日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

「原発ホワイトアウト」と「東京ブラックアウト」を読了。

2015-02-16 21:20:06 | 
ハードカバーの「原発ホワイトアウト」と「東京ブラックアウト」を鞄に詰めて、東京行きの新幹線に乗ったのは12月だったのに、今頃ようやく読了。

ベストセラー、シリーズ23万部の売れ行き、という新聞広告につられて読みだした。
著者は若杉冽(ペンネーム)、霞が関のキャリア官僚とのこと。

福島第1原発が東北地震で爆発という収拾困難な事態となっているなかで、日本海側の新崎原発がそれを上回る惨事となる状況を物語にしている。
懇切丁寧な組織人の論理、利権でがんじがらめになっている大組織の実態。モンスター企業が見せつける底知れない力。外側の一般人には見えない、現役キャリア官僚であるからこそ伝えられる「仕組み」を世間に伝えたかったのだろう、と(私は)つたないながらも思う。新崎原発からの放射能漏れが首都圏までを避難地域とし、東京の街は真っ暗闇のブラックアウト、というタイトルなのです。

冷却装置が遮断されてしまう、そんな「起こりうる事故」に、これほどまでに弱い原発を、どうして再稼働させたいのか。発送電分離というモンスター企業にメスをいれるという案は、いつの間にか闇に葬られてしまうのはどういう仕組みか、
筆者は、内側にいるからこそ見える(のだろう)人模様を描いているのです。
言ってみれば告発本とも取れます。
内部からの、です。
23万部も売れた、多くの人が読んでいる、というのに、なんの風潮の変化も見られない?
作者は、この本が世に出た暁には、世情にしっかりとした変化が生まれることを期待していたのではないでしょうか。
多くの読者層が原発再稼働のいかに危険かを知り、再稼働を進めようとしている政府と連なっている電力会社側に膨大な(2000億円)もの自由になるお金が毎年生み出される仕組みを筆者から教えられて、それでも、手をこまねいてみているしかない、のでしょうか。

発送電の分離、ぜひとも、その方向に向かって、巨大電力会社への一極集中体制から崩していってほしいものです。


コメント (4)
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