BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ノーゲーム・ノーライフ 第12話  『収束法(ルール・ナンバー10)』

2014-06-28 15:11:32 | Weblog
いやー、これは面白かった!
というか、楽しかった!
今期ナンバーワンだね。

楽しかった、というのは、いろいろな点から。

まず、物語の展開。正直、最初はなんだこれ?と思っていたけど、ジブリールが登場するあたりから、実はいろいろとそれまでの回で伏線がはられていたことがわかって、それがちゃんと最後には収束しているところがよかった。

もちろん、各エピソードのテンポの良い展開も!

何気に「中の人」たちも豪華で、彼ら自身、楽しんでやってそうな気がしたし。

あと、頓智が効いたゲーム攻略法、というか、ゲームを始める前からの戦略的仕込みが面白かったかな。おお!、とか、へええ!、と感じたものね。

当然、ギャグはギャグでいい感じだったし。パロディネタもだんだん滑らなくなってきたしw

ということで、楽しかった。面白かった。

原作未読だけど、これは、このアニメのままの雰囲気で是非、続きが見たいところ。
テトと再戦するところまで是非やって欲しい。

やっぱり、知略で勝つ、その勝ち方が相手の高慢なところを狙い撃ちするものであると、いやー、カタルシスは多い。

二期、よろしく!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UQ HOLDER! 第39話 感想

2014-06-25 19:11:08 | UQH/ネギま!
なんかいろいろ出てきた!
しかし、「白き翼」かぁー
これ、要するに、フェイトの方が、正統派のネギチームの継承者、ってことをうたってる、ってことだよね。
で、そこに、月詠かぁ~。

先週の重力刀が、アルの重力魔法の顕現だ、というフェイトの見立ても含めて、なんか、どんどん、ネギま!後期の設定がうじゃうじゃ出てきてるような気がするのだけど。

いや、それは面白いんだけどねw

一空が「空飛び猫」を使ってフェイトを攻撃するところとか、ネギま!の最終話の方を思い出すしねw

とはいえ、ちょっとてんこ盛りすぎな気もしてきた。

にしても、新生?「白き翼」、悪そうだなーw
完全に悪役だよね、どいつもこいつも。

で、なんか、いつの間にか、刀太がフェイトとガチバトルで、おもむろに主人公してるんだけど、これ、どういうオチになるのか。なんか、フェイトによってまた刀太に課せられた封印?あたりが解かれてしまうようにも思えるが。

あとは、前回、刀太の悪友たちが将来的になんか刀太の仲間として活躍しそうなことをフェイトが言ってたけど、となると、フェイトも、時間移動魔法とか使えるようになったのかね。それで、フェイトなりにどの時空でどんな形でネギが封印されているのか、調べてるのかね。

ともあれ、このバトルの果てに、もう少しわかりやすいフェーズに入るのだろうか。

にしても、夏凛が登場すると、画面が締まるね。
やっぱり、九郎丸よりも夏凛の方が、刀太の相棒っぽいなー。

あと、キリヱ!
名前が、桜雨キリヱなんで、やっぱり千雨の転生バージョンとかであることを期待。
なんか、似てるよね、千雨に。考えることや、やってることが。

ああ、そういう意味では、月詠の転生体みたいなのも気になる。

茶々丸はアーティファクトだけ一空に残して消えたのかな。
あるいは、いまある一空のボディ自体、実はもともと茶々丸のものであったとかね。

もっとも、ネギま!に出た時から、空飛び猫は、アーティファクトとしては破格の存在だったし、そもそも超印の衛星ビーム砲だからね。

なんというか、ネギま!の後の世界といっても、どうやら単純に「後」というわけでもないような気がする。

ともあれ、フェイトを含め、ネギま!の残党が出てくると、彼らキャラの背景情報が既にネギま!で十分出されている分、バトルだけでも物語の密度が倍増されるのはいい。

そろそろ、中締め的に、幾つか刀太の世界についての核心的な情報を出してくれないかな。大分読みやすくなるように思えるのだけど。

それにしても「白き翼」かー。
まさか、こんな形で、再度聞くようになるとはね。。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編(6、7巻) 感想

2014-06-22 15:43:53 | さすおに
なかなか盛り上がらない九校戦編だけど、先に、横浜騒乱編と来訪者編を読んだ。
とりあえず、先に、横浜騒乱編の方について。

二つ読んでわかってきたのは、アニメが盛り上がらないのは、必ずしもアニメ制作者だけのせいではない、ということ。原作は相当クセがある。

ともあれ、ネタバレもあるからスペースを開けておく。












































で、原作にクセがある、というのは、正直なところ、このシリーズは、ノベルの体をなしていないと思ったから。

ぶっちゃけ、このシリーズは

魔法的設定 + 魔法バトル + 萌え + 軍事シミュレーション

が、大してプロットも考えられずに、ただ、バラバラに並べられているだけのものだから。

ラノベといえども、ノベルであり物語のはずなので、当然、プロットはあるし、そのための場面展開や会話があって当然なのだけど、このシリーズにはそんな要素はほとんどない。

ていうか、このシリーズ、物語とはいえないよ。

やっぱり、会話付き、バトル付き、謀略付き設定集、という感じ。

同じタイミングでチャイカの方も読んでいたので、なおさらそう思う。
チャイカの方は、きちんと起承転結があるし、地の文と会話もきちんと計算して分けられている。で、その上で面白い。

でも、この「魔法科高校の劣等生」は、いやー、マジでヒドイ。

特に、横浜騒乱編の酷さといったらない。

何がヒドイか、って、複数の場面で同時並行に異なる人物たちの描写があるから、当然、最後には、そのバラバラの動きが一点に収束する、つまり、何らかの形で繋がると思って読んでいたら、全くそんなことはなく、ただ、達也が超スゲエ!って場面しか出てこないのだから。

いやはや呆れる。

それに、誤字脱字も多い。
これは、単純に担当編集者がサボっているとしか思えないのだけど。
なにしろ、固有名詞を間違えているからね。
「魔法協会」を「魔法教会」にしたままとかね。

あと、作者の文章の悪い癖は、一人ツッコミにあたるカッコ書きが異様なくらい目立つこと。設定に関する注や、読者の世界、つまり現在の日本ではこうだね、というコメントがうじゃうじゃ付けられる。

このシリーズが基本的に「設定集」と感じたのはそういうところ。

あ、そうそう、よく、この作品は、ソードアート・オンラインと同じように、ウェブ上の公開で多数のアクセスを集めていた、ということが強調されて、いかにもSAOと同系統の作品であると言われるけど、作品の中身でいえば全然そんなことはない。

SAOの作者は、仮にもAWで電撃大賞だっけ、受賞してからデビューしてるでしょ。
その分、川原礫はちゃんと、ストーリーテラーとして物語の流れに注意しているし、若干くどいところはあるけれど、文章もちゃんと校正している。

でも、この魔法科~、は、そんなことない。

ほんとに、カッコイイシーンだけをブツギリで繋げただけのもの。

そりゃ、アニメの製作者たちが扱いに困るわけだよ。
だって、どこにも物語らしき流れがないんだもの。

いやー、ホント、典型的な中二的設定だよね。

多分、大元にあるのは、元のオンライン版が書かれた時期から見ても、コードギアスなんだろうね。

ロボの代りに魔法を使うようにしたギアス。
ロボがない分、ルルーシュとスザクが一体化したのが達也。
で、呪われた家族の話と高校生活を無理矢理両立させる設定。
だから、深雪はナナリーね。
ルルーシュがナナリーを庇護するのと同じように達也が深雪を庇護する。
皇帝シャルルにあたるのが、四葉の叔母。

で、こういう人間関係をベースにして、
あとは、魔法の設定を、基本的にはコンピュータ・ソフトウェアを基礎にして、時々最先端の物理学の知識(余剰次元とか)を使いながら、もっともらしい説明を加える。

その上で、こんな家族?関係と魔法設定の上で行うのが、戦前の日本の、士官学校があった時代の軍事戦略。
軍事技術を巡る魔法師争奪戦。

・・・という感じ。

あ、そうそう、九校戦あたりではまだわからないと思うけど、魔法といっても、現代魔法と古式魔法に分かれていて、現代の方はコンピュータプログラムみたいだけど、古式の方は、基本何でもありのオカルトで、ここに、陰陽道や道教、あるいは精霊ちゃん!とかまで出てくる。

で、そういう古式成分が増えてくると、物語はとたんにホラーやオカルトっぽくなっていく。

その分、まぁ、みきひこは活躍するようになるんだけどね。

あ、そうそう、話が進めば進むほど、一科と二科の違いがホント、馬鹿らしいくらい逆転していく。

一科といっても心技体で凄いのは、結局のところ、十師族という、魔法世界の支配一族だけ。つまり、七草や十文字、それに、四葉の流れをくむ深雪ぐらい。

あとは、むしろ、二科の、達也の仲間たちのほうが、異能集団である分、活躍してしまうことになる。ていうか、この点では、エリカの設定とか、マジで反則もの。あ、あと、美月の「目」もね。

なんていうか、普通の試験はダメでも、AO入試ならオッケー、みたいな世の中?、というかネット中毒の人たちあたりに受けそうな展開で、正直ドン引き。呆れるよ、このあたりは。

まぁ、だから、ホント、このシリーズは、ネットの中で、主にはネットをウロウロする人たちにウケるべくして書かれたものが思惑通りその中ではウケてしまった、って感じがする。

この点は、メカクシなんとか、と全く同じ。
あっちもそうとうヒドイことになってるけど、あちらは、もともと初めにポエミーな音楽ありきでそのポエムをむりやりノベルの格好をさせたら、あんな形になった、ってことなんだろう。そりゃ、シャフトもやる気をなくすはずだよ。

同じことが多分、魔法科~、の方にもあてはまる。ネットでクリックしながら読むにはちょうどいい感じのものでも、本にしたら、ブツギリの連続になる。だから、一応は、プロットを前提にして脚本や絵コンテをかいて制作する人たちからしたら、実は取り付く島がないのだと思う。

だから、アニメがつまらなくても仕方ないんだよ。
もともと、アニメに期待されるプロットもなにもないのだから。
だから、アニメ化するなら、なかば別バージョンとして大きく物語の構成を変えるべきだったのだけど、まぁ、それができなかった、ってことだよね。

あ、ついでにいえば、同じ設定満載の話でも、ホライゾンの方は、文章もプロットもギャグもちゃんとしているので。ホライゾンの難点はひたすらその長さにあるわけだけど、あの長さ、というか、厚さは、むしろ、背後にある設定を活かして、時に話者の発言や対話を通じて説明しようとするから、あれだけの長さになってしまうわけで。その分、ものすごく緻密に手を入れている。

でも、魔法科~の原作には、そういう配慮は一切ない。

いやー、ホント、作品としてはヒドイ、という言葉に尽きる。

じゃ、そのブツギリの物語が面白いか、といえばねー。

横浜騒乱編は、なんていうか、中国系の魔法集団が横浜にやってきていろいろと騒動を起こしました。そこに論文コンペでやってきてた達也たちが巻き込まれました。文化系クラブの九校戦みたいなものだから、三高の人たち(なんちゃってスザクとか)もいて、懐かしのキャラも出てますね、って感じ。でも、結局、いろいろあったけど、そこで活躍するのは、魔装大隊で少年兵やってた達也が、その立場も一高の仲間にばれて、ますます達也、タダモノじゃねー、すげー、ってことになっただけ。その上で、達也の魔法すげー、さすがは戦略級、もうほとんど核兵器じゃん!みたいな感じ。

・・・いやー、ホント、アタマワリー、って感じの中身のない展開。

ていうか、見どころは、深雪による達也にかけられた制約の解放、という部分くらい。
とはいえ、それもねー。

多数のキャラがいても活かせきれない。
謀略はあるけど、陳腐なもの。
戦争バンザイ、軍事バンザイ、謀略バンザイ、な感じが漂う。
それを昭和テイストといわれてもなー。
さすがにどうかと思うよ。

あ、一応補うと、多数のキャラを動かす点では、来訪者編は大分マシになっていた。
でも、それも、達也を含めて、登場人物たちの異能が一通りお披露目されて、かつ、達也の能力を含めて互いに知るところとなっているからなんだよね。

しかし、そうなるまで、7巻も費やすのはどうなのだろう。。。

ということで、アニメが盛り上がらないのはしょうがないし、多分、九校戦編もそんなに期待できないな、という感じ。

しかし、こうなると、アニメで横浜騒乱編がどう扱われるのか、のほうが気になる。

ある意味、実は「魔法戦争」と大して変わらないんだよね、というのがバレるだけなのではないか、という気がしてならない。

来訪者編については、改めてちょっと書いてみたいと思ってる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魔法科高校の劣等生 第11話 『九校戦編 IV』

2014-06-15 11:40:42 | さすおに
うーん、全然盛り上がらないね。
誰だよ、九校戦編になったら面白くなるって言ったやつ。

いや、多分、原作はもっと面白いのだろうけど。

それにしても、このブツギリの、いかにも原作の流れをそのまま再現しました!って感じのシーンの連続はないわー。

これ、よっぱどアニメ化スタッフにやる気が無いのだろうな。
というか、モチベーションゼロ?

もっと面白くできると思うのだけど、11話まで来てこれじゃ、ホント、もう処置なしかもね。

原作の方はちょこちょこ読み始めていて、正直なところ、巷で言われるほど面白いとは思わないけど、でも、このアニメよりははるかにマシだと思う。

まあ、前にも書いたけど、この物語の本質は、魔法力を軍事力にした軍事シミュレーション小説にあるから、こんな学生同士の親善試合みたいなものでは、状況としてぬるすぎるんだよね。

多くのキャラが出てきて、それなりに各人、家の都合で抱えるものがあって、その感情的しこりがそれなりに物語を読み進める動機にはしてくれているのだけど、そういう描写はアニメではほとんどないからね。いいかげん、十師族のことくらい、その家間の確執も含めて、もう少し描写すれば、それなりに画面に緊張感が現れるんだろうけど。

まぁ、達也については、ゴルゴ13が高校生やってるようなものだから、学生の間にいても宝の持ち腐れだし。

とはいえ、いきなり彼が所属する魔装大隊が登場しても何のことやら、と思うし。

あとは、まぁ、今回の描写にもあったけど、藤林さん(CV伊藤静)が同じく隊員でも女性だからという理由でさも当然のように、お茶出しをしているところとか、なんていうか、この作品、男女の社会的位置づけが超保守的で、そういうところも軍事っぽい。このあたりは、正直、物語のトーンとして好き嫌いが分かれるところだろうな。

まぁ、期待しないで次回を待つ。

というか、いい加減、クリムゾン・プリンス(ぷぷ!)だっけ、活躍させてやってよ。
つまんないよ、こんなモブキャラたちの競技ばかり映されてもw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魔法科高校の劣等生 第9話 『九校戦編 II』 + 原作読み始めたw

2014-06-02 23:22:36 | さすおに
ここからは面白くなる!と呼声の高い?「九校戦編」の第2話だけど、なんか、相変わらず盛り上がらない。

冒頭の「御曹司!」の連呼には、もう苦笑せざるを得ない。
なんというか、これは、やっぱり、アニメスタッフの原作読み込み不足なんではないかと思ってきた。なんというか、力点を置くべき場所を間違っているんじゃないかと。

あの、飛行魔法式のところ、あんなに尺を使う必要があるのか?

その後の、司馬父+感じ悪い執事、との会話もあんなに尺を使う必要があるのか?

更には、一高代表の壮行会の部分も、あんなに尺を使う必要があるのか?

もっといえば、達也がバスガイドよろしく、点呼のために炎天下立ちっぱなしで真由美を待つシーンとか。。。。

このあたりをもっとコンパクトにテンポよく扱えば、今回で、最後のバスへのテロ場面も部分も次回に持ち越しでなく、今回だけで完結したと思うんだよね。

だから、これは、完全にアニメスタッフ側のミスだよね。

多分、横浜騒乱編(7巻)までをアニメにするって決めたところから逆算して、概ね一つの「編」に7-8話を当てればいい、ってことになったからだと思うのだけど、どうにもテンポが悪すぎ。

これなら、多少詰め込むことになるかもしれないけれど、その後の「来訪者編」までやることにして、それぞれの尺を4話-6話ぐらいにすればよかったんじゃないか、と思う。

というのも、ここまであまりにアニメがつまらなさ過ぎたので、これは原作のせいなのか、アニメ化の翻案のせいなのか、気になったから、原作をちょっと読み始めてみたんだよね。

それも、横浜騒乱編まではアニメでやるっていうから、その後の来訪者編から読み始めたのだけど。

で、これが、結構、普通に面白く読める。

ただ、同時に、この面白さの本質は、いわゆるラノベ的なものではないんだよね。
だから、普通のラノベに見られる、「ハーレム」や「萌え」のテイストで作りなおしてもつまらないにきまっている。『劣等生』の面白さはそこにはないから。

どちらかというと、警察小説や軍事シミュレーション小説に近い。

しかも、その「軍事」の中身については、一高とか三高とか、戦前の旧制高校を出してきてるところからもうかがい知れるように、米中の間で両国の謀略に翻弄される日本、という具合に、科学技術の設定上は2090年代だけど、地政学的にはその二百年前の1890年くらい、つまり日清戦争前くらいの頃の情勢をなぞるような話。

だから、この原作がオンライン小説で受けたというのもよくわかる。なぜなら、多分に愛国的な話でもあるから。実際、物語が進むと、達也の同僚である、真由美や十文字のような十師族のように、それぞれの愛国心に従って、国内でたぬきの騙し合いを行うような場面も増えてくる。だから、この十「師族」というのも旧武家の意味での「士族」と等価なものと考えたほうがよい。

あと、物語が進むと、一科の学生よりも、達也たち二科の学生の活躍が目立ってくるのだけど、それも、結局のところ、一科がエリートであるのは国が定める基準に従ったものでしかなくて、実践では、その「基準」から外れても結果が出せる奴らが結局生き残れる、ということになって、これもまた、今風の、学歴があってニートになるより、学歴はなくてもヤンキー魂で仲間と成功する方がいい、というような風潮にあっている。要するに、一科の学生は「秀才」だけど、ほんとに世の中を変えるのはニ科に集う「異能の、器楽外の、天才たち」だよね、ということ。微妙に入試とかに失敗した人たちの心を救う内容になっている。しかも、ここで「異能」に分類されるものには、古式魔法のような、日本古来の魔法・・・なんてものまで出てきて、要するに「和魂」が大事!なんてことにも繋がりやすい。

なので、単純に中二的設定が好きな連中が支持する物語、というだけでは足りなくて、むしろ、物語を通じて「世界を手中に収める」ような、戦略シミュレーション、ないし、陰謀ものが、好きな人たちにも読ませる内容になっている。

もちろん、魔法設定もしっかりしていて。
この世界の魔法は、一種のプログラミング言語のようにきっちりと体系化されていて、その中で「現実的に実現可能/不可能」が厳格に示されている。このあたりは、ちょっとしたSF並に(似非)科学の中での整合性がとられている。しかも、時折、量子論や余剰次元など、現在の科学論的にも結構もっともらしいことが書かれている。その意味で、SF的でもある。

で、ようやく、高校ハーレムもの、の要素も入ってくる。

なので、この物語は、実は読者のための間口がものすごく広いつくりになっている。

にも関わらず、アニメの方は、いわゆるラノベアニメのテンプレートに則って、無理矢理、ハーレムもの、あるいは、テロ陰謀もの、の鋳型にはめようとしてして、原作の守備範囲を著しく狭めてしまっている。

原作については、一通り読んだら、改めて感想を書こうかな、とは思うけど、基本的にはこんな感じ。

達也の無駄に高いスペックも、高校が舞台だと全く無用の長物。戦略シミュレーションという状況に置かれて初めて生きてくる設定。

日常生活ではせいぜい、深雪の警護に有用なくらい。にもかかわらず、、萌えやハーレムを強調して映像にしようとするから、恐ろしくつまらなくなる。

その意味では、確かに「入学編」に無駄に時間を割きすぎ。
あれは、もっとコンパクトに3話ぐらいにまとめて、そこで余った尺を使って、達也の裏の顔や、達也/深雪の過去話を断片的に示せば随分と見え方が変わったろうに。

もっとも、ラノベのアニメ化って、基本的には原作を売るための宣伝材料だから、むしろ、原作を読まないとわからないくらいでちょうどいいのかもしれないけれど。

それでも、同じ監督でホライゾンはきちんと見れるものであったのに、「劣等生」はどうにもちぐはぐなものになっているのはやっぱり、どうかと思う。

察するに、ホライゾンの場合は、原作がバカの3乗くらい長――――い物語なので、嫌でも、アニメ化にあたって、プロット上どうしても必要な箇所を抽出したり、あるいは前後を縮めて要約したりしないとそもそも尺に収まらないので、大胆なカットができて、物語のスリム化(と同時に、その範囲での物語の整合性の再調整)ができたのだと思うけど、「劣等生」の場合は、そうするには、ちょっと半端だった、ってことなのだろうな。

でも、ホライゾンの成功のことを思えば、2クールなら、達也たちが高1であるときに起こった「来訪者編」までをアニメ化の範囲におさめて、冗長なところを思い切ってカットすれば、もっとアニメ単体でも面白いものになったように思う。

ということで、頼みの九校編、次回からの盛り上がりに一応は期待したい。

ただまぁ、CVの割り振りも含めて、ちょっとキャラに頼った物語になってしまっているようにも思えて、実際には、ここから盛り返すのは難しいんじゃないかな。

ホント、入学編、長すぎたよ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする