BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第16巻 感想

2018-11-01 19:54:02 | レイヴンズ
いつの間にか、16巻が出ていた。
1年に1冊って、作者、やる気あるの?と少しは悪態もつきたくなるところ。
それでも、読んでしまうところが、若干悔しいw
いや、いい話なんだけどね。。。

ということで、スペース、開けときます。














































まずは、本巻で、一応、前巻から始まった過去編というか、夜光編が終わったのだけれど、正直なところ、これ、必要だったのかなぁ、と。。。

必要だったのか?、というのは、

夜光のことを、ここまで書き込む必要があったのか?
ということ。
単純に、これは前日譚として、本編が終わってから「外伝」として詳細に書いてもよかったんじゃないの?という気がまずしてしまったこと。

まぁ、これは単純に構成の問題として、なんだけど。

それよりももっと疑問に思ったのは、うーん、そこまで陰陽の世界を、なんでもありにしちゃうと、あまりにも都合が良すぎて、はぁ? という気になってしまう。
カタルシスも何もなくなってしまう。

なぜなら、今回、作者は、かなりアクロバティックな「謎解き」をしてきたから。

つまり、春虎は、確かに夜光の転生だった。
これは、本編の最初からずっと言われてきたことで、実際、第1部最後で、明確にそうなったわけで、だから「夜光編」では、夜光の死は規定路線で、実際そうなった。

でも、その転生のところで、ものすごい、アクロバティックなことをしかけてきていて、なぜなら、その際には、飛車丸は、自分自身が「未来」の「夏目」の転生(でいいのかな?)であったことに気づいた、ということ。

つまり、春虎が「夜光II」であるのに対して、夏目が「飛車丸II」だったわけではなく、逆に、飛車丸の方が「夏目II」だったということ。

てか、これ、完全に時系列が入れ替わってしまってて、普通に考えたら、全然、意味わっかんねー、ってことになるところなのだけど、どうやら、これは陰陽の世界だからオッケー!ってことらしい。

というか、そのための「屁理屈」というか「小理屈」というか、とにかく理屈をつけるためにあったのが、実は過去編であり夜光編だったことになる。

つまり、陰陽師の至宝、超天才の夜光様の「お考え」がそのまま、このレイヴン世界の「真理」ということになった。

それは、結局のところ、この世界の「神」とは、時間を超越してあまねく存在するものであり、その意味で、過去も現在も未来もない。

そして、基本的に、泰山府君祭というのは、そのような神の世界(多分、隠世)と、この世をチャネリングするメディアなので、泰山府君祭を行っている際の天壇では、時間を超越して、魂の移動が可能になってしまう。だから、未来に誕生するであろう「夏目」の魂が、夜光の時代に現界したのが飛車丸だった、ということになる。

つまり、夏目と飛車丸は、もともと「同じ魂」の別時間バージョン。
ついでにいえば、夜光と春虎も「同じ魂」の別時間バージョン。

その意味では、そもそも春虎を「夜光の転生」と表現するのは正しくなくて、その言い方は、あくまでも夜光の側から見たものに過ぎない。

夜光の魂すら、泰山府君祭でチャネリングする先の「神の世界」にも「もともと」あったものが、たまたま、昭和10年くらいの時期に現界したものに過ぎない、と考えるべき。

つまり、レイヴンの世界では、神の世界に、たくさんの「魂」のストックがあって、それらが時代時代に現界しているだけのこと。

要するに「輪廻転生」ってことなのだけど、輪廻転生というと、普通は、今、人間だった魂も、来世では、虫とか魚になるかもしれない、って話だし、基本的には、前世、今世、来世、という感じに、時間の流れとしては、過去から未来に向けて直線的に流れている。

普通はそう思うのだけど、このレイヴンの世界では、輪廻転生の場合でも、人から人に転生している。
いやまぁ、飛車丸の場合は狐憑きだから、半分、獣みたいなものなのかもしれないけれど。

でさらに、時間の流れが直線的であることをやめるだけでなく、完全に過去、現在、未来が入れ替え可能になっている。
それを一応、陰陽道の、陰陽(インヤン)の入れ子の姿でオッケーにしてしまっている。

まぁ、それでほんとにいいのか?という気はするけれど、一応、そのような世界観を出すと、飛車丸が夏目の(過去における)転生、ということになる。

ということは、今回の16巻の最後ではまだ曖昧な描写で終わってしまっているけれど、多分、春虎の時代においては、夏目の姿をとった魂に、飛車丸の「霊体として時代をさまよう魂」が吸収された、ということになってしまっているのだろうな、とは思う。

要するに、飛車丸は消えて、夏目だけになった。
もっとも、夏目の魂に、飛車丸の記憶も組み込まれてしまったのかもしれないけれど。
それは、今の春虎が、夜光の記憶と春虎の人格を両方、持っていることに近い。

というか、そもそも、春虎を単なる夜光の「魂」的コピーにしないように、父親の泰純がとったのが、春虎という「今の時代」における人格をまずは育成しておこう、ということだったわけだから、ほぼ同じことが、夏目/飛車丸にも起きてしまった、と思えばいいということになる。

あー、しかし、ややこしい。

まとめると、春虎/夜光と、夏目/飛車丸の、セットになったということ。

そして、夜光の姿が、春虎の時代にはないのと同じように、飛車丸の姿も消えて夏目に一本化された。

となると、以前から想像していた通り、今回のエピソードで、多分、角行鬼も飛車丸同様、消えて、彼の代わりに、冬児が春虎の護法としての「鬼」になるのだろうな、と思ったり。

まぁ、角行鬼は、もともと霊的存在でしかないから、もはや生き死は超越しているのかもしれないけれど。なので、単に春虎のもとから去るだけかもしれないし、去り際に、冬児の魂にでも間借りする存在になるのかもしれない。

ただ、冬児の場合は、確か、八瀬童子の一つだったはずだから、角行鬼とはむしろ、因縁の間柄になるのかもしれないけれど。

ともあれ、過去編における、超天才の夜光理論によって、この世界は、泰山府君祭さえ使えば、時間を超越した魂転送が可能で、魂の移動だけでいえば、夜光→春虎、夏目→飛車丸、ということだったということ。

とういことで、晴れて、春虎・夏目組も、夜光・飛車丸組も、ともに夫婦になってめでたしめでたし!というオチになるのだろうなぁ。

ただ、となると、夏目の出生そのものの秘密がとても気になるし、最後に物語の鍵を握ることにもなるように思うのだけど。

そこまでやるかなぁ。


あとは、16巻の話で、将門公の神降ろしが結局、原因で、東京で霊災が生じているということだから、その修祓も、春虎・夏目組で対処できるのかどうか。

できないとなると、夜光がしたように、今度は、春虎が安倍晴明を呼び出して、夜光と同じように、未来の子孫へ転生、というようなことになるのだけど。。。。

あ、でも、いま、土御門に跡取りいないじゃん!
となると、その作戦は使えない、ということなのか。。。

じゃ、きっと、春虎・夏目組で平将門は修祓するんだろうな。

しかし、それにしても、アクロバティックすぎる説明で、ビックリ。

もちろん、ここまで書いた「小理屈」が全然違ってる可能性もあるのだけど。。。

ということで、次巻でこの物語は終わりかな。

となると、1年も待たさないでほしいけど。

ていうか、もうここから先は、大団円だけだから、物語としては一直線だから、作者も一気にかけるでしょ。

だから、まぁ、半年後くらいの、来春ぐらいまでには、17巻が出ることに期待w


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東京レイヴンズ 第15巻 感想

2017-11-28 19:01:47 | レイヴンズ
こちらも久方ぶりの「東レ」15巻。
あまりに14巻から日が開いたので、大分中身は忘れているけど、それでも14巻がものすごく熱かったのは覚えているし、最後に、夏目と飛車丸の魂が確か同じだった・・・ってところまでは覚えていたのだけど。

さて、その後はどうなったのか。。。

ということで、とりあえず、スペース、空けときます。










































今回は、予告通り、過去編。夜光編。

いわゆる「ゼロの物語」。

それでとにかく、ほとんど2年ぶりの15巻だったのだが、
率直にいって、面白かったけど、期待ハズレだった、ってのが正直なところ。

その理由は単純で、

「あれ、今回で過去編、終わらないの?」

と思ったので。
最後まで読んで、ようやく日米開戦って、どういうこと?って普通、思うよね。

今回が、過去編だというのは、前巻の終わりで示されていたので、それは全然問題なかったし、夜光や飛車丸、あるいは角行鬼の活躍が見れたのはもちろんよかったけど、

でも、それって、夏目と飛車丸の魂が同じであることの秘密に迫るためのものだよね?
なんで、今回、そのことに、片鱗すら触れてないの?
しかも、まだ過去編が続くってどういうこと?
と思ったわけです。

だってさ、さすがに2年も待って、これはないでしょ。
この15巻が、14巻の出版から半年後くらいに出ていて、それで「続く」というのなら、まぁ、わからないこともないけど、2年待って、これはマジでないわー。
作者、無能すぎるでしょ。

あとがきで、専業作家をやめる寸前、とか書いてあったけど、
これなら、マジでもう、一度、辞めた方がいいと思うよ。
簡単にいえば、読者に対する「裏切り」だよね、これは。

14巻が、そもそも待ちに待ったクライマックスだったはずなのに、それで中途半端にお預けをくらい、しかも、それで2年も待たされた挙句、前巻で積み残した謎に何も触れてないんだから。。。

がっかりだよ。

正直なところ、この作者の文章は、他のラノベ作家と比べると遥かに上手。
個々人の心情や動作の描写、あるいは、場面の入れ替わりや、緩急の使いわけは、ホントに上手だと思うので、今回の15巻にしても、読み始めれば、確かに引き込まれてしまうので、その点では、掛け値なしに、面白い。

そう断った上で、それでも、今回の話は、本来「閑話休題」という、幕間の話であったはずなのだから、それをガチで複数冊に分けて描いていく、というのは、構成上、下手すぎるでしょ。

少なくとも、夏目と飛車丸のつながりについて、何らかの形でほのめかすような話がないのは、いくらなんでもひどい。

単純に、待った甲斐がないないじゃないか!って憤りたくなる。


それともう一つ、この「ゼロの物語」、「始まりの物語」がそれなりの重さをもつこと自体、春虎や夏目たちの、本来の「本編」の話にとってもあまりいいことはないんじゃないか、と思えてくるから。

だってさ、春虎は夜光の生まれ変わり、転生した存在、ってことになるわけじゃない。
で、その設定のもとで、夜光のことを書けば書くほど、春虎が単なる(本編の)「現代」における夜光の形代、というか、「乗り物」みたいに見えてくるじゃない。

つまり、春虎、という個人はどこにあるのか?という疑問が湧いてきてしまう。

だって、あるタイミングで、夜光というご先祖様に、体だけでなく意識まで乗っ取られてしまったようなものなわけでしょ。

で、そんな春虎に対して、オリジナル夜光の「思い残し」をリアルに描いてしまったら、春虎の意志はどこにあるのか、ということになってしまう。

あくまでも、本編の方で、春虎が抱えているのは、夜光の記憶と春虎という人格のせめぎあいだったはずなのに、このままだと、夜光の人格が前面に出てきてもおかしくない、ということになる。

つまり、前世の記憶、なんて都合の良い「記憶の思い出し」だけですまなくなるじゃない。

要するに、過去編を書けば書くほど、春虎の存在が曖昧になってしまう。

実は、この疑問は、第二部になってからずっと感じていたことで、それは今回の内容で、というか、夜光の「超人ぶり」をみて、より一層強くなった。

はたして、本編で活躍している春虎は、第1部の春虎なのか?という心配。
いっそのこと、もう夜光って名乗ったほうがいいんじゃない?ってこと。

ともあれ、この「夜光の過去の活躍をイキイキを描けば描くほど、春虎の影が薄くなっていく問題」は、本編のカタルシスを確保する上では、無視できない問題になっていくと思う。


でさらに、この「夜光の書き込み」問題に付随して生じるのが、飛車丸と角行鬼がやっぱり早々に退場=死去するのではないか、という疑問。

これは、14巻の最後の場面で、角行鬼が割りと真剣に青息吐息になってしまっていることとも関わるのだけど、今回の15巻で最もヴィヴィッドに描かれたことといえば、飛車丸がどれだけ夜光を慕っていたのか?ということと、実のところ、夜光と飛車丸は両想いだったのでは?という印象。とにかく、これに尽きるでしょ、15巻の中身は。

で、だとすると、夜光が死去した時点で、飛車丸も添い遂げるというのが、本来の姿ってことになるし、それでいいよね、もう飛車丸の描写については思い残すことはないよね、って感じで今回の夜光と飛車丸の深い描写があったように思うのだよね。

これも前に何回か書いたことだけど、東レの最後では、春虎の両脇に、夏目と冬児が式神として並び立つのではないかなと思っている。つまり、春虎―夜光、夏目―飛車丸、冬児―角行鬼、という感じね。もともとこれは、冬児が鬼に憑かれたってところで、角行鬼の対だな、と思ったところから始まっているんだけど、それが14巻の最後で、夏目と飛車丸が、実は同じ魂を持っている、という事実が発覚して、より強くそう思うようになった。

となると、春虎は完全に夜光なのか?問題とあわせて、仮に、春虎は春虎の人格のままで、単に薄ぼんやりと夜光の記憶が思い出されるだけ、もっとぶっちゃければ、都合よく陰陽師としての技能の部分だけ、夜光の技能が再生されているだけなら、転生先である春虎の手によって、夜光の心残りであった「やり残し」に決着がつけば、夜光は消えていく、ということになりそうだから。まぁ、その場合は、夜光が春虎に転生した、というよりも、夜光の霊が春虎に憑依したという方が適切な気はするけれど。

ともあれ、夜光が消滅すれば、飛車丸や角行鬼も消滅してもおかしくはない、つまり、遠からず、飛車丸は消えてしまう。。。。

いや、単純に、物語の最後まで飛車丸には、生き残っていてほしいとは思っているのだけれど、どうも、今回の過去編の、過剰な飛車丸押しの描写を見ると、ああ、飛車丸さん、遠からずご退場なさるんですねぇ。。。と思ってしまう。

要は、それが嫌だなー、と思っているわけで。

それも含めて、過度に過去編を書き込んでほしくないなぁ、と思っていた。


しかし、それにしても、どういう経緯で、夏目と飛車丸は、魂を同じくしているのだろう?

てっきり、今回の、ラスボス大蓮寺!wの、神降ろしとか、魂寄せとかの、副作用で、飛車丸の魂(の一部)が引き剥がされるなりして、それが後の夏目に何らかの形で転移した、とかいう話なのかな、と思っていたのだけど、どうも、それもなさそうだし。

いや、300頁を超えるあたりでは、マジでそういうオチかな、と踏んでいたのだけどw

さすがに、夜光と飛車丸の子どもの子孫が夏目でした、というオチはないよね。
その場合、夏目と春虎の関係をどう捉えればいいのか、困ってしまうし。

となると、一体、どんなカラクリが、この先、披露されるのだろう。。。

ということで、とにかく16巻、なる早でよろ!


それにしても、大蓮寺、そんなに凄かったのか。

結果として、鈴鹿が、忌み子にしか見えなくなってきたw

それと微妙に、相馬に甘い過去編だったなぁ、と。
佐月、意外と抜けていてw
しかし、それで多軌子まで気を許してホントにいいのか、とも思う。

ともあれ、てっきり相馬がラスボスだとばかり思っていたのに、それ以上に厄介だったのは、大蓮寺一族だったかぁ。。マジキチの一族だったわけだねぇ。

しかし、過去編でも変わらず登場する蘆屋道満w
もう、いっそのこと、彼に全部語らせればいいんじゃないかと思ったよw


さて、春虎はどこまで夜光なのだろうか? 

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東京レイヴンズ EX4 twelve shamans 感想

2016-10-28 20:10:30 | レイヴンズ
東レも随分、ご無沙汰しているところで、短編集が出てた。
とりあえず、スペース空けときます。









































こちらは、十二神将の連作。

といっても、中心は鈴鹿と大友。

どちらも前日譚、特に、大友の方は、例の蘆屋道満と最初に接触した時の話。
これは面白かった。
なるほど、こうして右足を失ったのか、と。

・・・なのだが、あのさ、イラスト、全部、左足が義足になってるんですけど。
さらに、文中のイラストも、左足に呪いがかかってるように描かれてるんだけど、これ、編集、誰も突っ込まなかったのかな?

途中から、そのことが気になってしまって、どうしようもなかったw

まぁ、大友がメズやゴズとも相対していた、ってのも良かったけどね。

その芦屋道満一座を部下に従えるのだから、そりゃ、びっくりだよねw

それもこれも、芦屋道満が、いい意味でプッツンしているからなのだけど。

それと、涼がちょこちょこ出てきたのもよかった。
確かに、彼女は最初のうちは、芦屋道満のところにいたんだよね。
てか、今の子供の死体に道満が憑依する時の段取りは、涼がやったことだものね。
いやー、すっかり、そのあたりのこと、忘れてたよw

ともあれ、このエピソードは良かった。

一方、鈴鹿の方は、まぁ、そうだったんだろうな、くらい。

で、この鈴鹿と大友の話ばかりが長くてあとはホント埋め草だな、と思っていたら、この二つだけは、ブルーレイの特典だったのね。
なるほどー。

まぁ、埋め草の中にも、ちょこちょこ、あ、そういうことだったのね、という情報はこめられていたので、それなりに面白くはあったけど。

しかし、それよりもなによりも、本編を進めてくれ―。

早く、コンと夏目の関係が知りたいぞ~。
どうして、魂が同じなんだ―。

で、その過去編を負えないと、肝心な本編が大団円を迎えないじゃないか!

続き、はよ~。

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東京レイヴンズ 第14巻 感想

2015-12-30 01:43:50 | レイヴンズ
待ちに待った第14巻。
春虎たちは倉橋と相馬の陰謀を阻むことができるのか。。。

ということで、スペース、空けときます。




















































いやー、面白かった。
いつものことだけど、ためにためた伏線を一気に収束させていくところは小気味いい。

まさに、第一部の鴉羽と夏目によるクライマックスとそっくりの疾走感!

ホント、素晴らしい。

それに、わかってはいたけど、十二神将がしっかり二分され、自らの倫理観によって、ちゃんと倉橋に楯突く選択したところはいいねぇ。

それにしても、まさか、山城が師匠たる倉橋と袂を分かつとは思わなかったけど。三善がいつしかいい指南役になっていたってことだよね。

で、十二神将組で一番シビレた場面は、やっぱり、宮地と弓削の決裂の場面だなぁ。
あそこは、弓削の不明な部分をきちんと指摘してやる宮地がよかったよ。

もちろん、普通に考えて、おい、弓削、そこで宮地に会いに行っちゃいかんだろ、って誰もが思うほど、弓削が迂闊なわけだけど。その迂闊なところを、餞別とばかりに諭すところがね。

まぁ、その結果、あれだけ単純に敵対し続けきた弓削と山城が、夏目たちを援護する側に回っても、全くおかしくない状況を作るのだから、作者は上手いよなぁ。

で、名場面は他にも幾つもあるのだけど、個人的に笑えたのは、蘆屋道満のヤンチャっぷりね。というか、まさか、あそこまで道満が怪物化して相馬に対峙するとは思わなかったけどw

それに、道満がそんなガンバリを見せた理由が、どうやら今では泰山府君(の一部?)となった、かつての仇敵というか術比べの好敵手であった安倍晴明、というのはね。

あ、これ、本巻では明確には語られていないけど、この前に出ていた番外編3の、最後に添えられた夜光編の中で、それとなく夜光が晴明と対話してきたという描写があったので、多分間違いないと思う。

しかし、荒御魂が神と同列というのはビックリしたけど、それによって、この作品世界の中での、神の位置づけが明確になってよかった。なにしろ、泰山府君が実は安倍晴明だった、ということもあるようだから、要は生霊のような存在が神に転じる、ということだよね。いやー、日本の神様って楽ちんだな。人からクラスチェンジできるのだからw
この辺りは、キリスト教やヒンドゥー教とはぜんぜん違うな。

まぁ、それはさておき。

そんな道満の献身的?ガンバリによって、ようやく、春虎と大友と冬児たちが合流。

で、再会の歓びを噛みしめる暇もなく、阿吽の呼吸で、春虎を夏目、そして飛車丸を逃がすために、盾になることを選択するんだから。

で、先に残った冬児たちのチームを見ると、いやー、鬼ばっかりw

しかも角行鬼まで残って。

で、これ、前にも書いたことがあるのだけど、この感じで行くと、ホントに最後の決戦場面で、春虎の両横に立つ護法は、角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になりそうだね。

先に後者の方から言うと、なんたって、今回明かされた最大の秘密は、夏目と飛車丸が同じ魂の持ち主だ!ってところで。

いや、それ読んだ時には、えええええええ??????   ってなったもんね。

文字通り、ワケガワカラナイヨ。

で、そのせいで夏目の泰山府君祭は失敗した、といわれてもね。。。

普通に考えたら、同一の魂、ということは、飛車丸が自分自身を未来の夜光の転生先である春虎に出会うまで封印したとしたのだとしたら、その一方で、飛車丸自身が、夜光のように転生の道を選んで夏目に転生していた、ということだものね。

で、多分、そのカギを握るのが、次巻の過去編で、とりわけ、夜光自身が試みた泰山府君祭が鍵なんだろうな。

よく考えれば、夜光がなぜ泰山府君祭を執り行ったのかは、作中でも謎のままだったよね。もしかしたら、そもそもその泰山府君祭自体が、飛車丸に対して行ったことなのかもしれない。で、その時に、魂が二つに分離されてしまった?

まぁ、このあたりのことについては、第一部の最後のところで、星詠みの力に目覚めた京子が、世界は一つではない、などと、いかにも平行世界が実は当たり前・・・みたいなことを言っていたから、本来は、飛車丸しか存在しない世界と夏目しか存在しない世界が重なり合ってる、なんていうか、量子的エンタングルメント?が生じている不思議で不安定な世界が、今の春虎たちの世界なのかもね。

となると、二つの魂が一つに収束して、この世界でのあり方として夏目が選択される可能性は高い。つまり、飛車丸が夏目の中に吸収される。結果として、飛車丸は消える。

で、そうなると、今度は角行鬼の方なのだけど、気になるのは、今回、彼はいつになく大ダメージを受けてしまっていて、いくら千年存在し続けた茨木童子とはいえ、神を降ろした相馬多軌子の力が流れこむ八瀬童子系の夜叉丸・蜘蛛丸を相手にするのはいかにも不利。

しかも、同じく八瀬童子の影響を受けた生成りである冬児は、多軌子の前では力を震えないハンデがある。となると、何らかの手段で、角行鬼が茨木童子としての力を冬児に授けて、冬児の存在をランクアップさせる、とかの暴挙にでるんじゃないかな、と。
なんか、ナメック星でパワーアップしたピッコロみたいだけどねw

ともあれ、その場合は、角行鬼も消えて冬児一人となる。

そうして、晴れて、春虎の護法が、夜光伝来の角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になる。その三人で、多軌子と夜叉丸・蜘蛛丸に対して最終決戦を挑むことになる。

・・・なんて展開になるんじゃないかなw

ついでに言えば、月輪を宿した秋乃は霊界通信で、泰山府君祭たる安倍晴明とチャネリングしながら、春虎の後方から晴明のメッセージを伝える一方で、相馬一族の末席として、多軌子に降りた神を外すために、何らかの重要な役割を果たすのではないか。

いずれにしても、秋乃が意外と、春虎と多軌子の対決の調停役になるのではないかなと。

そうして大団円を迎えられるといいけど。。。

でも、最終的には、平将門公が降臨しちゃうのかね?
だとすると、なんとか、再び将門公を鎮める手立てが必要になるのだけど。
で、そのために、春虎と多軌子が共闘できるといいんだけどね。。。

でも、それは流石にお花畑過ぎるかな?(苦笑

まあ、何にしても、まずは夏目の存在の安定が第一なんだけどね。

それにしても、まさか、夏目にこんな秘密があったとは、というくらい、飛車丸と同じ魂でだから近づけなかった、という春虎の説明には頭が「????」となったのだった。

それ、流石にワイルドカードすぎるし、後出しジャンケン過ぎるだろうと思っていたら、あとがきで作者が、ちゃんとこのことは最初から考えていて、きちんと仕込んでいたという痕跡も残していたよ、といわれて、うーんと唸ったのだった。

でもまぁ、確かに、どうして物語の立ち上げである第一巻で、夏目は終始、北斗という式神で現れなければいけなかったのか、という疑問はあったわけで、何らかの仕込みのために行っていたはずと見立ててはいたんだけどね。

で、個人的には、夏目が実は北斗の生成りで、北斗のほうが実態だったんじゃない?とか前に書いていたわけだけど、いやー、まさか、飛車丸、すなわちコンが関わってくるとは。

もっともまだ北斗が全く関係ないわけでもないと思っているけれどね。
なにしろ、今回、夏目と飛車丸の繋がりまで開示してきたわけだから、次巻、なぜ二つの同じ魂が一つの世界にあるのか、という問いに答える段階で、もういくつかのギミックが仕込まれているはずだから。

でも、そこで、もしも土御門家の護法で永遠の存在?だった龍の北斗が飛車丸の思いの受け皿になって、北斗がその思いを受け止めて龍の生成りとして生まれたがの夏目だった・・・なんて説明がなされたら、もう感激なんだけどな。

でも、確か、夏目は捨て子で、両親が誰かわからなかったはずだよね。
となると、龍から授かった子、という、お伽話みたいなことが起こってもいいと思うのだけどね。

ともあれ、いやー、面白かった。
群像劇、サイコー!

ついでにいえば、道満の口から出る「呪」の説明は、短いけれど、千年を渡ってきた荒御魂の口上だということで、極めて説得力を持っていてすごかった。

というか、道満にしても、角行鬼にしても、安倍晴明を今の世に呼び寄せるというありえなさをなくすための存在として仕込まれていたとは驚き。

で、その仕込みっぷりはマジで凄いわ。
そうして、千年続いた腐れ縁を、現代で精算するという展開も説得力を持ちそうだから怖いw

あと、あれで大友が退場するとは思えないので、一次退場していた木暮とともに、あと、涼もあわせて、三羽鴉が頑張りを見せる場面にも期待。まぁ、それは次の次の巻になりそうだけど。

あ、そうそう、鏡が無理やり霊体を切り刻む?ことで倉橋の封印を解いていたけど、今回、倉橋が亡くなったから、天海や鈴鹿の額のバッテン封印も解除されたと思っていいんだよね?

ということは、少なくとも鈴鹿は次の次の巻で、第一巻なみの、ヤバイ神童っぷりを発揮するというのでいいんだよね?

いやー、てっきり、鏡が封印解除の術を身につけたから、鏡によって鈴鹿や天海の封印も解除されるのかと思っていたけど、術者が死んだのだから、消えるという理解でいいのかな、と。

まぁ、そうなると、あと二巻で終わり、ということかな。

第一部もそんな感じだったからなぁ。
さすがにそれ以上は、引き伸ばさないよね、この作者は。

ということで、あと二巻!楽しみだ!

まずは、次の過去編を早く!

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東京レイヴンズ 第12巻 感想

2014-11-22 17:16:32 | レイヴンズ
いやー、いいねー、今回は。
一度は負けて潜伏していたメンツが再結集する話。
ようやく第二部スタート!って感じ。
それにしても、春虎、お前・・・

ということで、一応スペース空けときます。

















































9巻の最後でばらばらになった仲間たちのリユニオン!

とはいえ、早い段階で、泰純たちが蜘蛛丸らに拉致られたのには、えええ~!、そんなにあっさり捕まるのかー。
てか、式神の星は詠めない、って、ちょっと後付け設定じゃね?とも思ったりしたのだが、先を読むにつけ、あー、なるほど夏目たちを再結集させるためのイベントとして必要だったのね、とか、子どもたちを強制的に巣立たせるための大人組の撤収なのね、と納得。

で、結果的には、鈴鹿とかあんなに監視が厳しくて、かつ、封印されてるんじゃ、逃げられないじゃん、って思ってのも、うまーく解決して、再集合に繋がるわけだから。

こういうところの、プロットの回し方は、ホント、この作者は上手だよね。

それ以外は、冬児、京子、天馬、は前巻で記されたとおりだし。

まぁ、羽馬wは、良かったけどね。
天馬のおやじ、グッジョブ!って思ったよ。
頼もしいハマーだよね。
自動操縦なら、この面々でも爆走がありになって。
後半がカーチェイスになって、その分、物語が加速しているように感じたしね。
で、そのためにも、「大佐」が必要だったってもわかった。
まぁ、十二神将が全員でていないので、新たなメンバーが紹介されても変に思わないところもいい。なんというか、キャラをちゃんと活かして使ってる、という感じもして。

で、今後の物語の流れ的に肝だったのは、

どうやら、秋乃のウサ耳は「月輪」という、夜光がらみの式神っぽいものだったってことで、それが相馬の係累に伝授されていたってのは、やっぱり何らかの意志が働いていたんだろうな。

そもそも、春虎と秋乃は10巻でニアミスしているわけだし。
あそこで、見つけることもできた、ってのが、地味にプロットしてうまい。

となると、次に気になるのは、月輪が、はたして夜光に必要なのか、それても、蜘蛛丸たちが考えている、将門の霊の召喚、のほうに必要なのか、そのあたりが気になる。
まぁ、流れ的には、召喚の儀式に必要な何らかの技能なんだろうけどね。

あとは、やっぱり、春虎と大友陣との関係が微妙なものになったというところで。

というか、春虎と大友がすんなり同盟しなかったってのは、完全に予想外だったので。

でも、そうなると、前巻で、ゴズ(牛頭鬼)とメズ(馬頭鬼)を紹介しながら、大友の様子を詳しく紹介していたのは、春虎が今回指摘する、というか指弾するための布石だったんだ、と思って、へぇー、と妙に納得したのだった。

要するに、春虎からすると、かつて自分が犯した過ちを再度行おうとする蜘蛛丸たちはもちろん阻止すべき対象だけど、同時に、春虎からすれば、大友が、蘆屋道満に感化されて、第二の将門になりはしないか、というところが心配なんだろうな。

しかし、まさかの大友陣悪堕ちシナリオ!
これは、思いつかなかったなぁー。
でも、それ、大友自身が、道満と式神契約する際に道満から指摘されていたことだから、読む側をしても、あ、やっぱり?、と思ってしまうわけで。

いやー、こういうところは、ホント、上手いよ、話の運び方が。

これで、少なくとも、春虎たちの物語だけでなく、大友と木暮や涼との物語にも同時に走る、ってことだものね。

だって、春虎の口から、木暮は正しい、なんて言葉が出るとは、さすがに予想できなかったし、そう春虎が思ったのが、9巻最後の、大友と木暮が対峙する場面での木暮の言葉や態度を思い出してのこと、ってのがね。

なんていうか、過去に起こった事件を、その場に居合わせた人間が再解釈するってのは、なんかいいよね。物語の意味が深まっていくようで。

で、その木暮だけど、その「木暮は正しい」発言に従えば、この先、倉橋長官たちの陰謀に気づいた時、木暮が取る態度が明白なのが、また楽しみ。

つまり、十二神将も、最終決戦?で、きっと二分されるよね。
その時は、結び姫や大佐、三好あたりも、木暮側につくんだろうな。

あとは、守人の配備が、超巨大な祭壇の設置のためだった、というのは、なんか燃えるよね。
だって、超巨大な魔法陣が東京に組まれるわけでしょ。
将門が鍵になるあたり、完全に荒俣宏の『帝都物語』だけどw
でも、巨大魔法陣、というのは、それだけでスケールがデカイ気がするし。

もう一つ、意外と気になったのは、蜘蛛丸が当初、夜光の転生である春虎に対して示した礼節のところね。
そりゃそうだよね、北辰王信者だったわけだから。

その蜘蛛丸の態度を含めて、最終コーナーでは、意外と、春虎と蜘蛛丸が手を組んで、将門の再祓いに尽力しそうでもあるなぁ

となると、この物語、本質的に「悪人」はいない、ってことにもなりそうで、面倒ではあるのだが。。。

ともあれ、ようやく第二部の本編がスタートしたという印象。

問題は、春虎が、せっかく再接触できた夏目と、どうして距離を取ろうとするのか、ってところだよなー。単純な再会をに至らない以上、それなりに今の夏目に秘密がある、ってことだよね。


それから、思っていた以上に、飛車丸問題は深刻だったし。
もっとも、そうしてコンを復活させるあたりは、マジであざといw

でも、その飛車丸の「制限時間」のことを考えても、やっぱり、最後は、夜光、角行鬼、飛車丸が、消え去る流れなのかな。

で、夜光成分が抜けた春虎の横には、冬児と夏目が、角行鬼と飛車丸に代わって控えるのかねー。

ともあれ、面白かった。

まぁ、散り散りになった仲間が、それぞれ隠れている間にパワーアップしていた、というのは、あまりにもお約束すぎるわけだけど、それを嫌味なくやれるところが面白い。

願わくば、次巻が3ヶ月後くらいには出てほしいことかな。
12巻の最後が、勢いのあるものだっただけに、その勢いをできるだけ殺さないでほしいから。

さぁ、この先、どう転ぶのかなぁ。。。。

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東京レイヴンズ 第11巻 感想

2014-05-13 16:48:43 | レイヴンズ
前巻に引き続き、第二部序章その2、という感じ。
静かな滑り出しだけど、最後のあたりで、ホントのラスボスはそれなの-?と。
いや、ある程度は予想していたけど、ホントにそっちに振るとは思わなかったw
なんか、最後は悪人はどこにもいませんでした、って感じになりそうで怖い。。。

ということで、感想本文の前に、スペース空けときます。















































とにかく、一番、えー!と思ったのは、最後に出てきた平将門かなー。

いや、これじゃ、第一部は夢枕獏、第二部は荒俣宏じゃないw

それでいいのか-!、って感じ。

で、最後に悪人はいませんでした、って展開になるのか、と思ったのは、ここなんだよね。とりあえず、現在、ラスボス認定されている倉橋+相馬連合(夜叉丸を含む)が試みようとしているのは平将門の鎮魂なんじゃないの?とか、そもそも夜光が行おうとしていたのも、それじゃないの?とか、夜光が転生しようと思ったのは、平将門の復活?が数十年後と星詠みされたから?とか、・・・、いろいろと浮かんでしまうわけですよ。

で、それを阻止するために冷酷に何とかしようとしているのが倉橋+相馬なんじゃないの?ってね。

そうなると、実は今、ラスボスと思われている人たちの多くは、実は、より大きな脅威に相対するために、第一部に描かれたような非道なことをやらざるを得なかった、・・・、てなことになりそうで。

と思うのも、本巻最後に示された今後のスケジュールがあまりにも短いから。

だって、あと数ヶ月じゃ劇的な成長は、夜光と化した春虎を除けば望めないでしょ。だから、基本的には本巻で示された技量で最終決戦?に臨むことになるんだろうな、と。

特に、冬児なんか、もうサードパージの解除でイッパイイッパイでしょ。

というか、彼の鬼の由来を考えたら、平将門が復活した時点で、数段パワーアップして半ばバーサーカー化する、という展開か、もしくは、最終的に利害が一致した夜叉丸に力の使い方を指南されて、何とか使いこなす、とか、そんなことでもない限り、劇的な変化は望めないんじゃないかな、と。

それにしても、前々から思っていたけど冬児の扱いは、ホントにヒドイ。

いくらなんでも、冬児に稽古をつける相手が鏡、ってのはないでしょー。

ここが本巻で一番残念だったところ。

なんていうか、ヤンキーを指導するのはチンピラぐらいでちょうどいいじゃん、って安易な感じがしてね。

少なくとも、冬児の方から鏡にアプローチするってのは、ありえないと思った。
逆ならまだしも。。。

つまり、冬児があるタイミングで鏡に見つかってしまい、そこで無理矢理、冬児から話を聞き出した鏡が情報代替わりに稽古をつけてやる、って話になって、冬児がしぶしぶそれを受け入れる。しかし、打算として正しい、ぐらいの話になってくれないと。

ただ、そうした細かい機微を描こうと思うと、確かにあとがきで作者が言ってるように、各キャラごとに一巻ずつ使わないと無理だから、ダイジェストして進めるって中で、冬児の方から願い出る、という展開にせざるを得なかったんだろうけど。

うーん。

まぁ、鏡が第二部で関わってこないとは思ってなかったけど、前巻の山寺の流れからすると、出身が山寺である鏡は、そっちの方から唐突に本編に関わってくると思ったんだけどねー。

そういう意味では、大友vs木暮、も長すぎ。

まぁ、あそこがなければきちんとしたバトルがないので、全体として地味な巻になってしまうという判断もあったのかもしれないけど。

・・・ということで、ざっくりいうと、本巻は期待はずれだった。

みんな、頑張ってます!というのはわかるんだけどね。
あと、天馬、持ち上げ過ぎ。

普通の子が頑張ってます!というのも一回だけなら説得力があるけど、続けて使われるとちょっとねー。むしろ、彼には、両親同様、式の開発力という点で、彼の才能を伸ばして欲しかったし、そういう描写が欲しかった。

何がいいたいのかというと、地味男みたいな感じで過剰に彼を落とす必要はないし、むしろ、彼は彼の才能をきちんと伸ばしていることをストレートに描写すべきだと感じたということ。実際、天馬の祖父は、天馬の隠形術に舌を巻いていたわけだし。


ともあれ、どうにも駆け足すぎたかな-、と。
これも、冬児同様、先を急ぎすぎた結果の弊害だよね。

それにしても、せめて、最後の鈴鹿の話ぐらいは次巻持ち越しでも良かったんではないか、と思った。

ということで、まずは、次巻に期待。

あ、そうそう、一応、夏目の正体、というか、出自が説明されたけど、それこそ、乙種呪術だと思って、全く信用していないw

そもそも捨て子だった、ということしか言われてないわけで。
しかも、泰純が説明しただけだけだから。
彼の説明を鵜呑みにしていいほど、東レの世界は優しい世界ではないと思っているのでw

とにかく、土御門、倉橋、相馬、若杉、・・・、の間の確執にも一応注目かな。
そもそも、倉橋源司、は過剰に「家」に拘っているわけだし。

そうそう、「源司」は「源氏」と同音だよね。
ラスボス候補が平将門となるとちょっと気になってくるw

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東京レイヴンズ 第24話 『to The DarkSky -魂呼-』

2014-03-26 17:32:39 | レイヴンズ
うーん、案の定、イマイチなまま終わってしまった。
本当に残念だ-。

作画そのものがまず平坦、
その上、動きが紙芝居、
シーン転換はぶつ切り、
ストーリーは原作のダイジェストでしかない、
演出も軽いまま、

・・・というのは、結局、最後まで変わらずじまい。

まぁ、言っても詮ないけど、今期の場合、ウイッチクラフトワークス、というハイクオリティの原作ものがあっただけに、東レの酷さは、ただでさえ目についてしまう。

ホント、これ、どうにかならなかったのか。

やっぱり、9巻までの内容を2クールに押し込む、という構成そのものに無理があったとしか思えないかなー。

最終話も盛り上がらなかったしね。

というか、これ、原作の読み込みが足りなかったんじゃないのかな、
特に、絵コンテ切る人が。

せめて、アップになった時くらい、顔や目つきに力がある絵を描いて欲しかったけど。
なんか、軽いよね、作画が。
陰影が全然ないし。
そのため、画面に全く緩急が生まれない。

で、最終話については、一番の山場は、コン→飛車丸、の封印解除のところだったはずなんだけど、ここもなー。

前回の、京子の星詠み覚醒が、何かニューエイジのオカルト映像になってしまってげんなりしたのと同じくらい残念な感じ。まぁ、春虎が初めて鴉羽を着た時の、なんちゃってガッチャマンもひどかったけど。なんだかなー。

あと、なんで、封印を解除したにもかかわらず飛車丸のCVが愛生さんのままなの?
あれはおかしくない?
当然、甲斐田さんにCVは戻るのだとばかり思っていた。
でないと、封印を解除した意味がないじゃん。
あれだと、コンが飛車丸の単なる幼少の姿だった、って解釈になってしまう。

でも、封印はあくまでも、本来の飛車丸の姿を隠すための「仮の姿」でしょ。
だったら、封印の前後で、明らかにそれとわかるギャップが示されないとおかしいはずなんだけど。それを端的に示すのがCVの転換だと思っていたんだけどね。

うーん。
いや、封印を強引に解いてしまったから、本来、甲斐田ボイスになるべきところが、愛生ボイスのままになってしまった、という解釈は成り立たなくはないのだけど、それならそれで、そういう「不都合」が生じたことがわかるように、演出的にきちんと示して欲しいところ。

実際、10巻まで読むと、かつての記憶を代償にした強制封印解除によって飛車丸が「不安定」になっている、という描写はあるので、なくはない解釈なんだけど。
それにしてもね。

いや、何でここにこだわるのかというと、結局、春虎が夜光として覚醒したのかどうか、というのも、実は曖昧なんだよね。だから、最終二話の事件でどうやら春虎が夜光になってしまった!ってことを明確にしているのは、飛車丸と角行鬼の帰還なんだよね。彼ら二人が春虎に付き従うからこそ、春虎は夜光として覚醒した、というのが外部絡みた時示されるわけで。。。

だから、コンが飛車丸に「戻った」ことは、もっと落差のある表現をしないと、何か、凄いことが起こった!って感じにならないじゃない。

最終話の流れだと、単にバッテン鏡がちょっかい出したから何か変わってしまった!っていうふうにしか見えないわけで。。。

まぁ、こういうのは今更何だけどね、もう。

だから、結論としては、東レ、というのは、正確に言うと、いわゆる「ラノベ」ではなく、少し前の伝奇もの、怪奇ものの小説に近くて、実際、7巻以降の醍醐味はそこにあったわけだよね。ラノベ的文脈であえていえば『空の境界』に近い作品だと思うのだけどね。
だから、ufo tableが東レを担当したら、ぜんぜん違うものになったろうな、って感じ。

もちろん、いわゆるラノベ的な学園要素は前半にはあったことは間違いないんだけど。

でも、もう春虎たちは学園を追われてしまったわけだから、いわゆる学園ものにはなりえないんだよね、今後は。

裏返すと、原作自体が、結構曖昧な表現や構成で、二重・三重に解釈できるよう、巧妙に書かれていたのだけど、それを映像にする段階で曖昧なところをわかりやすく一つの解釈にしてみたら、こんなことになっちゃいました!ってことなんだろうな。

そういうわけで、とても不幸なアニメ化だった。

原作は10巻から第二部に入って、復活した夏目が主人公の話になって雰囲気はまただいぶ変わっているけど、7巻以降の展開のテンションはきちんと残っているのでオススメではある。

そうそう、この最終話で一つだけよかったところは、冒頭にあった、少女時代の飛車丸と少年時代の夜光が、土御門の分家と本家として、出会っている場面。

これで、春虎と夏目の関係が、夜光と飛車丸の関係の反復であることがよくわかった。

となると、やっぱり、第二部の最後では夜光の意向の達成とともに飛車丸と角行鬼が退場して、その後、夜光ではなく春虎の両脇に立つのが、夏目と冬児ってことで間違いないと感じた。

そして、そうなると、前に10巻の感想で書いた通り、夏目は龍の生成りであることで間違いないと思えてきた。飛車丸は狐憑きだったわけだから。それに、冬児も角行鬼も鬼だからね。

あ、そうか、10巻で秋乃を兎の生成りとして登場させたのは、夏目が秋乃に対してかけた言葉が、そのまま、夏目自身が自分の正体に気づいた時に跳ね返ってくるブーメランだったわけだ。うーん。

こうなると、早く11巻が出ないかな。

とにかく東レは原作がオススメ!

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東京レイヴンズ 第20話 『over-cry -花火-』

2014-02-26 15:56:03 | レイヴンズ
いやー、これはひどい。
いくらなんでも酷い。
東レはアニメ化大失敗だな。
2クール目に入って酷くなる一方だと思ってはいたけど、それも最終話、つまり、8巻から9巻にかけての内容に尺も画力も費やすためだと思っていたのだけど。。。

これ、もう原作レイプに近い酷さでしょ。

いや、アニメ化して原作を知ったから、そこまでひどくはいいたくないのだけど、でも、今回はさ、山場なんだよ、山場。
9巻の、第一部最終話に向けて物語が一気に加速する回のはずなんだよ。

それがなんだよ、
この体たらく。

鴉羽が春虎を憑依するところは、最大の見せ場なんだよ、東レの中で。
それが、何で、あんな、夏目も含めて、周りに突っ立てる感じの演出なんだよ。
春虎が苦しみに悶えるところをマジメに描写しろよ。

それに、なんだよ、あの鴉羽をまとった春虎の、
なんちゃってガッチャマンみたいな酷さは。

まぁ、冬児の鬼姿が、あんな無様な落ち武者のような形になってしまったところから、イヤーな予感はしていたけどさ。

これ、単純に、スタッフの想像力がないからだろう?
手近なところにあった、落ち武者の雰囲気を冬児に与え、
手近なところにあった、ガッチャマンとかバットマンのイメージを鴉羽に与えただけだろ。
最悪だな。

鴉羽は単に闇深いマントでいいんだよ。
なぜなら、鴉羽は夜光のいわば外部記憶装置みたいなもので、鴉羽経由で春虎に夜光の記憶や技能が流れ込んでいくところが鍵なわけだから。

もともと気になっていた、陰陽道という呪術や闇を扱う物語のくせに、妙に画面が明るい、キャラが軽い、というのが、ここに来てホントにネガティブの方に思い切り触れてしまった感じがする。

原作は、もっと妖しくて、もっと闇深い世界なんだよ。暗いんだよ。
で、この鴉羽を分け与えられて、最後に夏目が春虎の封印を解く代償として殺されてしまう場面は、もっととんでもないくらい、やるせなさが漂う、悲壮な場面なんだよ。

それがなんだよ、あれは!
あんな半端な描き方をして。
相当、コンテが酷いってことだよね。

それに、冬児にしても、鈴鹿にしても、もっと動かし方があるだろ?
なのに、あの冬児の描写はないでしょ。
冬児は鈴鹿に術を掛けさせるだけの時間を与えるために、いわば囮として蜘蛛丸に襲いかかっているのに、その、冬児と鈴鹿の連携が微塵も感じられない。

それに、無駄に力の入ったなんちゃってガッチャマンの春虎を追う鈴鹿の式神のトリの安っぽさはなんだよ。紙使いとしてのかっこよさをもう少し強調しろよ。

いやー、これほどまでに酷くなるとは思ってなかった。

最大の山場でこんな描写しかできないんじゃ、もうこの先の、9巻の内容の映像化には全く期待できないね。

間違いなく、東レは、アニメ化、失敗だよ。

この先はアニメなんか見ずに、原作9巻を読んだほうがいい。
いや、6巻や7巻あたりから、原作を読みなおしたほうがいい。

平安時代の、安倍晴明の時代から続く陰陽道の闇深さもそちらのほうがよく分かる。
蘆屋道満と大友の術比べも文章で読んだほうが遥かにビビる。
天海のオッサンの渋さも格段に上(というか、天海のしぶとさはこの先の一つの鍵だし)
夏目が女子バレしてからの、京子、夏目、そして、鈴鹿の間の微妙な心の揺れも、原作の描写の方がはるかに上。

今回の中では地味な部分ではあるけど、角行鬼の、実は付かず離れず春虎を警護している様子も後で飛車丸との関わりで効いてくるはずなのに、全くそれらしく描かれていない。
なにより、徐々に、陰陽道に取り憑かれていく春虎が全く描かれてきていないから、実は、鴉羽を得た時に春虎が感じているはずの矛盾もわからない。

ていうかさ、多分、2クール目に入ってからの恐ろしく内容を端折った展開では、そもそも、初見の人は、何が起こっているのか、全くわからないと思うよ。

とにかく、もうアニメはいいから、原作を読め、ってこと。

もっとも、いくら2クールあるからといっても、9巻もある内容を一気に消化しようとしたことが最大の敗因なんだろうけどね。

でも、それにしたって、映像化にあたっては、もう少し何とかできたんじゃない、って部分は多い。

来週から、原作では9巻になるわけだけど、基本的に、同時多発的な描写が増えて、時間の制約の中、各人各様に良かれと思ったことを行っていくんだよね。そんな緊張感のある描写が、今までの描写を見たら、描き切れるとは到底思えない。

少なくとも乱戦模様になるところを、また、周囲でボケーと棒立ちになるような描写になるのは間違いないだろうから。だったら、特定の人物にフォーカスをあわせて、その人物の動きだけを丁寧に描けばいいのに。

なんだかなー。
原作は素晴らしいのにね。
とりわけ、7巻以後の展開は、徐々にギアが入って加速していく感じがゾクゾクして凄いのに。
ホント、残念だよ。

これじゃ、夏目も死に損だよ。

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東京レイヴンズ 第15話 『DARKNESS EMERGE -邂逅-』

2014-01-22 18:40:43 | レイヴンズ
あー、なんか、第二クールに入って失速してないか?
ものすごく雑な作りになってきている。

原作的にはここからが面白くなっていくところなんだけど、いくらなんでも、ストーリー、はしょりすぎ。これじゃ、ダメだろ。原作読んでてもわからないもの

それに、ようやく第一部後半の超中心人物である相馬多軌子が登場したのはいいけれど、これ、CV、どうにかならなかったのかなあ。
やっぱり北斗と被ってちゃだめでしょ。

最初はなんとかなるかな、と思ったけど、多軌子が「ぼく」と称するところで、これは駄目だなー、と思った。残念だな、全く。こんなところでキャストをケチるなよ。

それから、新たにOP、EDともに変わったけど、これもなんかガチャガチャ唄ってるだけどのロックもどきで残念。春虎が此処から先は頑張る、って勢いを表現しようとしたのかもしれないけど滑ってる。大体、OPの映像は、前のOPのものをかなり使いまわししてるだけだし。

なんだかなぁ、ガッガリだよ。
クオリティ、どんどん、下がってないか?

違和感のもとは、やっぱり陰陽道、陰陽師、という、東レの最も核になる部分を軽く扱っているようにしか見えないからなんだろうな。

ホント、残念。
今回から7巻に入ったけど、ここからは、原作を素直に読むことを勧めたい。
ここからは、春虎をはじめとして、それぞれが葛藤を抱えていくところで、その葛藤が各人の成長を進め、物語の緊迫感を生み出すことになって、そこが読んでいてとても面白いところなのだけど、多分、この作りでは、そんなことの表現は望むべくもなさそうだから。

なんだかなぁ。

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東京レイヴンズ 第14話 『Black Shaman ASSAULT -術比-』

2014-01-15 18:21:56 | レイヴンズ
まさか、13話と14話の二回で6巻を消化するとは思わなかった。
今回は、OPもEDも省略で。
これで完全に今までのOPとEDのことを忘れさせて、次回から新OPと新EDに移行するのを狙っているのかもしれないけれど。

それにしても、さすがに詰め込みすぎじゃないかな。
全編に亘って、ぶつ切りの、ダイジェストな感じがして、これだと原作の面白さが伝わらないのではないだろうか。

というのも、6巻のポイントは、蘆屋道満と大友の間の「術比」そのもののスゴさではなくて、その最高水準の陰陽師同士の真剣勝負を目の当たりにした春虎が、自分たちが極めて危機的な状況にある、ということをすっかり忘れて、二人の陰陽師の術の掛け合いにどんどん惹かれてしまい、むしろ、その凄まじさに恍惚として行くところにあるんだよね。

だから、そのカットが入らないのは、ちょっとね・・・
というか、かなり残念な気がする。

そもそも原作の語り手は春虎なんだよね。
基本的には彼の視点から事件が捉えられていく。

もちろん、そんな一人称視点は、映像にしてしまったら維持するのは無理なことはわかるのだけど、けれども、今後の展開を考えたら、この回の「術比」を捉える視点は、可能な限り、春虎が見ているものだ、ということを理解させるカットの挿入が何回か、欲しかった。それも、思いきり彼の目に寄せたカットで。春虎が術比を、恐怖と畏敬の両方を込めて「凝視」しているものとして。

なんというか、そういう切迫さがないまま、6巻の内容を全部消化しました!って感じで無難に済ませてしまったのはもったいない。半端に鈴鹿がデレるところを描くくらいなら、そっちに時間をさいて欲しかったなぁ。それくらいなら、無理矢理二話で6巻を消化するような構成にせずに、3話に分けて行けばいいのに、と思う。

あとは、あー、確かにこれ、難しいよなー、と思ったのは、実際に陰陽師対決になると、術を一通りきちんと唱えて戦わなくてはいけないわけだけど、これ、正直にやると、思い切り時間をくうね。しかも、詠唱の呪文?に漢字が与えられないから、原作にあるような、陰陽道的オドロオドロしさが全く伝わってこない。この辺りの処理の仕方は、もうちょっと工夫がほしい。

あるいは、漢字的、というか、象形文字的な禍々しさが、口頭で術を唱えるだけでは全く伝わらないから、その分、画面をもう少し暗めにして、道摩法師と大友の対決の厳しさを表現して欲しいと思ったかな。

とにかく全体的に雰囲気が軽い。というか、軽すぎる。

春虎たちを全員描こうとするとどうしても棒立ちの静止画になってしまうので、とても間延びした感じになってしまう。それくらいなら、春虎だけにカメラをあわせて彼の表情の変化だけを追っていけばいい。

・・・という具合で、どうも半端にエロや萌え要素を入れようとしているせいか、肝心なところで、緊迫感の欠ける絵作りになっているのは残念。

決していい加減に作られているわけではないのは、3話で、春虎と夏目が鈴鹿の泰山府君祭を阻止しようとするところで、ちゃんとアクションになっていたところからわかる。あの第1巻を扱っていた頃は、ちゃんと春虎目線で物語が進んでいたんだよね。

もちろん、それは、春虎が能動的に行動を起こしているから、その描写をするだけで、自動的に春虎目線で事件を見るようになるということで、逆に言うと、今回は、春虎は単なる観戦者でしかなかったから、自動的に春虎目線を感じることができなかったのかもしれないけれど。

とはいえ、それは画面の作り方でいろいろと調整できると思うのだよね。

心配なのは、これから先の話は、今回以上に、様々な人たちがそれぞれの立場から動き始めるようになるので、その事件の推移だけを消化しようとすると、その事件が持つ物語全体の意味、とりわけ春虎にとっての意味が不鮮明になってしまうように思える。

でも、その「春虎への影響」が感じられないと、そもそも何でそんな事件が起こっているのか、伝わらないはず。

大体ここのところの展開だと、そもそも春虎が主人公に思えないしね。

いや、思っても、いわゆるラノベ的な鈍感さをもつハーレム主人公のように見えてしまう。そういう要素が原作には全くないとはいわないけど、でも、そんな要素ばかりが強調されるのもねー。

特に、7巻以降の展開は、そんなハーレム展開のような呑気さとは無縁のシビアな展開なので、そのシビアさをどこまで映像化できるかどうかで、東レの評価も決まってしまいそうに思えるのが困るところ。

6巻を描いた前回と今回を見ると、大分、不安になる。

終わってみたら、原作の方が遥かに面白かった、ってことにならないといいけど。

心配だな~。

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