一日が過ぎるのがとても早いと感じるようになってからどれだけ経つだろうか。今年の夏もいつの間にか過ぎ去っていた。とはいっても今の気分は、いつもの夏の終わりという感じではない。なんとなく晩夏というイメージが濃くなっている。
夏の間は小さな仕事と旅が続き、気づいてみると秋が近くまで忍び寄っていた。地球の各所で酷暑が報じられていたが、幸いそうした時には涼しい所へ旅に出ていたりで、難渋した日々はほとんどなかったのは救いだった。
このごろは酷暑の時期が早まっているような気もする。10年くらい前までは、終戦記念日の頃は真夏の盛りで、蝉の声も沢山聞こえていたような印象がある。
ヨーロッパ大陸も今年は7月頃が一番暑かったのではないだろうか。クーラーは基本的になくても夏を過ごせる国であったが、このごろは必ずしもそうではないようだ。クーラーを設置したホテルも少しずつ増えてきた。そのイギリスでも8月に入ると秋のような肌寒さを感じる日もあった。他方、ニューイングランドに住む友人から、今年はこれまで経験したことがないひどい暑さというメールが入ったのも7月だった。
夏の間に読みたいと先延ばしにしていた書籍や資料は、ほとんど手つかずに山積みになっている。どれもそれぞれに興味深く、ゆっくり読んでみたいのだが時間は容赦なく過ぎて行く。この「滞貨」の山を少しずつ片づけるのがこの秋の仕事になりそうだ。