地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

木曽路歩き鉄 (11) 長野のHB-E300

2017-09-19 00:17:00 | JR発足後の車両


 信州の中山道を歩いた帰りは、ルート選択からして自ずと中央東線を通って帰宅することになりますが (神奈川県民の場合)、その際には毎回、諏訪周辺にのみ展開する「ハルピンラーメン」の下諏訪店で夕食をとるのを楽しみにしておりました (和田峠から下諏訪に下って来た際に初めて食べて病みつきになった)。甘辛い豆板醤ベースの味付けはなかなか美味く、家系ばかりが増えて食傷せざるを得ない昨今の首都圏に是非進出して頂きたいものですが、「食べたければ諏訪に来るべし」というスタンスもまた一つの戦略でしょうから、今後もハルピンラーメン食べたさで中央線に乗って山に登り、ついでに鉄もするというワケワカメな行動様式をとらざるを得ないな、と思っております (笑)。



 そんなこんなで、歩き疲れた腹を満たして下諏訪駅に戻ってきたところ、だいたい夕方は変わった列車のスジが引かれているようで、例えば既にアップした「四季島」が故障による遅れで19時頃に姿を現したほか、別の日には「リゾートビューふるさと」HB-E300系が「リゾートビュー八ヶ岳」として到着し、7分間の交換待ち長時間 (?) 停車をしてくれましたので、「これは徒歩旅の最後にナイスなおまけ♪」とばかりに激写しまくったのでした。この車両、各地に散らばった計4編成それぞれにラッピングのデザインが異なり、五能線の「橅」は樹木のデザインが目立ちすぎてイマイチ、青森の編成は目がチカチカしてイマイチだと思っているのですが、五能線の「青池」と長野のこの編成はシンプルなデザインですのでキライではありません。
 それにしても、JREのキハ40系列を置き換える本命は、電気式DCのGV-E400になる (予定) ということで、基本的にディーゼルエンジン発電とバッテリの両方を動力として使うHB-E300の技術の延長にあると言って良いのでしょうか? 今後は液体式DCというものが少数派になって行くのかも知れません。キハE130の運用線区にヲタが殺到して音を愛でる……という展開にはなるわけないか (三セク軽快DCもありますし)。個人的には、起動時のディーゼルエンジン音とVVVFの組み合わせに悩殺されつつ、HB-E300が松本へと走り去るのを見送ったのでした。

第五ヤンゴン熱鉄記 (6) LRBE56

2017-09-17 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ミャンマーの地方路線で長年活躍してきたLRBE、個人的にはバゴーで初めて出会った東急青ガエル風フェイスのヘロい奴の印象が余りにも強いのですが、基本的にLRBEは工場で製作する際のその場の思いつきで (流用元のトラックの形状も考慮しながら?) デザインが決まるようでもありますので、実際のデザインは千差万別です。とりわけ、今年3月の「斎藤さんツアー」で出会ったLRBE56は、徹底的に実用に徹し、どこかの保線用巡視車をカワいくアレンジしたような雰囲気です☆
 ただ、先月の「インドネシアの宴」で「茶」様から伺ったところによりますと、どうやらMRとしては「このような簡素な車両が走っているのは恥ずかしいので見られたくない」と考えているようです。そこで、ヤンゴンから日帰りしやすいバゴー~ニャウンカシーが真っ先に札沼キハ48となり、マダウも3月の時点での名鉄に続いて松浦も入線しているのだとか。



 そこで、約4年半前の初訪問時にバゴーでLRBEに大はしゃぎしてブログにアップし、その内容が大いに注目を集めた者として、何とも複雑な気分にならざるを得ません。LRBEの存在そのものは元々、某有名メーカーの偉い方が運営されているサイト (去る6月の斎藤・杉林さん講演会の際に判明!) 等の情報で静かに知られており、私もその情報をもとに、初訪問時バゴー観光のついでに撮れないものか期待していたものです。とはいえ、日本国内で本格的にLRBEがブレイクした一つのきっかけは、当ブログの記事である可能性が大きいようですので……。私個人としては単純に、創意工夫でこのような、たとえボロであっても末端での使い勝手の良さが光る車両が活躍していることの面白さに魅了されたものであり、それはまさに日本国内でローカルめぐりをする感覚と全く同じだったのですが……。しかし政権交代以来、とにかく一刻も早く軍事政権時代の旧弊と停滞から脱したいと考える新幹部からみて、LRBEの存在そのものと、日本人ヲタがLRBEに向ける視線は、どうにも鬱陶しいものに思えたのかも知れません。
 もっとも、既にRBEが増え、本線格での大量輸送はキハ40系列で間に合うようになりつつあるほか、ヤンゴン環状線の電気式DCの入札が行われようとしている現状では、RBEが急速にLRBEを駆逐するようになるのは時間の問題でもあったとも解釈できます。ミャンマー開国、RBE大量購入、そして「LRBEを見られたくないので引退させる」タイミングが集中したのが、ここ4~5年の目まぐるしい流れであったかと思います。ヤンゴン市内バスからの日本中古車完全消滅も時間の問題となりましたし、開国以来のミャンマーの動きは、あらゆる面で天地がひっくり返る勢いであるとしか言い様がありません。余りにも暑くまったりとした時間の中に、全く別の目まぐるしい時代精神が駆け巡っているという感じでしょうか……。

新潟過渡期鉄2017 (1) E129系

2017-09-16 08:07:00 | JR発足後の車両


 一昨日トミーテック大本営より、鉄コレ第26弾をはじめとする今後の新製品計画が発表されましたが、第26弾は「ローカルステンレス電車」がテーマだとぉぉぉ~?? 旧型車では食いつき=売れ行きが悪い場合も少なくないことから (例えば14弾……運輸省規格型好きとして不人気ぶりは返す返すも残念!)、今後は新しめな車両の鉄コレ化の比重を高めて行くという布石なのでしょうか。とはいえ、既に部分的にネタバラシされた701系にせよ121系にせよ、登場から約20年を経ており、実は意外と「古株」ですらあるのですが……(もうそんな時代になってしまったのかぁっ!)。
 すると今後しばらくは、残る3車種6両が一体何なのかをめぐる様々な推測がネット上にあふれることになるのでしょうが、う~む、2連で収まるステンレス電車も既に結構あるため、予想はなかなか難しいですね……。個人的には烏山線のEV-E301系も混ぜてくると面白いと思いますし、新潟地区で急増を続けるE129系もいち早い製品化で関心を惹くことでしょう。とはいえ、JREは既に701系が当確ですので、この2形式は少々ビミョーかも知れないですね。JR他社でしたら、東海の211系6000番台が入選すると人気が高まりそうです。西は……125系を出してマイクロのお株を奪うとか? 九州のステンレス車は要らないです、はい (キリッ)。そして私鉄としては是非、秩父ナナハチと富山地鉄17480 (東急8090ファミリー) のいずれかを混ぜて頂きたいところです。



 というわけで、妄想をし始めましたら止まりませんので本題に……。去る8月下旬、当ブログでは新潟トランシスで落成直後の八戸線用キハE130の画像を掲載しましたが、そもそもの新潟訪問の目的は、夏休みの甥っ子を連れての115系&キハ40系列狙い・18きっぷ日帰り旅 (往路は夜行バス) だったのでありました。ところが何と!E129系のあっという間の激増ぶりにはビックリ仰天……。 
 もっとも、E129系そのものは、決してキライではありません。平面気味な顔はどことなく憎めない表情をしていますし、内装もE233・235と同様、それなりにまともな仕上がりとなっているように思われます (E231までが手抜き過ぎではないかと……)。走りが良いのは言わずもがな。総じて、折角の115系もこのような車両によって置き換えられるのであれば仕方がない、諦めもつくか……という気にさせられたものです。もちろん、仮に313系や225系と並べると、大幅にショボく見えるのは否めない事実ですが……。 
 それはさておき、いろいろネットを検索してみたところ、今年春の段階では新潟の朝ラッシュはそれなりに115系によって担われていたようですが、新津工場の生産能力はなかなかに侮れず……去る8月下旬の時点では新潟駅に朝8時台に到着する6連はことごとくE129に置き換えられていました。
 ……何ともビミョーですね。
 ちなみに、E129系ではボックスシートの比重が下がっていますが (115系1000番台と比較して半減)、地元客のボックスシート志向は非常に強いようで、発車待ちしている間にはボックスから先に埋まって行きます。ご愁傷様、といったところでしょうか。しかしまぁ、211系化された中央東線の場合、ロングが来るか、セミクロスが来るかのガラポンくじ状態となってしまった以上 (しかも個人的にはロング編成に当たってばかり……-_-;;)、必ずボックスシートがあるE129系はうらやましくも思えます。

 あと余談……かつての「ムーンライトえちご」のスジを使った新潟発村上行快速 (既にE129系化) は、新宿・池袋からの夜行高速バスの定刻では間に合わないことになっていますが、この路線の場合、道路が渋滞していなければバスはどんどん先へ行ってしまうようで、私が今回乗った際には途中休憩を挟みながら4時30分に新潟駅前に到着しました。最初からこれを定時としてくれれば、羽越線方面への乗り継ぎプランも立てやすくなるというものですが……。

 ※おことわり……今回の画像は手ブレ補正レンズ使用の手持ち高感度撮影であり、三脚は使用しておりません。

釣掛音を響かせ峠に挑むEF65 2000

2017-09-12 12:00:00 | 貨物列車


 更新の間隔が開いて恐れ入りますが、またまた中山道歩き鉄の続きに出掛け、ついに滋賀県内に到達しました。
 これからしばらく、撮り貯めた画像の処理 (非鉄を含む) や仕事のため、引き続き更新が滞ってしまうかも知れませんが、のんびりお待ち頂ければ幸いです。
 とりあえず単品画像として、今も辛うじて (?) 東海道線で活躍するEF65 2000番台の画像をお楽しみ下さい。垂井の迂回線を経て関ヶ原を通過したEF65 2000が、今須峠のトンネル手前の最後の急勾配で強烈な釣掛のうなりを響かせるシーンに偶然遭遇できまして、思わず「うぉーーーーっ!」と絶叫してしまいました☆ すっかり桃太郎街道と化した東海道線にあって、街道歩き旅で踏切に差しかかった瞬間に踏切が鳴り始め、やって来たのがこんな罐だったりしますと、幸運をこの瞬間に使い切ってしまったかのような気分にすらなります (笑)。

木曽路歩き鉄 (10) 211系5000番台

2017-09-10 00:00:00 | 国鉄型車両


 木曽路の中山道は南木曽駅で中央西線と分かれたのち、江戸時代の街並みが保存・再現されている妻籠・馬籠を経て、中津川でようやく久しぶりにちょっとした都会 (?) を目の当たりにします (中津川と比べれば、木曽福島は圧倒的に山里です)。中津川から大井 (恵那) にかけての盆地は、ドドーンと聳える恵那山の下、ちょっとしたくつろぎのオアシスの感があり、そこそこ人口密度も高く、しかも名古屋からは快速で僅か1時間少々、「しなの」であれば50分もかからないという……(混み具合も考慮すれば、小田急線で新宿に行く神奈川県央民と比べてもラクな印象?)。そんな場所柄ですので、中央西線は中津川を境として突如名古屋近郊通勤路線の観を呈していますが、曲がりくねった険しい山道を歩いて中津川に至り、211系5000番台=ロングシート車が長大編成を組んで停車している光景を眼にしますと、否応なく「私は誰?ここはどこ?」という気分にさせられます (笑)。



 211系5000番台はJRC発足初期に大量増備されて以来、同業他社=名鉄との競争がない中央西線や静岡地区で存在感を示していますが、長年来ほとんど変化らしい変化もなく、極めて地味~な存在感に徹していたと言えましょう。ところがここに来て、側面行先表示のLED化が進んでいます。5000番台の名物とも呼ぶべき細長~い側面幕、登場当初こそ「ケチだなぁ……」と思ったものですが、これほどLEDが増えた世の中にあっては、案外と「萌えアイテム」かも知れません。しかしそれも先行きは長くないため、見納めしたい方はお急ぎを……(そんな方はいらっしゃらないか。笑)。

 それにしても211系5000番台なんて、むかし若い頃の18きっぷ旅の道すがら、「静岡大陸」横断でこれに当たれば「要らねぇ~!!」と叫びたくなるような存在でしたが、113・115系が走っていた時代は既に10年前に去った今、どうやら私自身もJRCに飼い慣らされてしまったようで……「JREのロングシート車に比べれば全然快適じゃねーか」と思うようになってしまいました (^^;)。しかも、新造費用をケチるための簡易型クーラーが、211系のボディとミスマッチだったりするのが逆にグッと来ます。まぁ勝手なもんです……。GMではなくKATOからN模型が発売されれば、やはり手を出してしまうことでしょう……(汗)。