦いなら敵国のキャラや内情として「クソな」奴らを書けるものが、レギオンについては書くことができない。

その結果、クソで、ビッチな奴らも、一応、味方であるはずの人類の方で描くしかない。

その結果、8巻や9巻のような、かなりアクロバティックな「可哀相な同盟国」を描くしかなくなる。


とはいえ、そのすべてを「エイティシックスにとってのあり得たかもしれない悲劇」にする必要はないと思うので、このあたりは、単純に、作者にストーリーの運び方の引き出しがなさすぎるからなのだろう。

その代わりに、といってはなんだけど、そうしたストーリー展開の陳腐さを糊塗するために、8巻と9巻では、とにかく戦闘描写が過剰でくどくて意味不明なものが続き、リーダビリティも低下するという始末。

特に8巻の海戦描写は全く意味不明で、何が起こっているのか、ほとんどわからなかったので、ひたすら頁を飛ばしていた。

こんな具合で、巻が進むにつれて、

シリーズとしての大きな流れ
個々のエピソードとしてのストーリー展開
キャラの配置
戦闘描写
それらを支える文体

といった要素が、どんどんバラバラになってしまっている。

多分、一番いらないのは、シンとレーナをはじめとしたラブコメ要素で、これは、ほんとにうざい。

しかも、作者がミリオタなせいか、このラブコメ描写が極めて書き割りすぎて、お粗末。

一応、7巻末でのシンの告白をもって、2人の関係は正式に恋仲に向けて進み始めるのだけど、おいおい、作者、そこで「あとがき」をはさむか?あんた?ってぐらい、作者が出張ってくる、という気持ち悪さ。

あれはドン引きだったなぁ。

ただでさえ、ラノベのあとがきって、作者が、この巻ではこんなことやあんなこと書きました、ってあらすじの紹介や、あの描写にはこんな背景があって、なんていう解説をしまくる場になっていて、

いや、そんなこと読めばわかるんだから、作者がこう読めよ、お前ら、なんてことわざわざ注釈しなくてもいいだろう、と思ってしまうので、常々、あとがきはいらないなぁ、と思っていたので。

そういう意味では、7巻のあとがきは、ホントひどかった。


・・・という具合に、なんかね、『エイティシックス』という話は、話が進むほど、どんどん劣化が進むという酷さで。

いや、6巻まで読んだところで、ちょっとこれどうよ?という気にだいぶなっていたので、7巻以降を読むときは、できればいいところを見つけたいとも思いながら読んでいたのだけど、駄目だった。

この先は、大きな話としては、

フレデリカの処遇、すなわち、女帝バレというイベント、レギオン停止のイベント

があるけれど、それだけでは陳腐な悲劇しか生まないだろうし。

それこそ、エルンストあたりが、このフレデリカの一件でマジギレして、暴君に転じでもしてくれない限り、面白くなりそうもないし。

あとは、戦線離脱したセオがどういう形で復帰するのか。

シリンもある時代なのだから、ロボアームの義手でなんとかなるんじゃないの?って思っていたら、いきなり9巻冒頭で否定されてしまったので、それをどうするのか。

まぁ、ここまでのマッチアップぶりからすれば、同じく皮肉屋のアネットあたりが、そうはいえ、義手をなんとかしそうな気もするし。

あるいは、そもそもレギンレイブには人が乗り込まなくちゃいけないの?という点で、セオについては、遠隔思考操作型の戦闘マシンの試作機を作りそうな気もするし。

てか、すでにレギオンが人間の脳のネットワークの取り込みをしてるのだから、「無慈悲の女王」を鹵獲している今、そういうことを、アネットとルルーシュ、もといヴィーカ殿下が新開発しそうな気もする。

その一方で、敵が喋らない問題も、この先、レギオンとの意思の疎通も可能になる、という展開もありそうな気はするけど。

問題は、そういう設定を、今の作者の技量で、整合性のあるかたちで導入できるかどうか、というところかな。


・・・とまぁ、こんな具合。

まとめると、1巻から3巻までの内容が良かったので、いろいろとその先が想像できて期待はしているものの、それはどうやら高望みだった、というのが、その後の9巻までを読んでの印象。

その印象が覆る展開に期待したいところだけど。。。

多分、無理かなぁ。

せめて、ミリオタ書き込み要素を減らして、もう少し読みやすい文体にしてほしいかな。

それくらいは、なんとかして欲しいところ。

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