そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

この危機は農業本来の形に戻すチャンスである

2022-11-06 | 農協 食料自給率
21世紀は食料問題が深刻になるのは、幾年も前から判っていることである。世界のすべての国はそのためにの対策に躍起になっている。日本を除いて。
先日肥料の高騰を野菜農家が嘆いていた。大量の化学肥料をまく姿を放映していた。政府の肥料に対する農家補助を訴えていたのである。農家を非難するわけではないが、そうした時に金を払えばいいんだろうと、金銭負担をしてきたのが日本農政である。
上の表は、東大の鈴木宣弘先生から拝借したものであるが、棒グラフが輸入量である。赤の折れ線グラフが前年同期比の割合である。今年は輸入量が半減し価格が2倍になっている。しかし、これは少し前のものであって、現実はもっと厳しいものである。
日本はリン、カリウムを100%、尿素も96%を輸入に依存している。例えばカリュウムは中国とロシアとベラルーシュから輸入しているが、日本はこれらのとの友好関係を放棄してしまった。お金を出されても敵国には資源を渡さなくなってきたのである。職業安全保障の放棄である。
下の表を見ていただきたい。日本の農業政策は1961年の農業構造改善事業から、農業を規模と生産高(お金の評価)で評価するようになった。解り易く言えば日本農業は零細である。規模を拡大しろ、生産量を増やせと言うのである。農家は単作で巨大化へと向かった。その結果過大な負債を背負い、農薬や化学肥料を使うようになったのである。
日本は世界で最も有機農業の面積が少ない国である。日本は緯度が低く太陽光の光量も多く、降水量も高く世界で最も単位面積当たりの光合成の量が多い国の一つである。規模拡大によって単位面積当たりの見せかけの生産量が保たれているかに見えるのは、化学肥料による藻である。
この化学肥料は、植物が土壌固定してきた炭素を阻害する。温暖化への貢献をしているといえるのである。
先日有機農業をしている農家が、コロナ禍と円安とウクライナ戦争と異常気象の中、とりわけ資材や肥料の高騰を影響がほとんどないと言っていたのが印象的である。
農業は本来ゼロエミッションである。外部資源の投入は最小限にするべきで、同時に外部資本(多額の補助金など)も導入も最小限にすべきで、土壌や家畜からの収奪などあってはならない。
21世紀は国連が推進する、家族型の小農を基軸にする有機農業で、食料問題や環境問題の解決への道を付けるべきである。巨大化を目座した日本農業は、この危機を背景に、有機農業へ、小規模農業へと舵を切るべきである


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