地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

富山地鉄から消えた日車南瓜ロマンスカー

2014-03-06 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 富山地鉄では17480形の導入が順調に経過していることに加え、そもそも増結クハによる3連運用が朝の上滝線を除いて消滅してしまったためか、日車ロマンスカー軍団の一員であるクハ174が今月限りで廃車となるはこびとなり、来る9日にはヲタ限定1dayフォトラン貸切列車が運行されるほか、月末にも臨電やら稲荷町撮影会 (参加費500円) やらが用意されているようです。9日フォトラン参加者のみ、稲荷町でも特別な位置での撮影を許可……とは、何だか商売が上手いな~と思う反面、9日は最初から行けないという人は悔し涙を飲むしかないというわけで、些かビミョーなものを感じるのは私だけでしょうか。
 そんな富山地鉄の日車ロマンスカー、一足先にひっそりと、既に放置状態となって久しかった南瓜色10023F・14721Fが稲荷町から姿を消してしまったようですので、稲荷町で朽ちつつあった姿をアップすることで備忘録としたいと思います。



 かつて富山地鉄はもとより、北陸鉄道や長野電鉄など地方私鉄に新風を巻き起こした日車ロマンスカーは、敗戦直後の暗い時代から完全に脱してこれから東京五輪へと向かって行くという日の出の勢いを地方私鉄の沿線にも及ぼすという絶大な存在感を持っていたように思います(同時代たる昭和30年代は、未だ親から細胞分裂もしていなかったもので、あくまで推測です ^^;)。しかし……東京五輪から早いもので約半世紀、7年後に決まった次の東京五輪を待つまでもなく、これら日車ロマンスカーは約半世紀の電車の天寿に達してしまったということなのでしょう。
 1枚目の10023Fは部品取りとなって久しく、2枚目のクハ171は、相棒のモハ14721が豪雪の立山線末端部で立ちはだかる積雪との悪戦苦闘の末に尽き果てて出火……(右側に僅かに14721の先頭部が見えますが、車体の大部分はブルーシートをかけられた状態でした)。そして今や、火災の事後調査が全て終了したことで、証拠物品としての意味も失った14721+171は上市に送られ、すっかり部品置き場と化していた10023Fも、昨年11月の富山地鉄まつりで展示 (工場と上りホームのあいだに留置) されたのを最後に消えてしまいました。去る1月に17480形+雪景色目当てで訪れた際には、影も形もなし……。まぁこれもまた、登場から約半世紀を経て致し方なし、ということでしょうか。

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