多分こんなことにはなるであろうと思ってはいたが、アメリカの二枚舌外交が目前で行われたことになる。
安倍首相は、アメリカが中国が設定した防空識別圏の撤回まで、中国
にしてくれるよう望んでいた。バイデン副大統領は異議を言ったようである。それも、緊張が起きるようなことはするなといった程度で終わっている。安倍の望んだ、撤回までは求めてはいない。
アメリカの軍部のトップの二人が、中国の行ったことは正当である。事前通告がなかっただけで、何ら問題がないと米中会談の最中に発言している。
中国の官製のメディアは一斉に、アメリカは中国の防空識別圏の設定に理解を示したと報道している。安倍の望んだように、バイデンは中国に圧力などかけることはなかったのである。
中国は、アメリカと日本の関係に楔を入れたことになる。中国にしてみれば、この程度でも上々の出来である。
日本に先に立ち寄って、安倍首相と話し合ったことでメンツだけは建ててやったというのが、本音だろう。アメリカは中国と密接な経済関係にある。
この問題に関して、日米の密接な連携を強調していた安倍首相は、コケにされたことになる。中国の振り上げた拳は誰も咎めることもなく、何も変わらなかった。