復讐は結局復讐しか生み出さないというのをきっちり描いたドラマ@グリーンローズをやっと最後まで見終わった。
(前半の感想はこちら)
後半はコス演じる殺人の濡れ衣を着せられた男イ・ジョンヒョンが中国人になり、理事に捨てられたチャ・ユランを伴って帰国、自分の名前と愛するスアを取り戻すために自分を陥れた理事ヒョンテと対決するという展開だったのだが、思いのほかチャ・ユランの心の動きに気を取られてしまった。チャ・ユランのヒョンテの愛を失いたく無いがための、自分勝手な偽証でジョンヒョンを陥れることになってしまったにも関わらず、帰国してからはどこまでもユランにやさしいジョンヒョン。心の押さえが利かず、ヒョンテの部屋を訪れるユランの言動を知ってもただ黙って見守るだけのジョンヒョン。「あなたの後姿を見て黙って生きていくから一緒に中国に帰りましょう!」という件には、典型的な描き方と分かってはいても、日陰の女はどこまでも日陰の女というチャ・ユランの寂しさが伝わってきて・・・
復讐は忘れず、でも許す気持ちも持っているジョンヒョンにユランの気持ちが傾くのも当然だし、見ている私も復讐のことしか頭になく、最後まで許す気持ちがなかったヒョンテにはちっとも同情できなかった。
ドラマの展開は、ヒョンテにも随分スポットを当てた語り口になってはいたが、(しかしあの最後にはちょっと疑問も残る・・・)ヒョンテを演じる男優より、やはりコスの方が何倍もインパクトがあるし、何分幼い頃の出来事だけで、あそこまでやるというのに若干の無理があったと思う。(出来る男なら、大人になった時点で会長の当時の悪事の裏を取るとか、やっても当然じゃないかと、細かい所にまで突っ込みを入れたくなった。)
とにかく許す事を知っている男の方が立派だし、やっぱり格好いいのだ。
チャ・ユランの最後を見届けてからは、犯人探しの一点に興味が移るのだが、あれだけやきもきさせておきながら、このひねりの無さ。(私などスアのオンニを疑ったりまでしたのに)ただひねりがあれば面白かったのかというとそうでもなく、このドラマの中では犯人探しはおまけでしかなく、許すことを知った男が自分の名前と失くした愛を取り戻す話なのだから、仕方のないことなのかもしれないが。
日本のドラマなら、失くした愛を取り戻すことにだけ重点を置いて描かれたような気がするが、そこは韓国ドラマ。回を重ねる毎に母から貰った名前を取り返すまでは、愛を取り戻さないと硬い決意がクローズアップされたのには、面白さも感じつつちょっともどかしい感もあった。
スアとジョンヒョンの会話が心の中の声だけで続くところには、テレパシーじゃないんだからと、ちょっとあきれたりもしたものだ。
主演のコスのファンにはなれなかったが、地味な活躍を見せる中国人運転手タオレンの忠実さにちょっと感動しつつ最後まで楽しく見ることが出来た。