BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

神のみぞ知るセカイ FLAG189 『初めて恋をした記憶』

2012-05-30 20:17:46 | 神のみ
想像してた以上に、いい終わり方だった。
いろいろと含みはあるという点でね。

見た目は、ちひろと桂馬にとってのバッドエンド。
これは、フラグが云々というゲーム内世界の現実投影がデフォルトのこのお話の中にあって、突然、リアルが貫入してきた、ということ。
もっとも、桂馬の気持ちはいまだ良くわからずだけどね。

それから、ちひろに、女神の天使が見えていること。
このことは、もしかしたら新章の展開につながるものなのかもしれない。
なんたって、この学校には、そもそも女神の秘密が埋められているはずだし。
ちひろの潜在的な力からなのか(ホントは女神に準じるものをもっているとか)、あるいは、女神が皆集まったから見れたのか(ちひろに対する感謝から、とか)、はたまた、この学校がもつ場所のもつポテンシャルが与えたビジョンなのか・・・

なんにせよ、天使の羽が見えてしまったことでは、ちひろは、多分、桂馬が必死になってやっていたことをようやく理解できてしまっただろうし。その、頑張ったな、桂木、という言葉を、彼女は彼女で、この後、どこかで桂馬に伝える機会もあるかもしれないし。

なんだろうね、桂馬の理解者、というポジション。いわゆる「港」のポジション。
彼女自身は、直接、悪魔や天使の関わる騒動に桂馬と加わることはないけれど、
しかし、その理解者として側面から支える立ち位置。

これはこれで、この物語の幅を大きく広げたと思うのだよね。

だから、何らかの形で今後、引っ張りそうな気がする。

桂馬に対するヒロインポジションというのは、結局、女神がみな目覚めたことで、一律のポジションのはずだから。それは歩美ですらそうだと思うので。それとは異なる流れで、ちひろにもチャンスが生まれそうな気はする。

もちろん、それは、今回、その大貢献にも拘わらず、ちょい見せでおわったハクアを含めてのことだけど。

それにしても、ヴィンテージの顛末を、この女神編の大団円から外したのは、やっぱりうまかったな。

結果的に、ちひろを中心に、かのんを含め、女神らがみなステージに集まって終わり、という形にできたのだから。

ある意味で、この終わり方、というか中締めの仕方は、美しすぎるくらい。

幸い、今回で本編も終了、ってことはとりあえずなかったから、それらヴィンテージに関わる話、旧悪魔、新悪魔、とかそれら世界設定に関わる話は、ヤル気があれば、新章でやればいいし。

ずっとダンディズムを気取ってきた桂馬も、今回の描写で、攻略的な作った=嘘のやり取りではなく、本心を吐露することもある、ことがわかったからで。
繰り返しになるけど、今回の引きでは、桂馬のちひろに対する本心はわからないままだし。

今後の展開は、桂馬の周りの話と、悪魔の世界の話が、今までとは違う意味を持ちながら動き始めることができる。

そのための条件を作るための話が、この女神編だったとすると、美しすぎる。

文字通り、次回からステージが上がるわけでw

しばらく落穂ひろい的なバカ話をしつつw、新たな展開に入っていくといいな。

いやー、それにしても、ヴィンテージ対女神の対決場面をさらっとこなしたのは英断だね。

そんなバトルの話なんて、後でいくらでも回想としても描けるわけだし。
それよりも、桂馬の周辺、しかも、ちひろの心理で終えたのは、ホント、上手い。
さすがはラブコメのサンデー!ってことかw
よくわかってらっしゃるw

さて、新章、楽しみだな。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神のみぞ知るセカイ FLAG188 『It's All Right』

2012-05-24 00:35:53 | 神のみ
女神編の大団円一話前・・・
といっても、今回、10倍速ぐらいで大方は決着がついているので、
次回は、落穂ひろい的エピローグと、新章へのバトン、って感じなんだろうな。

実は、女神編の途中からしか読んでないので、あまり全体像はわからないのだけど、この数ヶ月の、ちひろ+歩美のダブル攻略編に入ってから、とにかく展開が面白かった。

で、多分、このダブル攻略はまだ引っ張るように思える。
簡単に言うと、桂木的なリアル本命?は6:4でちひろに傾いている、って感じ。

桂木は、常に「攻略」というゲーム、というか、演じることを自分の美学にして振舞ってきたし、しかも、今回は、女神の攻略を進めないことには危機を回避できない。つまり、二重の意味で、「攻略の鬼w」に徹しなければならなかった。

ただ、それは二重に自分を「偽る」ことになるため、本人もだんだん途中で自分のしていることが果たして自分にとってどんな意味を持つのか、だんだんわからなくなってきていたのだと思う。それが前回の、歩美攻略の最後の最後での狼狽ぶり、ということで。

この作品の面白さは、一種のライヤーゲームになっているところなわけだけど、それが、単なる攻略編から、女神編に入ったところで、攻略にさらに疑心暗鬼な部分が出てきて面白くなった。とりわけ、ちひろ+歩美のダブル攻略は、二人のどちらか、という、設定からして擬似的な三角関係が導入されていたから。そういう意味で、このちひろ+歩美編は面白かった。文字通りのコン・ゲームで。

物語的には、ヴィンテージとの最終決戦のようなものも期待されていたようには思うけれど、それはばっさり切って、次回完結、という流れはいいと思う。良くも悪くも桂木の役割は女神を蘇らせるところまで、ということで。

作品世界については、ハクアの物語とか、書き始めたら止まらない話ばかりだから、それらは必要でなければ前に出さない、という判断がされたようでいい。あくまでも、基本は桂木視点ということで。

というか、本人が「何かになりきる=本心を偽る」タイプの物語は、マンガでやると、作者視点と主人公視点が混在して、ちょっとややこしい。見た目は違うけど、戯言シリーズや嘘つきみーちゃん、と構造的には変わらないから。

背景情報の方を物語としてひとり歩きさせると、桂木については、表面的な行動や発言の描写だけでなく、彼の内面の声=本音も記さなくてはならなくなって、さすがにこれは辛いものになるはず。そして、彼の内面を描くようになると、彼の本心がどこにあるかも記さなくてはならない。今回であれば、で、桂木自身は、ちひろと歩美とどちらのほうが気になるのか、ということも、記さないでいられなくなる。しかし、それではこの物語の面白さが消えてしまう。桂木の、はたからみるとちょっとお馬鹿な感じのするダンディズムもどきも消えてしまう。

そういう意味で、女神の戦いのように、桂木が現場にいない話にだらだらと時間をさくようなことをしなくて正解だと思う。それはそれで、文字通り、ハクアたちのスピンオフででもやればいい。少なくとも、これはハクア視点の物語です、という風にちゃんと前もって記すぐらいでないと。

もっとも、だからこそ、単なる攻略編の時はエルシイはいられたわけで。逆に、エルシィがずっとほされていたのは、彼女の天然ツッコミ(ボケ?)で桂木に言葉を投げたら、桂木は大なり小なり彼の内面を吐露しない訳にはいかない。でも、それはうっとおしい。しかし、そうなるとエルシイはずっとだまらせておくしかない。しかし、それは不自然だ。であれば、彼女がしばらく退場するような仕掛けを入れよう・・・というようなことが配慮されていたように思う。

とはいえ、桂木の本心は、どこにあったんだろうね。

ところで、次回、女神編完結によって、本編自体も完結?という見方もあるようだけど、そうなのか?この数ヶ月読んだだけなので、そのあたりの事情は全くわからないけど、これももしかして終わり?でも、確かに、桂木視点にこだわって、彼を今の彼のままにしておくなら、ここで物語終了でもいいのかも。逆に、これから先を、ハクアたちや女神たちの動きも加味して始めると、多分、桂木は成長しなくちゃいけなくなる。それが、この作品にとってプラスなのかマイナスなのかは、微妙なところだと思う。

ということで、とりあえずは来週待ち、ってことでw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魔法先生ネギま! 第38巻 感想

2012-05-20 02:30:16 | UQH/ネギま!
いや、驚いた、まさか、ホントに38巻のエンディングが平行世界の一つでしかない、というのには。もちろん、「一旦終了」というところにも。

ということで、連載が終了した時に書いたエントリーの通りってことだよね。

魔法先生ネギま! 355時間目 再開予想

遠からず、平行世界の別の話が、多分、週刊誌とは別の媒体で、リスタートする、ということになる。

連載時の最終二話は、実はそのような平行世界の物語のサンプルの一つとしてさしだされていた、ということで。それは、この38巻での扱いを見ればわかる。
だから、あの連載の最終回は、一種のお花畑エンドとでも思っておけばいい。

まぁ、作者自身書いているとおり、伏線を全部回収しようとしたら100巻まで必要になる、というのは、確かに納得がいくことなので、とりあえず、一旦幕引きをした、ということ。

とはいえ、連載時に「堂々完結!」とうたっておきながら、最終巻の扉でこれは「一旦終了」であり、いずれ「復活する」と、いわば舌の根も乾かないうちに書いてしまうのはどうなのだろう。

まぁ、37巻の扉でも、ネギとナギの決着は・・・、と煽っておきながら、結局、本編ではそれを描かずに終わったわけだから、38巻の扉の内容についても、話半分で聞いておくべきなのだろう。

ただ、「メディアミックスも一通り終了し・・・」というのを作者が書いてしまうのはどうなのだろう。いや、プロデュース業務も作家の業務の範囲内というのはわかるけれど、そういうのは言わずが花、って感じがするかな。もっとも、そう自分で断らずにはいられないくらい、もしかしたら出版社との間もギクシャクしてしまってるのかもしれないけれど。

なんか、そういうのは厳しい。

ともあれ、38巻に戻ると、内容としてはもちろん連載時に読んでいるから、特段に目新しいことはないのだけど、とはいえ、まとまって読んでみると、あと、既に最終回の内容を知ってから読むと、ちょっと感じは変わってくる。さらに、「一端終了で」「再開あり」という情報も知ってしまってから読むとなると、少なくとも、連載時のように最終回に不満たらたら、ということにはならない。

この終わり方となるよう、実質的な最終回である卒業式回に向けて、ネギと明日菜の話でうまくまとめている。ネギの想い人はわからないままだったけど、この卒業式最終回までの流れは、明らかに、ネギと明日菜の物語として終えている。

で、細かいことだけど、そういう「恋」とは違う深い繋がりの関係のあり方については、実は、千雨が、茶々丸とのやり取りを通じて、さらっと指摘している。

「好きっていっても色々あんだろ、全部そっちに結びつけるなよ」

ってくだりがそれ。

そういうつながりが明日菜とネギとの間にもあった、ということで。

だから、これはこれで一つの終わり方としては理解できる。

つまり、ネギの元祖パートナーとして、中盤までの物語の牽引役を努めてきた明日菜に対する、ご褒美、というか、功労賞のような形で、最後に花をもたせた形。

結局、明日菜は、魔法世界編以後は、ヒロインの座を他のクラスメイトに譲ってしまっていた。ほとんどフェイトに幽閉されていたわけだし。ネギのパワーアップや成長にはほとんど寄与してないから。

裏返すと、連載の終わり方がいまいちだと思ったのもそういうところに原因がある。もはや明日菜は物語の中心にはいないのにも拘わらず、明日菜の話で無理矢理物語を閉じようとしてしまったから。だから、とても無難な終わり方になってしまった。というか、魔法世界編以後本編を動かしてきた物語の流れと隔絶したまま、なんというか、ネギと明日菜の姉弟物語になってしまった。

そりゃ、不完全燃焼で、伏線丸投げ状態の終わり方になっても仕方ないよね。

明日菜はもう物語を動かすキャラではなく、物語世界の秘密の一つになってしまったわけだから。背景のひとつであって、変数ではなく定数になってしまったわけだから。

そういう意味では、魔法世界編の最後の段階で、造物主=ナギまで出してしまったのが勇み足だったんだろうな。まぁ、連載が終わることが確定していたのだから、あそこでナギを出すしか他に出す場所がなかったんだろうけど。

でも、あそこでナギを出さずにいれば、囚われの明日菜姫をネギが救い出して、という、いわゆるお姫様救出物語で終わって、そのネギと明日菜の繋がりを軸に最終回を迎える、というのでも様になったのだろうけど。

しかし、そういう姫の救出物語にはもはや魔法世界編の終盤はなってなかったし。
大体、みんなで明日菜の救出に向かってたわけだし。

しかも、もともと、明日菜がネギを守るために、ネギを魔法世界に単独では行かせずに、いわば従者としてついていっていたわけだから、最後の局面で、一応、彼女がネギを助けにやって来る、という構図にもなってしまって。

・・・って、こう考えると、魔法世界編の最後のあたりは、もう物語として破綻していたってことだよね。

それも、実は38巻の中で千雨が指摘していて、もともと、麻帆良学園という日常に戻ってくるために、明日菜らクラスメイトの面々はネギとともに魔法世界に行ったはずなのに、帰ってきたら、ネギは結局日常に戻れなくなってしまって、しかも、その帰れない方向に明日菜まで(巻き添えにして)連れて行ってしまう、という、当初の目論見から全くかけ離れた結末になってしまったわけで。この点は、ザジも「少年冒険譚の失敗例」と指摘しているわけで。

ホント、物語として破綻している。

やっぱり、順を追って、伏線をひとつずつ潰していくしかなかった。

けれども、連載の終了は決定事項であり、しかし、実は、それは一旦終了ってことに過ぎないので、むしろ、ネギま世界を後でリスタートするのに必要なネタを、いまさらながら伏線として仕込まない訳にはいかない・・・、ってことだったのだと思う。

だから、やっぱり、36巻のナギが登場したところから、物語としては破綻していた。

まぁ、これはひとえにキャラが多すぎて収拾がつかなくなった、ってことに終始する話なんだろうけどね。

だから、ネギま!はとりあえず志は高かったかもしれないけれど、途中で息切れして失敗作として終わってしまった作品として位置づけるのが適切だと思う。

リスタートはもちろん楽しみではあるのだけど、しかし、よほど密度を高めて一歩ずつ話を進めていかない限り、やっぱり物語としては収拾がつかないと思う。

そのあたりを考えずに始めると、島耕作のごとく、あるいはファイブスターだっけ?のように、だらだらとした一体何の話だったのか、分からないような、ただ、作者と(一部の)ファンの間の慰撫のようなものにしかならないんじゃないか。

ということで、一旦終了も、復活も、それがあったらいいなー、というぐらいで留めるのが最善のように感じる。作者もファンもともに年をとるわけで。ネギま!の連載だって9年もかかったわけだから。これをあと二回繰り返すのはあまりいい話ではないよ、やはり。

もっとも、作者がそれをライフワークにする、というのなら、それはそれでありだろう。昔、石ノ森章太郎が009を、手塚治虫が火の鳥を、それぞれライフワークにした例はあるわけだから。しかし、そこまでの物語の厚みをネギま!がもっているかどうか、というとさすがに疑問に思わずにはいられない。だから、あくまでもリップサービスとして捉えておきたい。

一度は、堂々完結といったのだから、異なる次回作の方こそを期待したい。
いいじゃん、失敗作でも。
途中は少なくとも十分面白かったわけだから。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクセル・ワールド 第7話 『Restoration;修復』

2012-05-20 01:04:22 | SAO/AW
今回もよかった。
というか、10巻の短編の内容を時系列に合わせてうまく話にしていて。
しかも、タクがどうして黒雪姫をマスターと呼ぶようになったのかも自然に見えるように補完されていて。

カレンさん(アクア・カレント)も適度にいろいろな謎掛け(エレメンツとか、記憶消去の心意業とか)を残していったし。このあたりも、10巻の短編を読むときに前提に鳴っていた9巻までで明かされたブレイン・バーストのシステムの秘密などには言及せずに、だからといってそれを知らなくても一通り意味は通じるように、うまくお話になっていた。

さすがは花田十輝さんだね。器用だなぁ。

とはいえ、カレンさんは、このあと、よっぼど原作改変の、ないしは、オリジナルのky九品でもない限り、本編では出てこないのだけど。やっぱり、もったいない。
2クールだと、多分、4巻か5巻までで終わるだろうから、この先原作で14巻ぐらいまでの間に再登場してくれないことには、第二期があっても出番はなし、ってことになる。
いろいろと謎の多いキャラだから、早く本編にも絡んできて欲しいところ。

あとは、タクだよね。転校、ネガ・ネビュラス入り、黒雪姫への忠誠、と、原作では軽く流されていたのをちゃんと補ってくれたのは、本当によかった。

ということで、来週から2巻のクロム・ディザスターの話へ。
これはテンポよく進めてほしいな。
で、3巻以降の、スカイレイカーの登場に期待。
まぁ、13話以降なんだろうけど。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクセル・ワールド 第6話  『Retribution;応報』

2012-05-12 16:05:18 | SAO/AW

うん、いいね。今回は非常にいい。

原作の流れで行くと、基本的に1巻から2巻の間のエピソードにあたる10巻の短編にあたるのだけど、それだけではなく幾つかオリジナル?で補完されていて、妙に納得。

引きも今回は絶妙で、ちょっといつもと違うなと思ったら、脚本が花田十輝さんだったのね。これも納得。この人は、お話のテンポの、緩急が上手いから。

今回はほんとうにいいと思ったのは、実は原作を初めて読んだ時、1巻と2巻の間にはなんかギャップがあると強く感じていたから。

最も違和感があった箇所はタクが青の軍団を抜けて、ハルや黒雪姫のネガ・ネビュラスに移籍したこと。いや、これどう考えても、この間まで相当なズルをして、黒雪姫のポイントを狙い、ハルと対戦までした奴を仲間として迎えるのに、「いや、あいつは親友ですから」の一言で片付けるのは無理があると感じたし、そもそもタクはどうしてそこまで自分を変えたのか、というのがわからなかった。

それは、今回の原作になった10巻の短編を読んでも実はわからなくて。

もっとも、若干、この先のネタバレに近いけど、ハルとタクの間の確執は、この先、物語が進んでいく中で一度噴出することになるわけで、そのことがあると、10巻の短編でタクの描写を行う必要は確かになくなるんだよね。タクがどういう思いでネガ・ネビュラスに移ったか、そのあたりの感情はこの先の確執である程度吐露されるから。

けれども、今回のように、時系列にそって、1巻と2巻の間のエピソードを補完しようと思うと、ハルだけの話では足りなくて、やはりタクの話をある程度明らかにしておかないと、この先のネガ・ネビュラスの結束が嘘っぽく見えてしまう。

・・・てなこともあって、タクの移籍に関するエピソードの補完が行われた回だった(正確には次回と2話で補填されるわけだ)。

で、その補完の仕方もうまかった。

そう、すっかり忘れていたけど、ハルとタクの関係修繕もさることながら、そもそも黒雪姫とタクの間の主従関係の確立もちゃんと描いておかないと、絶対この先、タクの行動を理解しながら物語を見ることができない。ということで、最後の黒雪姫とタクのセッション、ということになるのだろう。

いやー、よく考えてるなぁ。上手い!
疑問に感じていたことを綺麗に整理してくれた。

でも、これはきっと、アクセル・・ワールドを映像化するにあたっては、物語をハルだけのものにしない、と考えてのことなのだろうな、と思う。

原作を読んでいるだけなら、基本的にはハル視点で追いかければいいからそれほど気にならないことでも、実際に映像にすると、ハル以外のキャラについても、行動原理というか、行動パタンをちゃんと描かないと、話の進行がギクシャクする。

チウの描写もそのためなのだろうな。

あと、どうして若宮恵が、キャストの発表も含めて早期にフィーチャーされているのだろうと疑問に思っていたけど、彼女の役割は、むしろ、黒雪姫の心情吐露の相手役ってことで。ここも上手い。彼女も10巻までは大した位置づけのないモブの一人ぐらいに思っていたけど。

ちなみに、10巻では彼女が鍵をにぎる短編もあるわけだけど、これも時系列にそって挟み込んでくるのかな。だとするとさらに物語の幅が広がることになる。

多分、いろいろと人物描写でおかしいなと作者も思っていたことが10巻の短篇集で後付ながら補填されたのだろうと思う。そういう意味では、10巻を読んでから、2巻以後を読むとまたちょっと違った読み方ができるのかもしれない。

で、アニメの方は、その10巻の補完がされた世界がこの先続くということになる。

となると、基本的には原作に忠実なわけだけど、細部の強調を通じてオリジナル的な展開も挟まれていくことになるのだろう。いやー、いいね。

で、その筆頭がいうまでもなくアクア・カレントの6話にしての登場。彼女?の登場で、旧ネガ・ネビュラスの存在や、彼女を含むエレメンツの話も先見せされるのだろうし。
これは楽しみ。(そういえばフーコのCVは遠藤綾さんに決まったようで。イメージ通りw)

正直なところ、相変わらずハルのうじうじしたところはいただけないのだけどw、しかし、その分、周りのキャラを早期からしっかり描こうとしていて良い感じ。

となると、8話以降の、赤の王の話にも期待大。

いやー、いい感じの展開になってきたの嬉しい。
しかも、これ2クールなんだよね。
原作をいい意味で映像的に解釈して物語にしているのはとても好感がもてる。
次回、そして、次々回がとても待ち遠しいw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これはゾンビですか? OF THE DEAD 第6話 『ちゃうねん、勝てててん』

2012-05-10 17:27:25 | Weblog
これゾンOTDも面白くなってきた。
実はついこの間まで、原作があるなんてしらかったんだけど、
これについては、一期も二期も、原作を知らなくても楽しめる。

「なんちゅーのかなー、ペーソスがあるっちゅーのー?」 (クリス風w)

ナンセンスとシリアスが絶妙のコンボなんだけど、それに加えて、二期はラブコメ成分も増量されたように思える。その分、幅が広がったというのか。

普通に考えると、バユムのハーレム物語のはずなんだけど、徹底的にいじられるから、そういう印象がない。それに、二期からは、トモノリとサラスも絡んでくるようになったわだけど、そのおかげで、ハーレムっぽくても、家ではなく、舞台が学校を含む、家の外になるので、妙に湿っぽくなくなるのもいい。

(ただ、その分、セラとユーが出る場面が減ってしまうわけだけど、そこは、まぁ、いろいろとてこいれしているし)。

二期の1話を一期の1話の反復で始めるケースはよくあることだけど、その定番をここまでうまくつないできたと思う。その点で、構成的にも面白い。
もしも、一期で魔装少女という正体がバレたままだったら。。。?なんてことも想像できるわけで。

で、ようやくミストルティン先生が復活し、よくわからないけどハルナも復活。
皆の記憶を消した?のにも拘わらず、すぐさま女装や校内での変身をしなくちゃいけないところは、いや、いい意味で不幸が「無限ループ」で笑える。

正直、今ひとつ、これゾン世界の登場人物たちの属する陣営の関係はよくわからないので、この先、どうなるのか想像できないのだけど、しかし、いい意味で、シリアスの方に次回以降もつれこみながら、お話が加速していくような感じがする。

なんていうのかな、この話は緩急の付け方がうまいよね。
それでちょっとホロッとさせたりするところがうまい。
まぁ、2話、4話の展開には笑えたけどねw

ということで安定して笑わせてくれることに期待。
いや、ホント、どこをとっても上手い、いい話だよ、これゾンはw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクセル・ワールド 第5話 『Aviation;飛翔』

2012-05-06 16:15:07 | SAO/AW
もうブリキライターのせいで全て台無しじゃないか!w
自重しろよ、作者w

ということで、とりあえず第1巻分が終了したんだけど、やっぱりちょっと無理があったかな。いや、ブリキライターのKYな解説を除いても。

前にも書いたように、アバターはブレインバーストの中ではその人自身なんだよね。それがあのリアル顔を被せる演出だと台無し。

ブレインバーストの世界での「もう一人の自分」をきっちり引き受けるうちに、その受け止め方がリアルの自分の方にも流れこんで、結果的に彼らは成長することになるわけだから、そこにリアル顔を挟むのは全くの矛盾。

前に黒雪姫が説明したように、アバターの形態は、それぞれのバーストリンカーのトラウマの形象化となるので、簡単に言うと、自分の中の暗黒面と向き合うのがブレインバースト世界の、デュエルバトルとは別の意味での「戦い」のはずで。そこが全く伝わってこない。これは原作の表現としては致命的だと思う。

今回、黒雪姫がさらっと言っていたけど、彼女のアバターであるブラックロータスは「人と手を取り合うこともできない」、なぜなら、ブラックロータスには手がなく、その代わりに両手(だけでなく両足も)が刃になっている。それが彼女のトラウマの形象化。で、彼女はこの姿そのものに大変なコンプレックスをもっている。

(ハルユキではなく)シルバークローが完全飛行型になったのも、リアルの彼の卑屈さがあればこその結果で。だから、いろいろな意味でブレインバーストの世界はリアルの世界が反転した世界で、それだからこそ、ハルはタクを凌駕することができる。

もちろん、話が進むうちにだんだん、そうした仕組みの裏を書くような、いわゆる裏ワザも出てくるし、そもそもそのようなトラウマを形象化するような仕組みがどうしてできたのか、という話に触れられていくわけだけど。

だから、そういう、この物語の「負」の部分が今のままの映像描写だと伝わってこない。

もっとも、もしかしたら、そういう影の部分は意図的に消して映像化してるのかもしれないけれど。でも、ここは残念。その負の部分があればこそ、この物語の中での事件やセリフは意味をもってくるので。

そういう負の要素をちゃんとはめて行かないと、今回でいえば、ハルの飛行型への覚醒や、黒雪姫のブラックロータスとしての姿の暴露、タクのコンプレックスとか、の場面で、彼らがそれぞれ言ってるセリフが伝わらない。ただ、なんかぐだぐだと自分語りっぽいセリフを吐いているようにしか見えない。正直、今回のハルの独白はうざかったので。

でも、そういうのが原作を読む範囲ではそれほど気にならなかったりする。

多分、読んでる最中は、ハルの場合であれば、リアルのチビデブの姿とシルバークローの姿の使い分けに苦労する、ハルの心?のようなものがセリフをしゃべっているように見えるからだと思うのだけど。

このギャップは最後まで続くんだろうなぁ。

といっても、その致命的な描写の問題を除けば、結構いい感じで1巻を消化したと思う。
(ブリキライターにはもう完全退場願いたいけどw)

次回は、いきなりアクア・カレントの姿があったので、ちょっと原作とは異なる展開になりそうで。むしろ、そういうオリジナル?展開のところでうまく補ってほしいかな。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクセル・ワールド 第4話 『Declaration;告白』

2012-05-03 17:14:43 | SAO/AW
気がついたら5話がもう来てしまうから、今のうちに。

いや、4話は良かった。特に終盤の病院シーンになってからの畳み掛けるような演出はイイ!
文字通り、ハルユキが寝ずの番をしているところが騎士だしね。
夜が明けて、病院の中が動き始めてきたところに、今回の仇敵となるタクが現れてくる場面。あそこは、互いに「バーストリンク!」と叫ぶところが、ガンマンどおしの早打ちのようにすら見えてくる。
それに、病院の普通の風景の中で、彼ら二人だけが、別フィールドで対峙する、というのもいいね。周りが完全に平穏な空気を漂わせている分、二人の動きのコントラストも効いてくるし。

ハルユキの、あの毛布をまとっている姿は、確かに999の星野鉄郎、しかもマンガ版の方に似ている。このあたりの雰囲気の作りこみは映像にしたからこそ、という感じでとてもいい。だからこそ、ガンマン風でもあるw

映像にした良さという点では、フィジカルフルバーストの描写は、ああ、こうなるのか、と妙に納得。

原作を読んだ時は、この事故の場面は、物語も終盤に差し掛かっていて、あまり気にかけず読み飛ばしてしまったのだけど、なるほど、こんな動きになるのか、という感じ。

というか、そもそも、アバターの世界に入った時点で、リアルの自分の映像もその中に写り込んでいるというのがちょっと違和感があったのだけど、フィジカルフルバーストを描こうとすると確かに、視覚映像的には、本人とアバターが両方ないとおかしいことにはなる。なので納得。

とはいえ、このあたりの描写は冷静に考えると、ん? と思うところは多い。

本人とわからせるために、時々リアルの顔が画面に挿入されることがあるけど、それだと、なんだかアバターがバトルスーツを着ているように見えてしまって、ブレインバーストの世界ってそれでいいのか?とは思うのだよね。

つまり、リアル本人(外見)、アバター(外見)、両者を操作する本人の意志、と三つのレイヤーからなるはずだけど、最後の本人の意志、を映像で表現すると、リアルな自分の顔になってしまうのはしょうがないのだろうけど。

ただ、原作を読んでいた時は、アバター自体が本人と思っていたので(なので、コブタアバターがシルバークロウに変身するような描写があったのは納得だったけど)、いわゆる「中の人」的にリアル顔がかぶるのはどうも疑問なんだよね。それじゃ、ペルソナじゃん、ってことで。

原作を読み進めば進めるほど、シルバークロウをはじめとしたアバターは、その人自身であると理解しないとおかしい描写が多いので、この、何か着ぐるみを着ているような描写の仕方は後で矛盾してくる、というか、表現として原作で企図しているものを裏切るような感じがする。

同じ作者のソードアート・オンラインの場合だと、サイバーワールドでのアバターは本人に酷似した姿に基本的に設定される。基本的には生身の姿の映像版。だから同一のアイデンティティが保たれている。

それと同じようにブレインワールドの、一見するとパワードスーツのような外見のアバターに対しても当てはめないといけないはずなんだけど。でないと、「どうしてこんな姿になったのか?」というプレイヤーたちの自己嫌悪が伝わらないはずだから。

細かいことだけど、このあたりの描写は、この先、大事なところだと思う。

黒雪姫にしても、自身のアバターを激しく嫌っているわけだけど、パワードスーツ+中の人的な描写では、その理由が映像を見るだけでは伝わらないはずだから。

まぁ、どのアバターも口元が動かないようにできているから、絵にすると動かしにくくて、だから、リアル顔を挿入してしまうと思うのだけどね。

たとえば、シルバークロウのあの仮面の下にハルユキの顔や頭があるように想像させてはブレインワールドの描写としては失敗だと思う。つまり、ブレインワールドの世界では、ハルユキは、目も鼻も耳も口もない、のっぺらぼうの存在となっている、という風に見てる側に理解させないといけないはずで。

でないと、この先、ブレインワールドがハルユキたちに強いる過酷さが伝わらないと思う。

そして、その過酷さが伝わらないと、黒雪姫がどうしてハルユキに惹かれたのか、もわからないはずだから。

一つネタバレになるけど、ブレインワールドの世界には、一種の「時の精神の間」的な世界があって、そこでは限りないほどの時間を過ごすことができる。

だから、ブレインワールドのプレイヤーは古参であればあるほど、精神的には数十年、数百年を過ごしたことになってしまう(なっといっても体感の1000倍の速度の世界だから。7年が7000年になってしまう)。しかも、その世界にいる時は、あのアバターの姿こそが自分の姿になる。そして、それだけの時間を過ごしてしまえば、精神的には皆、中年や老年の域にまで達してしまう。

そうした経験があったからこそ、黒雪姫はハルユキの本質に恋した、ということになるわけで。

多分、このあたりがしっくりこないと、彼女がどうしてチビデブに惚れているのか、とかわからないはずなんだよね。

そういう、精神と身体のアンバランスが巻き込む悲喜劇の存在(の可能性)が、このアクセルワールドという作品の醍醐味なはずなんだけど。それが今のままだと映像では多分伝わらない。なんとかして欲しいところだなぁ。

ともあれ、次回が原作1巻の終盤なので、ここで一つの節目になるから楽しみ。

そして、6話以降で、原作とは違って、アクア・カレントが登場し、黒雪姫らの過去についても言及されていく感じかな。

しかし、このペースで行くと、1クールが終わるあたりで2巻が終了だろうから、2クールでやるのは4巻まで、もしくは、少しまいて5巻までかな。で、二期?を通じてまるまる災禍の鎧編に行く?というペースだろうか。あー、となると、綸は当然として、ういもまだ出てこないことになるのか。。。

うーん、災禍の鎧編こそじっくり見たいのだけどねー。
5巻までは、いわば長い序章のようなものなので。。。

そういう意味では、切りの良い5巻まで何とか一期でいってほしいところw

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする