BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

アクセル・ワールド 第15巻 『終わりと始まり』 感想2 災禍の鎧マークIIについて

2013-10-13 17:42:24 | SAO/AW
前のエントリーで、AWの著者の手堅さを記したけど、改めて前の巻をパラパラと読みなおして、ホントにそうだと思ってきた。

特に、災禍の鎧マークIIについては、13巻の冒頭、アキラが黒雪姫と合流したところで、あらかた、彼女の口から説明されていた。
いや、ビックリ。

つまり、災禍の鎧マークIIの「作り方」は、もうそこに書かれていた。

材料は、

とんでもない強化外装
悪意の塊
依代となるメタルカラーアバター

の三つ。

で、それぞれが実際には

ニコの強化外装一式
ISSキットで集められた負の心意の塊
サーベラス

だったわけで。

だから、ほとんど以後の物語のネタは記されていたことになる。

なので、確かにサプライズだったのは、強化外装を奪うところを、能美の「強奪」を使ったところで。これは、なるほどね、と改めて思った。

逆に言うと、能美でなければニコが全損強制退場になっていたのだろう。

で、「災禍の鎧マークII」というぐらいだから、ポイントは「悪意が乗り移って自律思考のできる鎧=強化外装」ってことなわけだから、裏返すと、依り代となった人は実は本質ではない。

なので、次巻では、この中の人であるサーベラスをどう扱われるのか、ってことが主題になるのだろう。

前のエントリーでは、メタトロン先生wのチート召喚能力でマークIが登場するのかも、と思ったけど、これだけ、災禍の鎧で物語全体としての反復感、既視感が増してしまったのだから、むしろ、強引に帝城の方の話と接続する方が自然なのかも。

ということで、トリリード君、再登場とか。
今思うと、彼は、グラフの「子」なのかもしれないね。

グラフが剣豪であることを考えると、リードがその技を何らかの形で伝授されているというか。

一応、レッドライダーの捨て台詞を踏まえると、この先、グラフは再登場しそうな感じはするのだけど、むしろ、グラフではなく、リードがグラフの弟子として参戦・・・、って感じになるのかな―、とかね。

いや、もうここまで来たら、前の「災禍の鎧」編の内容も全てが伏線であった!って感じで、ぜ~んぶ話として合流させてしまったほうがいいように思えてきてるし。

その方が、物語として潔いと思うし、
今までの蓄積を全部伏線として使ってしまえば、そこから先はもう、新しい話しか待っていないはずなので。

15巻の辛さは、結局のところ、「だらだらと同じことを繰り返してる」と思わせるところにあるわけで、あの能美まで再登場させたのだから、もう、全部復活させましょう、ってことで。

それこそ、クリキンたちや恵も含めて。
だから、リードやグラフも出し惜しみせずに出場させてしまう。
もちろん、ホワイトコスモスも。

ってかさ、加速研究会も、よくよく考えると、バイスくらいしか働いてないじゃん。
ぎりぎり、アルゴンがいるけどw

そういうところも含めてもう面倒だから、全部一旦手札を公開して、次に進んでほしいかな。

でないと、リンの救助、って話もどこかに飛んでしまうから。

そういう意味で、リードと帝城の話も組み合わせてしまってほしいと思う。

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アクセル・ワールド 第15巻 『終わりと始まり』 感想

2013-10-10 17:57:48 | SAO/AW
えー!!!、また、そこで終わるのか!!!

・・・・って感じで、相変わらず、お話は完結せず。
いや、まぁ、これネタバレでもないよね、
なんてたってタイトル(『終わりと始まり』)が既にそう告げているわけだからw

てかさ、既に、あとがきが確信犯だからね。
今までさんざんっぱら、「次回こそ、ちゃんと完結させます!」って何度も平謝りしてきたのが、今回は、もう・・・ 笑うしかない。

ということで、個別のクエストはまぁ概ねクリアしたけど、
本編は相変わらず・・・、って感じで。

ということで、以下、感想。
いくつかネタバレするところもあると思うので、スペース空けときます!







































今回はね~、いろいろな意味で、今までばらまいてきた伏線の大部分の回収を行っているところで、それがタイトルのうちの「終わり」の部分。

で、「始まり」の方は、ネタバレになるけど・・・、災禍の鎧マークIIの誕生。

とはいえ、大方の人たちが危惧していたニコの全損退場は一応回避できたので、そこは盛り上げるだけ盛り上げてくれてありがとう!、って感じ。

最後の最後で、まさか能美(の幽霊)が現れるとはね・・・
さすがに、能美の再登場は想定していなかったけど、前回の学園祭の場面で、BBの記憶をなくした能美が登場していたのは、そのためだったんだな、とは思った。

むしろ、作者の、用意周到なまでの、堅実な前振り具合に驚かされたくらい。
いや、この人、石橋を叩いて渡る、ってぐらい、きちんと情報を出すのね。
びっくりだよ。

ただね、能美が登場する前に、既にレッドライダーがブレインバースト世界における「幽霊」の存在を既に説明していたので、能美の登場はそれほど驚かなかった。

というか、むしろ、幽霊レッドライダーに、そのことを話させたこと自体が、作者の「堅実な前振り」の一つだったってことで。
いやー、手堅い。

とはいえ、全損しても、多分、バーストリンカーの記憶はBBサーバーに残っている、というのは、今までも何度かそうだと思わせる動きがあったし(恵のアバターの復活とか)、ここでも、何度もそのことは指摘してきたので、あー、やっぱりそうだよね、ってことでしかない。

だから、今回のお話で、ブレインバーストのシステム・アーキテクチャは今まで想定してきたもの――要するに、SAOのアリシゼーション編で明らかになる、アンダーワールドと同種のもの――であることはほぼ間違いないことが、作中で明らかにされたに過ぎない。

となると、16巻以降のポイントは、いかにしてブレインバーストのアーキテクチャについて、斜め上の展開を提供できるのか、ってことにかかっている。

で、そのための物語の媒介役になるのが、最後に登場した「災禍の鎧マークII」ってことなのだろう。

そう考えると、今回、新たに登場した「メタトロン先生!(苦笑)」は、ハルにとってみれば、一種のアドミニストレータ権限の獲得に近いのだろうな。

いや、だって、どう考えても、ハルがもう一回、封印した「災禍の鎧(マークI)」を着装するしかないでしょ?

でも、あの強化外装カードを取り戻すのに出かけていったら、今の物語の流れを著しく損ねてしまう。

だから、そこで登場するのが、メタトロン先生!
彼女のチート能力で、現場にマークIを召喚することになるのだろうね。

でもさ、怖いのは、そのオリジナルの「災禍の鎧」キットを現出させるのが、加速研究会の「本当の」目的なんじゃないの?と思えてしまうところ。

だって、このまま普通に「災禍の鎧マークII」撃退の話を続けていったら、ホントに今回のミッションは終わらなくなってしまう。

むしろ、所詮セカンドは、ファーストにかなわない、ってことで、さっさとマークIIを片付けてくれないと、物語が先に進まない。

というのも、実は、今回、読み進めるのが結構苦痛だったから。

なぜなら、前巻に引き続き、今回も、全編、ブレインバースト世界でのアバター同士の戦いしかしてなかったから。

しかも、ハルユキ組―ニコの救出、と、黒雪姫組―ISSキッド+ポータル脱出、の二つの流れがあって、加えて、両方とも基本的には戦闘シーンで、なんていうか、とても、話の流れが「単調」だったから。

緩急が全くない。

今までだったら、加速世界とリアル世界の場面転換が基本的にあり、その中で、ハルを中心にした交流が描かれていて、その中で、笑いを取る場面、しんみりする場面、苦悩する場面、がキチンと分かれていたのだけど、今回は、そういうことが一切なかった。

なんていうか、ずっと「素潜り」しているような感じで。
せめて一回くらいは、息抜きする場面が欲しかった。

いや、物語の構成上、それが無理なのは分かるのだけどね。
とはいえ、なんか、つまらない。

その点を考えてか、イラストの多くが、アバターではなく、中の人たちの絵になっていたのが象徴的かな。

で、そのなんとなくある息苦しさの中で、能美や災禍の鎧まで出されてしまうと、なんていうか、もの凄く、物語の世界観が狭くなったというか、窮屈になったというか、そういう気がしてしまっていた。

なんていうのかな、反復感がハンパないっていうか。
えー、また、3巻とか、5巻あたりに話を戻すわけ?って感じで。

そういうこともあって、災禍の鎧マークIIは、さくっと終わらせて、次のステージに話を進めてほしい。

多分、作者もわかっているのだろうけど、前巻と今巻は、やっぱり動かすキャラが多すぎるんだよね。

前の「災禍の鎧」編のように、基本的には、ハルユキの一人旅のようなものであれば、仮に戦闘シーンが挟まれても、彼だけの描写で終わるから、比較的さくさくと場面が進むのだけど、集団戦になると、それぞれのキャラに対して同じことをしなければいけないので、その分、描写数が増えてしまう。

正直言うと、今回は、途中の戦闘シーンはかなり斜め読みで飛ばして読んだ。
だって、黒雪姫があれやって、フーコがこれやって、アキラがああ動いて、で、謡がこうくる・・・、という描写が繰り返されても、正直、あまりイメージが湧かない。

で、読者としては、じゃ、ISSキットの本体を倒して次はどうなるの?というところにこそ関心が向かうわけで。

だから、少なくとも初読では、戦闘描写は大幅にカットして読んだ。

当然、その分、一冊の読み応えは減ってしまう。


・・・というわけで、ちょっと、このドツボのような作戦は早く終わって欲しいな、と思うわけですよ。


なにしろ、今回明らかになった加速研究会の拠点は、どう考えても、黒雪姫の姉=白の王の校舎でしょ。

で、彼女が、ブレインバーストサーバーへのアクセス権を幾つかもった、チートな存在であることもわかったわけで。

しかも、加速世界とリアル世界の間の「記憶の操作」については、アクアカレントが既に心意技として既に基本的には実現しているわけで。

それを大々的に行うのが、多分、白の王の能力である「反魂(ハンゴン)」ってことだよね。

これくらい、既にラスボスが白の王であることは明らかにされているわけだから、さっさとその話に移って欲しい、というのが、本音。

いずれにしても、結局、アクセルワールドも、ソードアートオンライン同様、ブレインバーストという仮想世界が何故作られたのか、誰が何の意図で作ったのか、という謎に迫る方向に物語の基軸を動かしてしまったわけだから、その流れに沿ったものを、出して欲しい気がする。

その意味では、ちょっと間があいてもいいから、そういう物語のブロックがちゃんと分かるくらいまとまったところで、続刊を出して欲しいかなー。

まぁ、それは、編集部が許さないのだろうけどw

ただ、ちょっとだけ心配になってきたのは、AWの物語自体、今回のように、以前の物語の繰り返しになってきているように思えてきて、そのループ感が物語として読むのがキツイな―、と思い始めていることと、

全体の構成が、なんとなくだけど、SAOのアリシゼーション編と酷似してきているように思えて、退屈になり始めていること。だって、メタトロン先生の立ち位置は、SAOのカーディナルの立ち位置とほとんど変わらないよね。

もちろん、メタトロン先生は「期間限定」のレンタルキャラなのかもしれないけど、とはいえ、かなり、加速世界の理について開示する役割を担っているように思えるのだよね。

いわば、ショートカットのためのキャラ。

なので、いい意味で、メタトロン先生が、いろいろな加速世界の秘密や構造について、ハルユキたちにレクチャーして、物語のフェーズを一気にあげてくれることを期待したいな。

もちろん、メタトロンとて、ブレインバーストを開発したゲーム・マスターのことまでは知らないのだろうし。早く、そのフェーズにまで話を進めてほしい。


・・・といっても、ちゃんと16巻には期待したいと思うけど。

しかし、16巻は来春か。。。

それだけ間があくのに、今回の引きはないかなー。。。

作者、ちょっと休んだ方がいいのでは?

あるいは、SAOかAWか、どちらかに絞るか。

そういう意味では、SAOのプログレッシブは、蛇足かなー。
いや、あれはあれで面白いのだけど(今、ウェブで連載中の「黒白」の話も面白いし)、既に、オリジナルのSAOとは微妙に異なる、パラレルワールドの話になってきているような気がして。
アリシゼーションの方も、ウェブ版の展開から乖離し始めたので、そっちも結局、気になるわけで。

でもさ、似たような話を三つもまとめて書いていたら、どうしてもそれぞれが似てくるよね。その結果、三つとも凡作になってしまうのではないか、という気がだんだんしてきている。

そういう意味で、ちょっと整理したほうがいいのではないかな、という気がする。


ともあれ、16巻に期待!

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