BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

アクセル・ワールド 第20巻 『白と黒の相剋』 感想 繋がるAWとSAOの世界

2016-08-12 20:18:27 | SAO/AW
SAOの18巻を読んだら、そういえばAWが積読のままだったことに気づいて20巻を読んだ。

ということで、いまさらネタバレに気にする必要もないんだろうけど、
一応、スペースを空けときます。





































いや、実際のところ、前巻までの内容をすっかり忘れてしまっていて、途中まで読んでから、あ、そうか、プロミとネビュラの合併話だったっけ?と気づいたくらいw

で、最後まで読んでの感想は、流石にたるいなぁ、というもの。
なんか、もう少しテンポよく話を進めようよ、と思うかな。

プロミの面々が、合併を気にするのはわかるけど、でも、律儀に全メンバーの名前を紹介する必要はないでしょ。ましてやそれを、貴重なイラストページで、それも見開きで説明する必要はないでしょ。

ものすごく冗長。
そういうのは、おいおい必要になってから記していけばいいんだよ。

そういう意味では、扉のイラストで、レインとロータスの一騎打ちか?と思わせておいてのジャンケンとかどうよ?ってマジで思うし、

ましてや、「毒消しキング」の話とかマジでいらねー。
てか、完全に、ギガナッシング!のアッシュとキャラ被ってんじゃんw

ただでさえ既出キャラを動かせなくなってきてるんだから、これ以上、モブにまでページを割いてどうすんだよ?と思ったなあ。

だいたいさぁ、本編が260ページしかないのに、この合併劇だけに3分の1以上の100ページ近く使うのって、ホントどうよ?と思うなぁ。

これ、SAOのアリシゼーション編がようやく完結したからほんとにそう思ってるのだけど、SAOとの設定の共有やネタバレの相互参照のことを考えて、AWは、ここまでアリシ編が終わるのを待つために、ひたすら水増しを続けて今に至ってる、って感じじゃないのかなぁ。

その可能性はかなり高いと思うけど、でもそうだとしたら、失敗だよなぁ。

だって、前2巻は、後ろに短編をつけてるから、実質、2巻で1巻分の中身しかなかったわけで。ISSキットやレッドライダーの話から、どれだけ引き伸ばしてるんだよ、と思ったな。

とにかくテンポを上げてくれ。
で、そのためには、キャラを絞ってくれ。
「災禍の鎧」編の時のような、緊張感を取り戻してくれ。

で、そういう構成の不備に対して、ひとしきり不満を述べた上で、とはいえ、今回へぇ、そうきたか~、と思ったところは、3つ。

ひとつ目は、コバルトとマンガンの双子のニューロリンカーの交換話。
その結果、アイデンティティも揺らいだ、という話は、SAO的に言えば、フラクトライトが人間性の肝、ということに繋がりそうで、結構な伏線になっていると思う。
あと、微妙に双子ネタのホラーだよね。
なりすまし。

で、二つ目は、その双子姉妹と庭園美術館で遭遇したトリリードのリアル。
謡のような雅な面立ちで、護衛のおつきがいて、しかも、もともと帝城にトリリードがいた、ってことを踏まえれば、これ、トリリードのリアルは、多分、宮様の一族ってことだよね?

帝城は、リアルでは皇居だから、ソーシャルカメラの範囲外で真っ黒だから、勝手にそこはなにもないところって思っていたけど、いやいや、宮家があるではないですか?ってことだよね。

となると、トリリードがさも当然のように「ジ・インフィニティ」を手にしているのも、それが故ってことがありそうだよね。

となると、ブレインバーストの設計者ってのが、そもそも宮家の一員だったの?とか思えてくるし。

そうなると、多分、SAOアリシ編の最後で登場したフラクトライト・コピー体のキリトとのつながりもありそうだよね。SAOの中でも、アスナたちと皇居を散策している場面があるし、なにより、どう考えても、多分、グラファイト・エッジは、キリトと関係があるでしょ。二刀流だし。オリジナルはないかもだけど、少なくともコピー体のキリトの方とはね。

グラフがキリト本人でないとしても、キリトの直弟子という線もあるだろうし。
でないと、今回、黒雪姫が見せた、何でもかんでも管理権限を奪い取るチートソフトなんて、グラフが持ってるはずないでしょ。

あ、そうか、というか、むしろ、黒雪姫のほうが、何らかの形でキリトの子孫的存在で、キリトの直弟子だったグラフが、キリトの子孫たる黒雪姫に稽古をつけて、加速世界での逃亡を助けた、という方が筋が通るのか。

要するに、グラフは、ほぼゲーマス的存在で、だから、帝城の出入りもひょいひょいできたし、ロータスたちがオシラトリと一戦交えるとなる未来を予想していてい、その時のために、グリーン・グランデの傘下に入った、ってことだろうし。

もちろん、グランデも最古参のランカーとして、何らかの形でグラフとともに、加速世界の設立秘話に関わっているのだろうし。

でなければ、いきなり緑組の筆頭になんかならないでしょ。

で、そんなグラフだったからこそ、宮家のトリリードにも取り入ることができた。

多分、宮家という最大の権力者・権威者の系譜のものに、実際に加速世界を体験してもらうことで、アリシ編の最後でコピー体のキリトが言っていた、アンダーワールド世界をなんとかリアルな世界と共存できるようなものにしようとした、ということなんじゃないかな。

もちろん、このあたりは、SAOからはダイレクトには繋がらなくて、多分、AWの前の巻で紹介されていた、加速世界誕生時の、二つの勢力の闘いのほうが、直接関わっているんだろうね。

当然、それは、白と黒で、その代理戦争が、ネビュラとオシラトリ。

で、ゲーマスないし設計者に近い立ち位置のグラフとしては、両者のパワーバランスがいい塩梅に拮抗することを狙っているということでしょ、きっと。


ともあれ、トリリードのリアルが多分宮様、というのは後々、ワイルドカードになりそうだな。その上で、彼もネビュラに加入してくるわけだし。

で、そう来たか!の3つめは、もちろん、恵ね。
まさか、彼女がジョーカーになるとはねw
これは、本当に想定外だったので、完全にびっくりw
なので、彼女の今後の関わり方がとても楽しみ。

てかさー、最初は「パラダイム・ブレイクダウン」から、「パラダイム・レボリューション」のことなんて、連想できなかったよw
てか、「パラ・レボ」w、完全に忘れてた。

沖縄の時は全損して加速世界から退場した人が再登場することは、単なる可能性でしかなかったけど、でも、確かにニコが言うとおり、レッドライダーの亡霊が出てきた後でなら、その可能性は十分想定できることになるし、
そもそも、ホワイトコスモスが「反魂」を使えることもすでに紹介されているわけだから、となると、恵の過去にコスモスが関わっていることはほぼ間違いないよね。

むしろ、パラ・レポや、パレ・ブレがあまりにチートな能力だから、その能力を奪おうとやってくる勢力から、「その日」が来るまでコスモスが、恵の記憶と能力を封印していた、と考えるほうが正しいのだろうね。

で、リアルの恵を守るために、むしろ、黒雪姫のそばに置いて、今回、黒雪姫が示したように、恵に対する庇護欲が黒雪姫に自然と生じるように仕向けたのがコスモスだった、ということで。

なので、今回もロータスは、コスモスの手のひらの上で踊らされていたことになるw

しかも、ビヒモスのセリフからすると、コスモスはコスモスで、加速世界の未来を案じて雌伏の時を過ごしてきた、ということのようだから、となると、前にも書いたように、「黒と白の相剋」として、いろいろとすったもんだがあった挙句、ロータスとコスモスが手を結ぶ、という展開もありそうだなぁ。

ということで、この辺りの展開は、マジで楽しみなので、頼むから、この先、テンポよく進めてほしいw

あ、そうそう。
剣使いになったシルバークロウにいきなり囁いてきた謎の声の主は誰なんだろうね。
SAOの流れからすると、カーディナルなのかもしれないけれど、
その一方で、メタトロンの救出方法をハルにアドバイスした、アマテラス(多分w)なのかもしれないし。
あー、でもそうなるときっとアマテラスは、宮様つながりで、トリリードとも関係が深い存在になるのだろうなぁ。

でも、カーディナルにせよ、アマテラスにせよ、剣の達人、ってわけではないよね。

となると、第三の存在なのかなぁ。
それこそ、ハルも、キリトの係累?

あとは、災禍の鎧の「魂」っぽいものも出てきそうだし。
あれも、「反魂」が出てきてから後の設定でいけば、確かに「魂」だけが、ハルのフラクトライトに実は付随してました、ってことになってもそんなに驚かないよね。

なんていうか、心意技の先にあるチートな能力になりそう。
なにしろ、システム的には、心意技って、システムの処理速度を超える処理能力で、システムの挙動を書き換える、ってことでしょ。

その規模を徹底させれば、システムのハッキングが様々なレベルで可能になりそうだしね。

恵のパラ・レボなんて、完全にシステムパラメータの書き換えでしょ?

てか、原理的には、むしろ「魔法科高校の劣等性」の魔法そのものに近いよね。
何らかの形で、事象の理に介入して、一時的にそれを書き換える、というか上書きするわけだから。

まぁ、どちらも、元ネタが情報科学のプログラミングやシステムにあるわけだから、原理が似ても当然といえば当然なんだろうけど。

そのあたり、突っ込んでくるのかなぁ。

ともあれ、物語的には大いに気になるので、21巻、ハヨ。

多分、SAOの新章とクロスオーバーする展開になっていくと思うんだけどなぁ。

というわけで、完全にマーベルユニバースならぬ、キリトユニバースの物語になってきたね。少なくとも、その可能性が常にちらつくのは、おもしろいよね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソードアート・オンライン 第18巻 『アリシゼーション・ラスティング』

2016-08-11 17:04:49 | SAO/AW
長かったアリシゼーション編もようやく完結!
まずは、スペース空けときます。




































といっても、ウェブ版の既読者なので、実は大分ななめ読み。
最後はどうなるかなぁ、と思っていたけど、あっさりウェブ版と同じ宇宙での幕引きだったw

ということで、お疲れ様―
いやー、完結に10冊もかかったかぁ。

2013年の1月に、単行本の9巻から11巻まで読んで続きが気になってウェブ版を読んじゃった、という感想をアップしていたのだけど、
その時にも、あと7-10冊は必要なんじゃない?と書いていたのだけど、ほんとにその通りになったw あと3-4年は必要なのでは?というのも、あれから3年半だから、当たったw
ということで、予想通り!

アリシゼーション編は、その名の通り、アリスが主人公で、終わってみれば、アスナとともにキリトの横に並ぶ騎士兼嫁wになっているので、そのあたりは変わるかなぁ、と思っていたのだけど、それも変わらなかった。

ということで、とにかく、この続きの「新章」こそが気になる。
前から書いてきたとおり、多分、アクセルワールドと、何らかの形でかさなってくるだろうしね。

というか、この18巻のあとがきにもあるけど、ウェブ版のアリシゼーション編が完結したのが2008年ということだから、それから数えても8年なんだよね、もう。

で、当然、その間に、日頃触れるコンピュータやテクノロジーの状況も随分変化してきている。

その意味では、今度公開される映画版で、ARの利用が想定されているのは、そうした時代性の現れだよね。
だからこの先の展開では、日常的リアリティとして、2020年くらいを想定した物にならないとおかしくなってくるのかも。

その一方で、アリシゼーション編の最後は200年後だし、いきなり宇宙空間から始まったところからどう展開するのか、というのがあるよね。

つまり、現代的なIT環境を踏まえたテクノロジーのリアリティと、200年後の宇宙を舞台?にしたリアリティのどちらで、新章を始めるのか。

で、それとは別に年に一冊の刊行が恒例になったプログレッシブの方をどうするのか。

いや、もははSAOは、国際的にも通じるコンテントになってしまったから、よほどのことがない限り、この先やりたい放題の物語になるはずなので、どんな展開もありなんだけどねw

だからこそ、ウェブ版を消化して後の、新章は、ホント、楽しみだなぁ。

是非とも、アリスとアスナのツートップはキープして欲しいし、
いい加減、茅場にも再登場を願いたいし。

いやー、そう来ましたか―!!!って、次の19巻を読んだ時に心から思えるといいなぁ。

とにかく、続きが楽しみだよ。

あ、アリシゼーション編の感想の方は、ウェブ版の感想をこのサイトで見つけてみて。

本当は、ウェブ版と文庫版との異同についても記したいところだけど、そこまで手間を掛ける時間はないので、それは他の人にお願いしたい。

ともあれ、完結、やったー。

まぁ、この先の鍵は「心意」で決定なんだろうけどねw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Re:ゼロから始める異世界生活 第19話 『白鯨攻略戦』 感想

2016-08-08 21:33:01 | リゼロ
いやー、こんなところで、
パトラッシュと歩いた~!!! を聴くとは思わなんだw
白鯨がパトラッシュなんかい?

うん、やっぱり討伐クエスト!は盛り上がるね。
前回よりも遥かにいい感じ!

・・・なのだが。

それにしても、前回までと雰囲気が違い過ぎない?

ていうか、スバル、やっぱりずるくない?
まんま「チーター」だよね。

いや、もちろん、スバルが無間地獄のような世界を何度も経た上で得られた情報を総合してのことだから、一応、整合性があるわけだけど、一体、予習復習にどれだけ時間かけてるんだよ!とつっこみたい。

あと、クルシュの嘘を見分ける風の加護も、都合良すぎw

実際、援軍を得るためとはいえ、スバルが死に戻りで得られた情報を、つまりどう考えてもスバルしか得られない情報を、それもどうやって得られたか方法を伝えられない情報を、どうやって信用させるのだろう?って疑問に思っていたので、あのクルシュの加護は便利すぎ。

嘘をついてないから信用できる、って、それ剣士よりも商人になった方がよっぽど世の中のためだと思わないのかな?と思ってしまうくらい。

なので、前々回までの鬱展開が、文字通り手のひらを返したようにスイスイ進みすぎて、拍子抜けしたかな。

えーと、こんなに、簡単に上げ下げが決まる展開で、ほんとに面白いのかな?と疑問に感じた。

まぁ、多分、前回の終わりから今回の内容にかけては随分原作を端折ってるのだろうけどね。
それにしても、状況が好転しすぎてびっくり。

あとは、あれだけ魔女教の話になっていたのに、いきなり白鯨討伐の話になっていて、そこも、飛躍があるなぁ、と思った。

もうちょっとちゃんと繋いでもよかったんじゃないかな。
白鯨の話が、スバルたちへの襲来だけですませるのではなく、白鯨の悪行についてもう少し描写がそれなりにされていて、その討伐はクルシュたちの悲願であったことがもう少し強調されていたら、今回のイントロも理解しやすかったように思うけど、正直、唐突感は否めなかった。

あれ、なんで、白鯨の話になってるの?と、ポカンとしたものね。

まぁ、原作付きの映像化なんて、みんなそうだけどさ。
だから、人気シーンを描くのだけでいいや、って制作側も思ってしまうのだろうけど。

でも、そういうのが物語だと思ってしまうのもなんだよね。

ともあれ、白鯨討伐、頑張ってくれ。

そして、やっぱりスバルってキャラは好きになれないなぁ。
ウザいってのを通り越して、明確に嫌いになってきた。
てか、ヒキニートが調子づくとマジでキモち悪いな。

それに対して、確かにレムは天使すぎw
逆に、あそこまでレムがスバルに全幅の信頼を寄せているのも不自然だよなぁ。
いや、だから、「呪い」なんだろうけど。
ともあれ、レムが凄いことはわかった。

こうなったら、とっとと白鯨をぶっ倒して、ペテルギウスも討伐しようぜw

それにしても、あの老騎士の話は、ああいう愛し方もあるんだな、ってことで、きっと、スバルとエミリアにとっての模範になるのだろうな。

もっとも、だとしても、まだ一緒に過ごしたという事実が愛を生み出すということでw、レムの逆転劇にも期待したいところであるがw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Re:ゼロから始める異世界生活 第18話 『ゼロから』 感想2 なぜスバルは召喚されたのか?

2016-08-03 15:45:55 | リゼロ
やっぱり気になったので、ウェブ版の原作、ちょっと読んできた。

それではっきりしたのは、この18話の場面での、スバルの独白で、彼が彼を信奉するレムの言葉を聞きながら、彼女に対して、自分が「呪い」をかけてしまった、みたいなことを言っていた。

で、これで大分18話の様子がわかった。

つまり、スバルからすれば、レムの自分に対する振る舞いは、自分が彼女を助けるということで、死に戻りを繰り返したことの結果、というか代償だったんだ、ってことね。

スバルとしては、誰であろうと、目の前で自分の見知った人間が死んでしまう展開はどうにもやりきれないし、なんとかそのバッドエンドは回避したいと感じてしまう。そこで、死に戻りを繰り返すことで、皆が生き延びるルートを見出そうとする。

だから、そこでは、この人だから、という特定の感情はなかったわけだけど、でも、それはそのスバルの行為によって救われた側からみれば、決してそうはみえない。

その非対称なところがどうにもこの物語の後味が悪くなりがちな理由だよね。

そういえば、レム救済のルートにしたって、もともとはエミリアを守るたいと思っているがために、襲撃者を特定しようと行動していた時の、いわば副産物なわけだけど、けれども、レムにはそうは見えない。

レムの目にはスバルが英雄として映ってしまった。

そういう意味では、そのレムの好意に、どこまでスバル自身が、理解できていたのか、というのは疑問だし、多分、理解できてないよね。

まぁ、結局のところ、スバルは、コミュ障のヒキニートだったわけだしw

ただ、そうするとやっぱり、どうしてそこまでエミリアにスバルは拘るのか、って疑問は残る。

というか、この18話の場面はそれに尽きるのだけど、そのことに役立つような記述は原作にもなかった。

ってことは、多分、この「なぜエミリア?」って疑問をいだかせるのも、作者の狙いの一つだったってことなのだろう。

で思ったのは、そもそもどうしてスバルがこの世界に召喚されたのか?ってこと。

このことは全然明らかになってないよね。
というか、なんの鍵も示されていない。

そうなると、これ、もしかして、他人の空似、ってわけではなくて、マジで、サテラとエミリアが同一人物で、未来のサテラが、過去のサテラ、すなわちエミリアを守り抜かせるために召喚したのがスバルだった、ってことなのかな、と。

だから、召喚時に与えられた「死に戻り」の能力とともに、エミリア死守、がそれこそ「呪い」としてスバルにかけられてしまったのではないのか。

そう考えると大分すっきりしてくるような気もする。

つまり、『六花の勇者』のアドレッドと同じように、精神の奥底をすでに操作されてしまっていて、エミリアを一目惚れするようなイベントが最初から仕組まれていた、ということ。

いや、でもエミリアの世界には、すでに悪の魔女としてサテラの悪名は世界中に轟いているではないか、という反論はあり得ると思うのだけど、でもね、なにせ「死に戻り」が可能な世界なのだから、もはやそういう因果は超越している世界なんだ、と思ってもそれほどおかしくはないのでは?と思えちゃうんだよね。ナンデモアリの世界。

なんだろうね、まどマギのほむほむがサテラとして君臨しているような世界?
で、ほむほむ/サテラが自分を救わせようとしてこの世界に召喚したのが、自分の愛する?まどか/スバル、ってところかな。

まぁ、ほむほむついでの連想でいえば、そうしないとスバルが死ぬ運命しか見えなくなったサテラが、スバルを守り、そして自分をも守るために召喚したのがリゼロの世界。

あ、そういう意味では、エミリアはサテラと同一人物である必要はなく、スバルが無意識下のサテラと誤認する人形でもいいってことだよね。その場合は、エミリアの造物主がサテラってことになる。

あー、でも、これありそうだよな、実際。

だって、第一話で、そもそも、エミリアが本名を隠してサテラを詐称していたし。
あれにも、ちゃんと意味があったことになるから。

だとすると、むしろエミリアにかけられたパックの加護という「呪い」を解呪するためことが目的なのかもしれない。だって、パック自体は、エミリアベッタリの、要はいつまでも子離れできない親みたいなものなわけでしょ。しかも悠久を生きることができる精霊という存在。

そのパックにいつまでも付きまとわれるのが嫌になってサテラ/エミリアがなんとかしようと思ったのが、この世界なのかもしれない。

・・・という具合に、まぁ、あれこれ想像はできるw。

でも、こういう余白があるところが、リゼロの魅力なのかもしれない。
そして、それは映像であるかどうかとはあまり関係がない。
というか、自由にあれこれ想像できるという点では、むしろ小説の方がいいのかもしれない

実際、アニメの方はこのあたり、あまりうまく解釈や表現ができてなくて、ほとんど全部、スバルの顔芸で済ませている。

でも、実はあんなにいかにも苦悩してます!って顔を作る必要もないんだよね。
それよりも内面のボイスオーバーをどう処理するかって方に演出の知恵を使わないと。

18話の印象が、制作側の神回推し!に対して、いやー、それほどでも、と見る側が思ってしまうところはそこだよね。
もちろん、原作既読者は、原作のテキストを脳内再生しているはずだから、自然と映像から漏れてる部分も補ってしまう。

難しいところだけど。

でも、それは裏返すと、この物語は、映像と小説が別々に楽しめるってことでもありそう。

うーん、放送が終わってから原作に手を出すかどうか決めようと思っていたのだけど、これは、むしろ読んでから見た方がいいのか?とも思い始めてきたw

いや、でも積読もまだ残ってるんだよなぁ。

どうしよう。。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Re:ゼロから始める異世界生活 第18話 『ゼロから』

2016-08-01 18:42:36 | リゼロ
なんか放送前からこの回は凄い回になるぞ!という触れ込みだったので、そうなのかー、という感じで期待していたのだけど、実際に見たら、あれこれだけ?というもので、ちょっと拍子抜け。

いや、いいお話ではあったよ、でも、いわゆる神回、というわけではないよね。

原作未読だけど、とにかく最初から最後までほぼ、スバルとレムとの二人劇だったから、確かにこれは、本で「読む」方が盛り上がるところだろうな、それは認める。

だから、次回からの内容の展開を知った上で、この回を振り返ると、確かにすごかったね、ということにはなるかな。

でも、映像で見た衝撃だけだったから、確実にベテルギウスの初登場回の方がインパクトあったな。

あとは、これは映像化の限界でもあるけど、多分、スバルやレムの心理や心情の表現が圧倒的に足りないんだろうな。

極端な話、登場人物の延々続く独白も、文字で追うぶんには、その過剰さそのものが、読んでる側を興奮させる効果を持つから、おお!って思うけど、それをセリフとして実際に役者に読み上げられたら、そのクドさに辟易してしまうことに近い。

ああ、だから、このリゼロは、結構、意外なくらい、ラノベじゃなくて文学してるんだよね。
少なくとも、西尾維新が、今みたいなキャラ小説家になる前の、戯言シリーズを書いていた時は、ラノベ作家ではなく小説家であったことに近いのだろうな、きっと。

いや、原作未読だから、よくはわからないんだけど。

だから、単純にこれは映像化との相性の問題なんだろうな。

そして、少なくともこの回については、そのあたりのさじ加減を制作側がちょっと誤解してしまった、ってことなんだろうな。

だから、あんなにこの回は感動するよ!なんて触れ回らなれければよかったのにね。

少なくとも、原作既読者は、勝手に今回は神回だ!って噂を作ってくれただろうから、それくらいにとどめておけばよかったのに。

それなら、今回初見の人でも、おお、レム凄いな、って素朴に思えたのにね。
変に構えてみてしまったのが、失敗だった気がする。

まぁ、このあたりは、原作ありの作品の落とし穴だよね。

で、それにしても、やっぱり描写が足りないんだろうな。

あのレムの求愛を即座に断るスバルの心情はわかりにくい。
そこまでエミリアが特別な理由がよくわからないから。

ただ、それとは別に、つまり、スバル本人の意志とは別に、あれだけ求愛宣言をしたレムにスバルのほうが振り回される展開も当然ありえるよね。

だって、あれはどう見ても、スバルがレムを何にも代えて守ってしまったから生じた結果でしょ?だから、まぁ、一種の想像的「できちゃった婚」みたいな形でw、自分のことを英雄と思わせて絶対的思慕を持たせてしまったレムに、逆にスバルが縛られて、最終的にはレムエンドwってこともあると思うし、実際に、そうなったら、ほんとにこれは文学だよねw

どちらかというとそれを望みたいかなw

なにしろ、主人公の思い通りには行かせてくれないお話、ってのが、このリゼロの売りなわけでしょ。そうしたら、「責任とってね?」とレムに言わせて、レムとともに女王エミリアの従者になる、っていうのが、極めてリアルな展開だと思うなぁ。

てか、そういう辛辣なリアルさが、この物語のウリだとほんとに思うので。

ということで、このままレムには是非、暴走し続けてもらいたいw

いやー、事実が生み出す関係性ってのも世の中には存在するからねw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする