北朝鮮の後継者が決まった。若い26歳の3番目の奥さんの子供、金正恩が後継者になった。全ての権限が1人の人物に集中する国家である。それを息子の中から指名するとは、21世紀にはおよそ相応しくない国家体制である。国民不在どころではない。最も若くしかも3番目の奥さんの子供を指名したのは、自らの病気のためと思われる。
ところがこの、金王朝の息子たちは飛行機に乗るのが怖い金正日とは異なって、海外生活が長い。特に金正恩はスイスなどで幼少期を過ごしている。成田で拘束された長男のデブ男(3男もデブである)金正男は、あちこちでおしゃべりをしている。彼の使った「北韓」という言葉が問題になっている。韓国の人たちが、北朝鮮を指す卑語である。正男がこの言葉を使ったことで、全く政権から離れたことを意味している。更には、この男は刺客に狙われているとまで言われている。
正男は、政権の興味がないばかりか、正恩が協力を求めたら手伝っても良いが自分はやる気がないとまでいっている。世襲を否定した発言をしている。正恩が後継になるとは思っていなかったようにも取れる。
25日ソウルで、金正日の料理人として13年務めた、藤元健二氏が講演をしている。7歳から正恩を見ている最も信頼のおける情報源でもある。彼は正恩に1 0年ほど経ったら、自分のやりたいことが少しはできるようになるだろう。その時には是非とも、改革開放をやって欲しいと発言している。北への呼び掛けのような内容である。
世間知らずの金正日と異なり、彼らは海外生活もあり語学も堪能である。北朝鮮が自らの力で体制を変えることが出来ないなら、彼らが世界を見て得た知識や感覚がある程度正常に働くなら、次の世代が北朝鮮を開放するかもしれない。藤本氏は、なにはともあれ政治犯収容所をなくし、日本人拉致被害者の解放を呼び掛けている。こうした情報は明るい動きなのか、更なる絶望国家へと進むのかは分からない。