そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

急接近する米中

2009-07-30 | アメリカ

090727 米中戦略・経済対話が2日間にわたって、ワシントンで開かれた。米中の高官が一堂に会する会議はかつてなかった。来年中には、中国は日本を追い抜いて世界第二位の経済大国になる。そうした背景で今回の会議は、G2と呼ばれたりしている。

中国が所有する2兆ドルの外貨資産のほとんどが、アメリカ国債である。今回のアメリカ発の金融危機を、少なからずも世界で最も経済成長をする中国が支えたのも事実である。外資依存の中国経済は外需で成り立っている。それを最も支えるのが消費大国アメリカである。猫が死ぬようなペットフードでも、安ければアメリカは輸入するのである。壊れるおもちゃでも、安くなるのであれば中国で作らせる。

要するに、世界最大の図抜けた経済大国アメリカと、世界人口の4分の1を占める世界最大の人間を抱える中国が、お互いの利害関係で一致点を探り合い、確認したのが今回の会議である。

確認事項も、極めて総花的で多岐にわたる。中国は内需拡大を志向し、アメリカは貯蓄増加などによる経済の健全な発展を確認した。驚いたことに、京都議定書から離脱した、最も二酸化炭素を排出する米中が、環境問題・温暖化対策への協調を打ち出したことである。それに、お互090728 いが貿易の拡大と、保護主義への反対を打ち出した。両国とも蔭では、自国産業の保護にはせっせと力を入れている国である。

その他、核兵器の拡散防止に向け、北朝鮮とイランの核開発への反対と、中東情勢の安定化などでも合意し、特に北朝鮮に対しては6者協議の重要性を確認した。

会談は終始好意的であった。経済成長が鈍りながらも世界で最も成長する、大国中国への依存度を高めるアメリカが、双方で利用価値を見出したのだと言える。

それにしても、民主党は人権問題には極めて神経質な政党であったはずである。前回のクリントン長官の訪中でも、チベット問題は封印されていた。今回もウイグル問題が渦中にあるにもかかわらず、人権問題の対話を年度内でやるとの一言で終わっている。政権を取ると態度が軟化するのは、日本も同じかもしれない。世界は今後この2大国の動向が大きく働くことになる。

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