松岡農林大臣が自殺した。ナントカ還元水や緑資源をを巡る金の問題について彼をかばうものは何もないが、農政通が又一人いなくなった。
郵政民営化選挙で、与野党を問わずそれまでいた農政通の代議士がほとんどいなくなってしまった。カウント基準は難しいものがあるが、60名ほどいた農政通が僅か10名ほどになってしまっていた。裏を返すと、農政通=地方・田舎出身者である人たちが、こぞって郵政民営化を反対していたのである。
国会が次第に農業を知らない、おぼっちゃま・都会人が農業政策に携わる中、彼は金に汚い成り上がりをしたのであろう。鈴木宗男と一脈通じるものがあり、引き合うのは理解できる。
その鈴木宗男が、松岡農相が政府から口止めされてりたと証言している。他にも複数の証言がある。又彼が緑資源機構を巡る疑惑が身辺に及んできていることも、彼を追いつめたと推察される。
事実、旧役員であった元官僚と同級生だった秘書がこれを巡ってか、自殺している。 何時の時代も、疑惑は弱者が自らの口を封じることで決着がはかられる。彼も弱者なのだろう。
この事件に関して、安倍首相の次の一言が、各方面で物議をかもしだしている。
「ご本人の名誉のために申し上げておくが、『緑資源機構』に関して捜査当局が松岡農水相や関係者の取り調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行う予定もない」という発言である。
これは、ある意味「指揮権の発動」を匂わすと、立花隆氏や野党は指摘するが、この男にそれほどの見識はない。それは阿倍ボンに対するかいかぶりである。同情からでた無意識の言葉であって、首相としての資質のなさを露呈したに過ぎない。