西武の松坂が、ポスティングとやらで、アメリカ大リーグに行くことになった。60億という、驚異的な価格が彼についた。放っておくと、3年先にはフリーエイジェント(FA)を獲得して勝手にどこかにいかれては、西武には一銭の得にもならない。
と、考えてのは経営者として当然かもしれない。彼がいなくなった、西武の存在がどのようなものになるか考えもしない浅は かさも、経営者としての資質は十分である。大リーグが支払う驚異的な60億の金は、西武に支払われる。何でも、3年ほどの選手の給与に相当するらしい。かなりばかげた話である。
ところが、このポスティングなるシステムは、酪農家にはある。気に食わない乳牛はいつでも何所にでも売ることができる。買い手の酪農家が売り手の酪農家に見合った金を払って、乳牛を手に入れるのである。
乳牛は商品であるから当然のことではある。ところが、最近はこうした家畜にも生きる権利、生命のある個体としてみとする、「家畜福祉」の考え方がヨーロッパを中心に広まってきている。
乳牛の飼養環境は酪農家によって、天と地ほどの差がある。大事にされているところが最近は少なくなっていた。その一方で、過酷な状況にある家畜は増え続けている。餌もロクロクないし質も悪い。しっかりとした観察もされず放置されているような牛が沢山いる。
ならば、例えば3産して酪農家にある程度の利益をもたらしたら、乳牛にフリーエイジェント(FA)を獲得させてはどうだろうか。FAを獲得して牛は、飼養環境の良い牛舎を選択して自由に動けるようにしてやりたいものである。そうすれば、ひどい酪農家も少しは考えるかもしれない。
発病寸前の乳牛を四六時中診ているとそんな気にもなる。乳牛にFA権を!