16巻の最後で、ベルを力づくで奪うことを決心したフレイヤ。
果たしてベルたちヘスティア・ファミリアは、フレイヤ・ファミリアの猛攻を凌ぐことができるのか。
ということで、スペース、空けときます。
うーん、ちょっと今回の話は微妙かなぁ。。。
期待していたフレイヤ・ファミリアによるベルくんたちへの猛攻は、冒頭こそあったけれど、それもほとんど一瞬のことで、あとはフレイヤが《魅了》を発動して、オラトリアの人たちの記憶(というか認知)を改竄してしまったので、それ以降は、ほとんどベルとフレイヤ・ファミリアだけの話になってしまった。
そういう意味では、17巻でのシルが18巻ではフレイヤに変わっただけで、同じようなことが繰り返されただけ、という感じ。
前巻同様、ヘディンは師匠としてベルに稽古をつけていたし。
といっても、今回は死闘を通じての戦い方の指導だけど。
ともあれ、本巻は、そのフレイヤの《魅了》の解除までで終わってしまった。
とはいえ、その《魅了》の解除をしたのが、処女神ヘスティアのチート能力だった、というのは、正直、それってどうよ、後出しじゃんけんすぎじゃない?って思ったけど。
さすがに、ご都合主義すぎるのでは?と思った。
もう少しくらい、ヘスティアにはそういう力があるってことを、前巻までの間に匂わせてくれていればよかったのだけどね。
もっとも、その結果、フレイヤ・ファミリアに記憶の改竄という形で人間としての尊厳を陵辱されたことにオラトリア中が怒ってしまったため、それをなだめるために、次巻で再び「戦争遊戯(ウォーゲーム)」が行われることになったから、おおむね、
16巻の感想3で書いたようなラグナロクが起こることになったのだけど。
それも、フレイヤ・ファミリアvsヘスティア・ファミリア+オラトリアにファミリアたち、ということになったわけで。
なので、だいたい、予想はあたっていたことになるんだけどね。
ただ、そう考えたとしても、今巻の内容は、あまりにも冗長で、迂遠だった、って気もする。
こんなにフレイヤやフレイヤ・ファミリアのことを延々書く必要があったのかな、って。
その分、ヘスティア・ファミリアの面々も、アイズたちロキ・ファミリアの面々の登場も圧倒的に減ってしまったわけで。
むしろ、次巻の「戦争遊戯」において、ヘスティア・ファミリアにいくらでも増援部隊が加われるように、わざと、話の規模をでかくしたようにしか思えない。
だって、最後のところの小競り合いを見れば、リューやアスフィ、アイシャといった、いつものヘスティア・ファミリア支援チームだけでなく、アイズやティオナ、場合によったらベートあたりまでベル側につくことになりそうw
なんていうか、前々から気になっていた、ベル以外のヘスティア・ファミリアの戦闘力の低さを、他のファミリアの助力を得ることでごまかすために、むりやり、今回のような、フレイヤがオラトリアのすべてを敵に回すような話にしたんじゃないかな、ってね。
もっとも、アイズは、確か深層攻略のためにオッタルから稽古をつけてもらった際に、フレイヤには一つ借りができたはずなので、次巻の『派閥大戦』では、アイズに対してベルのチームへの参加は見送れ、という要請がフレイヤからアイズに出されるのかもしれない。
下手をすると、アイズは、フレイヤ・ファミリアに参加する、ということになるのかもしれない。
まぁ、これは、さすがにないとは思うけど。
でも、そうまでして派閥大戦としての戦争遊戯を行うのも、なんだかんだいって、ベルくんとヘスティアたちが勝つことで、フレイヤたちを自陣に加える流れにしようとしているだけじゃないかなと思っている。
今巻で、何回かフレイヤ自身も言及していたように、オラトリアには、黒龍討伐という大きな目標があって、そこでは、オラトリアの最強冒険者達が協力しあわないと、どうにもならないから。
そのためには、ロキ・ファミリアだけでなく、フレイヤ・ファミリアの力も必要だから。
要は、前巻を含めて、16巻、17巻、18巻で行おうとしているのは、フレイヤのみならず、フレイヤ・ファミリアを皆デレさせて、いよいよ黒龍と対峙するときに、オッタルやヘディンたちとベルくんが組めるようにするためなんじゃないかな、と。
っていうか、きっと、黒龍討伐編では、アイズがさらわれてしまう!みたいなイレギュラーが起こると思うので。
そのとき、強大な力でベルくんを奮い立たせるのが、オッタルやヘディンたちの役割だと思うのだよね。
じゃなければ、ヘディンをあんなに師匠、師匠、呼ばないでしょ。
そもそも今回の、ベルくん偽フレイヤ・ファミイア作戦の結果、フレイヤ・ファミリアのみんなも、ベルに一目置くようになったに決まってるじゃない。
アスフィが言うように、ベルは、起爆剤(ボマー)なんだよ。
そのことを、フレイヤ・ファミリア全員に理解させるのが、次巻を含めたここのところの3巻で、やろうとしていたこと、ってことでしょ。
そういう意味では、フレイヤに、ベルくんが輝き続けるには、アイズが必要なんだ、ってことを、心底、納得させるためにも、今回の話が必要だったことになる。
といっても、迂遠だったけどね。
あと、終盤で、ベルがフレイヤに、あれこれ説教するところは、あれは、さすがに嘘くさいと思った。
というか、おまえ、普段はあれだけヘタレなのに、なに、こんなときだけ、カッコつけてんだよ!ベル!って、さすがに思った。
唐突感が半端ない。
リリやリューやカサンドラあたりに、ベルが自分の素直な気持ちをぶつけるならわかるけど、さすがに、フレイヤに対しては、積み重ねてきたものがなさすぎでしょ。
今回、全体的に微妙に感じたのはそういうところ。
今までと違って、チグハグした感じが拭えなかった。
あ、そうそう、あと、なぜ、フレイヤの《魅了》に対して、アイズだけが抵抗できたのか、あれはちょっと解せなかった。
リリや春姫、カサンドラ、あたりはもう少しちゃんと描いてあげてほしかったな。
ベルのことを自分から意識している、という点では、多分、アイズよりもずっと自覚的しているはずだから。
なんか、今回の話で行くと、作者的には、アイズとリューと、あとエイナが、いればそれでいいのかな、と感じたよ。
あとは、そうか、ヘレンの話もあるのだけど、これは、次巻で、シルとフレイヤのことも含めて、決着がつくのかな。
そのあたりは、もうちょっと頭を整理してから書くつもり。
ということで、とりあえず、読了直後の感想は、こんな感じで。