地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

相鉄かしわ台の保存車・SL3号とハ24

2016-09-16 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 去る9月3日の相鉄9000系新塗装鉄コレ電撃即売会から早いもので10日以上経ち、今度の旧塗装鉄コレ即売会は塗装の人気度に照らして恐らくもっと人出が増えるのだろうか?と思う今日この頃ですが(私は仕事で参戦出来ないので海老名で買います T_T)、とにかくも即売会が二俣川ではなくかしわ台で開催されたのは本当に良かったなぁ~と思います。相鉄サイドから見た即売会かしわ台開催の最大の理由は、二俣川駅周辺の再開発でしょうが、非リア充キモヲタの立場から見ますと、通常は「親子見学会」「鉄子専用見学会」といった理由により、こっそりと工場内立ち入りの機会から排除され続けて来たという悔しさがありますので、とりあえず正門周辺だけでも中に入れて下さったのはとにかく嬉しい♪のひとことです。 
 そして、即売会場となった工場建屋の奥に、検査入場中の9000系がズラリと並んでいたのもさることながら、正門脇の神中鉄道SL&客車を激写出来たのは本当に素晴らしいひとときでした。こんなこともあろうかと思い、カメラを持参しておいて良かったです (^O^)。



 このうち、SL3号(1949年に売却→鉄道車両工業と今日の福島臨海鉄道を経て1967年に里帰り) も素晴らしい貴重品であるとは思いますが、個人的に激しく垂涎したのはやはり……客車ハ24!
 この車両は、神中鉄道の開通時に用意された二軸客車であり、その後戦中~戦後混乱期にかけて相鉄→東急厚木線→相鉄と目まぐるしく社名が移ろい (東急へは営業委託)、砂利を運ぶ田舎列車から都市近郊の電鉄へと変わり始める中、ついに御用済みとなった結果 (ロクサンを手に入れたのでボロい客車を手放すようGHQや運輸省から指導されたのでしょうか?)、1949年に三岐鉄道、さらに59年には今はなき兵庫の別府鉄道に引き取られ、1984年2月の廃止まで現役であったという、なかなか凄みのある車歴の持ち主です。しかも、別府鉄道では末期まで混合列車が設定されていたため、この車両はまさに「主力」として日々ゴロゴロと走っていたとか。嗚呼!別府鉄道廃止のタイミングからして、18きっぷで乗りに行こうと思えば行けたにもかかわらず、半鋼製釣掛式電車しか眼中にない中坊であったばかりに、現役シーンを逃したとは遺憾の限りです。とはいえ、相鉄自身がこの車両の価値に目を付けて買い戻し、今やこうして美しい姿を保ち、ついに鉄コレ購入にかこつけて車内にも入ることが出来たのですから、その幸運を喜ぶに限るでしょう。
 ちなみにこれらの車両は、私が係員氏に「SLと客車を撮っても良いか」と訊いて快諾を得るまで、誰も見向きもしない状態でした。そこで私は「イェ~イ!」とばかりに速攻で、車両の周りに誰もいない光景を激写し始めたのですが、すると、どこからともなくワラワラと他のヲタ氏や家族連れが……。やがて、車内撮影は順番待ちとなりました (苦笑)。皆さん……まさか「誰も撮っていない車両は面白みがなく、誰かが撮っている車両は自分も撮っておかないと勿体ない」という程度の心得で、このSLと客車の存在を初めて知ったのではないでせうね?!


 惚れ惚れとするような工芸品的世界……(*^^*)。