このブログは、全国、全世界の問題意識のある先生方、各地教育委員会の方々、
井上学級の卒業生や現役生、保護者の皆様、思考法や教育に関して研究されている方々、出版新聞各社の皆様方、教育関連企業の皆様方、バレーボール関係の皆様方、私の友人や家族親族を始め、真面目に前向きに教育を考えて下さっている方々を読者対象と考え、情報発信させていただいております。
また、2007年問題にあえぐ教育現場にあって、若手の先生方には教育について学ぶ場として存在しているブログになりつつあります。私は職務上、職場の若手教師育成を全魂を込めて行っているつもりで、ベテランの先生方も皆、同じ意識を持ってくれています。ありがたいことに私の職場の若手教師は素直な心を持っていて、私たちのアドバイスを真っ直ぐに受け止め、素晴らしいスピードで授業力を伸ばしてくれています。
そうした環境にない若手の方々に、少しでも勇気を送ることができればとの思いも込めて、メッセージを送っているつもりです。
教育公務員という立場上、個人情報保護や勤務校にマイナスにならないように配慮をしながら文章を作成しておりますが、辰巳ジャンプバレーボールクラブに関しての情報のみ、“チーム関係者だけ”に分かるような個人を特定できる書き方をすることがたま~にあります。とはいえ、人間が発信している情報ですので、何か問題点に気づかれた方は、遠慮なく井上本人にお申し出下さい。(大会が近いので、あえてこのような話題を書きました。)
さて、
学校教育目標に関する授業の3回目です。授業方法は第2回目の「がんばる子」と同じですが、一歩一歩ステップアップしてもらうことをねらっているので、授業者としての子どもたちへのアプローチを変えました。
1回目は、「考え方」を徹底することをねらいました。そのため、個人で思考する時間を取らず、担任主導で時間をかけて全体指導を行いました。これによって、「みんなの意見を集めると良いことが起きる」と実感してくれれば良かったのです。
2回目は、「個人の思考作業」を深めることをねらいました。たった10分間ですが、「がんばる子」ということについて、自分の頭の中に何があるのかを紙の上に可視化する作業をしてもらったのです。自分の頭の中にあるものを外に出す、いわゆるアウトプットするのはけっこうエネルギーのいる作業であり、慣れている大人でも苦しさを伴うものだと思います。これを箇条書きでやれと言われると、ほとんどの人は30秒間でいったん発想が止まることが多いわけです。
ところが、マインドマップを活用すると多くの子たちが「止まらない発想」を体感することになります。そのため、前回の授業後に振り返った感想に、「自分の考えを出すのは大変だけど、マインドマップを使うとだんだん楽しくなってきた」という内容のものが多かったのです。
3回目。今回のステップアップは「こどもたちの発言に対して、一歩つっこんだ問いかけをする」ということをしました。たとえば、「じょうぶな子になるためには運動することが大事です。」と子どもが発言してくれた時には、「では、どんな運動をしたらいいと思うの?」と追加質問をし、「ランニングがいいと思います。」という次の発言促し、考えをつなげることに意識を向けさせます。
なぜ「つなげる」ということに意識を向けさせるのかというと、脳の最大の機能が「連想」であり「むすびつけ」だからです。この機能が授業中に強化され続けることにより、子どもたちの脳力は向上し、さらには「超プラス思考」の子どもたちに生まれ変わることになります。このことは、過去2年間の卒業生たちの取り組みから、体験的に証明された事実です。
文章が長くなりますが、3回目の「じょうぶな子」について、子どもたちが考えてくれたことを文章化しておきます。
井上学級が考える『じょうぶな子』とは?
1.体について
・いつも健康で風邪をひかないようにする。
・元気な体を作っていく。
2.約束について
・約束を守るとほめられてうれしい。時間を守る習慣をつけると良い。
・ほめられてうれしいと元気になって健康になる。
3.食べることについて
・たくさん食べると力がついてじょうぶになる。
・好き嫌いなく、おいしくご飯を食べていこう。
・栄養を意識して食べると良い。赤や黄色や緑の栄養をとるようにする。
・食べる時には最低30回はかんで食べると良い。
・三食しっかり食べる。特に朝ご飯は欠かさず食べる。
・楽しく食事をすれば胃にも優しいはず。
・魚を食べると頭が良くなる。
・野菜を食べると肌が美しくなる。
4.飲むことについて
・牛乳を飲めば、骨がじょうぶになる。
・水を飲めば体がうるおう。
5.歯について
・歯をしっかりみがけば、虫歯にならない。
・歯といえば「8020運動」を意識することが大事。
6.勉強について
・考えることをがんばれば、100点を取れるようになる。
・勉強をすれば頭がじょうぶになる。
・勉強すれば脳にも刺激を与えられる。
7.運動について
・体力をつければじょうぶな子になる。ランニングをすると良い。
・寒くても外遊びをすれば体はポカポカして、寒さもへっちゃらになる。
・運動をすればたくさん元気になる。
8.生活について
・早く寝れば病気にもならない。
・早寝早起きをすれば勉強をはじめ、何でもスッキリした気分でできる。
・寝不足をしたらダメだ。睡眠時間をしっかりとることがでじょうぶな子になる。
・毎日の生活の中で、手洗いやうがいに注意していれば、風邪になりにくい。
・生活リズムを良くしていくことでじょうぶな子になる。
9.心について
・面白いことを言えば、楽しくて元気になる。
・笑うことで健康になる。面白いことがあれば笑える。
・気合を入れてがんばることも大事だと思う。
・人に優しくしていく心を持てば、友達も増えて気持ちが元気になる。
・何ごとにも負けない情熱を持とう!
今回の授業も、子どもたちにとっては「まだまだ発言したいことがある!」という状態で時間切れになってしまいました。学校教育目標をこれほどまでに考えぬいた子どもたちは、非常にまれであると言わせていただきます。なぜなら、学校の「教師」でさえも、ここまで学校教育目標を考え抜いた人はそれほどいないのではないかと思うからです。現場の教師は忙しすぎて、すでに決まっている学校教育目標について論議するという余裕がなかなか取れませんから。
私の学級の子どもたち、本当によく頑張ってくれています。私のような、まだまだ試行錯誤の状態の未熟な一教師の投げかけに、全力で応えてくれようとしているのですから、私の心には「感謝」の思いがいっぱいなのです。