先日神保町の書泉に行った際、ふと眼に飛び込んできたトーマスクックのヨーロッパ鉄道時刻表の最新号……今すぐ欧州旅行を計画しているわけでもないのに、いつもお世話になっている「ぱれっと」様の東欧鉄遠征記を日々楽しみにしていることもあり、最近の東欧エリアの長距離列車網はどうなっているのだろうか?と思いまして手に取ったところ、ななんと何と!いつの間にか非欧州を網羅するOverseas Timetableの機能の一部もEuropean Timetableに掲載されているではありませんか!(^O^) 都内の大手洋書店でのOverseas Timetableの扱いがなくなって久しく、個人的に英国も12年前に訪れたきりですので (汗)、内容そのものは到底最新の時刻をフォローしているとは言えないものの、各国における主要な特急・急行列車の運行形態を大まかに知るのに極めて便利な内容がこうしてEuropean Timetableに載っているというのは嬉しい話です♪ もっとも、その分だけOveseas Timetableの存在が、諸外国における鉄道の凋落やネットの発達によって揺らいでいることを示しているのかも知れませんが……(-_-;)。
というわけで、問答無用でゲットした後、神保町駅ですぐにやって来た8614F「伊豆のなつ」に揺られつつ、まずはアジア諸国の主要列車をチェックしてみたところ、ベトナムについては如何せん全国ひっくるめても極めて列車の数が少ないため、ハノイ近郊の区間列車やハロン線列車を除く全ての列車が掲載されていました (笑)。そこで、しばらく間が開いてしまったベトナムシリーズ、今回は中越国際輸送の一端を辛うじて担っている北京西~ハノイ「直通」列車の牽引機として抜擢されている赤い罐・D12Eをアップしてみましょう。
如何にも東欧的で計画経済的な雰囲気が漂って来るこのDL、案の定チェコ製ということのようですが、性能的に安定し使いやすいためか、ベトナム国鉄の画像をネットで見ていると結構出演回数が多いような気がします。恐らくは、1990年代に中国製のドイモイ型 (D19E) が大挙入線するまで、ベトナム国鉄の最有力車種だったのでしょう。その栄光は未だ失われていないようで、ハノイ以北の区間ではラオカイ線の夜行豪華寝台列車(高原の避暑地へ向かう外国人観光客を乗せるため、複数の旅行会社が独自に車両を用意して連結……今回は乗っても撮ってもいないのですが ^^;)に登用されている模様であるほか、上述の通り中越国際列車「M1/2」(中国側の列車番号はT5/6)の本務機となっています。
もっとも、北京西~ハノイ間の国際列車といっても、現実には客車がそのまま直通するのは不可能となっています。中国側の標準軌・25m級客車は、標準軌が尽きるザーラム駅からロンビエン橋を渡ってハノイ駅までの区間に入線出来ませんし、ベトナム国鉄のメーターゲージ用17~18m級客車では、恐らく国境で台車を履き替えても中国国鉄の連結器高etc..に全く対応出来ないでしょう。しかも、中国国鉄の特快(特急)は160km/h運転が日常化している中、ザーラム工場製のベトナム国鉄客車がそのようなハイスペックに対応出来るとは到底思えません (汗)。
そこで、昔からこの国際列車は名義のみ「国際」であり、実際にはベトナム側国境のドンダン(同登)で乗り換えることになっているのですが、今や北京~ハノイ間の移動はヒマな旅行者ではない限り飛行機が常識であり、中国側途中駅とハノイとの間の往来もそれほど需要があるわけではないでしょうから(ベトナムに隣接する広西チワン族自治区・南寧とハノイの間は、別に中国国鉄24G客車による直通国際列車あり)、結果として北京西~ハノイ間の国際列車は客車1両のみというお寒い状況に……。ベトナム側ではトリコロールカラー・4人部屋の空調軟臥車が、ベトナム国章を車体に掲げ、辛うじて毎週2往復しているのが実情です。ハロン線満鉄客車の旅を敢行した際、ハノイ側終点イェンビエン(安園)の手前でこの国際列車とすれ違ったのですが、DL1両に客車1両という姿で漆黒を切り裂いて突っ走る光景は……マニアックを通り越して侘びしさの限りであったのは否めません。
この国際列車の運行スケジュールは、毎週火曜・土曜の深夜にドンダン発→朝ハノイ着、毎週火曜・木曜の夜にハノイ発→深夜ドンダン着となっていますので、木~金の一往復はさておき、火曜のドンダン発の運行のためには月曜日のうちにザーラムからドンダンに編成を送り込み、火曜のドンダン着の後は水曜日にザーラムに回送しなければなりません。この回送にあたっては、国際列車と同じスジは用いられず、通常のハノイ(ロンビエン)~ドンダン間の列車に無動で連結するというかたちをとります。そこで、モスラ罐が牽引する午後のドンダン行列車を月曜日に撮影したところ、尻には国際列車用軟臥車とD12Eが連結されており、一本の列車で二度美味しいのみならず、通常の国際列車では楽しめない長大デコボコ編成をも味わうことが出来たのでした♪ (*^O^*) 貨車と国章つき空調軟臥車が連結されるなどという光景は、ロシア・モンゴル・中国・北朝鮮のいずれでもほとんどお目にかかれないでしょうが、ハノイでは毎週月曜日にこうして拝めるのです……(^^;)。
ノロノロ進行でほぼ1年前の旅記録となってしまっておりますが(^^;いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今年はヨーロッパ乗り鉄旅の予定は今のところ無いのですが、私もトーマスクックヨーロッパ時刻表の最新号をつい購入しまして、昨年自分が乗車した列車のダイヤはどう変化したかな?などと読み耽っております。
OverseasTimetableは私も何度か購入したことがありますが残念ながら2010年末発売分が最終号となったようです。
その代替措置としてヨーロッパ時刻表巻末に一部追加されるようになり、日本語版では前号(2011年末発売分)から掲載が始まりました。
OverseasTimetableの廃刊(休刊?)は残念ですが、ヨーロッパ時刻表にこうして一部でも掲載され、簡単に入手できる日本語版にも収録されたのは嬉しいものです。
またトーマスクックの発行物と言えば時刻表だけでなく、ヨーロッパの鉄道地図も気に入っています(日本でも購入できます)。
ベトナムの話題へのコメントでなくてスミマセン(^^;
こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
そういえばもう1年が経過されたのですね~! まだまだ、昨日見聞されたかのようなノリであれこれの事情を紹介されているようにお見受けしますが、余り時間をかけすぎるとだんだん忘れて来る……というのはオッサン化した私の場合に言えることですので、バルト三国編やトルコ編も早めにアップされるのを楽しみにしております (笑)。
それはさておき……ななな何と!Overseasは1年半前に最終号ですか……(号泣)。政情不安ですぐに情報をアップデートできない国が多い一方、各国国鉄公式HPで英語バージョンが充実しつつあることを考えますと、非ヨーロッパの全ての国を網羅した時刻表というのは時代遅れ……というか、大英帝国が世界を股にかけていた時代の最後の名残だったのかも知れないですね……。
ただ確かに、主要列車だけでもヨーロッパ時刻表にくっついて安く情報が手に入るようになったのは有難いものだなぁ~と私も思います。とにかく、圧倒的多数の旅行者に必要な情報は1冊にまとめたので、これ以上の情報はマニアが勝手に調べてくれ~、ということなのかも知れません (笑)。
ヨーロッパの鉄道地図は、たしかに時刻表のそれだけでは分かりづらいですね(とくに零細な駅とか・・・)。私も地図をゲットして、ヨーロッパの地理について久しぶりに勉強してみようかと思っております。
というわけで、罐の原産国に合わせてレスも大幅脱線でした (笑)。