2000年代半ばに東急田園都市線では5000系が増備され、そのあおりで東武直通非対応○K編成の幕車であった8607・8610Fが廃車となり、インドネシアに渡ったものですが、8606Fのみ田園都市線に踏みとどまり、8590系ともども幕車の灯を守り続けて来たのは周知の通りです。しかし2020系の増備により、一足早く8590系は廃車となって先頭のみ富山に移り、最後に孤軍奮闘していた8606Fも、本日先ほどついに恩田に廃車回送されたとのことです。
何故8606Fが他の初期編成と比べて圧倒的に長く田都で走ったのか、正確な理由は知る由もありませんが、車内が更新された車両が多かったことに加えて、何と言っても東急がJAL問題の尻ぬぐいで5000系の増備を断念したことによるものが大きいのでしょう。そんな偶然とともに走り続けた8606Fも、ついに来たるべき時が来たということで、まずは静かなる引退に万感の拍手を送りたいと思います。そして、仕事の都合や在宅勤務化のため、最後の日々を記録するということはしていませんが、既に結構撮りましたのでまあ良いとして、むしろ検査期限切れを前にして残された許容走行距離稼いでおくためでしょうか、今年に入ってから終日運用に入る機会も多く、何度か当たって走行音を楽しんだのは良い思い出となりました。
今後果たして譲渡・解体のどちらに進むのかは分かりませんが(少なくとも中間車の多くは解体?)、車内はキレイだけにどこかの地方私鉄に行かないものかと思う反面、製造後40数年となっていますので難しいのかも知れないと思うのも事実です。とりあえずは静観しつつ動向をネットでチェックしたいと思います。