敵に向けて撃ったはずの魚雷で爆発する潜水艦事故の原因は・・・・という不穏な始まり方をするデッドレコニング PART ONE。
決して国際通貨基金などではなく、不可能な任務を遂行するIMFのミッションは、「全人類を危機にさらす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出す」というミッション。恐ろしさは感じられるものの、なんだかその全貌がはっきりとしないミッションでもある。
イーサン・ハントことトム・クルーズのアクションへの飽くなき探求心を痛いほど感じるのは勿論だが、以前からの因縁で、イーサン・ハントに異常な執着を見せるガブリエルを中心に、以前の上司との複雑な力関係、そしてミッションの遂行も大事だが友情も大事にしたいという悩めるイーサンに、ミッションの遂行を促すルーサーとベンジーとの関係等、今回は以前にもましてアクションに絡めて人間関係の複雑さを全面に押し出されている。
ローグ・ネイションでの華麗なアクションが記憶に残るレベッカ・ファーガソン演じるイルサを始め、上手に手際よく人を騙す事で生きて来たが為にイーサンと共に逃げる事になるグレース(ヘイリー・アトウェル)、なんとも本心が見えない武器商人のホワイト・ウィドウ、そして切れ方が半端ない金髪の殺し屋等、女性たちも多彩だ。皆、見せ場があり、それぞれ自らの意志で選択し、それ故イーサンとの関わり方も印象的だ。そしてその女性たちを輝かせつつ、自らも光り、走る事を止めないイーサンことトム・クルーズ。時々アップになる顔に年齢を感じさせつつも、その肉体の動きに衰えは全く感じられない。
とにかく見る人に楽しんで欲しいという思いが感じられるので、その思いを全力で受け止めたいと思い楽しんだ163分。それでも前後編になってしまったのは、やり残したくないという思いの表れだろう。私はもう一度楽しめると思い、この手法を前向きに受け止めている。
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ローマでは狭い路地で黄色のフィアットを操り、コロッセオの前を走り抜ける。1万3000回も練習したというバイクで谷底に落ちるシーンはノルウェーのムーレ・オ・ロムスダールにある山の断崖絶壁。私には世界各地で繰り広げられるアクションシーンも楽しみの一つだ。