CNNが、「英チャールズ国王、COP28で演説 世界は「危険な未知の領域」へ」と報じた。
チャールズ国王は1日、ドバイで開催中のCOP28冒頭演説を行い、気候危機の警鐘となる兆候が見過ごされていると述べ、世界は生活と生計に重大な影響を及ぼす「危険な未知の領域」に向かっているとの認識を示した。「COP28が真の変革に向けた重要な転換点になるよう心から」祈っていると表明し、さらに「いくつか重要な進展はあったものの、我々が依然として恐ろしく軌道を外れていることに大きな懸念を覚える」とし、「我々は自然界を均衡の取れた規範や制限から逸脱させ、危険な未知の領域に導いている」と指摘した。と言う。
また、カナダの前例ない山火事シーズンや、パキスタンやバングラデシュで多くの死者を出した洪水、東アフリカでの壊滅的な干ばつ被害などを挙げ、「世界の希望」は今回の会合での決定にかかっていると訴え、気候危機に対処して再生可能エネルギーを急ピッチで増やすため、官民の投資増額などの施策を呼び掛けた。
「地球は我々のものではない。我々が地球のものなのだ」と言い添えた。と言うのである。
チャールズ国王が気候変動に関する重要演説を行うのは昨年の就任後初めて。チャールズ国王は当時のトラス英首相から反対され、昨年エジプトで開かれたCOP27には出席しなかった。CNNの当時の理解では、王室と政府はCOPが国王として最初の外遊の場にふさわしくないとの認識で一致した。と言うのだが、皇太子時代から、チャールズ3世が、地球温暖化にきわめて強い危機意識を持つなど、環境問題に対して、並々ならぬ知見と高邁な理想を持っていることは衆知の事実で、これまでに、かなり強烈な警告発言を行ってきている。
もう40年近く前になるが、
ロンドンのシティで、私が、大きな都市開発プロジェクトを立ち上げた丁度その時、金融ビッグバンでシティが急開発に沸きに沸いた頃で、シティ・コーポレーションが、晩餐会を開催し、チャールズ皇太子をゲスト・スピーカーとして招待した。
その時、私は、シティのお歴々と会場のエントランスで、4人の一人として並んで皇太子をお出迎えした。
シティでの開発プロジェクトについて少しご説明申し上げたが、「アーキテクトですか。」と聞かれた事だけは覚えているが、何を説明したのか何を言われたのか全く何も覚えていない。
この時の握手した手の感触と、少し後に、別なレセプションで同じ様にダイアナ妃をお迎えした時の彼女の柔らかい手の感触だけはかすかに覚えている。
問題は、この時のチャールズ皇太子のスピーチの内容で、激しい口調で、当時ビックバンに湧くシティの乱開発について批判し、当時のシティの都市景観は、ナチスの空爆によって破壊された戦後のシティのスカイラインよりも遥かに酷いもので、「Rape of Britain」 だと糾弾したのである。
チャールズ皇太子のシティのイメージは、丁度セント・ポール寺院が軍艦のように洋上に浮かんでいるシティなのだが、既に周りの色々な高層ビルが寺院を威圧してしまっていた。
それに、悪いことに、イギリスの開発許可は、個々のプロジェクト毎に認可されるので、そのデザインについては統一性がなく、各個区々なので都市景観の統一性がないために、パリのように都市そのものの纏まりがなくて美観に欠ける。
その後、BBCが、チャールズ皇太子のこの見解に沿った特別番組を放映し、チャールズ皇太子がテームズ川を行く船上から、「あの建物はパソコンみたいで景観を害する・・・」等々問題の建築物を一つ一つ批判したのである。同時に、「A VISION OF BRITAIN A Personal View of Architecture」1989.9.8が出版されたので、チャールズ皇太子の一石が、英国建築界とシティ開発などに大きな波紋を投げかけて大論争になった。
我がプロジェクトのファイナンシャル・タイムズ本社ビルの再開発も、買収直後に重要文化財に指定され、重度の保存建造物となったので、より以上に素晴らしい価値あるビルを再開発する以外に道はないと腹を括って、英国のトップ・アーキテクトを総てインタヴューしてまわってプランを固め、シティや政府関係当局、環境保護団体や学者、ジャーナリスト等の説得など大変な日々を過ごし、皇太子の了解も取得した。
その後、もう一度、景観保護団体の集会があり、チャールズ皇太子を先頭にシティの古い街並みを歩きながら勉強する会があったので参加した。
この時は、後のレセプションで、お付きの人が呼びに来たので、チャールズ皇太子と5分ぐらいお話しすることが出来た。
丁度、日本への訪日前だったので、興味を持たれて色々聞かれたが、日本の経済や会社の経営については非常に評価しているので勉強したいと言われていた。
さて、チャールズ皇太子時代に、ご自分のコーンウォール公領で、環境に負荷をかけずに長く続けられる”持続可能な(Sustainable)”農業を様々な形で試みていることは有名な話で、現代の都市の乱開発を嫌い、古き良き時代の心地よい田園生活をこよなく愛している。道楽ではなく、徹頭徹尾の環境保護主義者であり古き良き英国を再現したいと思っていることは間違いない。
高度な識見と高邁な思想を持った傑出した君主であることは折り紙付きである。
これは、私自身の独断と偏見だが、君主は政治的発言を控えるべきだと言うことだが、チャールズ3世国王以外に、環境問題に関して、高邁かつ現実的な地球環境を死守すべき檄を飛ばせる英邁なトップリーダーは見出し得ない。
宇宙船地球号は、環境破壊の深刻化が高じて殆ど時間切れで、瀕死の状態で死地を彷徨っていると言っても過言ではなかろう。
ウクライナ戦争やパレスティナ戦争など現下の人知を超えた愚かさの極みよりも、もっと恐ろしいのは、依って立つ我が地球が足下から燃えているこの現実。
チャールズ国王の箴言を、地球人として、心すべきだと思っている。
チャールズ国王は1日、ドバイで開催中のCOP28冒頭演説を行い、気候危機の警鐘となる兆候が見過ごされていると述べ、世界は生活と生計に重大な影響を及ぼす「危険な未知の領域」に向かっているとの認識を示した。「COP28が真の変革に向けた重要な転換点になるよう心から」祈っていると表明し、さらに「いくつか重要な進展はあったものの、我々が依然として恐ろしく軌道を外れていることに大きな懸念を覚える」とし、「我々は自然界を均衡の取れた規範や制限から逸脱させ、危険な未知の領域に導いている」と指摘した。と言う。
また、カナダの前例ない山火事シーズンや、パキスタンやバングラデシュで多くの死者を出した洪水、東アフリカでの壊滅的な干ばつ被害などを挙げ、「世界の希望」は今回の会合での決定にかかっていると訴え、気候危機に対処して再生可能エネルギーを急ピッチで増やすため、官民の投資増額などの施策を呼び掛けた。
「地球は我々のものではない。我々が地球のものなのだ」と言い添えた。と言うのである。
チャールズ国王が気候変動に関する重要演説を行うのは昨年の就任後初めて。チャールズ国王は当時のトラス英首相から反対され、昨年エジプトで開かれたCOP27には出席しなかった。CNNの当時の理解では、王室と政府はCOPが国王として最初の外遊の場にふさわしくないとの認識で一致した。と言うのだが、皇太子時代から、チャールズ3世が、地球温暖化にきわめて強い危機意識を持つなど、環境問題に対して、並々ならぬ知見と高邁な理想を持っていることは衆知の事実で、これまでに、かなり強烈な警告発言を行ってきている。
もう40年近く前になるが、
ロンドンのシティで、私が、大きな都市開発プロジェクトを立ち上げた丁度その時、金融ビッグバンでシティが急開発に沸きに沸いた頃で、シティ・コーポレーションが、晩餐会を開催し、チャールズ皇太子をゲスト・スピーカーとして招待した。
その時、私は、シティのお歴々と会場のエントランスで、4人の一人として並んで皇太子をお出迎えした。
シティでの開発プロジェクトについて少しご説明申し上げたが、「アーキテクトですか。」と聞かれた事だけは覚えているが、何を説明したのか何を言われたのか全く何も覚えていない。
この時の握手した手の感触と、少し後に、別なレセプションで同じ様にダイアナ妃をお迎えした時の彼女の柔らかい手の感触だけはかすかに覚えている。
問題は、この時のチャールズ皇太子のスピーチの内容で、激しい口調で、当時ビックバンに湧くシティの乱開発について批判し、当時のシティの都市景観は、ナチスの空爆によって破壊された戦後のシティのスカイラインよりも遥かに酷いもので、「Rape of Britain」 だと糾弾したのである。
チャールズ皇太子のシティのイメージは、丁度セント・ポール寺院が軍艦のように洋上に浮かんでいるシティなのだが、既に周りの色々な高層ビルが寺院を威圧してしまっていた。
それに、悪いことに、イギリスの開発許可は、個々のプロジェクト毎に認可されるので、そのデザインについては統一性がなく、各個区々なので都市景観の統一性がないために、パリのように都市そのものの纏まりがなくて美観に欠ける。
その後、BBCが、チャールズ皇太子のこの見解に沿った特別番組を放映し、チャールズ皇太子がテームズ川を行く船上から、「あの建物はパソコンみたいで景観を害する・・・」等々問題の建築物を一つ一つ批判したのである。同時に、「A VISION OF BRITAIN A Personal View of Architecture」1989.9.8が出版されたので、チャールズ皇太子の一石が、英国建築界とシティ開発などに大きな波紋を投げかけて大論争になった。
我がプロジェクトのファイナンシャル・タイムズ本社ビルの再開発も、買収直後に重要文化財に指定され、重度の保存建造物となったので、より以上に素晴らしい価値あるビルを再開発する以外に道はないと腹を括って、英国のトップ・アーキテクトを総てインタヴューしてまわってプランを固め、シティや政府関係当局、環境保護団体や学者、ジャーナリスト等の説得など大変な日々を過ごし、皇太子の了解も取得した。
その後、もう一度、景観保護団体の集会があり、チャールズ皇太子を先頭にシティの古い街並みを歩きながら勉強する会があったので参加した。
この時は、後のレセプションで、お付きの人が呼びに来たので、チャールズ皇太子と5分ぐらいお話しすることが出来た。
丁度、日本への訪日前だったので、興味を持たれて色々聞かれたが、日本の経済や会社の経営については非常に評価しているので勉強したいと言われていた。
さて、チャールズ皇太子時代に、ご自分のコーンウォール公領で、環境に負荷をかけずに長く続けられる”持続可能な(Sustainable)”農業を様々な形で試みていることは有名な話で、現代の都市の乱開発を嫌い、古き良き時代の心地よい田園生活をこよなく愛している。道楽ではなく、徹頭徹尾の環境保護主義者であり古き良き英国を再現したいと思っていることは間違いない。
高度な識見と高邁な思想を持った傑出した君主であることは折り紙付きである。
これは、私自身の独断と偏見だが、君主は政治的発言を控えるべきだと言うことだが、チャールズ3世国王以外に、環境問題に関して、高邁かつ現実的な地球環境を死守すべき檄を飛ばせる英邁なトップリーダーは見出し得ない。
宇宙船地球号は、環境破壊の深刻化が高じて殆ど時間切れで、瀕死の状態で死地を彷徨っていると言っても過言ではなかろう。
ウクライナ戦争やパレスティナ戦争など現下の人知を超えた愚かさの極みよりも、もっと恐ろしいのは、依って立つ我が地球が足下から燃えているこの現実。
チャールズ国王の箴言を、地球人として、心すべきだと思っている。