亡き妻の思い出とともに生きるジョン・ウィックシリーズの第4弾、ジョン・ウィック:コンセクエンス。
ただただ亡き妻への思い出を胸に、妻の思い出が詰まった愛犬と愛車の為にNYのロシアン・マフィアに恐ろしい数の銃弾を撃ち込むというシンプルなストーリーだったジョン・ウィックのパート1。
イタリアマフィアの兄弟戦争に巻き込まれそうになるのを断ると、マフィアから自分の家を爆破され仕事を手伝わざるを得なくなるパート2は、伝説の殺し屋は、引退も自分の自由にはさせてもらえないという悲哀に満ちたものだった。
無法地帯かと思われた殺し屋業界だが、ヒエラルキーがキチンと出来ており、「コンチネンタルホテルでの殺しは不可」という殺し屋界の掟を破ったことで、トップの怒りに触れ、全ての殺し屋から命を狙われることになるジョン・ウィックが世界中から狙われる事になったパート3になるジョン・ウィック:パラベラム。
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彼の心の中に生きるのは妻の思い出だけであり、台詞の代わりに聞こえるのは、銃声と激しい息遣いのみという映画が、パート4まで続くとは思ってもみなかった。それも2時間49分という長尺で帰って来たのだ。1作目と比べると約1時間も増えたその上映時間に、妻の思い出活かす為には銃を撃ち続けて自分が生きなければならないという殺し屋の哀しさを感じればいいのだろうか?大団円に向かっているとは分かっていても、その思いは非常に熱くてそしてやや重い。
日本人のシマズ(演:真田広之)と盲目ながらも殺しの達人であるケイン(演:ドニー・イェン)というアジアのアクション界の両巨頭を迎えたアジア観溢れる大阪での戦いから、パリの夜に綺麗に浮かび上がるエッフェル塔を横目に見ながら何時までも終わらない凱旋門の周りの周回ドライブ?、池田屋事件の階段落ちを何十回も繰り返すかのようなサクレクール寺院に向かう途中での瀕死のアクション。どの場面もライティングが綺麗な中、銃や刀の音が響き渡るシーンが続く。弾丸を通さないフルオーダーのスーツを着用していても生きているのが不思議な程だ。
とにかく終わらないアクションの嵐に驚愕し、復讐という感情がどれだけのエネルギーを生みだすのかと、その切なさを感じる。報いを受けたとしても、それが妻への思いに繋がるのなら、それも一種の幸せだろうか。
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エンディングロールのスタントメンバーの人数の多さに驚く。あの凱旋門やサクレクール寺院の場面の様子を考えたらそれも当然か・・・
シマヅの娘を演じるのはシンガーソングライターのリナ・サワヤマ。私は歌声しか知らず、日本語を話している姿を初めてみる。