今週はNHK海外ドキュメントは、アフガニスタンのドキュメントであった。ソビエトの軍事侵攻があったのは、1979年であるから、すでに34年を過ぎている。この国の平均寿命は、48歳であり、26歳以下の人口が半分である。多くの国民がソビエトの介入すら知らない。
ブッシュが、9.11の仇討にとアフガンに軍事侵攻した。タリバン政権がビン・ラディンをかくまったというのが、その理由である。タリバンは、ソビエトと戦い勝利したが、アメリカが支援していた経緯もある。
アメリカは、イラクに重点を移しアフガニスタンは、ヨーロッパの連合軍(ISAF)に任された。ISAFは、2014年に撤退予定である。現在そのための準備中である。アフガン軍(国軍)は、増強中である。
国軍の兵士の識字率は20%しかない。規律の意味も戦闘の理由も知らない兵士ばかりである。給料をもらえるところに就職した意識の兵士が、ほとんどである。戦闘前に逃亡する兵士。タリバンに兵器を渡す兵士。タリバンに情報を渡す兵士。
カルザイ大統領に直訴した人物がいた。せっかく拘束したタリバン兵士はカブールに行くと釈放され村に戻る、と訴えていた。この男は数日後に銃殺された。
政府の高官は、資産と家族を海外に移している。ヘラート州にアメリカが投入した金額は、3300万ドルにもなる。それなのに子供たちは学校にも行けないし、戦火は増すばかりである。その金は何処にいたのかと問う現場の兵士がいる。
ISAFが撤退すると、タリバンが勢力を回復する。タリバンは常に敵を見つけなければ存続できない組織である。彼らの支配でアフガニスタンは平和になることはない。
ソビエトのアフガニスタン介入を強く抗議し、モスクワオリンピックまでボイコットしたアメリカである。今また同じことが繰り返される。アフガニスタンの国民は、大国の陣取りゲームに救われることはない。