BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第12巻 感想

2014-11-22 17:16:32 | レイヴンズ
いやー、いいねー、今回は。
一度は負けて潜伏していたメンツが再結集する話。
ようやく第二部スタート!って感じ。
それにしても、春虎、お前・・・

ということで、一応スペース空けときます。

















































9巻の最後でばらばらになった仲間たちのリユニオン!

とはいえ、早い段階で、泰純たちが蜘蛛丸らに拉致られたのには、えええ~!、そんなにあっさり捕まるのかー。
てか、式神の星は詠めない、って、ちょっと後付け設定じゃね?とも思ったりしたのだが、先を読むにつけ、あー、なるほど夏目たちを再結集させるためのイベントとして必要だったのね、とか、子どもたちを強制的に巣立たせるための大人組の撤収なのね、と納得。

で、結果的には、鈴鹿とかあんなに監視が厳しくて、かつ、封印されてるんじゃ、逃げられないじゃん、って思ってのも、うまーく解決して、再集合に繋がるわけだから。

こういうところの、プロットの回し方は、ホント、この作者は上手だよね。

それ以外は、冬児、京子、天馬、は前巻で記されたとおりだし。

まぁ、羽馬wは、良かったけどね。
天馬のおやじ、グッジョブ!って思ったよ。
頼もしいハマーだよね。
自動操縦なら、この面々でも爆走がありになって。
後半がカーチェイスになって、その分、物語が加速しているように感じたしね。
で、そのためにも、「大佐」が必要だったってもわかった。
まぁ、十二神将が全員でていないので、新たなメンバーが紹介されても変に思わないところもいい。なんというか、キャラをちゃんと活かして使ってる、という感じもして。

で、今後の物語の流れ的に肝だったのは、

どうやら、秋乃のウサ耳は「月輪」という、夜光がらみの式神っぽいものだったってことで、それが相馬の係累に伝授されていたってのは、やっぱり何らかの意志が働いていたんだろうな。

そもそも、春虎と秋乃は10巻でニアミスしているわけだし。
あそこで、見つけることもできた、ってのが、地味にプロットしてうまい。

となると、次に気になるのは、月輪が、はたして夜光に必要なのか、それても、蜘蛛丸たちが考えている、将門の霊の召喚、のほうに必要なのか、そのあたりが気になる。
まぁ、流れ的には、召喚の儀式に必要な何らかの技能なんだろうけどね。

あとは、やっぱり、春虎と大友陣との関係が微妙なものになったというところで。

というか、春虎と大友がすんなり同盟しなかったってのは、完全に予想外だったので。

でも、そうなると、前巻で、ゴズ(牛頭鬼)とメズ(馬頭鬼)を紹介しながら、大友の様子を詳しく紹介していたのは、春虎が今回指摘する、というか指弾するための布石だったんだ、と思って、へぇー、と妙に納得したのだった。

要するに、春虎からすると、かつて自分が犯した過ちを再度行おうとする蜘蛛丸たちはもちろん阻止すべき対象だけど、同時に、春虎からすれば、大友が、蘆屋道満に感化されて、第二の将門になりはしないか、というところが心配なんだろうな。

しかし、まさかの大友陣悪堕ちシナリオ!
これは、思いつかなかったなぁー。
でも、それ、大友自身が、道満と式神契約する際に道満から指摘されていたことだから、読む側をしても、あ、やっぱり?、と思ってしまうわけで。

いやー、こういうところは、ホント、上手いよ、話の運び方が。

これで、少なくとも、春虎たちの物語だけでなく、大友と木暮や涼との物語にも同時に走る、ってことだものね。

だって、春虎の口から、木暮は正しい、なんて言葉が出るとは、さすがに予想できなかったし、そう春虎が思ったのが、9巻最後の、大友と木暮が対峙する場面での木暮の言葉や態度を思い出してのこと、ってのがね。

なんていうか、過去に起こった事件を、その場に居合わせた人間が再解釈するってのは、なんかいいよね。物語の意味が深まっていくようで。

で、その木暮だけど、その「木暮は正しい」発言に従えば、この先、倉橋長官たちの陰謀に気づいた時、木暮が取る態度が明白なのが、また楽しみ。

つまり、十二神将も、最終決戦?で、きっと二分されるよね。
その時は、結び姫や大佐、三好あたりも、木暮側につくんだろうな。

あとは、守人の配備が、超巨大な祭壇の設置のためだった、というのは、なんか燃えるよね。
だって、超巨大な魔法陣が東京に組まれるわけでしょ。
将門が鍵になるあたり、完全に荒俣宏の『帝都物語』だけどw
でも、巨大魔法陣、というのは、それだけでスケールがデカイ気がするし。

もう一つ、意外と気になったのは、蜘蛛丸が当初、夜光の転生である春虎に対して示した礼節のところね。
そりゃそうだよね、北辰王信者だったわけだから。

その蜘蛛丸の態度を含めて、最終コーナーでは、意外と、春虎と蜘蛛丸が手を組んで、将門の再祓いに尽力しそうでもあるなぁ

となると、この物語、本質的に「悪人」はいない、ってことにもなりそうで、面倒ではあるのだが。。。

ともあれ、ようやく第二部の本編がスタートしたという印象。

問題は、春虎が、せっかく再接触できた夏目と、どうして距離を取ろうとするのか、ってところだよなー。単純な再会をに至らない以上、それなりに今の夏目に秘密がある、ってことだよね。


それから、思っていた以上に、飛車丸問題は深刻だったし。
もっとも、そうしてコンを復活させるあたりは、マジであざといw

でも、その飛車丸の「制限時間」のことを考えても、やっぱり、最後は、夜光、角行鬼、飛車丸が、消え去る流れなのかな。

で、夜光成分が抜けた春虎の横には、冬児と夏目が、角行鬼と飛車丸に代わって控えるのかねー。

ともあれ、面白かった。

まぁ、散り散りになった仲間が、それぞれ隠れている間にパワーアップしていた、というのは、あまりにもお約束すぎるわけだけど、それを嫌味なくやれるところが面白い。

願わくば、次巻が3ヶ月後くらいには出てほしいことかな。
12巻の最後が、勢いのあるものだっただけに、その勢いをできるだけ殺さないでほしいから。

さぁ、この先、どう転ぶのかなぁ。。。。

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