地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (5) コンテナ貨物大繁盛

2016-09-05 15:00:00 | インドネシアの鉄道


 ブカシ線を堂々と突っ走るコンテナ長大編成!



 長尺コンテナ用 (?) 貨車オンリーの編成も。



 数年前まで超ヘロヘロだった環状東線も重量貨物銀座 (?) に。



 タンジュンプリオクをゆっくりと発車する長大編成。

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 今回のジャカルタ遠征でタンジュンプリオクを久しぶりに訪れ、ジャカルタ・コタからの電車運行復活を楽しんだのもさることながら、もっと驚いたのはコンテナ列車の激増です。タンジュンプリオク駅の脇には、港(パソソ駅)へ通じる線路があり、周知の通り日本からやって来た中古電車は最初にここを通ってインドネシアの電車となりますが、本来は港へ出入りする貨物の通り道となっています。ところが、日本の本州と同じく東西に細長い島であるジャワ島の場合、港から後背地までの距離が短く、輸出入品はトラックで運んだ方がはるかに効率が良いため、長らく貨物列車は廃れていたようです……。
 そんな状況が一変し始めたのは、まさに車が増えすぎたのと、港湾能力をはるかに上回る輸出入の激増によります。かつてはジャカルタ近郊の工場群とタンジュンプリオク港の間で、1台のトラックが毎日2往復することが可能だったようですが、2000年代におけるインドネシア経済の急発展の結果、1~2日に1往復しか出来なくなったとか。それは必然的に、経済の更なる発展における制約要因となるわけで、インドネシア政府は日本政府・企業をはじめ外国との協力を通じ、一刻も早くインフラの苦境を克服したいようです。 
 その一大ブレイクスルーとして期待されるのは、円借款を用いてジャカルタ首都圏の東の外れに新たに建設中の巨大港湾とのことですが、それが完成するまでの一時しのぎとして、ブカシからさらに東に向かったカラワンに通関設備を備えたドライポート(内陸港)を設け、タンジュンプリオクで積み卸しするコンテナをシャトル列車で運ぶようになりました。そこで傍目には、タンジュンプリオク~環状東線~ブカシ線ルートにおいて、少なくとも毎時1本くらいの間隔で長大コンテナ列車を見かけるようになりました (もちろん、その一部はカラワン止まりではなく、他の地域とタンジュンプリオクを結ぶものでしょう)。最新鋭のCC206機関車が大量に新造されたのは、このように日々拡大する貨物輸送にも対応するためだったということで……。また、このように貨物面での営業が功を奏するようになったのも、まさに城南社長時代の遺産であると言えましょう。