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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア13 感想: 黒竜討伐に向けて『学区』を通じてオラリオの外を描く新章がキックオフ!

2023-02-16 11:13:44 | ダンまち
前の12巻から実に3年半ぶりの13巻。

本編の方も2年ぶりに出た18巻で、ようやくフレイヤ様のベルくんに対する執念にもひとまず決着がつき、刻一刻と「黒竜討伐」に向けて、オラリオの外にベルくんたちが旅立つときが近づいてきた。

いや、もちろん、まだダンジョンの最下層の攻略、という悲願は残っているのだけど。

でも、この黒竜討伐とダンジョン攻略はきっと裏表の事業となるのだろうから、今後も並行して進んでいくはず。

となると、そろそろオラリオの外の世界の描写も必要な頃合いで、この外伝18巻はいろいろな意味で「新章開始」を告げるものだった!

もっとも、本編あとがきにあった『学区』編が、さきに外伝の方で始まるとは思っていなかったけどw

ということで、とりあえずスペース、空けときます!


にしても、はいむらきよたかがイラストを描いていることもあるのだけど、『学区』の話は、もう『禁書目録』の学園都市にしか思えなかったw









































で、最初に表紙のイラストを見たときは、このショートヘアの娘は誰?とマジで思った。

後でも触れるけど、はいむらきよたかがイラストを担当しているから、どうしても『禁書目録』のことが思い浮かんでしまって、あちらは多くの場合、表紙に使い捨てのその巻限りの新キャラを表紙イラストに使ってくるので、なんだ、『ダンまち』もそれかぁ、どういう新キャラだよ?って思っていたのだが。

まさか、髪を切ったレフィーヤだとは思わなかったよw

素朴にびっくりしてしまった。

でも、12巻のラストにあった彼女の慟哭を思い出せば、あー、そりゃ、これくらい心境の変化があってもおかしくないかー、と思ったのだった。

で、その時点で、なるほど、今回は、奈落の底に落とされたレフィーヤが這い上がっくる物語なのね?と察しがついた。

実際、そういう展開だっだし。

本編のほとんどで、え、この毅然としたエルフ、誰?と思うくらい、レフィーヤが大人な対応をしていて、あの常にアイズに泣きつきながら、その傍らでベルのことをひたすらディスっていて、大人げない女子はどこに行った? これもうキャラ崩壊じゃん、まんまキャラチェンジじゃん!と思ってしまったから。

でもその分、『ソード・オラトリア』のくせに面白かったw

全編をレフィーヤの話に特化した結果、非常に読みやすかったんだよねw

流れはこんな感じ。

レフィーヤは、11巻12巻のエニュオとの戦いで、怪人であったエルフの友人(恋人?)のフィルヴィスを自らの手で倒して(殺して)しまい、その結果、傷心と自責の念で二重に苦しみ、自分自身を潰しにかかっていた。

絶望にどっぷり浸かってしまった。

そして、どうせ自分が壊れるくらいなら、この身をフィルヴィスに捧げて、彼女のように魔法戦士になろう、それですべて丸く収まるはずと自分自身に思い込ませた。

そんな風に考えた結果、レフィーヤは髪をバッサリとショートにし、形からフィルヴィスのように自身を変えようとしていった。

ベートに頼んで、魔法戦士として前衛が務まるよう、近接戦闘の稽古を付けてもらったのもその一環。

そうした鬼気迫るレフィーヤの振る舞いに危険を感じたロキが、だったら、と送り込んだのが、レフィーヤの母校である『学区』だった。

『学区』で一時的にインストラクターを務めることになったレフィーヤは、かつての自分の姿を彷彿とさせる後輩たちとのやり取りの中で、とりわけ、今までの「教わる側」から「教える側」へと立場を変えることで、自らの足跡を振り返り、そこから、フィルヴィスの闇(といってもレフィーヤ自身の思い込みから生じたものだが)を振り払い、崩壊しかけていたアイデンティティを取り戻し、とはいえ、以前と比べて一皮むけたレフィーヤとして成長を遂げてロキ・ファミリアに帰還した。

・・・というのが、今回の話の流れだった。


見ての通り、最初から最後までレフィーヤに焦点を当てた話であり、それもあって、いつもの『ソード・オラトリア』よりも遥かに読みやすかった。

それに、こう言ってはなんだけど、ようやくレフィーヤというキャラに親しみを覚えてもいいかなと思えてきた。

これまでのレフィーヤは、無口なアイズの代わりに外伝を引っ張る進行役でしかなくて、その分、口やかましいただの小娘キャラだったので、単純にウザい奴、くらいにしか思ってなかったんだよね。

むしろ、なんでこんなにベルくんにつっかかってくるのかも理解できなかったし、なに、勝手にベルくんの好敵手みたいに思っているわけ、くらいにしか思ってなかった。

そもそも本編にはリューとエイナがいて、もうエルフ枠は埋まっているだよ!と思っていた。

それもあって、レフィーヤって要らない子だとずっと思っていたんだよね。

それが、外伝でエニュオの話になったあたりから、フィルヴィスとのからみから、だんだん確かに物語の展開に大きく絡むキャラになってきて、でもウザさは変わらなかったので、正直困ったなぁ、と思っていた。

なので、今回の『学区』のレフィーヤ編は、彼女に対する、そういう不満というか、不完全燃焼な印象を塗り替えるにはちょうどよかった。

まぁ、きっと作者もそう思ったから、外見的にイメチェンを図り、加えて『学区』にいかせて口調も変えることで、「新・レフィーヤ・爆誕!」ってことにしたかったのだろうけど。

で、その試みはうまく行ったと思う。

むしろ、あー、これは、本編の『学区』編を通じて、またベルくんが「口説き落とす」相手のひとりになるのだろうなぁ、とまで思ったりw

実際、本巻でも、最後にベルくんと再会し、変わらず罵倒していたわけで。

もう、完全に、気になる子に思わずつっかかる女子だよねw

イラストのつながりからすれば、上条当麻を「あんた」呼ばわりで詰り続けながら陰で恋心に悶える御坂美琴と全く同じ構図。

きっと美琴同様、レフィーヤもベルくんにデレちゃう時が来るんだろうなw

ていうか、絶対チョロイン枠だよねw

・・・ということも含めて、レフィーヤの位置付けを変えるのに成功したエピソードだったと思う。


もちろん、本巻がいつもの『ソード・オラトリア』と違って面白かったのは、個々のところ続いたオラリオのための政治劇とその解決のための集団戦闘・・・のような大味の物語ではなかったことも大きい。

レフィーヤが面倒と見た第七小隊の学生たちを通じて、本編の初期にあった、駆け出しの冒険者(予備軍)が冒険にでかけて格上のモンスターと対決し危機に陥る、というシンプルな構成に戻ったから。

それくらい小さな事件のほうが読みやすいのは確かだし、そもそも、作者は集団戦の描写が恐ろしく下手なので、ひとつのパーティでひとつの敵と戦うくらいがちょうどいい。


なので、『学区』に戻ってレフィーヤが「原点回帰」で自分を見つめ直しただけでなく、物語自体も、ベルくんがひとりでダンジョンに潜っていたころに「原点回帰」したこともよかった。

これで、これ以後の物語が、本当に「新章」であることがはっきりしたから。

要するに、レフィーヤにとってのフィルヴィスを巡る顛末は、ベルくんにとっての異端者のエピソードと同じだった、ってこと。

ゼノス編を通じて、ベルくんは、愚者であることを選び、偽善者であることを甘受する決意し、そこから精神的にも成長し、単なる「勇者」とは違う「英雄」への道を歩み始めたわけだから。

そもそも、あの事件でフィンですら「勇者」として小さくまとまるのをやめ「英雄」の道をやはり歩もうと心変わりしたくらいだから。

そういう精神的な成長イベントのレフィーヤ版が本巻だったってこと。


そして、このレフィーヤの変身イベントに合わせて『学区』を紹介したのはよかったね。

てか、この船が、当代の「アルゴノゥト」の旗艦になるんだよね?きっと!

『学区』の紹介を経て、物語の舞台をオラリオの外に向かわせるときの舞台。

だから、ベルくんが一足先に『学区』に潜り込んで、一騒動、起こしてた!ってことにもなる。

そのベル君の騒動は本編19巻で描かれるみたいだけどねw

気になるのは、レフィーヤの恩師でもある、レベル7で「ナイト・オブ・ナイト」の二つ名をもつレオン・ヴァーデンベルクがベルくんのことを気にかけていたこと。

そのあたりは本編19巻で明らかにされるのだろうけど。

でも、この「ナイト・オブ・ナイト」って、「キング・オブ・キング」みたいな二つ名だけど、きっと「ナイト」といっても「騎士」と「夜・闇」の組み合わせなんだろうな、と思ったりw

でも、エニュオ編のディオニュソスのことがあるから、この手のイケメン男性キャラは信用ならないんだよねーw

そのあたりも本編19巻でおいおい明らかにされるのだろうけどw


ともあれ、レフィーヤも、きっとベルくんに救われる「年上」の女の子、になるのだろうなw

もうそれは確定事項で、下手をすると、ヘスティア・ファミリアにコンバートもあるのかも、と思ってきたw

だって、ヘスティア・ファミリアの魔法師はてっきりリューさんがなると思っていたのだけど、本編18巻の感じだと、あのまま「豊穣の女主人」に残って、シル=フレイヤの親友兼お目付け役になりそうだからw

まぁ、レフィーヤがベルくんに近づいたら、リューさんもさすがに怒り出しそうだけどw

でも、どちらも基本はポンコツエルフだからなぁ。

ともにスペックが激高なだけにポンコツ度が際立つのがイタイw

でも、実際、レフィーヤが、リューさんみたいな魔法剣士になると、前衛も後衛もできるので、魔導士不在のヘスティア・ファミリアにとっても都合がいいはずで。

ベルくんは、基本、近接戦闘のアタッカーだから前衛だと思うのだけど、でも『ソード・オラトリア』の13巻でもあったように、大鐘楼のチャージを含めて、ベルくんの最終奥義は、ゼロ距離から魔法大砲をおみまいするような役だから、そのときだけは魔導士のようにいったん後衛に下がる必要がある。

そのときに前衛にあがって、魔導士から魔法剣士にスイッチできるレフィーヤの存在は大きい。

きっと、同じ魔法剣士のリューさんと組んで。ベルくんを守る役をするのだろうな。

ふたりとも並行詠唱ができるのが強い。

となると、今回のエピソードはあれだな、黒竜討伐の最終章で、完全に闇落ちしたアイズを救うために、ベルくんとタッグが組める相手になるためのレフィーヤの修行の始まりだった、ってことだな。

なんか今からその時が楽しみになってきたw

それにしても、アイズの出番がなさすぎw

いくら黒竜討伐のラスト・ヒロインだからといって、本編まで含めてどんどん存在感が薄くなってきてない?

もはやリューさんもレベル6だし、遠からずベルくん関連の騒動で、リューVSアイズの第3戦が繰り広げられそうだしねw

ともあれ、いい感じに外伝が機能し始めてきたのはいいことだw

来月の外伝14巻は、フィンたちの過去話らしいけど、ここまでくると主要キャラのバックストーリーを予めさばいて置くことは大事なので、それも楽しみ。

で、それで連続刊行も終わるかと思っていたら、実は6ヶ月連続ではなく12ヶ月連続ということなのだけど、あと何を出すのだろうw

特典小説のまとめが2冊は確定しているらしいけど。

もしかした、最後に本編19巻もでるのかね?

でも外伝13巻での『学区』の熱があるうちにベルくんの『学区』潜入編も出してしまった方がいいだろうから、9月あたり本編19巻がでてくれると嬉しいw

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転生王女と天才令嬢の魔法革命 第7話 『開祖と助手の魔学講演』 感想

2023-02-16 01:53:01 | 転天
アニスのまわりをユフィとティルティが固める、その結束の「尊さw」が表現された回。

まぁ、前半には、レイニのヴァンパイアバレもあったわけだけど。

いい感じでアニス派が結束されてきているのはいい感じ。

これでこの後、アルの鼻をへし折ってやればいいのだろうけど。

でもそれは簡単じゃないんだろうなぁ。

それにしても、ユフィが魔法の天才であることは、さすがに魔法省の人たちにとっては常識だった、ってことか。

アニスが言ってもダメだけど、ユフィが言ったらおじさんたちが皆、納得する、というのも何だけどw

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陰の実力者になりたくて! 第20話 『魔人降臨』 感想: 結局、シド/シャドウのもつスタイリッシュな美学は無視された表現のままで終わってしまった。残念

2023-02-16 01:49:00 | シャドウガーデン
なんか思ってたのとはだいぶ違ったけど、最後は派手にぶち上げて終わった感じ。

でも、まさにその「派手」なところが、うーん、そうか???、ってなったところだけどね。

まぁ、最後にシャドウ自身に、ちょっと目立ちすぎたか、って言わせてるから、アニメの制作陣はわかってて、派手な方に振ったのだろうけど。

でも、やっぱりこれじゃぁ、「陰の実力者」じゃなくて、ただの「魔人」だよね。

全然、スタイリッシュじゃない。

加えて、表の舞台でシャドウと知り合った人間がことごとくヤンデレ化していくのもちょっと違うなぁ、と思った。

アイリスが完全にキチガイになっていたし、シェリーも「シャドウ殺すガール」になっていたし。

なんだろうなぁ、原作もコミックもこのあたり、もう少しそういうドロドロした感情は「隠して」いて、状況から「推して知るべし」って感じで表現していたと思うんだよね。

つまり、前回の感想でも触れたと思うけど、アニメの表現には、シド/シャドウが一応は持っているスタイリッシュな「美学」がスポッと抜け落ちてしまっている。

正確に言えば、周りから見たらこの一線は越えないと思わせる何かが一応シャドウにはあって、そのシャドウに対する、いい意味での誤解が、七陰以下シャドウガーデンをシャドウに対する信奉の下で結束させているのだけど。

そういう誤解を含めてのシド/シャドウの美学の空気を描けなかったのは、成功とはいいがたいんじゃないかな。

シドからすれば、ただ「シャドウガーデンごっこ」をしているだけなのだけど、彼がそのごっこで衒いもなく示す厨二病的なゴシック趣味に根ざした美学が、その実、七陰と、あとアレクシアあたりにはむしろ崇高な、自分たちも目指すべきものに見えてしまった、というのが大事だったはずなのだけどね。

ベータの文学や、イプシロンのピアノがその典型で。

ガンマも、なんとかシャドウに応えたいから、自分が示せる最大限の貢献ということで、商才という才能を磨いたわけで。

でも、それって要するに、商人が芸術家に貢ぐのと同じ発想のはずなんだよ。

ついでにいえば、ベアトリクスとアンネローゼには、シャドウの武を極める美学には感じ入るところがあったようだったし、ローズ先輩もそのひとりだったはず。

そういう、シドには全然その気がないのに、周りが勝手に彼の中に凄いものを見出すからこそ、成立している、コメディとシリアスが微妙な塩梅で組み合わさった物語。

それがこの作品の、もともとの面白さだと思うのだよね。

それなのに、アニメでは、シドと関わった表の人たちの多くが鬼畜に堕ちていく話にしてしまった。

だから、やっぱりちょっと違うなぁ、素直にこの路線で2期は期待したくないなぁ、と思わせる一方、でも無法都市編とか、確かに見てみたいよなぁ、と結構、困った気にさせる。

もう少し品のいい表現でやってくれればよかったんだけどな。

とにかく、女性剣士たちの怒り顔がみんな同じキツネ顔のキチガイ顔だったのだけはどうにもダメだった。

多分あの顔が最後まで生理的に受け付けられなかった。

結局のところ、キャラデザと作監のテイストが全然合わなかったってことなんだけどさ。

とにかく女性キャラがみんなヒステリックでキツイ感じに描かれていたのがどうにもダメだった。

目をクワっと明けてキチガイ笑いするところなんて、誰がやっても同じだったからねw

単調にも程があるw

最終回ではシャドウですらそうだった。

シャドウとアイリスが同じキチガイ顔するかよ?って思わない? いや、マジで?


そういう意味では、以後、あまり関わってこないベアトリクスやアンネローゼとかは鬼畜落ちしないで終わらせたくれたのだけはほっとした。

ということで、なんとも微妙な感想。

原作もコミックもそれぞれ面白いのに、どうしてこうなった?ってのが総評。

その意味では、『チェンソーマン』と同じ不満だった。

シドに加えて、アルファにベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンの芝居はどれも良かっただけに、ホント、微妙に残念。

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