北朝鮮が「お金くれなきゃ、テポドン発射する」などとのたまっているが、これは「お小遣いくれなきゃ勉強してやんない」などという、子供のおねだりと同じ論理である。自分のことだろうと思うのであるが、彼の国にはそんな理屈は存在しない。
最近読んだ本で秀逸のものがある。「新世界戦争論」ジョージ・フリードマン著、日本経済新聞社刊であるが、非常に冷静にそれでいてかなり緻密な分析で圧倒される。例えば、北朝鮮の我侭は、中国にとっては対アメリカ政策の懐刀的存在として持っておきたいのである。イランの核開発も同様の視点に立てば説明が簡単である。北朝鮮が、国民を飢えさせてでも、国際的に存在感をアピールするために、核やテポドンの開発は極めて有効なツールなのである。食料も自由もないこの国にどうして革命がおきないのか不思議であるが、現状政府の方が、対アメリカ政策に、中国やロシアにとってはうってつけなのである。
こんな国が主権を侵してまで拉致した人間を帰すには、面子を保つことと見返りがなければ必要である。困った国際間の国家論理である。