そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「世界で最初に植えるのは日本」の家畜である、そして消費者に

2023-02-12 | 農協 食料自給率

農民の目線から幾度も食料問題に警鐘を鳴らされている、東京大学の鈴木宣弘先生の、「世かで最初に植えるのは日本」という本が話題になっている。
コロナ禍、ロシアのウクライナ侵略、異常気象に円高のクワトロショックヲまともに受けているのが、日本の食料である。
世界に食料を60%以上依存している日本は、高価な穀物を買うことになる。しかしそれは、売ってくれたら高いのであって、売ってもくれなくなる事態に陥っている。日本の食料は風前の灯的な危機といえる
だのに未だに海外から買う方が効率的と、鈴木俊一財務大臣はノーテンキな発言をする。多分自民党内にはこの手の議員が少なからずいるのだろう。
鈴木宣弘先生の予言といえる忠告は正しいが正確には、「日本の家畜が真っ先に飢える」ことになる。家畜の場合は飢える前に販売されるだろうから、飢えるのは畜産農家ともいえる。
日本は穀物輸入の3000万トン輸入しているが、2000万トンは家畜向け、飼料用穀物である。
下の表は本ブログで何度も紹介している、各国のフードマイレージ(移動した距離に重量を乗じたもの)である。圧倒的に高い日本の輸入食料のフードマイレージは、国内食料の倍のCO2を排出している。
日本はその6割をアメリカ(ほとんど)からの輸入穀物が占めている。その6割が飼料用である。つまり国内の食料移動と同量のCO2を、家畜に食べさせるための飼料(穀物)が占めているのである。
日本の畜産の主流は、安価な輸入穀物を大量に与えて、高価な畜産製品(玉子、肉牛乳)を生産する。大量生産する大型農家は、大量のCO2吐き出しながら輸入した穀物に依存し、一方で家畜は不健康で短命になる。
この不健全な畜産形態を日本に導入したのが、アメリカ言いなりの日本政府である。
食料危機が起きると(もうすでに始まっているが)、真っ先に日本の家畜が犠牲になる。そして、市場には少量で高価な本来の畜産物が並ぶことになる。


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