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葛飾むかし話,現地を訪ねる、 第6話

2016年09月07日 | 文学  民話&伝説&昔ばなし

柴又参道の「帝釈さまの草だんご」

 

  


皆さんは、柴又のたいしゃく様に行ったことがありますか。

庚申の日には、遠くからお参りに来る人でにぎわいます。帰りには参道で売っている、名物だダンゴを買って帰るのが楽しみで、団子やさんは大繁盛だそうです。

皆さんもヨモギの香りがする、あのおいしい草団子を食べたことがあるでしょう。

どうして草団子が、帝釈さまの参道で、売られるようになったか、むかしむかしのお話です。

帝釈様は、題経寺とも呼ばれ、その昔、この寺の何代目かに、情けの深い住職さんが、
よその寺からやってきました。その時、住職さんに仕えていた老夫婦も、
後を慕って一緒にやってきました。

住職さんは、とりあえず、この老夫婦を引き取ることにしました。

さてこの寺には、昔から、、行事の日やお客様があるときは、草団子を出す習わしがありました。
草だんごはその都度、近所の農家に頼んで作ってもらっていましたが、
それからは、老夫婦に寺で、すべて作ってもらうことにしました。

 

この老夫婦は『仁さん』と「糸さん」と呼ばれていました。

仁さんは、毎日、江戸川にヨモギを取りに行き、糸さんは、手ぎわよく団子の下ごしらえをしました。
お客様があるたびに、二人は力を合わせて、おいしい草団子つくりに励み、
黄な粉をつけてお客さんにふるまいました。


 
           ヨモギ        江戸川土手

こうして二人は、一生懸命に、住職さんに仕えている間に、2~3年の月日が流れました。

二人はお経も覚え、熱心な信者となり、毎日、感謝のお題目を唱えながら、草団子を作りに励みました。

こうして、誰もからも、帝釈さまの草だんごは美味しいと大評判になり、遠くの村や町まで、知れ渡っていきました。

お参りに来た人たちも、寺でごちそうになり、あまりにも美味しさに、お土産として何人分も注文し、持って帰るようになりました。

そうなると二人でいくら頑張っても、間に合わなくなって、住職さんにお願いして、寺のそばに家を建ててもらい、
女の人を雇って3人で作るようになり、ますます繁盛しました。

この老夫婦は、130年ほど前に亡くなりましたが、雇っていた女の人が、
のちに、草団子に、アンを添えて売り出し、今に伝えたということです。

まだ食べたことのない人は、ぜひ一度食べてみてください。
その昔の老夫婦が作った草団子の味が、そのまま伝わってきます。

 

 

柴又草団子の、一巻詠み切り。 

 

コメント (12)
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