BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

神のみぞ知るセカイ 最終回 FLAG 268 感想

2014-04-23 15:59:54 | 神のみ
過去編が決着か、と思ったそばからあっという間の最終回。
正直、直近の4回分くらいは、いささか駆け足にすぎないか?とは思うものの、今回のラストには素直に満足できた。

そもそも、この過去編自体、だいぶ前から、女神編の長いエピローグみたいなものだと思っていたので、最後の最後で、女神編で不幸にも狂言回しの役割をあてがわれてしまった「ちひろ」に焦点があたったのは至極真っ当な幕引きだと思う。

というか、この「ちひろエンディング」がなかったら、過去編なんかやる意味なかったわけで。なぜなら、過去編は、女神編の事件が生じる「起源」をつくりに行く物語なわけだから。いわば、その事件の予期せぬ精神的被害者となった「ちひろ」に対する贖罪の物語だったわけだから。

もちろん、最後の最後で、ユピテルの姉妹から誰か一人を選ぶことなんて、どう考えてもできなかったわけだから、今回作中で桂馬自身が述べている通り、彼女たち以外の誰かを選ぶことでユピテルの姉妹(とその宿主)たちを「解放」させてあげる意味はあったのだと思う。

まぁ、この作品のズルいところは、そういう作者のメタな意図を、作中人物である桂馬の台詞を通してベタに語ってしまうところだけどw それにしたって、ここまでの流れがあるから、そんなには気にならない。

もっとも、最後の天理の扱いは賛否両論あるのだろうな、とは思う。過去編であれだけ桂馬に引き回され、その後、10年?にわたって、この桂馬とのミッションを行うことをずっと抱え込んできたわけだから、天理に対しても何らかの「報酬」はあるべきだとは感じるよね。なにしろ、桂馬は、天理の桂馬に対する気持ちを知っていながら、というか、知っているからこそ、彼女に対して、時間を超えたメッセンジャーの役割を託したわけだから。だから、この点では、確実に、桂馬は「ひとでなし」だよね。

ただ、そのひとでなしっぷりも、今回の事件の大きさを考えればやむなき、ということになるし、天理自身の経験からすれば、過去編において桂馬のバディを務めることができたのだから、それでよかった、ってことになるのだろうな。もっとも、その言い訳は主には読者に対するものだろうけどw

それに、多分、天理のケアは、どくろうが行っているのだろうし。

多分、桂馬と別れた後のどくろう=二階堂先生は、天理と合流しているのだろう。

そう思うと、もしも次にスピンオフがあるとしたら、この天理/どくろうペアなんだろうな、と思う。

というのも、これは、前の女神編の最後もそうだったけど、今回の過去編は、結局のところ、桂馬の物語についての決着でしかなくて、新地獄の方の話はすっ飛ばされていたわけで。

(新地獄の騒動は、あくまでも、この神のみの話の「背景」に過ぎない。その点を、無駄に書き込むことなくさらっとやり過ごしたのは、作者の選択としては正解だったと思う。)

いや、最終回にハクアが出てこないのはあまりに可哀想だしw、
リューネさんがこのままフェイドアウトするとは思えないし。
あと、過去編の、いやーな女の子(名前忘れたw)もそのまま放置だし。

そもそも、どくろうとリューネは最後の最後で因縁ができてしまったわけで。

なので、この後、新地獄編のような方向のスピンオフがあるんじゃないかな。

もっとも、その方向が面白いかどうかは微妙だけどw

神のみ、の面白かったところは「ゲーム攻略」というフレームを徹頭徹尾物語の枠組みとして採用したところにあったわけで。だからこそ、最後の、過去編のような、どう考えても無茶だろ?それ?、という「過去における自作自演のゲーム設定の仕込み」も可能になったわけで。というか、いきなりそんな話の展開になっても無理があるようにはみえなかった。むしろ、当然な、自然な流れのように取ることができた。

なんていうか、設定だけなら、まんま「ターミネーター」なんだけどねw

まぁ、そういう「ゲーム的設定」が前提だからこそ、そうした設定を無視して物語をひっ繰り回す役としての、イレギュラーというか、ノイズとしてのちひろが生きてしまったわけで。桂馬のシナリオを無視して勝手に動き出してしまったわけでw

となると、ある意味で、最後でちひろが選択されるところは、論理的に正しい解なんだよね。

それに、だからこそ、その「正しい解」で一旦物語を締めてから、しかし、その後の桂馬を巡って、普通にちひろと歩美が競り合う、ってことをするのかもしれない。

そういう意味で、この物語は、桂馬だけでなく登場人物たち全員が「攻略ゲーム」を卒業する物語なわけだから。

とはいえ、そこから先の話は、もはやラブコメですらない、本当のリアルワールドの恋愛物語になるわけで、それをこの神のみの作者が自ら書くかというと・・・、多分ないだろう。

そういう意味でも、今回の終わりは良かったんじゃないかな。

最終兵器エルシーのリアル妹化とか、二階堂先生の正体が「どくろう」であったとか、正直、えー?、マジで?、という、少しばかり取ってつけたようなバレもなかったわけではなかったけど、でも、それらのいささか唐突なバレも、まぁ、そう言われれば納得できなくはない、と思えるくらいの描写は今までもされてきていたので、むしろ、作者、うまく畳んだなー、と思ったくらい。

ともあれ、前にここでも書いたとおり、女神編の最後を、ちひろのアンチヒロインで締めたところは、物語的にうまいな~、と思っていたので、そこで桂馬が受けた傷を、この過去編を通じて癒やさせてあげたのはホントに上手いな、と思ったのでした。

うん、いいお話だった。

女神編は既にアニメ化されているので、次にアニメ化するならこの過去編なのだろうけど、正直、アニメにするには鬱な展開が多いから、映像化はあってもなくてもいい、って感じかな。

そういう意味では、神のみ、自体は、女神編で物語としては既に完結していたってことで。過去編は、むしろ、その背後にあった「仕掛け」を実際に経験していくための、長いエピローグだった、という理解でいいのだと思う。

それにしても、ちひろがここまで物語のキーパースンになるとは思ってなかった。ホント、ステルスのような存在w

でもまぁさぁ、女神編の最後で、彼女にも、ユピテルの女神たちのもつ、天使の羽が見えたわけだから、落ち着くべきところに落ち着いた終幕だった、ってことで。

いやー、満足。
面白かった。



しかし、これでサンデーも読むものがなくなってしまったな・・・



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神のみぞ知るセカイ FLAG 260 感想

2014-02-12 15:47:58 | 神のみ
いやはや、何ともいえない急展開!

怪物たちによって、あかね丸が撃沈され、そのまま渡航機も破壊され、その結果、桂馬を過去から戻すことができなくなったからか、想定されていた、過去から見た現在が存続しなくなり、世界が崩壊した。。。

いや、それを、あのマンガのコマ割や全くの白ページを使って表現したところにビックリ。あの表現の仕方は、勇気あるけど、ものすごく今回の様子を伝えていて。

渡航機の破壊を伝える二階堂先生が、その取り乱し方から、過去編のどくろうの面影そのままになってしまって。この、感情の爆発による表情の回帰にまたビックリ。

いやー、ホント、ビックリしたよ。

その崩壊された現在の?世界に取り残されたものとして描かれたのが天理なわけだけど、これは、過去編からの延長線で分かるように、本気のヒロインポジションに。

ここもうまいなー、と。

過去編に入ってから、過去の世界を桂馬がハッキングすることで、実は桂馬自身がこの「神のみ」世界の、女子攻略ゲーム世界を作った張本人だった。。。ってオチで終わるとばかり思っていたら、意外や意外、その世界は一旦崩壊してしまうバッドエンドだったとは。。。

で、それを何とかするのが、桂馬が「二人で世界を救おう」といった相手である天理とはねー。

うーん、この先、どうなるのか、全く読めないな。

しかし、マジで想定外の結果で驚くよ。
てっきり、ハクアたちが二階堂先生を助けに駆けつけるとばかり思っていたから。

もっとも、まだ、そのハクアたちの活躍もあるのだろうし、女神たちのチームも何か考えそうだし。桂馬も、この事態を受けて、過去でもう一つ仕掛けを仕込みそうな気がするし。

ホント、続きが気になる。
どうなっちゃうんだろう。。。

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神のみぞ知るセカイ 女神編 FLAG 12.0 『初めて恋をした記憶』

2013-09-24 16:15:30 | 神のみ
女神編、大団円!
素晴らしい結末だった。

前に連載の時にも書いたけど、女神編の締めの部分は、ホントに良く出来てる。
今回のアニメ女神編の最終回も、それに劣らず良い出来だった。

( 連載時の最終回エントリー: 神のみぞ知るセカイ FLAG189 『初めて恋をした記憶』 )

っていうか、最後のライブの場面で、ちひろが女神たちの羽を目にするところが何ともね。
素晴らしいよ。
あの場面のために、ここのところの4話ぐらいがあったようなものだから。

あれは、直前の、桂木からいわれた「ちひろは関係ない」という言葉に対する、天からの、つまりはこの物語の作者からちひろに送った、一種の「救済」だよね。

ちひろが天使の羽を目にすることで、一体自分自身がこの数日何に関わっていたのか、そして、桂木がホントのところ何をしていたのか、瞬間的に理解出来た場面。

とはいえ、ちひろはそれで救済されたわけだけど、
一方の桂馬は、このちひろの一件で、心に、もの凄く重い傷を負ってしまった。

ちひろが示した、攻略ではないリアルの恋愛感情に触れたにも拘わらず、その恋心を攻略の途上という状況から、最悪の形で拒絶してしまったことが、桂馬の心のなかにブロックを生み出した。

つまり、身についた攻略グセから、リアルに恋愛感情を示してくれる相手を、それと知らずに傷つけてしまうのではないか、という疑念に囚われてしまった。

この桂馬の心の傷は、実は思いの外、重かったようで(あるいは、作者自身が、とても重いものと受け止めてしまったようで)、結果的に、原作の方は、この後、桂馬の心の傷を癒やすために、そもそもこんな「攻略をしなければならない状況」を生み出した過去に戻り、桂馬がゲーム攻略という枠組みそのものについて自問自答する、というような、想像以上の鬱展開に突入してしまっている。

簡単にいうと、この物語の舞台設定そのものの是非を問うようなメタなレベルにまで到達してしまっている。

正直、連載の方は、これ、どう畳むんだろうな・・・、というぐらい、アレな展開になってきてるわけだけど。。。

まぁ、最後は、桂馬自身が、この攻略からなるセカイを生み出すことに加担した、いわば、創造者の一部となることで、彼が今までしてきたこと自体を受け入れて、前に進み始める、ということになるのだろうと踏んではいるのだけど。

しかし、それにしても、桂馬に課せられた重荷が消えるわけではない。

・・・ということで、女神編の後の、桂馬はマジメにかわいそうなわけなのだが、しかし、そんな状況の片鱗だけを示して、女神編は大団円を迎える。

ちひろの救済、をエンドマークにして。

もっとも、これも前に書いたことだけど、ちひろは、歩美やかのんと違って女神ではなかったことによって、桂馬に対する独自のポジションを得ることができたんだよね。

そもそもユピテルの姉妹たちは、互いに牽制しあうポジションにあるわけだから。

あー、もっとも、女神編以後の展開を見ると、ユピテルの姉妹の中でも、天理=ディアナの位置づけが破格に上がってきているようにも思えるのだけど、これ、どうするのだろう。

そういう意味では、女神ではない点で、ちひろに近い位置づけなのはハクアのはずなのだけどね。女神編の後は、物語の舞台が過去に行ってしまったために、そもそもハクアも登場しない(ちひろと歩美は一瞬登場する)。

ハクアにももう少しリターンがあってもいいように思えるけどw

ともあれ、こんなふうに、その後の顛末をあれこれ考えることができるくらい、この女神編の物語は、この作品の中で特権的でものだった。重層的な意味合いを含んでいた。

その物語を、一期や二期と異なり、テンポよく12話で収めたのは素晴らしかった。
原作では端折られた、6女神がいかにして旧悪魔を成敗したかも簡単に描かれていて、原作のよい補完にもなっていた。

いやー、佳作だけど、いい最終回だった。

あー、それだけに、女神編の後の原作の展開がな。。。
もしも4期があるなら、むしろ、オリジナルで別ルートを目指して欲しいくらいw

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神のみぞ知るセカイ 女神編 FLAG3.0 『5 HOME』

2013-07-24 14:04:51 | 神のみ

テンポの良い展開が続いていて、思っていた以上に良い感じ。

思い返すと、『神のみ』って全然知らなくて、第一期を見ていた最中に確か連載の方を見るようになった。で、その時には既に女神編に突入していて、全く話がチンプンカンプンだったことを思い出した。

もっとも、連載を追っかけていくうちに、どうやらかつて攻略した相手を再度攻略しなければならなくなったこと、その背後に地獄の世界のもろもろの動きが関わっていること、そのため、女神だけでなく新悪魔も危険にさらされていること、そして、カノンの代役になったエルシーに代わってハクアが桂馬のバディになっていたこと、・・・、といったことがだんだんわかってきたのだけど。

そして、そういう輪郭が大体わかった時点で、これは、ああ、随分と物語的に面白いことを試みてるなー、と感じていた。

再攻略というのは、ゲームで言えば、いわゆる二周目、三周目の世界に行くようなもの。以前と同じ登場人物たちの間で、再度物語をやり直す。

で、『神のみ』の場合、面白いな、と思ったのは、女神編以前のストーリーでは桂馬が単純に相手の女子を攻略するだけの話だったのが、女神編になって、周りのキャラたちが勝手に動き回ることで、ある種の群像劇になっていったところ。

既に攻略済みの女子たちは、彼女たちのバックグランドも既に紹介されているし、もちろん、作中で彼女らが経験したことも読者として既に知っている。要するに、読者からすると、彼女たちの考えや心理が想像しやすい。

そして、もともとこの物語はゲームをリアルに当てはめる、という意味では、最初からゲーム的である。攻略に当たって、あれこれと選択肢を熟考する。

何が言いたいかというと、女神編は、それまでの『神のみ』の、もの凄く質の高いセルフパロディに思えたのだった。いや、実際、女神編は、途中、ちょっと展開がもたもたしたようには思うものの、総じて、ゲーム的で、ラブコメ的で、冒険的で、SF的で、・・・、といった具合に、かなり、バランスの良い、各種ジャンルの混ぜあわせになっていて、面白かった。

極めつけは、最後の、ちひろと歩美を巡る部分で、あの二人を最後まで残したのは秀逸だったし、最後に、復活したかのんを含めて、学園祭ライブで締めた終幕は素晴らしかった。

・・・ということなので、実は、女神編、結構楽しみにしていたのだった。

そして、実際に始まると、二期までの展開が嘘のように、さくさくと物語が進んでいって、さらに素晴らしい!と感じている。

いや、初見の人を置いてきぼりにしている、という声があるのもわかるけれど、でも、今時、それまでのストーリーがわからないようなら、ググってストーリーの補完をすればいいし、そもそも、これは原作があるわけだから、気になるのならそこから入ればいいわけで。

そうしたメディアミックスが、視聴者や読者にとっても当たり前の環境であることをようやく正面から受け止めて、クライマックスとなる見せ場を中心にシリーズ構成をするようになってくれて、素直に嬉しい。実際、この感じであれば、女神編、かなりの密度とスピードで駆け抜けることができるように思っている。

たとえば、この女神編のスピード感で、『禁書目録』なら、いきなり第三次世界大戦のところから始まるシリーズを開始してもいいと思うし、なんだったら、もう旧約は全部すっ飛ばして、いきなり新約の『禁書目録』をアニメ化してもいいのではないかな、と思う。

そういう、是非このシーンを!、という期待に、今回の『神のみ』はストレートに応えている。そこが素晴らしいところ。

第1話の最後のかのんの告白の場面なんて、ホント、よく1話でここまで一気に詰め込んだよね、と思うくらい、突き抜けた素晴らしさだったと思う。

そう、女神編は、桂馬が後手に回る場面が多く、その分、彼の本意という心理描写も多くなるわけで、そこがゲーマーにとってはリアリティの高い出来事になる。

いやー、このままギアをハイに入れたまま爆走していってほしいところ。

というか、ハクアに続いてノーラが登場するのもいいよね。

まぁ、ハクアの登場機会が増えること自体、面白いと思うわけだがw

ということで、早くも次回に期待w

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神のみぞ知るセカイ FLAG190 『遠雷』

2012-06-07 00:00:32 | 神のみ
女神たちのガールズトークによる、意味不明な、たわいのない繋ぎ回w

ともかく、最後の桂馬の描写だけがポイント。

どうやらちゃんと新章が始まるようで、それはなによりなのだけど、しかし、一体どういう方向なのだろう。途中から読んでる話なので、前からの繋がりが今ひとつわからないので、ある程度物語が進んでからでないとなんともいえないかな。

二週開けたところで、ある程度今後の方向性が明らかになるのに期待。

ところで、前回の女神編最終話については、作者自らが、ちひろをメインにして終えるのは最初から決まっていたとか、女神と何の繋がりもないちひろだからこそ、このハーレム的な状況の幕引きができるとか、ブログで書いてるらしい。

著者が出てきて、この物語のここはこういう意図があってね、と解題するのは余り好ましいことではないので(何か解釈に正解があるように見えてしまうから)、出来ればなしにして欲しいのだけど、とはいえ、前回書いたことは概ね作者が考えていたことにそっていたようなので、まぁ、いいかな。

そう、結果的に、ちひろが一番のヒロインになったということで。

むしろ、今回の女神たちの、女神らしい、ハーレムなんて関係ない、一番になんか最終的にはどうでもいい、というような大らかさを前にすると、ちひろのような、ただの人間の女の子がいることが生かされてくるように思える。大体、ユピテルの女神たちは姉妹なわけだし。神話的存在はホント、大らかでいい。

むしろ、女神の依代になっている子たちのほうが、常に二重の存在になっていて不幸というか、不利なように思えてくる。

あーそうか、もしかしたら新章のユピテル編というのは、彼女ら女神たちを解放してあげるような話になるのかもね。

まぁ、先を見ないことにはなんにもわからないのだけど。

しかし、なんで、「遠雷」なんてタイトルをつけたのだろう。
なんか意味深な気がするのだが。。。

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神のみぞ知るセカイ FLAG189 『初めて恋をした記憶』

2012-05-30 20:17:46 | 神のみ
想像してた以上に、いい終わり方だった。
いろいろと含みはあるという点でね。

見た目は、ちひろと桂馬にとってのバッドエンド。
これは、フラグが云々というゲーム内世界の現実投影がデフォルトのこのお話の中にあって、突然、リアルが貫入してきた、ということ。
もっとも、桂馬の気持ちはいまだ良くわからずだけどね。

それから、ちひろに、女神の天使が見えていること。
このことは、もしかしたら新章の展開につながるものなのかもしれない。
なんたって、この学校には、そもそも女神の秘密が埋められているはずだし。
ちひろの潜在的な力からなのか(ホントは女神に準じるものをもっているとか)、あるいは、女神が皆集まったから見れたのか(ちひろに対する感謝から、とか)、はたまた、この学校がもつ場所のもつポテンシャルが与えたビジョンなのか・・・

なんにせよ、天使の羽が見えてしまったことでは、ちひろは、多分、桂馬が必死になってやっていたことをようやく理解できてしまっただろうし。その、頑張ったな、桂木、という言葉を、彼女は彼女で、この後、どこかで桂馬に伝える機会もあるかもしれないし。

なんだろうね、桂馬の理解者、というポジション。いわゆる「港」のポジション。
彼女自身は、直接、悪魔や天使の関わる騒動に桂馬と加わることはないけれど、
しかし、その理解者として側面から支える立ち位置。

これはこれで、この物語の幅を大きく広げたと思うのだよね。

だから、何らかの形で今後、引っ張りそうな気がする。

桂馬に対するヒロインポジションというのは、結局、女神がみな目覚めたことで、一律のポジションのはずだから。それは歩美ですらそうだと思うので。それとは異なる流れで、ちひろにもチャンスが生まれそうな気はする。

もちろん、それは、今回、その大貢献にも拘わらず、ちょい見せでおわったハクアを含めてのことだけど。

それにしても、ヴィンテージの顛末を、この女神編の大団円から外したのは、やっぱりうまかったな。

結果的に、ちひろを中心に、かのんを含め、女神らがみなステージに集まって終わり、という形にできたのだから。

ある意味で、この終わり方、というか中締めの仕方は、美しすぎるくらい。

幸い、今回で本編も終了、ってことはとりあえずなかったから、それらヴィンテージに関わる話、旧悪魔、新悪魔、とかそれら世界設定に関わる話は、ヤル気があれば、新章でやればいいし。

ずっとダンディズムを気取ってきた桂馬も、今回の描写で、攻略的な作った=嘘のやり取りではなく、本心を吐露することもある、ことがわかったからで。
繰り返しになるけど、今回の引きでは、桂馬のちひろに対する本心はわからないままだし。

今後の展開は、桂馬の周りの話と、悪魔の世界の話が、今までとは違う意味を持ちながら動き始めることができる。

そのための条件を作るための話が、この女神編だったとすると、美しすぎる。

文字通り、次回からステージが上がるわけでw

しばらく落穂ひろい的なバカ話をしつつw、新たな展開に入っていくといいな。

いやー、それにしても、ヴィンテージ対女神の対決場面をさらっとこなしたのは英断だね。

そんなバトルの話なんて、後でいくらでも回想としても描けるわけだし。
それよりも、桂馬の周辺、しかも、ちひろの心理で終えたのは、ホント、上手い。
さすがはラブコメのサンデー!ってことかw
よくわかってらっしゃるw

さて、新章、楽しみだな。

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神のみぞ知るセカイ FLAG188 『It's All Right』

2012-05-24 00:35:53 | 神のみ
女神編の大団円一話前・・・
といっても、今回、10倍速ぐらいで大方は決着がついているので、
次回は、落穂ひろい的エピローグと、新章へのバトン、って感じなんだろうな。

実は、女神編の途中からしか読んでないので、あまり全体像はわからないのだけど、この数ヶ月の、ちひろ+歩美のダブル攻略編に入ってから、とにかく展開が面白かった。

で、多分、このダブル攻略はまだ引っ張るように思える。
簡単に言うと、桂木的なリアル本命?は6:4でちひろに傾いている、って感じ。

桂木は、常に「攻略」というゲーム、というか、演じることを自分の美学にして振舞ってきたし、しかも、今回は、女神の攻略を進めないことには危機を回避できない。つまり、二重の意味で、「攻略の鬼w」に徹しなければならなかった。

ただ、それは二重に自分を「偽る」ことになるため、本人もだんだん途中で自分のしていることが果たして自分にとってどんな意味を持つのか、だんだんわからなくなってきていたのだと思う。それが前回の、歩美攻略の最後の最後での狼狽ぶり、ということで。

この作品の面白さは、一種のライヤーゲームになっているところなわけだけど、それが、単なる攻略編から、女神編に入ったところで、攻略にさらに疑心暗鬼な部分が出てきて面白くなった。とりわけ、ちひろ+歩美のダブル攻略は、二人のどちらか、という、設定からして擬似的な三角関係が導入されていたから。そういう意味で、このちひろ+歩美編は面白かった。文字通りのコン・ゲームで。

物語的には、ヴィンテージとの最終決戦のようなものも期待されていたようには思うけれど、それはばっさり切って、次回完結、という流れはいいと思う。良くも悪くも桂木の役割は女神を蘇らせるところまで、ということで。

作品世界については、ハクアの物語とか、書き始めたら止まらない話ばかりだから、それらは必要でなければ前に出さない、という判断がされたようでいい。あくまでも、基本は桂木視点ということで。

というか、本人が「何かになりきる=本心を偽る」タイプの物語は、マンガでやると、作者視点と主人公視点が混在して、ちょっとややこしい。見た目は違うけど、戯言シリーズや嘘つきみーちゃん、と構造的には変わらないから。

背景情報の方を物語としてひとり歩きさせると、桂木については、表面的な行動や発言の描写だけでなく、彼の内面の声=本音も記さなくてはならなくなって、さすがにこれは辛いものになるはず。そして、彼の内面を描くようになると、彼の本心がどこにあるかも記さなくてはならない。今回であれば、で、桂木自身は、ちひろと歩美とどちらのほうが気になるのか、ということも、記さないでいられなくなる。しかし、それではこの物語の面白さが消えてしまう。桂木の、はたからみるとちょっとお馬鹿な感じのするダンディズムもどきも消えてしまう。

そういう意味で、女神の戦いのように、桂木が現場にいない話にだらだらと時間をさくようなことをしなくて正解だと思う。それはそれで、文字通り、ハクアたちのスピンオフででもやればいい。少なくとも、これはハクア視点の物語です、という風にちゃんと前もって記すぐらいでないと。

もっとも、だからこそ、単なる攻略編の時はエルシイはいられたわけで。逆に、エルシィがずっとほされていたのは、彼女の天然ツッコミ(ボケ?)で桂木に言葉を投げたら、桂木は大なり小なり彼の内面を吐露しない訳にはいかない。でも、それはうっとおしい。しかし、そうなるとエルシイはずっとだまらせておくしかない。しかし、それは不自然だ。であれば、彼女がしばらく退場するような仕掛けを入れよう・・・というようなことが配慮されていたように思う。

とはいえ、桂木の本心は、どこにあったんだろうね。

ところで、次回、女神編完結によって、本編自体も完結?という見方もあるようだけど、そうなのか?この数ヶ月読んだだけなので、そのあたりの事情は全くわからないけど、これももしかして終わり?でも、確かに、桂木視点にこだわって、彼を今の彼のままにしておくなら、ここで物語終了でもいいのかも。逆に、これから先を、ハクアたちや女神たちの動きも加味して始めると、多分、桂木は成長しなくちゃいけなくなる。それが、この作品にとってプラスなのかマイナスなのかは、微妙なところだと思う。

ということで、とりあえずは来週待ち、ってことでw

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