地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

福島乗物記2019春 (2) JRE701系

2019-04-01 04:52:00 | JR発足後の車両


本日11時30分の新元号発表を以て、約30年4ヶ月に及んだ平成の幕を引く1ヶ月がスタートすることになりますが、そこで鉄道という観点から平成という時代を振り返るとき、一大印象として思い浮かぶのは……やっぱ「走るんです」な電車の時代だということになりましょう。「価格半分、寿命半分」というキャッチフレーズの下で901系が走り始めて以来、確かにチープな印象の車体と内装にトホホ感を募らせるばかりでしたから……。もっとも、実際には寿命はもっと長いことが明らかになるにつれ、内装もそれなりのものとなり、電装品も交換されることになった結果、素人目には結局結構金はかかっているのではないかと思われますので、なおさら余りにもハリボテ感漂う車体 (特に内装) は止めて頂きたかったところです。このチープ感が所謂「失われた20年」と重なることにより、平成鉄道史をイマイチ冴えないものにした……と思うのは私だけではありますまい。209系はさておき、E217とE231、お前のことだ! (苦笑)



しかしそんな中にあって、701系は何故か次第に憎めなくなっていったのは、何とも不思議なことです。周知の通り、701系は東北におけるラッシュアワーや機動的な列車運用に適合しない客車列車を駆逐するため、「走るんです」史の早い段階で大量に増備され、多くの客車列車愛好派から怨嗟の対象となったものですし、一般利用客からも大幅な座席減で一時相当の批判が出たものと側聞します。それでもJREとしては、東北でも急速に道路が整備されて行く時代にあって、ローカル輸送の主眼はあくまで県庁所在地周辺におけるラッシュ輸送と通学生輸送にあると割り切ったことが、一時の力技による701系大量投入につながったとしか言いようがなく、現にそのようになっていますので、これもまた致し方なかったのかも知れません。
とはいえ701系は、登場当初から、車内の木目柄化粧板やら、安定した凄まじい爆走ぶりやら、他の「走るんです」とは一味違うヤツだな……と思えたのも事実です。そして今や、ヘロヘロ気味な側面や、中央貫通扉も付いた前面を見ていると、103系や105系に通じる何かを感じなくもないという……。否、単に私の感覚がおかしいだけなのかもしれませんが、平成の約30年間という時間の流れが、そんな感覚の変化に与っていたのかも知れません。
というわけで、先月奥州街道を歩いた際、1泊した福島で撮影した701系の画像です。東北線のうち白石以南は701系の比率が高いと思われますが、今回の街道の旅ではE721に当たったこともあり、それを幸いと見るべきか、それとも701系の爆走を楽しめず悲しいと見るべきか……?
しかしまぁ、かつて中坊の頃、福島まで18きっぷで往復し、福島駅にて停車中の旧客の形式写真を嬉々として撮りまくったのも、遠い昔の話となりました……。昭和は2つ前の元号になるのか。私も哀しい昭和ヲヤジです。乱筆失礼。

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