そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃないゼ、牛乳廃棄なんて

2006-06-09 | トランプ

牛乳廃棄が大々的に報道されている。そんなもの、そんなに沢山搾らなければすむことである。では廃棄されてまで、なぜ農家が乳を搾るのか?それは簡単なことである。儲かるからである。

ほとんどの人は、牛は草を食べてそれを乳に変えていると思っているであろう。ところが、実態は乳牛の食べる栄養価の、多分7割以上が輸入穀物なのである。府県では更に草まで輸入してまで搾乳している。これは、投与したもの(輸入穀物)を付加価値の高い牛乳に換える「畜産加工業」に他ならない。これを農業と言えるだろうか?北海道の我々純粋な根室の酪農地帯でも、乳牛の半分量ほどのカロリーは輸入穀物に頼っている。

牛に与える餌の中に草が少なくなり、穀物の比重が高くなると牛は身体に変調をきたす。抵抗力がなく、病気すれすれの半病牛が増える。獣医さんが忙しくなる。酪農家はすぐに諦めなければならなくなる。乳牛が消耗品になっている。勿論対価として酪農家は牛乳が増えて、収入が増えることになる。輸入穀物が安く、乳価が高い現実、酪農家は高生産を選択することになる。

簡単なことである。乳牛に輸入穀物の多給を減らし、牛乳の生産量を減らし、乳牛への負担を減らし、大量の余剰糞尿を減らし、環境への負荷を減らし、農協への貢献を減らすことで全てが解決される。簡単なことである。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照http://www.creatorsworld.net/okai/

コメント (1)
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