新約になってようやく盛り上がってきたとは思ったものの、これ、やっぱり、無印のまま終わらせておいたほうがよかったんじゃね? というのが読後一番に感じたことかな。
いやー、無駄に話を大きくし過ぎ。
さすがに、上条に背負わせるにはデカすぎでしょ。
というか、3巻の当初はいいよ。
バードウェイの指揮のもとで、以前に「上条勢力」と言われていた主力のメンツが勢ぞろいでハワイに乗り込んだところまでは。
あと、確かに一通さんと美琴がタッグを組むのはいいし、美琴と番外個体が対面するのもいい。でも、「上条勢力」として面白かったのはそれくらい。
黒夜海鳥が再登場したのは驚いたし、それが番外個体によるイジラレキャラ扱いというのは新約1巻のことを考えるとギャップがありすぎる。
で、結局、3巻を終わってみれば、上条たちはバードウェイに体よく利用されたことが判明して、あっさり、バードウェイ指揮下の上条勢力は解散。
もちろん、バードウェイは今回、悪役を自ら買ってでただけなので、上条たちとの再合流はあるものと思いたい。でないと、さすがに、上条に、上条勢力の面々を取りまとめることなんかできないでしょ。
というか、無印も含めて上条がリーダーポジションになりつつあるのは仕方ないと思っていたが、しかし、彼は本来的にリーダーではない。彼の無謀な猛進に周りがやむなくついていった結果、一種の信頼が生まれてグループのようなものができているだけで。
ま、その意味で、上条は確かにヒーローなんだけどさ。
でも、今回の物語後半で示した彼の、子供を取引の材料にするなんて許せない!、的な正義感という倫理観というのは、多分、周りは共有できないはずだよね。
彼には幻想殺しがあって、使いどころは難しいし、そこまでのお膳立てが絶対必要な能力だけど、その使いどころに至れば、無敵と言うか、すべてをチャラにする能力なので、敏い奴らには利用される。というか、上条には露払いがどうしても必要だから、結果的には持ちつ持たれつの問題解決になるのだけど。
だから、上条は、どう考えても、孤高のヒーロー。一通さんと同じように。
その本来なら先鋒を務める特攻要員のような上条ですら、徒党を組まないといけないようなヤバいような状況が、つまり、魔術と科学が混在して利用される文字通りの混戦状態が当たり前になった状況が、新訳の世界なわけで。
でも、これ、対処できないでしょ、いくら何でも。
今回のハワイの事件で、学園都市が要するに補給を絶たれることになって、科学と魔術の間の均衡が大きく動くことになって、そうなればアレイスターらも黙っていないだろうし、今回は、ハワイ/アメリカが舞台だったけど、翻って、イギリスやフランスもでしゃばってくるだろうし・・・、というか、もともとはこれ、イギリス国教会がモデルの話だったわけだよね。そこに、大国間の戦争までもちこむようになったら、もう上条の出る幕なんてないじゃない。どれだけ露払いが必要になるのか。
というか、無印の第三次世界大戦の当たりから、その手の作劇上の無茶が生じていたのだけど。ただ、あの時は、物語的な大団円ということもあって、主には魔術サイドのそれまでの面々がオール出演の形で効率よく露払いをしてくれたから上条の話に何とか集中できた。それに、一応、インデックスを救出するというのが上条の内面の動機としてあったので、彼の苦悩も、まぁ、理解することができたし、その苦悩の果てに、彼の説教が来る、というのがお約束の展開だった。
でも、今回は、それが全然ない。
美琴が参戦していることでヒロイン交代か?という見方もあるようだけど、どちらというと、上条の無茶というか、無理な決断をもっともらしくさせるために随伴させられた、という感じしかしないかな。シスターズの時もこんな感じだったのだろう、だから、今回も彼が無茶して人助け、世助けに行っても仕方ないよね、と言わせるための存在。
って考えると、美琴の立ち位置は切ない。
最後の指輪の話も要するにそういうことでしょ、きっと。
で、ホントに最後になって登場した、真の敵?なキャラだけど、これは、よくわからん。
なんかSSの方の話が絡んできてるようなんだけど・・・。
いやー、これ、もう風呂敷広げすぎでしょ。
魔神って何? 黒小人って何?
というか、だから何? って感じだよ。
与えられた情報で次巻以降先ず気になるのは、協力機関に散っていたはずのミサカネットワークの面々がどうなるのか、ということだし、これは直接的に彼女らの演算能力に頼っている一通さんがどうなるのか?ってところかな。
上条の行動原理が彼特有の正義感で他人からは(読者からも)理解不能なものであるように、一通さんの行動原理もミサカネットワークへの贖罪が根底にあるから、彼らの共闘というのは偶然の一致でしかない。なので、ミサカネットワークを人質に取られた一通さんが上条らと三度目の対決、とか、わかりやすく離反、とかあるのかもしれない。で、ここらでようやく土御門とかなんだっけあの顔が変わる南米の魔術師、彼らが仲裁役に入るのかもしれない。
・・・というような、上条と一通さんの分断ぐらいしか予想できない
その反面、バードウェイや魔神やらが、彼らの思惑で何だかでっかい天上の戦いを始めるのだとすると、もう全く予想がつかない。
ということは、要するに、物語として次の展開が読めないし、登場人物に感情移入することもできない。読み進めるとしたら、冒頭でゲーム的にルールを提示して、あとは、シーンごとに感情を揺さぶるような展開(すげぇ戦い、とか、共闘でwkwk、とか、ギャグとか、エロとか・・・)を繋げていくしかないよね。
しかし、それをわざわざ読もうとする気になるかなぁ。微妙。
新約は、こうした問題を抱えていると思うだよね。
お願いだから、シャナみたいなバカバカしい神々の戦い=僕らの戦い、みたいな話にはして欲しくないなぁ。
あ、あと、無印の時も思ったけど、この物語は、外国をいじり過ぎだと思う。今回だったらアメリカだし、無印の時だとイギリスやロシアということになるけど。妄想が膨らむのはいいけど、それにも一定の制約があると思うかな。ただでさえ、馬鹿でかい話になっていて、流れ的には、世界の破滅みたいなことに繋がると思うのだけど、その時は、さすがに他国の扱いはもう少しファンタジックにしたほうがいいように思うかな。
ということで、さて、この物語、一体どうなっちゃうのかな、と疑問。
人気シリーズだからやめられないんです、って理由だけで延命するのはやめてほしいなぁ。
多分、学園都市に戻る次巻で、もうちょっと何とか話を等身大に戻して欲しい。
今までは確かに学園都市の中で囚われていて、しかし、守られていた。だから、そこから巣立つように独り立ちすることが大事だ、というのはわかる。成長物語として。
でも、独り立ちすることは必ずしも世界を掌握することではないはずだから。
そのあたりを勘違いしないでほしいな。でないとただの誇大妄想だけの話になるから。
いかに等身大のヒーローの物語に戻すかが、次巻以後の課題だな、きっと。
いやー、無駄に話を大きくし過ぎ。
さすがに、上条に背負わせるにはデカすぎでしょ。
というか、3巻の当初はいいよ。
バードウェイの指揮のもとで、以前に「上条勢力」と言われていた主力のメンツが勢ぞろいでハワイに乗り込んだところまでは。
あと、確かに一通さんと美琴がタッグを組むのはいいし、美琴と番外個体が対面するのもいい。でも、「上条勢力」として面白かったのはそれくらい。
黒夜海鳥が再登場したのは驚いたし、それが番外個体によるイジラレキャラ扱いというのは新約1巻のことを考えるとギャップがありすぎる。
で、結局、3巻を終わってみれば、上条たちはバードウェイに体よく利用されたことが判明して、あっさり、バードウェイ指揮下の上条勢力は解散。
もちろん、バードウェイは今回、悪役を自ら買ってでただけなので、上条たちとの再合流はあるものと思いたい。でないと、さすがに、上条に、上条勢力の面々を取りまとめることなんかできないでしょ。
というか、無印も含めて上条がリーダーポジションになりつつあるのは仕方ないと思っていたが、しかし、彼は本来的にリーダーではない。彼の無謀な猛進に周りがやむなくついていった結果、一種の信頼が生まれてグループのようなものができているだけで。
ま、その意味で、上条は確かにヒーローなんだけどさ。
でも、今回の物語後半で示した彼の、子供を取引の材料にするなんて許せない!、的な正義感という倫理観というのは、多分、周りは共有できないはずだよね。
彼には幻想殺しがあって、使いどころは難しいし、そこまでのお膳立てが絶対必要な能力だけど、その使いどころに至れば、無敵と言うか、すべてをチャラにする能力なので、敏い奴らには利用される。というか、上条には露払いがどうしても必要だから、結果的には持ちつ持たれつの問題解決になるのだけど。
だから、上条は、どう考えても、孤高のヒーロー。一通さんと同じように。
その本来なら先鋒を務める特攻要員のような上条ですら、徒党を組まないといけないようなヤバいような状況が、つまり、魔術と科学が混在して利用される文字通りの混戦状態が当たり前になった状況が、新訳の世界なわけで。
でも、これ、対処できないでしょ、いくら何でも。
今回のハワイの事件で、学園都市が要するに補給を絶たれることになって、科学と魔術の間の均衡が大きく動くことになって、そうなればアレイスターらも黙っていないだろうし、今回は、ハワイ/アメリカが舞台だったけど、翻って、イギリスやフランスもでしゃばってくるだろうし・・・、というか、もともとはこれ、イギリス国教会がモデルの話だったわけだよね。そこに、大国間の戦争までもちこむようになったら、もう上条の出る幕なんてないじゃない。どれだけ露払いが必要になるのか。
というか、無印の第三次世界大戦の当たりから、その手の作劇上の無茶が生じていたのだけど。ただ、あの時は、物語的な大団円ということもあって、主には魔術サイドのそれまでの面々がオール出演の形で効率よく露払いをしてくれたから上条の話に何とか集中できた。それに、一応、インデックスを救出するというのが上条の内面の動機としてあったので、彼の苦悩も、まぁ、理解することができたし、その苦悩の果てに、彼の説教が来る、というのがお約束の展開だった。
でも、今回は、それが全然ない。
美琴が参戦していることでヒロイン交代か?という見方もあるようだけど、どちらというと、上条の無茶というか、無理な決断をもっともらしくさせるために随伴させられた、という感じしかしないかな。シスターズの時もこんな感じだったのだろう、だから、今回も彼が無茶して人助け、世助けに行っても仕方ないよね、と言わせるための存在。
って考えると、美琴の立ち位置は切ない。
最後の指輪の話も要するにそういうことでしょ、きっと。
で、ホントに最後になって登場した、真の敵?なキャラだけど、これは、よくわからん。
なんかSSの方の話が絡んできてるようなんだけど・・・。
いやー、これ、もう風呂敷広げすぎでしょ。
魔神って何? 黒小人って何?
というか、だから何? って感じだよ。
与えられた情報で次巻以降先ず気になるのは、協力機関に散っていたはずのミサカネットワークの面々がどうなるのか、ということだし、これは直接的に彼女らの演算能力に頼っている一通さんがどうなるのか?ってところかな。
上条の行動原理が彼特有の正義感で他人からは(読者からも)理解不能なものであるように、一通さんの行動原理もミサカネットワークへの贖罪が根底にあるから、彼らの共闘というのは偶然の一致でしかない。なので、ミサカネットワークを人質に取られた一通さんが上条らと三度目の対決、とか、わかりやすく離反、とかあるのかもしれない。で、ここらでようやく土御門とかなんだっけあの顔が変わる南米の魔術師、彼らが仲裁役に入るのかもしれない。
・・・というような、上条と一通さんの分断ぐらいしか予想できない
その反面、バードウェイや魔神やらが、彼らの思惑で何だかでっかい天上の戦いを始めるのだとすると、もう全く予想がつかない。
ということは、要するに、物語として次の展開が読めないし、登場人物に感情移入することもできない。読み進めるとしたら、冒頭でゲーム的にルールを提示して、あとは、シーンごとに感情を揺さぶるような展開(すげぇ戦い、とか、共闘でwkwk、とか、ギャグとか、エロとか・・・)を繋げていくしかないよね。
しかし、それをわざわざ読もうとする気になるかなぁ。微妙。
新約は、こうした問題を抱えていると思うだよね。
お願いだから、シャナみたいなバカバカしい神々の戦い=僕らの戦い、みたいな話にはして欲しくないなぁ。
あ、あと、無印の時も思ったけど、この物語は、外国をいじり過ぎだと思う。今回だったらアメリカだし、無印の時だとイギリスやロシアということになるけど。妄想が膨らむのはいいけど、それにも一定の制約があると思うかな。ただでさえ、馬鹿でかい話になっていて、流れ的には、世界の破滅みたいなことに繋がると思うのだけど、その時は、さすがに他国の扱いはもう少しファンタジックにしたほうがいいように思うかな。
ということで、さて、この物語、一体どうなっちゃうのかな、と疑問。
人気シリーズだからやめられないんです、って理由だけで延命するのはやめてほしいなぁ。
多分、学園都市に戻る次巻で、もうちょっと何とか話を等身大に戻して欲しい。
今までは確かに学園都市の中で囚われていて、しかし、守られていた。だから、そこから巣立つように独り立ちすることが大事だ、というのはわかる。成長物語として。
でも、独り立ちすることは必ずしも世界を掌握することではないはずだから。
そのあたりを勘違いしないでほしいな。でないとただの誇大妄想だけの話になるから。
いかに等身大のヒーローの物語に戻すかが、次巻以後の課題だな、きっと。