ついに自民党の目論見通りになった。期限を設けたのは、民主党が増税法案を先送りにして、なんとかその場をやり過ごす道を塞ぐ工作であった。まんまと、自民党の思惑通りとなった。公明党には、3党同から離脱しないように丁寧に対応した。
長年政局を渡り歩いてきた狸たちの集まりである。自民党には、そもそも政策などなく政局=権力闘争しかなかった集団である。政策は官僚に丸投げで、言いなりになって過ごしてきた歴史がある。彼らからすると、お得意の作業である。
理屈が世界を変えると松下政経塾で学んできた、若輩の野田はこうした狸たちの術中に落ちたと言える。秋には町村政権が誕生することになるであろう。
前原一任として収める方向になったが、党内がまとまったわけではない。綱領もなく党の意思決定機関を持たない政党の、やむない判断であろう。こうした事態を最も望んでいたのは、ほかならぬ自民党である。それにしても、輿石はどこにいったのだろう。
しかし増税の一点だけを合意することへ動きは、決められない政治と揶揄されることへの焦りであろうか? そうではなく、これは単なる政治土壌の貧困に他ならない。
論議をするが方向性を持たないいわば”同床異夢”の寄せ集め集団である民主党と、政権を持つこと或いは維持することだけに長けてきた自民党、それに宗教団体の延長でしかない公明党による、それこそ同床異夢のもたらした結果と言える。
民主党は分裂することになるであろうが、野田たちは自民党に下るのかそれとも、少数与党として当分動くのか、大連合へと動くのであろうか?
小沢の作った小選挙区制が、小沢の足を縛ることになるのは皮肉な結果であろう。
哀れなのは、選択肢を無くされた国民である。