BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 第12巻 感想

2017-05-26 13:11:07 | ダンまち
待ちに待った「ダンまち」の新章!
異能者編で、もう株が上がったり下がったりの繰り返しでどうなっちゃうの?この先、ベルくんは?・・・と思っていただけに、楽しみ。

ということで、続きはスベースのあとで。

















































しかし、ダンまちはやっぱり面白いなぁ。

ここのところ、忙しすぎて、新刊買ってもどんどん積読が増えていくだけだったのだけど、ダンまちは違うなぁ。
やっぱり、ヘスティア・ファミリアの面々が、好きなんだなぁ、と心底思ったよw

というのも、外伝のソードオラトリアの方も見事に積読されているのでw
あれも、微妙に本編の補完情報が込められているので、この12巻が出る前にちゃんと消化しておこうと思っていたのだけど、無理だった。。。
ロキ・ファミリアって無駄に人員が多くて、場面が結構飛ぶのと、テーマがダンジョンに渦巻く陰謀!みたいな話でイマイチ乗れないんだよね。。。

まぁ、オラトリアが微妙なのは、今やっているアニメを見てもそう思うなぁ。
もともと本編の補完的話なので、ストーリーそのものが断片的でぶつ切りになり勝ち。
残念ながら、アニメは完全にそこ、失敗しているよね。
ファミリアの人数が多いのも、どうしても散漫な印象を与えるし。

で、オラトリアは主人公が無口キャラで、かつすでに達人のアイズなので、そもそも彼女が語り役にはなりえない。
その分、レフィーヤが語り部になっているようなのだけど、これがまた地味過ぎて辛い。
それに、レフィーヤのレズ妄想は、見ていてシンドい。
なので、オラトリアのアニメ化、期待していたのだけど、想像以上にガッカリ。
そのついでにいえば、もともとベルくんが主人公のダンまちの放送時に配役が決められているから、アイズにしてもレフィーヤにしても、中の人つまりCVが地味すぎて・・・。

正直なところ、外伝をアニメ化するくらいなら、ダンまちの2期をやったほうがよっぽど良かった。オラトリアは失敗だったなぁ。

・・・とこんなふうに思わざるをえないくらい、やっぱり本編は面白い、ってことで。

で、ようやく12巻の話だけど、
いやー、マジで面白かった!

で、面白かった、というのは、物語そのものもさることながら、こういう展開にした作者の構成力についてもね。

実のところ、12巻を読んだあとでは、さて、ダンまちはこの先、どこに行くんだろう?って結構マジで心配したのね。

なにしろ、物語の展開に足かせになるようなことばかり出てきてしまったから。

まず、これは12巻以前からも言われていたことだけど、異能者なんて「人間とモンスター」の区別を曖昧にする存在を登場させて、そもそも、今後、主人公たるベル君は、ダンジョンでクエストができるのか?という疑問ね。

これは、もう物語の根幹に触れるところなので、ものすごく心配だった。

で、その心配に対して、今回、かなりのウルトラC的展開で強制的に、そんな心配は「なかった」ことにしてしまったよねw

で、そのウルトラCというのが、ギルドからの通達である「遠征」という命令ね。

つまり、ファミリアの胴元であるギルドから、強制的にお前ら、ちゃんとこの社会の役割を果たせ!って、ご達しが来たこと。

つまりは、強制命令!

で、「遠征」というのだから、てっきり街の外にでるのだとばかり思っていたら、ダンジョン攻略の経験値を上げろ!というのでビックリ。

つまり、ファミリアを取り巻く「社会のしがらみ」の中で、ベル君たちは強制的にクエストに駆り立てられてしまった、ということなわけで。

ここは、うまいなぁー、と思ったよ。

だって、有無も言わざす、まぁ、いいから、とにかくダンジョンに潜ってこい!ってことなんだもん。

ベルくんの自由意志なんておかまいなしw

いやー、そうきたか~、って思ったよね。

で、その強制命令クエストをこなすうちに、あれこれ心配されていたことが解消されていったのも、上手い。

ベルくんが、ちゃんとモンスターを屠れる、のは当然として、

前回あたりでものすごく気になっていた、あれ、こんなにベルくんが突出して強くなったら、もうヘスティア・ファミリアの面々とクエストなんてできないんじゃん?パーティ・バランス、ワルすぎでしょ? ・・・という疑問にも応えてくれた。

それは、ヴェルフを中心に、ファミリアの面々がいずれも、パーティの中での「役割」を自覚して振る舞うことだった。

で、そうした役割分担が、ちゃんと今までの物語のエピソードを反映したものになっているところが、もうたまらないくらい上手い!

ヴェルフが、鍛冶スキルを最大限発揮するのは当然として、
リリが、同じ小人族としてフィンのような「司令塔」になるところとか、
命がオーラウンダーとして振る舞うだけでなく「忍」としての技を全面にだしてきたところとか。

極めつけは、春姫の、超パワーアップ。
あの、パーティメンバーの能力を全員、ワンラックさせる!能力は、そのチートな特性もさることながら、ベルくんの突出問題を抱えていたヘスティア・ファミリアにとってあまりにもご都合主義的過ぎて、おもわず笑ってしまうくらいw

しかも、その能力の発現が、春姫が修行して得たのではなく、例のグリモワールを読んだら身についてしまったもの!というのがね!。

いやー、パーティをチート化する能力の入手が、あまりにお手軽すぎでしょ!もう!

でもなー、そもそも、ベルくんのファイアボルトからして、グリモワールで突然得た力だったからなぁ。物語的には間違ってないんだよねぁ、・・・、と作者の機転に、感心してしまったのでしたw

けど、そういう意味では、今回の物語の流れをしきっていたのは、完全にアイシャだったねー。

しかし、彼女もホント、ベル君のこと、大好きだよねー。
もちろん、春姫を気にかけている、というのもあるのだけど。

で、彼女がこうして完全にヘスティア・ファミリアと行動をともにする上でも、「遠征」というギルドの命令が効いていたわけで。

いやー、「遠征」、便利すぎw

おかげで、桜花や千草のおなじみの準ヘスティアファミリアパーティの二人だけでなく、ダフネとカサンドラまで、パーティに参加。

しかも、その二人がそれぞれ、ダフネはリリ、カサンドラは春姫?の先輩的指南役にもなっているわけで。

そういう新風がヘスティア・ファミリアに加わることで、今回の物語が、全体としてファミリアのレベルアップの話であったことがよくわかる。

何が上手いかって、そうした新しいメンバーが参加することで、彼らの口から、ヘスティア・ファミリアの実力や特徴が語られることね。しかも、そう感じさせる事実が生じる「現場」で、自然な対話の一環として。

いや、こういうところ、ホント、作者、上手いよ。

てか、やっぱりこういう展開を可能にした「遠征」命令、マジでスゲーw

でもまぁ、アイシャが、どこかから聞きつけて・・・って話からすると、次巻あたりで、実はこの「遠征」命令をギルドがヘスティア・ファミリアに命じるよう、裏で画策していたのがヘルメスだった・・・なんてことが明らかにされるのだろうなぁ、きっと。

もっといえば、ベルくんに賭けているヘルメスからすれば、このままベルくんがヘスティア・ファミリアに残っていていいのか、ヘスティア・ファミリアでベルくんは、ヘルメスが望むような「英雄」に登りつめることができるのか?とかマジで心配しているだろうなぁ。。。

で、そのあたりの疑念を見極めるためにも、改めてヘスティア・ファミリアの面々で揃って冒険させた!ってことなのではないかなぁ。

そんな風に思ってしまうよ。

裏返すと、それくらい、ヘスティア・ファミリアのパーティプレイ、チームとしての底力を
確認するような物語だったからね。


で、そんなヘスティア・ファミリアの一員としてのベルくんなわけだけど、彼に対しては、本当にモンスターハントができるのか、という疑問があったわけだけど、その疑念を、ベル君自身が払拭して、「覚悟」を見せる回だったのもよかった。

その意味で、「強化種」という形で、知恵のある、でも「悪い」異形の怪物が、登場したのも、構成上上手いなぁ、と思った。

要は、ベル君たち作中人物だけでなく読者も含めて、「悪い異能者もどきもいる」ってことを納得できたことね。

もっといえば、異能者の中にも、その異能を使って、むしろ、今まで自分たちを狩ってきた人間に害をなそう、あるいは復讐してやろう、という奴らもいる、ってことを明らかにしたこと。

それによって、人間にもいい人と悪い人がいるように、モンスターにもいいモンスターと悪いモンスターがいる、ということになって、悪いモンスターは、悪い人に対するように成敗してもかまわない、という判断ができるようになるから。

もちろん、その前提として、事前のコミュニケーションが必要になるわけど。

でも、そのコミュニケーションのあり方も、一つの物語全体のテーマになりうるものだよね。

むしろ、そういう話でこそ、ベルくんは、エイナやアイズと、地上で語り合う、あるいは反発し合うことができるような気がするので。

まぁ、エイナはこのあと、どうベル君に絡んでくるかは楽しみだけどw

あ、そうそう、春姫の新しい能力で、あー、これはご都合主義だなぁ、と思ったのは、パワーアップできるのがいまのところ、5人まで、ってところね。

それって、あと一人、パーティメンバーを増員できるってことだよね?
だって、今は、ベル、ヴェルフ、リリ、命、の4人なのだから。
え、それってリューさん、ってこと?  ・・・とか思うよね。
それで、最後の引きが【疾風】なのかーwと思ったり。

いやー、なんて、作者は思わせぶりなのかw
上手いなー

ともあれ、次回はリューさんの話になるだろうから、ここで、もろもろ外伝の話も収束してくるのだろうな、とは思うよね。
てか、リューだけの外伝を出したのもこのため?って思うし。


・・・と随分長くなってしまったが、最後にちょっとだけベルくんのランクアップについて。

まぁ、ベル君がレベル4になるのは当然だなぁ、と思っていたのでそこはびっくりしない。
びっくりしたのは、「闘牛本能」という、スキルの追加。
いやいや、それ、あまりにも、対象限定すぎでしょ!、って突っ込んでしまったw
まぁ、今後の展開も考えて、ベルくんのランクアップの原動力は、「好敵手」の猛牛に勝つためにするための措置なんだろうけどね。
で、当然、その裏には、アイズの「お姫様化」も用意されているのだろうし。
てか、「憧憬」はあくまでも「あこがれ」で、その「あこがれ」をきちんと恋心に変えていくのだろうけど。

にしても、ベルくんのジゴロスキルのアップもすごいのだがw
そういえば、マーメイドのマリィは、今後、どう絡んでくるんだろうねぇ。
ウィーネがあまりに妹キャラすぎたので、それとは別に軽口をたたける異能者の相手として登場させたのだろうけど。
こちらも楽しみ。

で、あとは、ベルくんの、新必殺技!
まぁ、魔法の世界ですから、剣に炎をまとわせるのはお約束だよね!
これもちょっと上手いなぁ、と思ったのは、ヘスティア・ナイフって短剣だから、断ち切るというよりも、切り刻むって感じで、それってちょっと英雄っぽくないかも、と思っていたのだけど、この炎をまとわせると、そのあたり、短剣が長剣みたいに見えてすごいよね。
一気に英雄っぽくなるじゃん!

最後の、必殺技を繰り出すところでは、そんなところも感心していたw

いやまぁ、今までの技能が、全部組み合わった上での、いわばコンボ技のようなところも、いいなぁ~、と思ったのでした。


ということで、とにかく12巻、色んな意味で、ボーナストラックみたいな、いいキャラ、皆集合!みたいな感じで良かった!

満足だよ―。

早く、続きが読みたいね。
13巻は秋かぁ。

ともあれ、こんな風に一気読みさせてくれるのは、やっぱりダンまちのキャラや物語が生き生きしているからなんだろうなぁ。他のラノベも見習って欲しいところw

13巻、楽しみだ!

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