今回の6者協議の結果は、94年のジュネーブ合意とほとんど変わらない。この10年余りの間に、北 朝鮮は何をやってきたのだろう。周辺の関係各国は、北朝鮮の犯罪行為などやり放題の果ての、核開発をなすすべもなく容認してきたといえる。
北朝鮮は何のために核開発をやったのか明らかである。一昨年9月の合意から、時間稼ぎをやって核開発をその間、着々と進めてきた目的は明らかである。
確定した核施設以外は申告性である。6者協議がどんな結果を残すのか何の保証もない。もう既に、朝鮮新報は「核施設の臨 時停止で、100万トンの重油を貰うことになった」と、発表している。これは明らかに、今回の合意とは、大きく異なる。今回脳協議で、北朝鮮が核を放棄すると誰も思ってはいない。
寧辺核施設の停止と封印後の5万トンを越えて、最終段階の100万トンを貰えると、国民に教えている。もう既に将軍様の誕生祝に、電力と食料が大盤振る舞いされている。100万トンの重油をもらえないとなると、それはアメリカや日本が悪者になる。自分たちの約束の不履行は、この場合彼らには関係ない。
5つの、作業部会を設定しているが、その内の日朝、米朝間の国交正常化ではあるが、アメリカに敵視政策の中止を訴えながら、北朝鮮の50年前の鬼のアメリカについての教育政策などは何も問うことがない。
日朝間は更に問題がある。既に解決済みの拉致問題を出す日本は、会議の出席する資格すらないとする北朝鮮に、拉致の解決がなければ前に進まないとする、安倍内閣の方針では入口でかみ合わない。破綻することが目に見えている。
北朝鮮の非核化の恩恵を受けるのは、日本だとする見方があるが、北朝鮮は戦争のために核開発をやってるのではない。大体が、そんな経済力もなければ技術力もない。この国 の核開発は、脅しておねだりを貰うためのものである半面、日本の核武装論者を勇気付ける結果になっている。
北朝鮮の抱える問題のほとんどは、この国の体制にある。したがって、今回のような経済援助は、金正日体制を補完する意味合いが強く、問題が先送りになっただけのことで、禍根を残すものにあるといえる。