ゆったりと流る
東京国立市の湧水のなかでも、もっとも豊富な湧水量を誇るのが、
ママ下湧水群といわれるものです。
ママとは、崖のことを表す古代語で、昔からこの地方では崖線のことをママ、
あるいはハケと呼んできました。
ママ下には透明な清水があふれ、水が豊富な恵まれた土地であったために、
人々が住み着き農耕を基にした村落を形成してきたのです。
昭和初期まではいくつものワサビ田も見られたという湧水の水は、
夏でもひんやりと冷たいため、農家では多摩川水系の府中用水とまぜて
田畑に流す工夫をしました。
ママ下湧水では今日でも農家の人が野菜を洗う風景が見られます。