イランとアメリカがイラクの治安問題のために話し合った。話し合ったと言うよりも、同じテーブルについた。26年ぶりだそうだ。
アメリカは手詰まりで行き場のなくなったイラク情勢の打開のために、昨 年11月に出されたイラク研究グループのアドバイスに従った格好である。イラクやレバノンに影響力のあるイランの協力をもらいたい本音を、何処で出せるか見物である。
イランは核開発による、国連経済制裁が発動される直前になんとか、国是とする反米を一旦横に置きアメリカとの交渉である。ペルシャ湾に二隻もの空母と120機の艦載機の圧力を受けながら、経済制裁の解除を得たい本音をアメリカに出せるかが交渉の全てである。
元々がこうした思惑が背景にあるので、当然であるが極めて事務的な交渉であったようである。 本音で話し合えば相互に非難し合うことが余りにも多くてしかも大きいことばかりである。
アメリカは、お願い事をするつもりはないと、決別したときの言い訳と思える発言を会談前にライス長官が話している。イランはアメリカが中東政策の失敗を認めるところから交渉が始まるとしている。イラクはこの会談が転機になることを願っている。
アメリカは中東政策の失敗を認めたりイラクから撤退することはない。イランは核開発もイ ランやレバノンやヒズボラ支援を止めるはずがない。2国間に譲歩するような余地があるとは思えない。
この会談、交渉はお互い話し合いをしたというアリバイ工作と、話し合いのルートは持ったというレベルで終わることになる。