そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

家畜の食料(飼料)自給率考えて

2006-06-10 | トランプ

わが国の食料自給率に関するデーターはベースとしての数字は色々あるが、実質20%程度である。その国が食料を余し、廃棄する食べ物で1千万人ほどの胃腑を満たすことができるというのである。食べ物を粗末にして、農業を政策の外におきながら、肥満に喘ぐ姿は、滑稽という言葉では語れない。地球上の10億人の飢餓に喘ぐ人間も同居する姿は、国際性やヒューマニズムの観点からも容認でいない。

更に、人をはるかに下回る食料(飼料)自給率がわが国の家畜である。ニワトリはほぼ100%が輸入飼料(大半は穀物)である。豚もこれと変わらない。肉牛がこれに続き80%ほどの輸入飼料依存率であろうか。私の関わる、乳牛であるが全国平均では70%ほどであろうか。私の住む北海道の東の涯、純酪農地帯である根室地方でやっと50%程度であろう。中には牛の健康や、家族経営を大切にして牛に負担をかけないように、80%以上の自給飼料で賄っている健全な酪農家もいるが、最近は大型になって牛を牛舎に閉じ込めたままの農家も増えている。放牧(外で青草を食べる)風景も少なくなってきたが、こうした健全な酪農家、畜産農家は儲からないのである。穀物多給の畜産製品は牛乳に限らず問題が多い。

食糧の輸入が止まると、世界で真っ先に困るのは日本であるとされるが、正確には日本の家畜(畜産農家)であるといえる。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照http://www.creatorsworld.net/okai/

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