そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ウイグルの弾圧を強める中国

2015-01-15 | 中国
中国が世界的な反テロの動きに乗じて、ウイグル族などの弾圧を強めている。フランスのテロ事件を世界は一斉に非難し、反テロで団結するかに見える。が、反テロの動きを、国内の反政府勢力の弾圧にもってこいの動きで、これに乗じている国も少なくない。
特にチェチェン紛争を抱えるロシアと、ウイグルとチベットの民族浄化をやっているのではないかと思われるほどの激しい弾圧を行っている中国は、こうした動きに大賛成である。

中国は昨年、ウイグル族の高名な経済学者で中央民族大学の教授である、イリハム・トフティ氏を逮捕し、国家分裂罪の容疑で無期懲役の判決を下している。イリハム・トフティ氏はウイグルの食事も与えず裁判時にはキロもやせた姿をさらしているが、彼の場合は名が知られていて、裁判は公開されたが、多くのウイグル族の人たちは拷問に合ったりし、死刑の判決をいとも簡単に下されている。

中国は今年に入って、公務員に時間内の礼拝を禁止したり、女性のスカーフ使用を禁止した。公務員試験は中国語で行われて、漢族に従順な人たちであるが、この人たちでさえ政治的弾圧を加えようというのである。
私が新疆ウイグル自治区を訪問したのは。30年も前のことであるが、当時は漢族は僅か30%ほどでしかなかった。その当時でさえすでに、年の中央の中央官庁や会社などは漢族が占めて、都市の周辺にウイグル族などの民族が住むという、ドーナツ現象が起きていた。
現在は漢族の方が人口が上回り、経済と政治それに警察力をも掌握している。更にひどい状況な推測に難くない。
新疆には、ウイグルの他に多くの民族がいる。どの人たちも温厚な笑顔で、イスラム教に対しても中東などのように強烈な信念を持っているわけではなかった。中国とは明らかに、民族的にも宗教的にも歴史的にも異なる人たちである。
彼らが暴力的に抵抗するのは、暴力的弾圧と収奪が日常的に行われているからである。
ウイグルはまだいい。チベットは非暴力の仏教国である。毎年数千人殺害されているという報道もあるが、少なくとも数十人の焼身自殺による抵抗者がいることは確かである。チベットは悲惨な状況といって良い。
チベットもウイグルも、地下資源が豊富であり、経済発展する中国(漢族と言った方がいいか)にとっては、欠かすことのできない地域である。どんな理由をつけてでも手放すことはない。彼らへの弾圧が、反テロの名のもとに行われることに耐えられない。
下の写真は、逮捕される前のイリハム・トフティ氏である。

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