私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~

2020-11-24 21:17:51 | 映画鑑賞

賭けマージャンを生業にしている母と二人で深センで暮らす高校生の少女。香港で生まれ香港のIDを持ち、香港の学校で広東語と英語で授業を受ける彼女は、広東語を解さない母とは中国語で会話をし、香港では広東語を話す。完璧なバイリンガルだ。

しかし香港に別の家庭を持つ父から貰うわずかな小遣いでは、友人と一緒に計画している日本旅行の資金は捻出出来ない。

バイトを探している彼女は偶然、学生の身分を生かして香港から深センにスマホを運ぶ仕事があることを知る。毎日使っているスマホという身近な物であることと、友人たちがその仕事をアルバイトのようにやっていることを知ってしまえば、ハードルは低い。

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仕事を仕切る女性の気っ風の良さに憧れさえ感じ、運び屋たちのたまり場は、彼女にとって、大事な居場所になっていく。

しかし単なるスマホ運びでも密輸は密輸だ。旅行代金を稼ぐためにアルバイト気分で運び屋をしているはずなのに、一歩深センに入れば、彼女が香港から運んできたスマホは、男たちが何人も群がり金を出して譲ってくれと食指を伸ばす代物になる。

更に彼女が憧れる女性も、要するに手配師だ。誰かがマージンを懐に入れようとしたり、自分の目の届かないところで美味しい思いをすることなどは容赦するわけがない。

学校の屋上から友人と空を眺め、日本旅行を楽しみにしていた彼女が始めたアルバイトは、彼女に楽しさと共に痛みも与え、いつまでも子どもではいられないことを教えるのだ。

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今、映画の中の少女と同じような境遇の若者たちは、自分達の未来をどんな風に考えているのだろうか・・・

邦題は映画の内容そのままのタイトルで分かり易いといえばそうなのだが・・・原題の过春天(過春天)「過ぎた春」の方が色々考え想像させるタイトルだ。

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数年前、香港発日本行の深夜便は北海道に向かう若者や家族連れで一杯だった。映画の中で少女が日本旅行で雪を見ることを楽しみにしていたように、皆厚手のジャケットを手に持ち、寒い日本に向かう事を楽しみにしている人達で一杯だった。

少女が香港の夜景を眺めた場所は、香港旅行で必ず立ち寄る場所の一つビクトリアピークのそばだろう。ピークトラムの駅から少し離れたところは、静かに眺められる穴場になっているはずだ。私も一番最初に訪れた時、ガイドさんに「ここの方がよく見える」と、映画の中で見た場所と似たところに連れていってもらったことがある。

 

映画『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』予告編



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